キタガワのブログ

島根県在住。文筆。rockinon.com外部ライター等。

【ライブレポート】KANA-BOON『Re:PLAY TOUR 2021-2022』@広島クラブクアトロ

こんばんは、キタガワです。

 

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「広島、ただいまー!」と叫んだ谷口鮪(Vo.G)の姿に、思わず笑みが溢れる。本当にKANA-BOONは、谷口は、元気に戻ってきたのだと……。谷口の体調不良により活動を休止したのが昨年の10月。復帰したのは今年の4月だから、KANA-BOONの活動としては約半年ぶり。更に広島ライブとしては約3年ぶりであり、言わば今後のKANA-BOONの試金石として位置する感動的な代物だった。なお広島公演では特段語られなかったものの、他公演では今回のツアーについて谷口から箝口令が敷かれていたとされる。そのため今記事ではネタバレになりかねない類いのもの……具体的にはセットリストや重要なMCといった情報は極力省いて記載することを、予めご了承願いたい。


今回のライブに参加するにあたってファン抱く感情は様々だったことと推察するが、彼らがツアータイトルを再スタートの意味も込めた『Re:PLAY TOUR 2021-2022』と題したことからも、少なくとも『今のKANA-BOONはどのような状態にあるのか』という事実確認だけは、絶対に行う必要があったと思う。メンバーの元気そうな顔を見たい。セットリストはどう変わるのだろう。演奏はいつも通りなのか……。そのひとつひとつこそ些細なことに過ぎないけれど、これまで長期的な活動休止もなく奔走してきたKANA-BOONだからこそ、今回のツアーは重要な位置付けだった。


以上のことを踏まえて、広島公演。結論から言えば、全てのファンを大満足させる空間がそこにはあった。特に驚いたのはセットリストで、KANA-BOONからのファンに対する思いをしっかりと感じさせる盤石な構成に震える。もちろん人それぞれKANA-BOONと出会った1曲は違うし、ライブ求めるものも違う。ただ本当に全てのファンに満遍なく興奮を行き渡らせる姿勢が今回のライブにはふんだんに詰まっていた。少なくともKANA-BOONに少しでも興味を持っている人はツアー参加はマスト。人によってはもしかすると、過去最高のKANA-BOONが観られるかもしれない。


谷口、古賀隼斗(G)、小泉貴裕(Dr.以下こいちゃん)、サポートメンバーのマーシー(G.夜行性のドビュッシーズ)の4人の掛け合いも見事の一言で、全員が前を向いてドカンと音を鳴らす、ライブハウスならではの音圧の深みを最大限利用した爆音のパフォーマンスは圧巻だった。メンバーと観客との距離が近いのもライブハウスの利点だが、こちらもバッチリで本当に全員の顔も良く見え、仕草ひとつ取っても完全に視認可能。これまでフェス等でKANA-BOONのライブを何度か観て、かなり距離が遠かったためにどこか存在がフィクション的にも思えたこともあったが、今回は別。やはりライブハウスが最もバンドにとっても生きやすい場所なのだなあと、改めて感じることが出来た。


音楽以外にも、KANA-BOONのツアーの醍醐味なのがご当地MC。こちらはおそらく会場ごとに全く異なるものになるので今回の広島公演ならではのMCのみを記すと、こいちゃんが食べた広島むなし(広島で有名な弁当屋)の弁当をゼロカロリーだと言い張って聞かなかったり、谷口が休んでいた間に行っていた古賀とこいちゃんのコンビ・こがこいの活動を「あれってもう活動休止したん?」と谷口が尋ねて「お望みとあらば……」と再結成の可能性を認めたりと、いつも以上にリラックスムードで面白い。思えばこうしたメンバー間の仲の良さを見せ付ける一幕も随分久々だったので新鮮だ。


そして今回のツアーでは我々がこの活動休止中、ずっと気になっていた『あの件』についても谷口は語ってくれた。実際『あの件』は長らく様々なメディアで谷口に質問され続けていたけれど、谷口はその真実を語らずにインタビューでは敢えて言葉を濁すというか、曖昧な表現で会話を強制的に終了させることが多かった(ちなみに現在、その詳細はWikipediaを含めどの媒体を見ても書かれていない)。なお彼が頑として内容を語らなかった理由はズバリ、このツアーで直接出会ってくれたファンに自分の言葉で伝えたかったからとのこと。気になる内容は是非とも直接谷口の言葉で噛み締めて欲しいし、その後は何と誰もが驚くサプライズもあったりなかったり……。


ライブ後、フロアのあちこちから様々な声が聞こえてきた。「最高だった!」「○○(曲名)やってくれた!」「鮪さんカッコ良かった!」等々。それらの短い興奮の文章は、ファンが今回のライブで何を受け取ったかを雄弁に伝えていた。楽曲もMCも、それらのメッセージ性も全部含めて『Re:PLAY TOUR 2021-2022』はKANA-BOONのひとつの最高の再スタートを確信させる素晴らしいライブ。繰り返すが、2022年以降の新たな旅路の期待値を高める上でも今回のツアーはとてつもなく重要になる。谷口のMC、セットリスト、そしてメンバーの変わらない魅力を確認するため、少しでも気になった人は直ぐ様チケット入手をおすすめしたい。


【KANA-BOON@広島クラブクアトロ セットリスト】
※アーティストの意向により記載なし

 

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