キタガワのブログ

島根県在住。文筆。rockinon.com外部ライター等。

『死にたい 夢 年齢 理由』

人生はまだまだ続く。いや、『続いてしまう』というのが意味としては正しいのかもしれない。どうせ明日になれば取り繕った笑顔で「おはざすー」と月収15万のバイト先の同僚と関わるだろうし、悩みを相談されれば「何とかなるから大丈夫よ」と他者を励ますに違いない。それが回り回って、自分の首を絞めていると気付いていてもだ。


僕は日々、強い自殺願望を抱いている。これについては『雑記』のカテゴライズで当ブログで様々に綴ってきた通りではあるが、そう考える理由を辿ってみると、今後の人生に少しも希望がないことが大きな要因となっている。人並みの生活を送ることが出来るような収入源も、将来を楽しみにするような相手も、そもそも楽しいと思えるイベントさえ、今の僕にはほとんどない。確かに生きていればいろいろな出来事は起こり得る。けれど、それすらも特段の感情を抱かなくなってしまった。今の僕は言わば、さっさとこの世からおさらばしたいと考えている欠陥品に近い。


そんな僕は現在も僅かながら、物書きとしての活動を行っている。無論、最終的な目標に据えているのはアルバイトもせず文章1本に絞っての収入確保で、その域に達することが出来た瞬間に、僕の心から死にたさは少しばかり薄れてくるのだろうと思う。ただこれまでの5年間で奔走してきた結果、やはり自分には不可能なのだろうとも考えるようになってしまった。


もう思い出すのも昔の話だが、かつての自分は正式にライター仕事を頂いていた。現在では実質的なクビ宣告をされるに至ったため今後記事を書くこともないのだろうが、実りのある日々をお陰様で送らせてもらったので、本当に関係者の方々には感謝をしている。しかしながらその日々ははっきり言って、自分の人間的な欠陥さと、社会的行為の不出来さを突き付けられる辛い代物でもあった。


例えば電話。電話前にまずはしっかりと伝えたいことを紙にズラッと書くことから、準備は始まる。これに関しては別段大したことはないと思うのだが、問題は電話そのものの対応だ。というのも、相手方へのダイヤルを何度も何度も確認して発信して相手が電話に出る。そしていろいろと話をして、電話を切る。……その間の記憶が、僕にはほとんど残っていないのだ。「相手の気分を害さないようなことを言わなきゃ」「これとこれは絶対に伝えないと」と考えている中でも、相手からは当然いろいろな内容がラリーとして飛んでくることが、僕にとっては極めてハード。結果自分の言いたいことも満足に言えず、更には相手方からの「じゃあ〇行目の〇〇の表現をこうお願いします」という内容についても「どの行のどの表現をどう変えれば良いんだっけ」となってしまい、再度連絡して呆れられることも多くあった。


極め付けは、担当者の方とのメール。一度「嫌な印象を与えてしまったらどうしよう」と思うともう止まらない。敬語のひとつひとつを徹底的に調べ、二重敬語になっている箇所と結びの言葉など、おそらくはほぼほぼ早期のメールでは重要視されないであろう事柄をずっと考え続け、結果1通のメールに対して1時間近く返信を悩んでしまうことも多々あった。ビジネスメールはスピードが命とよく言われるが、それがまず出来ない。正直伝えたいことは友人間で言うところの「了解です!じゃあまたメールします!」というような簡単な内容で済むのだが、それが最終的には「表題の内容に関しまして委細承知致しました。ご多忙のところ誠に申し訳ありません、原稿が完成し次第再度ご連絡致します。本日はお忙しい中返信頂き、誠にありがとうございました」となってしまうので、原稿以上にメールを考えることで疲れてしまうことも。しかもそれが何通も連続して来るものだから、特に執筆時は神経をすり減らす日々が続いた。


『社会的行為の不出来さ』の面も、かなり辛かった。これは通常社会人であれば当然の行為を指すのだけれど、僕はそもそもこうしたことが出来ずにバイトも10ヶ所以上もクビになっている人間なので、順応出来るはずがない。「メールは返信から〇分以内」「深夜の返信はNG」、「報連相をしっかり」といった当然の行為はもちろん、個人的にはやはり精神面での不調さが強くあった。冒頭でも綴った通り、僕は基本的に死にたい願望を抱えていて、その衝動が増えることはあれど減ることはない。……つまりは『めちゃくちゃ頑張ろうと思った1時間後には死にたさで筆が進まない』ことも当たり前にあるため、これが何日もかけて記事を完成させる仕事には絶望的に合わなかった。なおその中には「依頼されたからには何とか良いものを!」という思いも存在していたので、余計に精神が毒されていったのは自分の最悪な欠点と言えるだろう。メールに疲れ、毎日精神を病み、それでも何とかやらなければならない……。それは分かっているが、そんな状態では書ける記事も満足に書ける訳がなく、結果依頼者様には本当にご迷惑をおかけしたと思っている。


ただそれ以上に絶望したのは、「こんな人間どこも雇いたくなくね?」という今後の人生の展望のなさだった。物書きとして食べていくには、お金がいる。お金を得るためには、依頼を受けるしかない。依頼を受けるには、多くの結果を出すしかない。多くの結果を出すには、毎日クオリティの高い記事を作り続けるメンタルが必要……。僕はこの数年間、これらのどこかでポッキリ折れてしまうことが依頼を受けたり応募したりする中で肌感覚として理解できていた。故に絶望ばかりが頭を巡り、実際2020年あたりはアルコール依存症になったり、ろくすっぽ文章を書けない日々も続いていた。そりゃあこんな人間に仕事は来ず、来たとしてもどう転ぶか分からない。


そうしたあらゆることに思い詰めながら、いつしか僕は良い歳のオッサンになった。まだ辛うじて夢は諦めてはいないが、どこかのタイミングで切れてもおかしくない程か細い糸である。ひとたび『夢 実現』と調べれば「前向きに挑戦できる人だけが成功します」と書かれ、『年齢 夢』と調べれば「20代の早いうちに諦めろ」と諭され、挙句の果てには『死にたい』と調べればいのちの電話窓口に通される……。もはや人生は暗黒でしかないが、それでも生きるしかない。今できるのは、今後の素晴らしき日々を願って目の前のことをやり続けるのみである。

 


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