キタガワのブログ

島根県在住。目標は音楽ライターであり、ブロガーではありません。

映画『スノーマン 雪闇の殺人鬼』レビュー(ネタバレなし)

こんばんは、キタガワです。

 

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『スノーマン』。字面だけを切り抜いて見れば、さながらRPGのザコキャラのようにも、ご当地のゆるキャラのようにも取れる、実に可愛らしいネーミングだ。「あ!スノーマンだ!スノーマーン!」とスノーマンに近付いてくる子どもが容易に想像できるレベル。


しかしてその『スノーマン』の実態は、殺人を繰り返すサイコパスである。しかもそのどれ殺人も首なし死体だの四肢切断だの、虐殺嗜好というのだからたちが悪い。前述した「スノーマーン!」と近寄る子どもがもしも存在するならば、間違いなく近日中に帰らぬ人となって発見されることだろう。


雪原地帯に暮らす主人公(ハリー・ホーレ刑事)は、度重なる殺人事件に関わっていく。その殺人事件というのがタイトルにある『スノーマン』が起こした事件であり、被害者の傍には必ず手作りの雪だるまが置いてあることから、その名が付けられたとされる。


主人公は早速操作を開始する。すると過去10年間の間、女性が失踪した未解決事件が明らかに多いことに気付く。しかし主人公が達した結末は予想だにしないものだった……。大まかなストーリーはこんなところか。


実はこの『スノーマン』は、全世界で累計2000万部を売り上げた書籍『ハリー・ホーレ』の第7作目を映画化したものである。僕自身も以前読んだことがあるが、ストーリー構成や風景描写に大層感動したのを覚えている。

 

……だがこの映画化、個人的にはあまり面白くなかったというのが正直なところだ。まず仕方ないことだが、雪一色で代わり映えのない風景は致命的なマイナスポイント。改めて映画の内容を思い出そうとしても、雪にまみれた場面が多過ぎて「あれってどこだったっけ……」となってしまう。


更にはラストのスノーマンの正体。小説であればその結末に至るまでの道筋や、伏線もはっきりしているため驚きに満ち溢れていたものだが、2時間の尺に収めようとしたからか、その人物に対してほとんど驚きは感じられなかった。


動機も不十分でお世辞にも共感できず、弱い。この手の映画は犯人の正体と動機が全てだと思うのだが、総じてそれらがかなりお粗末。全てが明らかになっても「はあ、そっすか……」と感じて終わってしまった。うーん。


悲しいかな今のご時世、『ミステリー作品の王道』はやり尽くされている。そのため観客に驚きを届けるには相当なアイデアと、それに向けたシナリオが必要になってくるはず。


そうした観測的希望を踏まえて今作を観てみると、良くも悪くも『並みのミステリー』といった印象で、諸手を挙げて「面白かった!」と絶賛するほどではなかった。


まあまあ、という感じ。だが安心してほしい。個人的なワースト1位作品である『リアル鬼ごっこ(監督・園子温バージョン)』と比べると100倍面白いので。

 

ストーリー★★☆☆☆
コメディー★☆☆☆☆
配役★★★☆☆
感動★★☆☆☆

総合評価★★☆☆☆
(映画.com平均評価・星2.5)

 


映画『スノーマン』日本版予告編

映画『TAG タグ』レビュー(ネタバレなし)

こんばんは、キタガワです。


日本男児なら誰しも、幼少期に『鬼ごっこ』という遊びをやったことがあるはずだ。


20歳を超えた今改めて思い返すと、馬鹿馬鹿しい遊びである。タッチされた人は子を追いかけ回し、それをただ半永久的に繰り返すだけ……。


それだけならまだ可愛いが、ヒートアップすると何が何でも逃げよう、タッチしようとする闘争本能が開花し、半ば犯罪一歩手前の危険行為にまで無意識的に手を伸ばす。


僕自身も鬼ごっこを連日楽しんでいたクチだが、足が遅いことから何度も鬼にさせられていた。そこで苦肉の策として僕が行ったのは、足の遅さをカバーする悪どい行為だった。高所から飛び降り石をぶつけ、ブランコの座る部分を投げ付けた。僕は今24歳だが、よくここまで犯罪者にならなかったものだと思う。


今の御時世、最悪の場合少年院送りになること請け合いのこれらの行為だが、当時は「子どもだから」とお咎めなしに終わった。……若気の至りであるのは間違いないにしろ、今になって思えばなぜあれほど夢中になっていたのか皆目分からない。


あれから何十年もの月日が経ち、いつしか鬼ごっこは全く行わなくなった。これは僕だけの話ではない。おそらく20歳を超えた男は皆一様に、鬼ごっこの存在は記憶の彼方に忘却して然るべきなのだ。

 

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……さて、前置きが長くなってしまった。今回鑑賞した『TAG タグ』のストーリーはたったひとつ。『大人版鬼ごっこ』である。


『鬼ごっこ』と言っても、感情に任せて動き回るだけで事が済んでいた子ども時代とは全く異なる。そう。主人公含めたメンバーは立派な『大人』である。会社に勤める役員であり、結婚式を控えた新郎であり、休日にバーに赴く放浪者。


そんな彼らの間には『毎年5月になると全力で鬼ごっこをする』という暗黙のルールが存在する。もちろん世間体は関係ない。不法侵入や深夜、恋人との情事の最中でもおかまいなしだ。


この120分の間には、大人たちのリアルで馬鹿なお遊びがたっぷり詰まっている。「ここまでやる!?」と驚くこと間違いなしの開始のゴングに端を発し、そこからはもうやりたい放題。ファニーでインタレスティングな鬼ごっこが幕を開ける。


映画らしくラストへの伏線もバッチリハマり、総じて海外らしいコメディ映画として完成されている。個人的には『ハングオーバー!』や『イエスマン』に次ぐ名作コメディだ。


あと、全国の子どもたち。絶対に真似しちゃダメだぞ。

 


ストーリー★★★★☆
コメディー★★★★☆
配役★★★☆☆
感動★★★☆☆

総合評価★★★★☆
(映画.com平均評価・星3.8)

 


TAG タグ(字幕版)(予告編)

アマゾンプライムの『本当』のメリットとデメリットを知りたくはないか?

