ライブレポート
12月24日、世間はクリスマスムード一色。ただ唯一この場所だけは、全く違う喜びに満ち溢れていたように思う。羊文学による恒例イベント『まほうがつかえる』。その最終日となった大阪公演には、世間一般の人とは別に「このライブでクリスマスを締めよう!」…
ライブが終わって数日経つが、今でもフワフワしていて掴みどころがない、というのが正直な気持ちとしてある。言葉を食べながら、サウンドと映像の海を泳ぎ続けたあの時間は……そう。例えるなら、回遊する魚になったかのようだった。あれは音楽ライブだったの…
今思い返せば、2024年はアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の動きに熱視線が注がれる年だった。実際にアニメ自体が終了したのは、一昨年ほど前のこと。ただ今年は新たな試みとして劇場総集編『ぼっち・ざ・ろっく! Re:』を、その数ヶ月後には後編となる『劇場総…
2年ぶり。指折り数えて2年ぶりである。山口一郎(Vo.G)の鬱病発症に伴い、実質的な活動休止状態となっていたサカナクションによる全国ツアー『SAKANAQUARIUM 2024 “turn”』。それはこれからのサカナクションを語る上で、決して外せないトピックになったのは…
去る5月26日、今や若手ロックバンドの中心部とも言えるマカロニえんぴつによる島根公演が開催された。『マカロックツアーvol.18』とのタイトルに冠されている通り、このツアーは今回で18回目を数える毎年恒例の全国行脚の一環ではある。ただ今回のツアーがこ…
去るゴールデンウィーク、高橋優の弾き語りツアー『ONE STROKE SHOW 〜一顰一笑〜』に足を運んだ。タイトルにも冠されている通り、今回のツアーは高橋にとって初の47都道府県ツアー。それも全公演が『ONE STROKE(ひとつの弦を弾く)』……つまりは高橋優ひと…
【ライブレポート】浜崎貴司 vs. 奥田民生 vs. 岸田繁(くるり)vs. トータス松本 vs. 山内総一郎(フジファブリック)・小泉今日子『浜崎貴司GACHIスペシャル in 国宝松江城2024』
一昨年に行われた伝説のアコースティックイベント『GACHIスペシャル』が帰ってきた!浜崎貴司(FLYING KIDS)が総指揮を取るこのイベントは、元々は『アーティスト同士がギター1本で対決する』をコンセプトに2008年から行われているもので、松江公演は一昨年…
日本のライブシーンにおいて重要なバンドは数多くいるが、その中でもROTTENGRAFFTYの足跡はあまりに大きい……というのは、全ライブキッズに知られるところだ。京都大作戦を含む各種フェスにはすっかり常連、更には全国ツアーも毎年開催。気付けばフェスのバン…
そう言えば、と会場に向かう途中ふと考える。何故なら10-FEETやヤバTなどライブハウスを主戦場とするバンドは数あれど、本来そこに常に名前が挙がるはずのDragon Ashの全国ツアーは、随分久方ぶりの参加のように思えたからである。実際それは事実で、ロング…
完全燃焼。今回のライブを一言で表すとすれば、この言葉しかあり得ない。……そもそもこの日集まったファンも、おそらくは誰も思っていなかったはずだ。演奏曲が1時間半ジャストでなんと28曲、美麗な紗幕もMCも、水分補給やチューニングの時間すらも徹底的に廃…
ヤバイTシャツ屋さんが47都道府県ツアーを敢行してから数ヶ月経ち、今回の広島公演で気付けば終盤戦。通常ではあり得ない短スパンで叩き込まれたスケジュールを消化していく様は『ロックバンドかくあるべし』の感があるが、実際に行うとなるとその過酷さは言…
サカナクションの絶対的フロントマン・山口一郎が精神的な病気を発症してから、もう2年が経つ。その間山口個人としての活動(CMやYouTube配信)こそ行われてはいたものの、サカナクションは活動休止となり、開催予定だったツアーも中止を余儀なくされた。202…
『松山千春が全国ツアーを行う』……。その情報こそ元々彼の年間ルーティーンのひとつとして知られてはいるが、今回が地方都市も含めた大規模なツアーになることは、誰が予想できただろうか。特に今回筆者が参加した鳥取県米子市でのライブは約8年ぶりであり、…
こと日本において八十八ヶ所巡礼は、最も不思議なバンドである。どこをどう弾いているのかも理解不能なギター&ベース、粘っこいボーカルといった楽曲面はもちろん、楽曲リリースは不定期、プロフィールも不明。更にはインタビュー記事も公式SNSもほぼ沈黙と…
