キタガワのブログ

島根県在住のフリーライター。ロッキン、Real Sound、KAI-YOU.net、uzurea.netなどに寄稿。ご依頼はプロフィール欄『このブログについて』よりお願い致します。

雑記

世界が変われよ

「この仕事を辞めたいと思うんです」。そうAさんから伝えられたのは、3月も終わりに差し掛かろうという頃だった。「本当に申し訳ないんですけど、僕にはこの仕事が向いてないと思うので」と語る目と口調で、どれだけのストレスを彼が抱えていたのかは、想像…

下を向いて歩こう

ここ数ヶ月で、いろいろな本を読むようになった。思えば小説とは昔から付かず離れず……。最近では『付かず離れ離れ離れず』レベルで足が遠のいてしまっていたのだが、ようやくである。もっとも、飲酒量が深刻化し「本を集中して読めば酒量が減るんじゃないか…

I LOVE ME

その日は通常通り働いていて、いつものようにアルコールを買って帰路に着いた。帰宅すると直ぐ様プルタブを開けて、酒を胃に流し込む。それから半酩酊状態でゲームやら音楽やらを楽しんで、寝る体制に入り、ようやく気付いた。「そういえば今日は誕生日だっ…

This is 人生

僕は中学・高校時代に、仲の良かった友人を2人亡くしている。そのどちらの友人とも最期に会ったのは僕だったそうだが、何の相談もない突然の出来事だった。両親や兄弟の心痛は計り知れないものがあったことと推察するが、比較すると関係性の低い僕らはと言え…

会社会

「あ、そういえばキタガワくん。僕ね……」 事務作業に追われていた某日の午前、ふと口を開いたのは直属の上司だった。今思えば『普段寡黙を貫く上司が身の上話をしようとしている』という時点で身構えるべきだったのだろうが、その時の僕は何の気無しに対応し…

リコリスリコイル2期

僕が暮らす島根県はもう25年くらい住んでいる身としても、相当な田舎である。バスは1〜2時間に1本しか来なかったり、高齢化率が全都道府県中トップだったり……。何よりエンタメ的娯楽の不足は、若者の都市部流出を顕著なものにしているように思う。かく言う僕…

世界はここで回るよ

……中学時代の友人から、結構な頻度で連絡がある。 友人は現在『奥さんが懐妊してもうじき産まれそう』とのことで、1ヶ月の出産育児休暇を取得している。その忙しさたるや想像さえつかないけれど、どうやら準備を整えるためのお店が完全に閉まった深夜近くの…

2022→2023

2022年が終わった。「今年は早かったですね!」と言ったり、はたまた言われたりする年の瀬ではあったものの、心の中では少し違って。毎日のひとつひとつをこなして、なんとかここまで来た感覚がある。 個人的に最も大きな変革があったとすれば、それは約5年…

『魔法のiらんど大賞2022』、落選のお知らせ

発表の数日前から、何だか嫌な予感はしていた。ただそれは「どうせ自分の作品なんか」というネガティブなものでは決してない。言うなれば単純な経験値の不足と、受賞を目指すための本気度の低さである。……なもんで、駄目だった時は「へへへ、やっぱダメした…

イヤホンのイヤーピースが耳にハマって取れなくなった話

事件が起こったのは、突然だった。思い返せば、仕事から帰宅してビール缶を空けたのは夜の22時頃だったか。スマブラで勝ちが続いたことが伸ばす手に拍車を掛けたのかもしれない。気付けば1本、また1本と空けてしまい、午前2時頃には泥酔状態に陥ってしまった…

ポッポLv.100でポケモンマスターを目指すサトシになりたい

「今日天気いいっすね」 「あ、明日は雨なんすか?いやーキツいすね」 「でも雨の日ってめっちゃ寝れたりしません?◯◯さんって夜寝るときのルーティーンとかあります?」 僕が人に話を振る。相手が答える。それに相槌を打って僕がまた質問する。次は相手が深…

終末時間

『一生懸命』という言葉がある。正確な意味としては『真剣に物事に取り組むこと』とされ、自分が使うよりはむしろ相手側。「一生懸命だねえ」と褒める形で使われることが多いように思う。もちろん、端から見た姿そうだろうから否定はし辛い。でも頑張ってい…

『魔法のiらんど大賞2022』、シナリオ作品賞の予選を通過した話

こんばんは、キタガワです。 先日、とあるシナリオ賞の予選通過作が発表された。最近は意識的に考えないようにしていたため、いつが発表なのかも不明瞭だったのだが、とにかく。自身初のシナリオ作品『裏目と語れ』が無事一次選考を通過しました。初の何かし…

ブログ更新が激減した9月と、新しい活動の話

夏の暑さも落ち着きを見せつつあった9月。ブログの更新頻度はたった1回、ナナヲアカリのライブレポのみに留まった。これは当ブログ開設から5年が経った現在のワースト記録であり、ある意味とても悪しき記録を打ち立ててしまった。 1ヶ月まるまる文章と距離を…

バックファイア

まだ空も明るい17時。予約していた焼鳥屋に向かうと、何故だかとてつもなく閑散としていた。確かに『営業中』の札は掛かってはいるものの電気は点いていないし、中を覗けば段ボール箱が見える。周囲を見渡しても車も停まっておらず、これは何だかおかしいと…