こんばんは、キタガワです。


いつぞや、名も知らぬどこかのコメンテーターが語っていた。「今の若者にとってテレビはオワコンらしい」と。


オワコンとはいわゆる『終わったコンテンツ』の略称で、要するに『時代遅れ』という意味らしい。アナログ放送やWii、ガラケーやソロバン、メールのやり取りや国語辞典……。思い返せば確かに、かつて当たり前のように使われていたあらゆる万物が今ではほとんど使われていない。


そこで改めて、前述した「テレビはオワコン」発言について考えてみる。確かに全盛期に比べれば使用頻度は減った気はするが、「オワコンだ」と決め付けるのは時期尚早というものである。実情を知りたくなった僕はすぐさまインターネットを開き、若者のテレビ離れについて検索してみた。


その結果、意外な事実が判明した。


リサーチパネルの調べによると、今の10代20代の若者は、1日1時間でさえテレビを観ないのだという。1時間。1時間である。昼頃に起き『バイキング』を観てそのまま『グッディ』へと移行し、その日の夜はニュース番組をハシゴして深夜のバラエティー番組でケタケタ笑い転げる僕にとっては、およそあり得ない数字と言える。


しかしながら、テレビを観ない若者の言い分も理解できないではない。『アニメしか観ない』、『地方では番組自体が少ない』という至極真っ当な意見から、『PCの動画サイトで観た方が楽』や『NHKの受信料を払いたくない』といった平成生まれならではの建設的な意見も多く、よくよく読むと確かに筋が通っている。


「テレビ離れ許すまじ」と考えながら記事を読んでいた僕ですら、途中で「確かにテレビいらなくね?」と一瞬邪な考えが脳裏を過るほどには、なるほどと思わされた。


では今の若者にとって、テレビに代わる新たな媒体とは何なのだろうか。もちろんYouTubeや違法アニメサイト、AbemaTVといったアプリは当然として、それ以外にポピュラーとなりつつあるものとは何だろう。

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……結果的に行き着いた答えこそ今回のタイトルにもある、後にメリットとデメリットを丸裸にしようと試みる『アマゾンプライム』であった。


アマゾンプライムとは、資本金80億円超えの世界的有数の会社であるamazonが始めたビデオサービスだ。


アマゾンプライムの売りは単純明快。『月額500円で映画やテレビ番組、アニメが見放題』という点だ。そもそも通販事業においても、ここ日本でトップの人気を誇るamazonである。そのブランド力が決め手となり今では多くの日本人がアマゾンプライムに加入し、テレビに代わる媒体として日々お世話になっているらしい。


……そこで今回は実際に2ヶ月間体験した僕が、そのメリットとデメリットを網羅していきたいと思う。


「まさかamazonの回し者か?」と疑問に感じる読者貴君、安心してほしい。当ブログには残念ながら、amazonのリンクを貼ったり、amazonの加入を促進することで収入を得る手はずは一切ない。そのため今回の記事で僕が得られるメリットは限りなくゼロ。何なら記事を書く手間を考えればデメリットの方が多い。


あの手この手でメリットばかりを語り、アフィリエイト収入を稼ぐブログが大多数を占める世の中ではあるが、当記事においては純度100%、丸裸のアマゾンプライムをお見せしようではないか。


それではどうぞ。

 

 

①マジで見放題

実際に経験した最初の感想としては、「マジで見放題じゃん」だった。


類似するものとしてライブ映像が観られる音楽アプリや、独占放送ばかりが取り沙汰される『AbemaTV』が挙げられるが、それらは「観放題」と謳われてはいるものの、そもそもの動画数が少ない。ジャンル検索したとしても出現するのは微々たるもので、満足の行く結果とは言い難いというのが正直なところだ。


対してアマゾンプライムは、同じ文言を検索したとしても圧倒的に動画数が多い。例えば『お笑い』と検索すれば『M-1グランプリ』や『人志松本のすべらない話』、『探偵!ナイトスクープ』など多数。しかも『M-1グランプリ』は歴代全ての決勝大会の模様が観られるなど、至れり尽くせり。


最近アニメ『ひぐらしの鳴く夜に』にハマっている僕は試しに一度タイトルを検索してみたのだが、普通に全話が無料で観れた。もしTSUTAYAで借りでもしたら旧作レンタルでも1000円超えは確実だろうが、それが全部観れるのだ。素晴らしい。


更には2018年の紅白歌合戦で披露された米津玄師×DAOKOのアレが流れる『打ち上げ花火、上から見るか?下から見るか?』や、僕が個人的に「クソ面白いっす」と吹聴して回っている映画『サバイバルファミリー』ですらフルで観られる。映画館で1800円払って観た僕を殴ってほしいレベルである。


しかもその間、YouTubeでありがちな数秒間の広告や遅延、画質の劣化などは一切なし。一度観始めたら数十分~数時間、そのままの映像美で最後まで楽しむことが可能だ。テレビでよくある「次の瞬間、驚きの展開に!」と流れた後に絶対にCMが挟まれ「し、CMやるんかーい!」と椅子から転げ落ちそうになる人間としては嬉しい限り。

 

②『ダラダラ観れる』という特別感

アマゾンプライムはダラダラ観れる。


僕は基本的にPCでアマゾンプライムを観ることが多いのだが、決まってスマホを一緒に起動する癖がある。そしてツイッターやゲームをしながら、耳から流れる動画の『音』で楽しむのだ。


我ながら贅沢な使い方だとは思うのだが、もしこれがスマホ限定の動画アプリならそうはいくまい。何故ならスマホが動画で塞がるからである。


ラインが来たとしたら逐一動画を閉じなければならないし、少しでも「ツイッター見たいな」と思った際も同様だ。人間というのはあまり意識しないが、突然音が途切れると嫌悪感を感じるものである。


