キタガワのブログ

島根県在住のフリーライター。ロッキン、Real Sound、KAI-YOU.net、uzurea.netなどに寄稿。ご依頼はプロフィール欄『このブログについて』よりお願い致します。

BiSHの解散発表に納得している人、していない人

こんばんは、キタガワです。
 

「BiSHは2023年をもって解散いたします。2022年、最高な年にすることをプロミスします。よろ。」……これまで解散速報がメディアにすっぱ抜かれるたびに嘘であってくれと願っていた情報が、遂に公式から発表されたのが去るクリスマスイブ。かねてより応援を続けてきた清掃員(BiSHファンの俗称)としては当然悲しい気持ちが上回ったものの、妙に納得してしまう自分もいることに気付いてしまったのは、一体何故なのか。

 

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率直な思いとして、BiSHの活動はコンスタントでありながら、どこか吹けば飛びそうな刹那的な雰囲気も纏っていた。特に2018年〜2019年あたりの勢いはまさしく怒涛で全国ツアーや新作リリース、メディア露出など方向的にも一般層を取り込む動きが増え、いちファンとしても「今年はやる気だな」と感じる場面は一度や二度ではなかった。もちろんこのシャカリキさの理由は今となっては2023年の解散が確定していたためで、それに至るまでの道程を形作っていたことになるのだが、とにかく。結果としてこれらの活動はプロデューサー・渡辺氏の思惑通り『人気絶頂の最高のタイミングで解散する』を体現するものとなったのは、流石と言わざるを得ない。


ただ、今回の解散を完全に納得しているファンは間違いなく少ない。それこそ解散についてBiSHメンバー各自からのコメントならば、年末の紅白歌合戦なり2022年から行われるツアーなり、音楽雑誌のインタビューなりで今後語られることと思う。しかしながらその決定をある下した渡辺氏の真意を、我々が知ることはおそらくないのだ。……というのも、「正直私は解散に賛成できなくて。やっぱりBiSHは6人で1人の人間みたいなものだから私が心臓だったとしても、心臓だけがそこにあっても動けないんです。(BiSHの)誰かひとりでも解散しようって言うんだったら、それがBiSHの道なんだと思って」とチッチは動画内で語っていたけれど、その判断に至ったのは当初プロデューサーの渡辺氏だけだった訳で、メンバーの誰かが「解散したい」と切り出してはいないのである。故に渡辺氏がBiSHにとって本当に大切な人物であるならいざしらず、もしも我々の思うよりももっと強い強制的な立場の進言によるもの……それこそ会社の社長クラスの人物が放つ強制的な人事異動に似たようなものなのであれば、個人的にはとても悲しく思う。

 

BiSH iS OVER! -解散の真相- - YouTube


では対する納得している人側の意見はどうかと言えば、おそらくそれは「解散しそうな雰囲気はあった」とする極めて抽象的な理由ばかりだろうと推察してしまう。これはBiSHの前身グループであるBiSが短命の活動だったこと、そして感情を露わにするある種自傷的なイメージもあるライブパフォーマンスが大きく影響していて、それこそライブでは息を切らせながらMCを行う彼女たちの姿を見るたびに「最高!」と諸手を挙げて楽しむ反面、「頑張って」と全力で応援してしまう対象的な雰囲気が同程度フロアに存在していた。解散するしないのどちらの意見も分かるからこそ、この決断を受け止めるのに時間がかかってしまうのだろう。……そもそも、こうした無意味なことを考え続けてしまうのも、我々がBiSHに多くのことを与えられ過ぎた代償であるとも考えなくはない。生きていればそれだけで無問題。絶対に報われる時が来る、等々。BiSHに依存していて、その実BiSHがいなくなった時のことを何も考えていなかったリスナーサイドにも責任の一端はあるのかなあという気もしている。

 

BiSH / プロミスザスター[NEVERMiND TOUR FiNAL @ ZEPP TOKYO] - YouTube


他にも言いたいことは山ほどある。全国ツアーを全通したファンやメンバー個人とチェキを撮った人……。それはBiSHを愛するが様々な人の存在を直接知っているからというのもあるが、今はただこの決断を前向きに捉え、来たるメンバーからのメッセージを座して待つ他ないのがもどかしい。おそらく、解散発表後の公の第一声となるのが年末の紅白歌合戦。披露される楽曲は“BiSH -星の瞬く夜に-”でも“オーケストラ”でもない、約束や誓いを表す意味を込めた“プロミスザスター”。一体どのような発言が飛び出すのかを楽しみにすると共に、是非とも今年一番の最高の祭典であるこの番組で、2022年に向けて更なる認知を広げていってほしいところだ。そして残された我々は、2022年のBiSHの歩みを全力で応援する以外にない。信じよう。BiSHがもたらす新しくも最後となる素晴らしい景色を。