現在に至るまで音楽シーンを牽引するロックバンド・ASIAN KUNG-FU GENERATION。彼らはこれまでの活動で様々なアルバムをリリースし、その全てで注目を集めてきたことについては、ここに記すまでもないだろう。しかしながら『今が最強』を具現化し続ける彼ら…
様々なライブに参加してきた自負はあったが、ここまでの熱量を持ったアコースティックライブは観たことがない。……そもそも『銀杏BOYZが全国ツアーを開催する』という時点で相当に久々なのだけれど、なんと今回は長い期間を掛けて全国47都道府県を回るという…
こんばんは、キタガワです。 『人志松本のすべらない話』で一躍脚光を浴びて以降、そのトークの妙に引き込まれる人続出。現在では単独ライブを年に数回行うお笑い芸人・兵動大樹。そんな彼の広島での単独ライブを、遂に観ることが出来た。タイトルは『兵動大…
こんばんは、キタガワです。 広島で行われる、年に2日間のサーキットイベント『SUPER ROCK CITY HIROSHIMA』の季節が今年もやってきた。今回はライブハウスを好きなように巡りつつ、新たな音楽と出会う契機となるこの貴重な日の2日目に参加。ベテランからニ…
こんばんは、キタガワです。 前回の記事に引き続き、今記事ではサマソニ大阪の2日目をレポート!この日の個人的な特徴はと言えば『洋楽フェスにも関わらず、観たアーティストが邦楽オンリー』という点。これは前編にも記した通り、コロナ禍でチケットを持っ…
こんばんは、キタガワです。 会場に到着した瞬間にまず思ったのは「ようやくこの日がやってきた!」という、これまでのイメージの帰結的なものだった。コロナ禍と仕事のダブルパンチでライブになかなか行けない生活が続き、指折り数えてやっと到来したこの日…
こんばんは、キタガワです。 ネット発の音楽が台頭するようになって長いけれど、ここまで謎に満ちたアーティストはいないのではないか。……"SNSで最も使われる音楽"を生み出す音楽プロジェクトであるMAISONdes(メゾン・デ)が活動を開始し、気付けば2年。多…
こんばんは、キタガワです。 瀬戸内海に面する中国地区の山口、広島、岡山の3県を繋ぐ形で開催された、此度の『ONE LINE BREEZE』と題されたライブイベント。アフターコロナの新風的な意味合いも込められたこのイベントは各ライブハウスの店長計3名の共同に…
こんばんは、キタガワです。 「中学生のときにヒダカさんのバンドと出会って、人生が変わった」。「ビークルのライブが人生で初めてのライブ体験でした」……。この日出演したジャパニーズモンタナ、WARACONAら地元バンドは、MC時にそう我々に語ってくれた。20…
こんばんは、キタガワです。 2021年から始まった、『カミオト夜』と題された音楽番組。この番組は「関西発ゆかりの音楽」をコンセプトに毎週放送され、新たな音楽を発掘する上で重要なコンテンツとして位置している。 そんなカミオトは今回初となる試みとし…
こんばんは、キタガワです。 音楽を好きになって何十年も経つが、何かを聴いて「こいつらやべえ!」と感じることは年々減っている気がする。もちろん、何をもって「こいつらやべえ!」とするかは人それぞれだ。けれどもライブハウスに生きるリスナー視点から…
こんばんは、キタガワです。 まずライブ会場に着いた瞬間に驚いたのは、その熱気だった。今回のライブ会場である心斎橋ANIMAは、路上に面したとある一角から地下二階へ進んだ先にある小さなライブハウスなのだけれど、その地上……つまりは通行人が行き来する…
こんばんは、キタガワです。 足しげくライブに通っている人間にとって、よく人から問われることがある。それは「今年観たライブの中で誰が一番良かった?」とする極めて難しいもので、興奮なのかセトリが自分好みだったのかなど、何を基準に『良かった』とす…
こんばんは、キタガワです。 『ヤバTが全国ツアーを行う』。この情報が解禁されたとき、全国のロックファンは歓喜に沸いたはずだ。何故ならヤバTはこれまでも精力的なライブを通して活動を行ってきた存在。よって「ライブがあれば出来る限り行こう!」という…
こんばんは、キタガワです。 年を取ると、12月31日になってもいわゆる『年末感』は希薄になるものだ。せいぜい年末年始の休暇の1日として見なされるそれも良いけれど、やはり音楽好きとしては最後まで音にまみれて終わりたいところでもある。そんな年の瀬に…
こんばんは、キタガワです。 遂に来た運命の冬フェス『COUNTDOWN JAPAN 22/23(以下CDJ)』!中止や規模縮小を経て、今年は3ステージ4日間の開催となったこの日。出演者の多くが開催に際して感動的なMCを語ってくれていたように、音楽好きの我々にとってもア…