音楽機器から突然イヤホンが外れて無音になった経験は誰しもあると思うが、それと同様の事態がラインが来るたび、ツイッターを開くたび、かなりの頻度で起こる。実際に体験するとストレスフルこの上ない。それがないだけでもアマゾンプライム、グッジョブである。


更にはせっかちな若者向けになんと『10秒送り機能』も搭載。要は『10秒先の動画のシーンに一瞬で飛べる』という代物なのだが、動画を観ていると『どうでもいいシーン』というのは何度か襲い来るもので、例えばYouTubeではその都度下のスクロールバーを動かして任意の場所まで進める必要がある。アマゾンプライムでは、それをワンタッチで10秒先まで進められるのだ。これはありがたい。


僕が個人的にアマゾンプライムで最も推したい箇所こそ、この『ダラダラ観れる』部分だ。PCで観るなら流しっぱなしでいいし、スマホで観るならじっくり。PS4やニンテンドースイッチに繋げば、友人らと共に大画面で楽しめる。しかも違法サイトのように画像の劣化やクソ英語字幕なしで、である。僕は提言したい。ダラダラは何よりも最高の閲覧方法であると。

 

③ここでしか観れない作品も

松本人志が指揮を取った『ドキュメンタル』がその最たるものだが、『アマゾンプライム限定作品』というのが何個か存在する。


これに関してはどちらかと言うとバラエティーやドラマが多い印象なのだが、それでもオリジナル作品の存在は大きい。前述した『ドキュメンタル』に至っては今芸人が最も出たい番組とまで言わしめた名作で、放送コードなしの無差別級『笑ってはいけない』が展開される抱腹絶倒もの。僕自身はこれが観たいがためにアマゾンプライムに入った口だが、それでもお釣りが来るレベルで面白い。


ドラマや映画についても、字幕版と吹替版の両方が選択できたりする。今はまだ数が少ない印象ではあるが、テレビ離れが囁かれている現代、今後は今以上に多くの作品が更新されていくだろうと予想する。

 

……さて、ここまでメリットの話ばかり列挙してきたが、この先はネガティブな要素、いわゆるデメリットについて語っていこうと思う。


加入を迷っている人はぜひメリットとデメリットを見比べていただき、じっくり検討してもらいたい。


①場合によっては割高

当然と言えば当然の話ではあるが『月500円』という金額を高いと感じる人にとっては、アマゾンプライムは一考する必要があるだろう。


例えばゲームアプリに多額の課金をしていたり、アーティストのファンクラブの会員になっていたり……。更には小中高の学生らにとっては500円は痛いだろう。言い方はすこぶる悪いが「動画なんて誰かがYouTubeに上げてくれるだろう」と思っている人も多いはずで、そうした考えが定着している人に言わせれば「加入する意味なくね?」と思うかもしれない(ちなみにYouTube上の違法な動画は観るだけでも違法です)。


後は例えば『ドキュメンタルだけ観たい』という人や、『友人に借り忘れたアニメの3話だけどうしても観たい!』という人にとっても、おそらく割高だろう。月500円と言っても、年間で換算すれば6000円である。……もちろん月単位で解約すればそこまでの出費で済むだろうが、『解約し忘れた』となれば最悪である。


あまりにもズボラな人は一度考え直した方がいいかもしれない。例えば靴下を左右別のを履いていていも気にしなかったり、バスタオルは1週間選択しなくても平気だったり、野菜にはドレッシングかけてもかけなくても別にいいわと思う人などは特に。

 

②最新話は有料の場合がほとんど

かなりのマイナスポイントでもあるので公式ではほとんど語られていないが、『最新話がほとんどが有料』というのは非常に致命的である。


ドラマやアニメを視聴しているとする。最初の何話ならまだ良いが、それこそ現在進行形で放送されている作品や1年以内に終了した作品などは、大半が有料になる。


それこそアニメやドラマに関しては1話からは無料なわけで、どんどんアマゾンプライムで観られる。1話2話3話と進めていき、そして物語が佳境に差し掛かった時点で「はい!ここからは有料です!」と言われるわけだ。


まあ一瞬は「はあ!?」となるだろうが、おそらくあなたは今すぐ続きを観たいはずだ。犯人は誰なのか。恋愛は成就するのか。「有料でも観たい!」と思う人が大半だと思う。


しかしその金額はなんと、1話で300円ほど。通常はドラマであっても、3話収録で1つのDVDに収められることがほとんどである。DVD1枚なら、レンタルセールの日には100円ほどで借りられるだろう。そう考えるとかなり割高な価格という他ない。この部分こそが大きなデメリットだ。


特にドラマに関しては注意が必要で、8割方の作品は後半が有料である。そのためベストな選択としては、30日間の無料期間中に自分が観たい作品をリストに書き記しておき、その作品が有料であると判断できた時点でアマゾンプライムを解約し、TSUTAYAのレンタルなりで済ませるのが最適解だろう。

 

③場合によっては劣る

アマゾンプライムには前述した通りアニメや映画、ドラマやお笑いなどのコンテンツがこれでもかと詰め込まれている。


しかしながら『あなた』が観たいものというのはある程度、ジャンルが固定されているはずだ。


例えばお笑いが嫌いな人もいるはずで、そうした人にとっては「別にお笑いいらんからドラマ充実させろよ」と感じること請け合い。あなたの観たいジャンル次第ではあるが、場合によってはNetflixやdTVといった別のアプリの方が作品数は多くなる可能性すらある。


もっと言うと、もしWi-Fiがない家庭であればスマホで閲覧することはほぼ不可能(通信料がハチャメチャにかかる)だし、支払い金額を両親に把握されている若者や、日頃からスマホで動画を見続けている人に関しては説明に困るかもしれない。


正直なところ、人それぞれの環境による部分はかなり大きい。日本国民全員に勧められるコンテンツでは絶対にないので、自身の環境や作品のラインナップ、時間の使い方などを多面的に考えて答えを出すのが無難だろう。