コロナ禍のいろいろ、ライブのいろいろ、衝突のいろいろ

フジロックが終わり、ロッキンが始まり、サマソニが最後を締め括る夏!アルコールも解禁。マスクも取り外しOK。まだまだ規制はあれど、ようやく夏らしい思い出が作れそうな雰囲気だ。 特に先日無料配信された、フジロックの興奮は格別だった。そもそもフジの…

『フジロックフェスティバル2022』を観て泣きそうになった話

フジロックの生配信を観て、何だか泣けてきてしまった。思えば昨年はコロナの爆発的感染を受け、演者側も参加者側もかなりの逆風に晒されたフジロックだった。実際、会場である苗場には「ニュースですっぱ抜いたろ!」というアクセス数目的のメディアが多数…

前日に溜めた書類仕事を含む業務にかまけ、粗方やり終わったのは昼過ぎ。小腹が空いてきたので一旦外に出ると、土砂降りの雨が聞こえてきて驚いた。そう言えば、出勤前に観た天気予報では「午後から大雨被害に警戒」と表示されていた気もするが、こうなって…

音楽やフェスとは無縁の人たちに囲まれる、夏。

眠気眼で飯を食い、髭を剃る。歯を磨いてカッターシャツに腕を通し、仕上げにネクタイをキュッと締めて真っ黒なスーツを装着する。「さあ今日もクソッタレな人生が始まるぞ」……そんな躁鬱入り乱れた感情になりながら扉を開けると、異様な熱気がダイレクトに…

くだらないたられば

「いらっしゃいませー!」 今日も今日とて、ニコニコして過ごす。嫌なことでも何でも、取り敢えず二つ返事で答えて文句を言わなくなったのはつい最近である。そしてその甲斐あってか、周囲の評価もある程度はついてくるようにはなった。けれども自身を取り繕…

コロナワクチンを打った20分後にライブハウスに向かった話

「接種番号23番のかた前の方へどうぞー」。受付の大声で意識を戻された僕は、思わず一瞬自分がどこにいるのか分からなくなり、辺りを見回した。老若男女が椅子に座って、何やら数枚の紙と身分証明書を握る光景。そうだ、僕はワクチンの接種会場に来ていたの…

『いのちの電話』は本当にいのちを救ってくれる存在なのか

某日、大好きな芸人さんが亡くなった。昔から彼が出演していた番組は欠かさずチェックしていて、一時は彼の笑いに勝手ながら助けられていた。あれから数日が経った今でも「嘘であってほしい」とは思うけれど、それについて個人的に何かを書き記すことはしな…

TRICERATOPSと奥田民生の事件に見る、アーティストがステージ上で酒を飲むことについて

こんばんは、キタガワです。 TRICERATOPSの和田唱のツイートを見た瞬間、これまで特段触れられてこなかったナイーブな部分に、遂にバッと火が燃え移ってしまった感覚があった。先日のとある春フェスで発生した不測の事態。後輩であるトラセラ和田が大御所で…

泣かないでロストボーイ

前略、この話(友人をふたり亡くした話)の続き。 ライブが終わったその足で、僕はリョウと会った。大学を卒業してからリョウは東京にそのまま残り、対して僕は地元島根県にUターンしたのでもう長いこと会ってはいない。けれども風の噂でリョウが数日ほど地…

フリーターから正社員になった生活のリアル

「○○さんって家帰ったら何されてます?」……。沈黙を繋ぎ止めるが如き役割を果たすこの質問に対し、未だかつて満足の行く回答を得られた試しがない。少なくとも筆者調べである程度多かったものとしてはYouTubeやゲーム、アニメ等。そして圧倒的大多数を占めた…

アルコールを5杯飲んで泥酔した客にライブを台無しにされた話

こんばんは、キタガワです。 「ライブハウスの利点って何だろう」と、歓声も密集も禁止された最近のライブシーンで、改めて考えることがある。もちろん人それぞれ思う部分はあれど、個人的にはライブハウスの素晴らしさは『誰も置いていかないところ』にある…

友人をふたり亡くした話

常日頃から、死にたいと心から思っている。こうした気持ちを不特定多数が見る媒体で綴ってしまうのは良くないとは分かっているけれど、それでも。このストレスだらけの生き地獄のような人生に価値を見出だせないし、何より、そんなことを考える自分が今日も…

カネか自分か、自分かカネか

新しい職場で働き始めてから早いもので、数日が経過した。勤務前こそ一抹の不安も過ったものだが、有り難いことに人間関係的にはストレスフリーな環境に身を置いていると思う。もちろんまだぺーぺーなので肉体的にはハードだけれど、それでも。これまで約5年…

魅惑のデスドライブ

その日、僕は本気で死を覚悟していた。昨晩は緊張で眠れず、いざ行かんと意気込む裏側では「何かあったら終わりだ」と心が叫ぶ。電話口から爆笑と共に延々続くグループ通話に参加していたふたりは、顔面蒼白な僕をよそにあっけらかんとした口調で「じゃあ家…

無いのはライブだけ

バイトを辞め有給消化期間に入ってから、早くも10日が過ぎた。未だにどう過ごすのが正解なのかは不明だが、これまではずっとダブルワークをしていたりもしてバイトバイトの生活だったので、取り敢えずは忙しさにかまけて今まで出来なかったことをやっている…