キタガワのブログ

島根県在住のフリーライター。ロッキン、Real Sound、KAI-YOU.net、uzurea.netなどに寄稿。ご依頼はプロフィール欄『このブログについて』よりお願い致します。

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

精神的弱者にとっての2021年最大の発見、変態紳士クラブ“YOKAZE”の歌詞について

こんばんは、キタガワです。 「今年最も聴いた曲は?」と質問された時、決まって答えに窮する。日々様々な音楽を聴いている身としてはひとつに絞ること自体ナンセンスであるし、そもそも同じくらいの熱量を持って聴いた音楽だけで何十個もあるのだ。かと言っ…

来年を指し示す王将

「ただ今ご予約いただいたお客様優先になっておりまして。カウンター席ならすぐご案内できますがいかがいたしましょう?」 家族連れでごった返す店内を見て、思わずタイミングを誤ったと後悔する。……今日は12月29日、年末年始はゆっくり過ごすことが世間一般…

個人的CDアルバムランキング2021 [15位〜11位]

こんばんは、キタガワです。 音楽を聴く人、そうでない人の格差が急激に広がりつつある現在、「音楽の存在意義って何だろう」と考えることが時たまある。そもそも生活にとってさして重要ではないとされるそれを定義するのは野暮だけれど、ひとつ間違いないこ…

『M-1アナザーストーリー2021』を観て、錦鯉の優勝に改めて泣けてきた

こんばんは、キタガワです。 自分の暮らす島根県ではM-1が観られない関係上、隣県の広島に赴き、1泊1200円のホステルで観た去る『M-1グランプリ2021』。それまで爆笑しながら観ていたけれど、思わず錦鯉が優勝した瞬間に叫んでしまい、その後の優勝者インタ…

BiSHの解散発表に納得している人、していない人

こんばんは、キタガワです。 「BiSHは2023年をもって解散いたします。2022年、最高な年にすることをプロミスします。よろ。」……これまで解散速報がメディアにすっぱ抜かれるたびに嘘であってくれと願っていた情報が、遂に公式から発表されたのが去るクリスマ…

個人的CDアルバムランキング2021 [20位〜16位]

こんばんは、キタガワです。 ソーシャルディスタンス、マスク生活、日々増加する感染者数。思えば昨年の2020年は未曾有の混乱に翻弄され続けた1年だった。生活を下方修正しないためにどう動くのか、変わり果てた日常で何に重きを置くのか。趣味だ生き甲斐だ…

【お笑いライブレポート】M-1グランプリ2021 決勝体験ライブ@草月ホール

こんばんは、キタガワです。 錦鯉の感動の優勝で幕を閉じた、去る『M-1グランプリ2021』。当日の大爆笑と感動は、おそらくお笑いファンの大多数が録画している映像とYouTubeで公開されている公式動画を観れば一目瞭然だが、後日もうひとつのM-1グランプリが…

ライブという娯楽は本当に不要不急なのか?

松江駅から揺られること3時間。広島バスセンターへ到着した僕は、ロックバンドのシールが貼り付けられたキャリーバッグを降ろした。平日であるためか人は疎らで、外では遠路はるばる来た僕を歓迎するように、パラパラと小雨が降っている。……待ち望んでいたこ…

自叙伝『くすぶり中年の逆襲』から見る、錦鯉・長谷川と渡辺の貧乏生活とM-1優勝

こ〜んば〜んは〜!キタガワです。 紙吹雪が舞い散る中ひとり涙を流す長谷川を観て、思わずもらい泣きしてしまった。6017組という過去最多の出場者を集めて幕を開けた去る『M-1グランプリ2021』の頂点に立ったのは、長谷川雅紀と渡辺隆から成る結成9年目のお…

【ライブレポート】KANA-BOON『Re:PLAY TOUR 2021-2022』@広島クラブクアトロ

こんばんは、キタガワです。 「広島、ただいまー!」と叫んだ谷口鮪(Vo.G)の姿に、思わず笑みが溢れる。本当にKANA-BOONは、谷口は、元気に戻ってきたのだと……。谷口の体調不良により活動を休止したのが昨年の10月。復帰したのは今年の4月だから、KANA-BOO…

【ライブレポート】ずっと真夜中でいいのに。『果羅火羅武〜TOUR』@広島上野学園ホール

こんばんは、キタガワです。 本通りからアストラムラインに乗り、数分。アナウンスが白島駅への到着を告げると、それまで別々の場所で揺られていた人々が一斉に降車した。よく見ると年齢層は若く、各々『うにぐりくん』のキーホルダーや様々な色の缶バッジを…

【ライブレポート】Perfume『Reframe Tour 2021』@広島文化学園HBGホール

こんばんは、キタガワです。 Perfume Official Site ライブ終了後、「自分は一体何を観ていたのだろう」とふと考える。これまでは都市部で開催され、その都度多くの反響が寄せられていたPerfumeコンセプトライブ『Reframe』待望の広島公演。これまで多くのラ…

【ライブレポート】安部勇磨・中納良恵・原田郁子・向井秀徳アコースティック&エレクトリック『HIROSHIMA CLUB "Q"UATTRO 20th Anniversary "New Now" BABY Q 広島場所』@広島クラブクアトロ

こんばんは、キタガワです。 ここ数ヶ月間、広島クラブクアトロでは設立20周年を記念したライブイベントがいくつも企画された。The Birthdayやストレイテナー、四星球、10-FEET……。主に同会場への関わりが深いアーティストを中心としてブッキングされたこれ…