 

……さて、いかがだっただろうか。アマゾンプライムのメリットとデメリット。


後半にも少し記したが、アマゾンプライムは人それぞれの価値観に大きく左右される。TSUTAYAで借りた方が割安になる場合もあれば、アマゾンプライムなしでは生きられないほど没頭する人もいる。


Amazonの公式サイトでは、現在30日間の無料体験がスタートしている。まずはここから始めてみてはいかがだろう。30日ギリギリまで使ってみて、駄目ならすぐさま解約すればお金は発生しない。お試し期間としてはこれ以上ない厚待遇である。


新たな年号に変わって数ヶ月。今後の日本は今以上にネット動画サービスが主流になるだろう。サービスを使っていない人に対して「時代遅れ」と揶揄される日も近い。その第一歩として、まず手始めにアマゾンプライムを試してみる価値はあると思う。気になった人はこの機会にぜひ一度お試しあれ。

【ライブレポート】amazarashi『amazarashi Live Tour 2019 未来になれなかった全ての夜に』@上野学園ホール

こんばんは、キタガワです。

 

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5月31日、広島上野学園ホールにて、amazarashiのワンマンライブツアー『amazarashi Live Tour 2019 未来になれなかった全ての夜に』が開催された。今回はその当日のレポートを記す。


スマートフォンアプリを用いて検閲を解除するという、前代未聞のライブを展開した武道館公演から約半年。


その間リリースされた楽曲は『さよならごっこ』のシングルのみであり『ツアーはアルバムリリース後に行う』というamazarashiの通例を初めて覆す形となった今回のツアー。


彼らのライブと言えば基本的に、PVが公開されているような代表曲に加えてシングルにおけるいわゆる『B面』に位置する楽曲や、過去のアルバムからのレア曲も多く演奏することから、総じてセットリストが予想出来ないバンドでもある。


しかし結論から述べると、今回のライブはamazarashi史上最も代表曲を網羅する、いわばベスト盤的なセットリストであった。ベストアルバム『メッセージボトル』、最新アルバム『地方都市のメメント・モリ』、更には最新シングル『さよならごっこ』の楽曲を軸に展開する流れはライブ経験者のみならず新規のファンをも満足に導く、いわばamazarashiの魅力を最大限に見せ付ける大盤振る舞いのライブとなった。


会場に選ばれたのは、広島の中心部から電車で3駅ほど移動した先にある上野学園ホール。チケットソールドアウトとはいかなかったが、先行物販の時点で主要なツアーグッズがほぼ完売する驚異の売れ行き。集まった観客の熱量の高さを思い知らされる。


会場内に入ると、まず目を引くのは大型の紗幕スクリーン。ステージは数十メートルはあろうかという薄暗いそれですっぽりと覆い隠されており、背後にあるはずの機材すら伺い知れない。amazarashiのライブではお馴染みの光景ではあるものの、やはりこうして対峙すると明らかに他のライブとは一線を画す異質さだ。


定時を10分ほど過ぎた頃、暗転。ギターを爪弾くアンサンブルの直後、爆弾の如き轟音と共に開幕を飾ったのは『後期衝動』だ。


〈「誰だお前は」と 言われ続けて〉

〈赤字のライブで だるい社会で〉

〈ラジオに雑誌に インターネット〉

〈誰だお前は? 誰なんだ僕は?〉


スクリーンには映像が大写しで投影され、中心にはシルエットで描かれた秋田ひろむ(Vo.Gt)がギターを掻き鳴らし、その頭上からは痛々しいまでの力強いフレーズの数々が文字通りバラバラになって落下していく。


散弾銃さながらに発される言葉の数々、目映い光と爆音、オリジナリティー溢れる映像でもって、意識は異様に覚醒していく。まさに非日常。日本中どこを探してもamazarashiのライブでしか成し得ない、衝撃的な体験がそこにあった。


横一列に整列した5人のバンドメンバーは、前後に設置されたふたつの紗幕スクリーンの存在でもって輪郭がぼやけ、おぼろげにしか判別できない。しかしながら秋田の熱の入った絶唱とバンドメンバーの鬼気迫る演奏は、スクリーン越しにも伝わってくる。


アウトロの最中「青森から来ました、amazarashiです!」と秋田が叫ぶと、観客は興奮と感動の入り交じった大歓声で答えた。


間髪入れずに演奏された『リビングデッド』では、半年前の武道館公演で流れた映像と同じ、言葉を死守せしめんとする言葉ゾンビたちのツイッター上の呟きが次々に表示された。

 


amazarashi 『リビングデッド(検閲解除済み)』Music Video


「もう死にてえ」に代表されるネガティブな表現のみならず、「行きたい方へ自分で行くぜ」といった前向きな言葉すら検閲する新言語秩序(自由な発言を取り締まる自警団)と、彼らに抗おうと自身の思いを発信し続ける言葉ゾンビの応酬が描かれるのだが、その戦いはまるで現代におけるインターネット上での言論統制や日常生活での『人間かくあるべし』といった固定観念を象徴しているようにも思え、目を釘付けにさせられる。


演奏終了後には「言葉を取り戻せ」という最後の呟きが「新言語秩序に違反したため削除されました」という無機質な言葉でもって無に帰すバッドエンドに。この日のamazarashiのライブが初見だった観客も多いはずで、それはかなりの衝撃だったことだろう。暗転後しばらくは無音の時間が続いていたが、観客ははっと我に帰ったようにパラパラとまばらな拍手を送っていたのが印象的だった。


さて、終盤のMCで秋田が語っていたが、今回のツアーは『かつてのamazarashiを振り返る』という隠れた意味合いが込められていたそうだ。


amazarashiのライブでは美麗な映像表現も大きな見所のひとつとして挙げられるが、秋田の発言を体現するかのように、今回使われた映像は半年前の『朗読演奏実験空間 新言語秩序』や、そこから遡ること半年前の『地方都市のメメント・モリツアー』、更には2017年に開催されたベストアルバムリリースツアーである『メッセージボトルツアー』までの映像が大半を占めるという、およそツアーごとに映像を一新してきたamazarashiにとっては非常に挑戦的なライブだったとも言える。

 


amazarashi 『ヒーロー』Music Video


歴代のCDジャケットやPVが断片的に流れる『ヒーロー』、高速道路で終わりなき旅路を表した『スターライト』、マンガとのコラボレーションを果たした『月曜日』(著作権の関係なのか、月曜日の友達のキャラクターは黒塗りで登場)や手書きの文字でifの世界を空想する『たられば』……。歴代のライブに参加したファンからすれば新鮮味は薄いだろうが、とてつもなく高い没入感を覚えるこれらの映像は、amazarashiのライブにおけるひとつの完成形であると改めて感じられ、感動的に映った。


最新シングルに収録されていた2曲が終わると、ゆっくりと秋田が語り始める。


かつて希死念慮に苛まれ、死ぬことばかり考えていたこと。あまりにも空虚な『0の時期』があったこと。そこから1に、1から10に、10から100にするためにがむしゃらに生き抜いてきたこと……。


amazarashiの音楽は全てそうした秋田の辛い実体験を元にして作られているのは周知の事実だが、こうして直接話を聞いていると『音楽』は彼自身が生き延びるために必要な手段であったことがよく分かる。


「数年前のあの頃、わいは確かにゼロでした」と呟き始まったのは『光、再考』だ。

 


amazarashi's "Hikari, saikou" eng translation


〈ぶつかって 転がって 汗握って 必死こいて〉

〈消えたのは この愛着だけかもな〉

〈まあいいか そんな光〉


肉体労働系のアルバイト。動員が増えないライブ。コミュニケーション不随……。そんな東京での下積み生活に精神的に限界だった秋田は地元である青森に舞い戻り、この楽曲を制作した。0からの再スタートの意味合いが込められた、いわば始まりの曲とも言うべき楽曲だ。


スクリーンには『光』の文字が大写しにされ、目が眩むような光が網膜を刺激する。豊川真奈美(Key)の奏でる柔らかなキーボードサウンドとバンド演奏、秋田の歌声が見事に合致し、この日一番の感動的な空間を演出していた。


その後は四方八方からの噴出した煙に歌詞が投影された『アイザック』、突風の中歌詞が周囲を駆け巡る『季節は次々死んでいく』、マネキンが痛々しい最期を迎える『命にふさわしい』と続いていく。

 


NieR: Automata meets amazarashi 『命にふさわしい』Music Video


中でも『季節は次々死んでいく』と『命にふさわしい』はamazarashiの楽曲の中でもカロリー消費量の多い楽曲のため、どうしても喉の調子を心配してしまう自分がいたのだが、秋田の声はいつになく安定しており、魂の叫びとも言うべき高らかな歌声を響かせていた。


映像を投影せず歌と演奏のみでスタートした『ひろ』は、間違いなく今回のライブにおいてのひとつのハイライトであった。


かつて高校卒業後にバンドで上京しようと夢見ていた秋田だが、そのバンドはとある友人の急逝により、事実上の解散に追い込まれる事態となった。


……彼こそが秋田ひろむを秋田ひろむたらしめた重要人物のひとりであり、当楽曲で『ひろ』と繰り返し歌われる、交通事故により19歳で亡くなった友人である。


演奏前、秋田は「あの頃から背後霊に取り憑かれている気がします」と語っていた。その言葉から察するに秋田にとってひろの存在は、苦難の道を進む上でのある種の救済だったのだろう。仕事の失敗で頭を下げ、歳を取るにつれ格好悪い大人になっていく現状を「お前が見たら絶対、絶対、許さないだろう」と絶唱する秋田は天国のひろに叫んでいるようにも見え、改めてこの楽曲の重要性に気付かされた瞬間だった。


『ライフイズビューティフル』終了後は、長尺のMCへ移行。「広島、ありがとうございます」と秋田が呟くと、会場は大きな拍手に包まれる。


「広島に来るのは……3回目くらいでしたっけ。あの頃はアルバムリリースしてからのツアーだったんですけど、武道館が終わって。今回はそういうのなしでやりたいなと思って、こんな形になりました」


自身の伝えたい言葉を限界まで詰め込んだ楽曲群とは裏腹に、ぽつりぽつりと言葉を選びながら話す秋田。鬼気迫る歌唱や壮絶な演奏を観ていると遠い存在にも思える彼だが、MC中は温かな人間味が感じられ、一気に距離が近くなったようにも錯覚する。


特に「広島に来ても毎回ライブしてホテル帰って、食べに行ってっていうのばっかりで、あまり観光とかはできてないんですけど」と笑いながら語る秋田は、今までに観たどのライブよりも穏やかな印象を受けた(顔は見えないけれど)。


「もう少しでamazarashiのライブは終わります」と語った直後に鳴らされたのは、半年前の武道館公演でラストを飾った『独白』だ。

 


amazarashi 『amazarashi LIVE 朗読演奏実験空間 新言語秩序』Trailer


〈奪われた言葉が やむに止まれぬ言葉が〉

〈私自身が手を下し 息絶えた言葉が〉

〈この先の行く末を 決定付けるとするなら〉

〈その言葉を 再び私たちの手の中に〉


秋田が記した小説の第四章において、新言語秩序に加担する実多(ミタ)と、言葉ゾンビのリーダーとして君臨する希明(キア)は直接対峙した。当初描かれていたラストでは、実多は希明の殺害を実行。事実上は新言語秩序側の勝利で収束してしまう。


しかし隠された『第四章・真』なるテキストでは、全く異なる終わりが描かれる。ここでは希明を殺害することはなく、言葉を嫌悪していた実多が自身の思いを吐き出す……つまりは新言語秩序にあるまじき『言葉を殺さない』という選択をする。