向井秀徳との疑似恋愛ストーリーを体験できる、CHAIの新曲“ACTION with ZAZEN BOYS”に酔え

こんばんは、キタガワです。 動画を再生した瞬間から最後まで、ここまで笑いが止まらないMVを観たのは随分久々なような気がする。前向きな精神性で海外人気も上昇中のポップマイスター・CHAIと、放浪的にロックを鳴らすNUMBER GIRLとZAZEN BOYSのフロントマ…

麻倉もも“ピンキーフック”にまぶされた、あざと可愛い表現について

こんばんは、キタガワです。 今やアーティストには第一義とされている音楽性はもちろん、多様性も広く求められる時代になった。パブリックイメージ、格好良さ、スタイル。いや、それは少し意味合いが違うかもしれない。人を惹き付ける力を持つ人物にはそれに…

どん詰まりの死にたい夜の中で

辛くて、逃げたくて、死にたくて仕方が無い人間の気持ちについて、推し量ることの出来る人間は少ない。「そんなこと考えんなよ」「相変わらず暗いな」と直接声を掛けてくれる人がいればまだ良い方で、実際はなあなあにあしらって本人に聞こえないように、さ…

Nintendo Switch Onlineに追加された『マリオストーリー』に、思った以上に涙腺を刺激された

こんばんは、キタガワです。 幼少期よりゲームに勤しむ経験をしてきた人間なら誰しも、ふと「あのゲームもう1回やりたいな……」と思ったことがあるはずだ。ニンテンドー64、ゲームキューブ、PS2、PSP……。今より画質もシステムも良くなかった関係上、今考えれ…

ザ・クロマニヨンズのヒロトとマーシーが綴る適当な歌詞の数々は、何故これほど心を揺さぶるのだろう

こんばんは、キタガワです。 ひとつ。ザ・クロマニヨンズを語るとき、その多くは甲本ヒロト(Vo)と真島昌利(G)の圧倒的な存在感に言及する。縦横無尽にステージを駆け回りながら、爆音の海を切り裂く歌声で魅せるヒロト。対して、THE BLUE HEARTS時代も含…

音楽文アーカイブ記事移行のご報告と、この4年間のキタガワという人間の歩みについて

こんばんは、キタガワです。 音楽文 powered by rockinon.com – 「音楽について書きたい、読みたい」音楽専門投稿サイト 先日から少しずつ、これまで4年間書き溜めてきた音楽文の記事の移行を始めた。……が、上から下までビーッとコピーし、下書きファイルに…

デーモン・アルバーン率いるGorillazというバンドの実体、その全て

こんばんは、キタガワです。 「世界的に有名なバンドって誰?」と問われたとき、おそらく挙がる名前はグリーン・デイやレディオヘッドなど千差万別だろうが、この問いを「世界的に有名な『覆面』バンドって誰?」に言い換えたとき、答えはひとつに絞られるに…

RADWIMPSが綴る“SUMMER DAZE”の歌詞で思い返す、それぞれのコロナ禍

こんばんは、キタガワです。 去る11月23日、RADWIMPSにとって自身10枚目となるニューアルバム『FOREVER DAZE』がリリースされた。かねてより彼らの音楽に親しんできたファンはもちろんのこと、チャート成績もオリコン初登場3位と好調であることを考えると、…

遠征

11月某日、僕は広島に赴いた。新型コロナの影響で思うように遠征が出来なくなって約2年。これまで毎月当たり前のように見ていた風景は、猫カフェが出来たりフタバ図書が消滅していたり、ガラス張りの喫煙所が出来たりと多少の変化もあったが他は概ね、自分が…

胃腸炎患者が新型コロナウイルスの抗原検査を受けてきた話

こんばんは、キタガワです。 言いようもない違和感が体中を襲ったのは、突然だった。いつも通りの機械的なレジ打ちもどこか身が入らない。どころか、自分が何を話しているかも何をスキャンしているかも、よく分からない時間が続いた。ただ、「多分何かの風邪…

『M-1グランプリ2021』準決勝動画配信を観て、「何故この9組に決まったのか」との疑問が氷解した話

こんばんは、キタガワです。 記念すべき『M-1グランプリ2021』の決勝進出者が発表されたのは、12月2日。結果はご存知の通りインディアンス、真空ジェシカ、モグライダー、ゆにばーす、ロングコートダディ、オズワルド、錦鯉、もも、ランジャタイら芸風も経歴…

無期限活動休止を発表した伝説的VTuber・キズナアイの楽曲に見る、ハッピーの可視化 

こんばんは、キタガワです。 YouTuber。お笑い芸人。タレント。果ては音楽経験一切なしの一般人まで……。ここ数年の流行音楽は改めて見返すと明らかにジャンルレスなものに変化。そうした新たな布陣に名クリエイターも集結してしのぎを削る、音楽戦国時代とも…

『死にたい 夢 年齢 理由』

人生はまだまだ続く。いや、『続いてしまう』というのが意味としては正しいのかもしれない。どうせ明日になれば取り繕った笑顔で「おはざすー」と月収15万のバイト先の同僚と関わるだろうし、悩みを相談されれば「何とかなるから大丈夫よ」と他者を励ますに…

『M-1グランプリ2021』決勝進出者発表に寄せて

こんばんは、キタガワです。 GYAO独占放送内で、決勝進出者が発表されるのは21時40分。それまでの間、僕はずっとツイッターを眺めていた……。理由はただひとつ、この発表の少し前に行われた準決勝のウケを確認するためである。TLを見る限りではどうやら準決勝…

にっくきゆう“ネッコに顔を踏まれたい feat.初音ミク”で改めて知る、サビメロの重要性

こんばんは、キタガワです。 サブスクとYouTubeの急激な発達により、1曲単位の破壊力がブレイクの最重要要素となりつつある音楽シーン。その中でも令和に入った辺りから広く音楽評論家たちの間では叫ばれるようになったのは『サビに早く辿り着くことが出来る…