彼女が今まで表沙汰にしなかった思いの数々。それが『独白』で描かれている内容の全てだ。武道館公演のコンセプトに沿った作りのこの楽曲が今回鳴らされたのは意外ではあったが、類い稀なる強いメッセージ性には何度聴いても目を見張るものがあった。


秋田が「言葉を取り戻せ!」と絶唱した瞬間には、観客の誰しもが思ったはずだ。「これで今回のライブは終わりだろう」と。しかし次の瞬間、何の前触れもなく始まったイントロに、耳を疑った。


そう。最後に演奏されたのは、なんと未発表の新曲だった。事前告知一切なし。発売時期……というより実際に音源化されるかどうかも未定のこの楽曲こそが、『未来になれなかった全ての夜に』と冠された今ツアータイトルの意味するところであり、同時に『今のamazarashi』が凝縮された重要な1曲でもあったのだ。


Bメロ部分の「一人で泣けば誰にもバレない」、サビ部分における「未来になれなかったあの夜に」に象徴されるように、この楽曲はひたすらに孤独な日常を歌う内容になっており、歌メロ重視で穏やかに進んでいく。既発曲で例えるならば『月が綺麗』や『終わりで始まり』、『ライフイズビューティフル』の雰囲気に近いだろうか。個人的には今後amazarashiのライブにおいて、どんな場面にも対応できる万能型の楽曲という印象を受けた。


ギターのノイズの海に呑まれながら、秋田が語り始める。「未来になれなかった全ての夜に。これでamazarashiのライブは終わりです。また生きて、どこかで会いましょう」。


最後に「言葉にならないことは言葉にするべきです。最後に言いたいことはひとつだけ。……ありがとうございました!」と秋田が叫び、この日のライブは終演した。


……客電が付き『さよならごっこ』の音源が流れる中、会場を後にする。開始から終了まで約2時間。amazarashiでしか成し得ない壮絶な体験がそこにあった。


amazarashiはロックバンドだ。しかしながら彼らのライブは世間一般のロックバンド然とした姿とは一線を画す。彼らのライブが終わった頃には決まって、壮大な映画を観終わったかのような多幸感が体を支配するからだ。


個人的な話になるが、僕は今回のライブが通算で5度目の参加となる。もちろん数年前に体験した数回こそ毎回号泣し映像美にも圧倒されたものだが、正直な気持ちとして、5度目ともなるとある程度感動に慣れてしまっている部分は否めない。


しかしながら、僕は今回のライブはとても良いものに感じられた。セットリストや映像に既視感を覚えたにも関わらず、である。その理由を終演後に考えていたのだが、ようやくひとつの結論が出た。僕は彼らの楽曲の持つ力に支えられてきたのだと。


amazarashiの音楽には『闇』がある。気の知れた仲間や職場の同僚にも絶対に表沙汰に出来ないような、鬱屈した闇が。どこにも吐き出せないそんな闇をamazarashiは許容し、光に変えていく。ライブにおける衝撃はその先にある光の演出や映像美なのであって、根底にあるのは純粋に楽曲の持つ説得力と包容力なのだ。


amazarashiは今後も音源をリリースし、ライブ活動を続けていくだろう。僕はふと「これからもずっとライブに行くんだろうな」と思った。辛いことだらけの人生ではあるが、彼らの音楽を聴き、ごくたまにライブに行くことが出来るのなら、こんな人生も悪くない。


自己嫌悪に苛まれる夜。「ああしておけばよかった」と後悔する夜。死にたい夜……。毎日様々な夜があるが、ひとまず今夜くらいは美味しい酒が飲めそうだ。

 

【amazarashi@広島 セットリスト】
後期衝動
リビングデッド
ヒーロー
スターライト
月曜日
たられば
さよならごっこ
それを言葉という
光、再考
アイザック
季節は次々死んでいく
命にふさわしい
ひろ
空洞空洞
空に歌えば
ライフイズビューティフル
独白
未来になれなかったあの夜に(新曲)

 

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5月のブログの裏話

こんばんは、キタガワです。


もう5月も終わりましたね。なんかとてつもなく暑くて、異常気象を実感する次第です。夏フェスかよっていう。もう夏フェスは時期ズラして今頃開催しても良いんじゃないかとすら思います。


先月は『活動休止期間』としまして5記事しか投稿しませんでした。なので先月の裏話で「来月はそれなりに更新するべさ」的なことを書いてましたが、結果としては合計9記事に落ち着きました。まあ及第点かなと。


6月~8月にかけてはライブのレポートも今以上に書いていくつもりではあるので、今月は15記事くらい目指せればいいかなと思っております。体調次第ではありますが。


それでは5月のブログの裏話、以下からスタートです。

 

 

YouTuberのスパチャが許せない話

スパチャ……いわゆるYouTuberの投げ銭制度みたいなものなんですが、最近これがYouTuberの中で大事な収入源になってるそうで。


要はツイキャスやニコ生みたいに生放送で何時間もだらだら喋るだけなんですが、それらと大きく違うのは「閲覧者が金を与えられる」っていうところで。


僕がこの記事を書いたときはとにかくイラついてまして。僕自身好きで見てたYouTuberがいたんですけど、その人仕事も何もしてないニートなんですよね。で、それは別にいいんですけどだんだん女性軽視やら辛辣なディスやらをかますようになって、「ファン辞めようかな」なんて思ってたわけです。


そんなときに、そのYouTuberがスパチャで絶大な金を稼いでるのが発覚しまして。やっぱりYouTuberっていろんな層の人がいて、金持ちの人とかが1万単位のスパチャをポンポン上げるらしいんですよ。で、結果的に1回の生放送で10万とか稼いでて。


その放送実際に観てみたんですが、中身のないことをダラダラ喋るだけで、スパチャが来た瞬間に「おおー!ありがとう!また俺は金持ちになった!」みたいなこと言ってて、次第に「頑張って動画作ってる他のYouTuberへの侮辱じゃないか?」と思うようになったんです。まあ嫉妬心の部分も強いとは思うんですが、許せなかったですね。


これがまかり通ったら、もう別に動画編集して完成度の高いものを上げる必要もなくなるじゃないですか。今YouTuberが子どものなりたい職業ランキングの上位に入ってると聞きました。これを観て「楽な商売だな!俺もやろ!」とか思われたら終わりなんじゃねえかと。そういったイライラが募って書いた記事です。

 

辛くて死にたいときの曲10選

ブログ開始当初からずっと書きたかった記事です。単なる励ましやポジティブな明るい歌詞ではなくて、『深く弱者の心に寄り添う音楽』をテーマにしました。どん底を這うような。


まずamazarashiの『あんたへ』とそれせかの『シーソーと消えない歌』は絶対に入れようと思っていて、そこから次第に膨らませていった感じですね。本当はamazarashiの曲から何曲かピックアップしようとも思ったんですけど、それだと『amazarashiのオススメ曲10選』になるのでやめました。


この記事を書く背景にあったのは、ポップで明るい曲ばかりが売れてる現状でした。それも悪くはないんですが、個人的には本当に辛い状態のときは明るい音楽聴きたくなくて、逆に同じような境遇の人を励ますような音楽を聴くことが多いので。あれです。WANIMAとか聴いたら逆にイライラするタイプ。

 

物語フェスライブレポ

記事自体は速攻で書いたんですが、書くまでに費やした時間が一番長かった記事です。


まず『地元で物語フェスのライブビューイングがある』という情報を得て。で、僕は化物語の曲は知ってるのにアニメ知らなかったんです。それはマズいなと思ってアニメを全話観ることからスタートしたわけですけど、まあめちゃくちゃ話が多いんですよ。DVDにして20枚くらいですか。


じっくりアニメ観たのは大学以来ですかね。とにかく久々のアニメだったので結果的には楽しく観れたんですが、合計するとかなりの時間をそれに費やしてます。なんせ1週間くらいで消化したので。毎日深夜までアニメ観る生活してました。


この記事で目指したのは『いかにリアルに近付けるか』でした。というのも、僕はこのライブを現地で見たわけではなくて、いわゆるライブビューイングで観まして。今までのライブレポートは全部実際に観た風景描写を切り取って書いてたんですが、それとは逆で「ライブビューイングで観たことをどれだけ現地で観たっぽく書けるか」という一つの挑戦の意味合いがありました。


そこからブワーっと書き続けて、一気に9000文字以上書きました。もう達成感がエグくて。書き終わった後のビールがすごくうまかったですね。もう二度と書けないし、奇跡的な記事になった気がします。


あと本編では書いてないことを書かせてもらうと、新キャラ(忍野扇と老倉育)のキャラソンの盛り上がりがかなり悪くて疑問だったんですけど、後程アニメ観て分かりました。めちゃくちゃ性格悪いんですねあのふたり……。「私はお前が嫌いだ」とか「いや、そうじゃなくて。先輩はどう思います?」とか。そりゃ盛り上がりも薄れるわと。個人的には扇ちゃんは好きですけど、老倉は苦手ですね。絶対シリアスになるし。

 

質問箱回答

半年前くらいに質問箱をツイッターに設置しまして。でもそこから何も触らない期間が半年近くあって、試しに開いてみたらドバっと質問があったので。この機会にやろうかなと思って書きました。


けっこう音楽関係のインタビューに触れる機会があるんですけど、普通ミュージシャンって『次のアルバムの話』とか『ツアーの意気込み』っていう話ばっかりで。なのでたまに話される普段知らない一面とか暇潰しの方法とか見てると、やっぱり一般人の僕としては「おお!なるほど!そういう生活してるんだ」みたいな思いもあって。少し憧れの気持ちがあったんです。そういうインタビュー的なことに関しては。


でもひとつひとつを正規の方法で答えると、どうしてもツイッターのTLを埋めることにもなるので、それは嫌だなと。なのでブログにまとめて、なるべく見やすいように工夫したつもりです。


まあ嫌な言い方をするならこれは「自己顕示欲を満たすためにやった」っていう感じなんですが、面白かったですね。また半年後くらいに見返してみて、50個ほど溜まってたら2回目の記事を書こうかと思ってます。

 

ロックバンドの推し

ビックリしましたね。もうアイドルじゃんっていう。


この記事を書いたきっかけは、KE○TA○Kの缶バッジを全身に付けてキーホルダージャラジャラ付けた人に話しかけたことからです。「え!あなたは誰推しですか!?私は義勝(ベース)です!」みたいなこと言われたときに、何かめちゃくちゃイラついたんですよ。ロックバンドは顔じゃねえぞと。


それこそ綾野剛と山田孝之有するTHE XXXXXX(ザ・シックス)とか、ヒプノシスマイクとか、もっと言うと菅田将暉やディーン・フジオカのファンもそうですけど、「本当に音楽好きでライブ観てるの?」と思うことが多々ありまして。


前に『米津玄師は宗教だ』っていう記事を書いたときにも同じこと思ったんですけど、多分音楽に焦点当てて聴いてない人も一定数いるわけですよ。音楽フィルター通してないというか。


で、それがまだ俳優だったり声優だったりってのは分かるんですけど、ロックバンドで『推し』を言い出すと良くないなと。怒りに任せて書いた記事でした。

 

映画『君に、会いたかった』レビュー

「やっぱり」という感じで、微妙でしたね。あくまで個人的にはですけど。


確か2年くらい前に『たたら侍』っていう島根を舞台にした映画があって、当時は地元の映画館に何メートルも列ができるレベルの現象が起きたことがあるんですよ。それは島根県民的には「うちらの島根県が取り上げられてる!観なきゃ!」みたいな感覚だからだと思うんですけども、結果としてめちゃくちゃつまらなかったんですよ。これも個人的には、ですけど。


僕の中で地雷映画あるあるが2つあって、『イケメンを前面に押し出してる映画』と『ある特定の場所を舞台にした映画』で。この記事の『僕に、会いたかった』はふたつとも満たしてたんですよね。嫌な予感はしました。


あとこの映画記事から、Yahoo映画レビューの平均点も書き加えることにしました。2ヶ月前くらいから、観た映画は星5つまでで評価するようにしてたんですけど、そもそもの指針が欲しい気もして。例えば『シン・ゴジラ』ってかなりの名作と言われてますけど、個人的には星ひとつでもいいかなってくらいつまらなかったんです。かと思えば今回の映画、僕は星2にしてたんですけど平均的には星3.4くらいはあって。


人それぞれなので一概には言えないですが、とりあえずこんな感じで今後は行こうと思います。また逐一変えるかもしれませんが。

 

ちばぎん脱退から見る、バンドマンのお金事情

まあ驚きましたね。それこそ大学時代や去年のサマソニでも何度もライブ観てきたバンドなので。『当たり前にそこにいる』って感覚だったんですよ。だから夏からのツアーはどうなるんだろうなと。


脱退理由は『バンドでは金が稼げないから』っていうことらしいんですけど、本編でも書いたようにバンドってかなり夢のある仕事として勘違いされがちな気もしていて。で、僕自身が元々バンド組んでたり、バンドマンと少しだけ交流があるっていう今までの人生経験で『バンドマンはめっちゃブラック』っていうのははっきりしてたので、これはもう僕が記事書くしかないなという使命感みたいなものがありました。


あと地味に初めてバンド時代の写真上げました(顔は隠してますけど)。当時はまだ10代で、目と耳が完全に見えないレベルのロン毛でした。中心でギターボーカルやってるのが僕なんですけど、この写真撮られたときは確かライブ中にギターの音が出なくなって、途中で演奏放棄しましたね。何かいろいろ酷いライブだったので、ライブ後には誰とも話さずに逃げるように帰路に着いた覚えがあります。


ちなみにセトリはMONGOL800の『小さな恋のうた』とけいおんの『Don't Say “lazy”』、あとはDOESの『修羅』と『曇天』でした。今でも忘れられない青春ですね。


今では元バンドメンバーとは一切連絡取り合ってないので寂しくはあります。解散してからは5年近く経ちますか。結婚したっていう噂もチラッと聞きました。でも彼らは正社員、僕も今は文章書く生活送ってますし、「僕らの幸せはバンドマンではなかったんだなあ」とつくづく思う次第です。

 

映画『サバイバルファミリー』レビュー

ずっと気になってた映画でした。DVDではありますが、やっと観れました。


一度酩酊状態で観てたんですけど、30分くらい経ったあとに「これはシラフで観たいやつだ!」と思いまして一旦中断して、母親と一緒に観ることにしました。したら母親1時間くらいで寝てて、結果的には僕ひとりで観たっていう。おい。


めちゃくちゃ面白かったです。まあ設定にいろいろ難ありな箇所はありますけど、それを上回るくらいの説得力とスピード感でした。『ウォーターボーイズ』や『ロボジー』、『スウィングガールズ』のときも思いましたが、あの監督の映画は外れなしだなと。


『電気が使えなくなったらどうなるか』っていう内容で、それこそ『電動自転車はただの重いチャリになる』、『会計は全部ソロバンで計算』みたいなシーンはなるほどと思いました。よく考えたら依存しすぎてるんですよね。電気に。

 

……さて、いかがだったでしょうか。5月の裏話。


5月は何というか、その場の勢いに任せて書きなぐるような記事が多かった気がします。ブログ開始時の初期衝動的な感覚に近かったです。


6月もガンガン文章書きたいと思います。……といっても6月もまあまあ過ぎてるんですけど。あとは最近友人が結婚したり子ども産まれたり、車買ったりみたいな話も聞く機会が増えたので、どこか自分も新しく何かを変えていかないとなあと考えたりもしてます。


それではまた、次回は7月の裏話でお会いしましょう。

映画『サバイバルファミリー』レビュー(ネタバレなし)

こんばんは、キタガワです。


小説や漫画等における『もしも○○だったら』といった題材は、遥か昔から現在まで受け継がれるマスト・シチュエーションのひとつである。


思い返せば大ヒットを記録した『君の名は。』も「もしも男女が入れ替わったら」という題材が支柱に据えられていたし、現代小説家の登竜門とも称されるwebサイト『小説家になろう』では異世界転生系のストーリーが最も読まれるとされ、上位10位以内の小説のほとんどが「もしも○○になったら」といった題材で埋め尽くされていると聞く。

 

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さて、今回鑑賞した映画『サバイバルファミリー』は、ズバリ「もしも日本から電気がなくなったら」をテーマに描かれるサバイバル映画である。


普段当たり前のように使っている電気。よくよく考えれば、電気なくしては絶対に日常生活は成り立たない。テレビや時計はもちろんのこと、スーパーのレジ、クレジット決済、ATM、自動車の給油、オートロック扉や自動ドア……。今このブログを読んでいるあなたのスマホもそうだ。


日中ならまだ良い。問題は夜だ。電気ストーブやハロゲンヒーター、クーラーや扇風機。気温を調節するありとあらゆる機械が停止する。更には受験勉強を余儀なくされたり、会社から〆切までの決算書類を持ち込んでいる人などはどうする?それこそロウソクの火を使う以外にないではないか。


……この映画はそうした『我々日本人がどれだけ電気に依存しているか』といった現状を、相当な高レベルでリアルに再現している。おそらく実際に電気が全国的に停止することはないだろうが、「もしも電気が使えなくなったら十中八九こうなるだろうな」というリアルを映し出している。ここまで強い社会風刺はそうそうない。


『サバイバルファミリー』では、電気が一切使えなくなった東京に取り残されたある家族を主として描かれる。仕事一筋のサラリーマンと専業主婦、そして常にスマホと共に過ごす娘と息子。元々が家庭崩壊一歩手前の状況の中、電気の消滅がきっかけとなり家族4人で必死に一日一日を生き延びる様は心を打つ。


確かに設定に無理があるのは分かる。世界中から電気が消える可能性自体まずないし、本編において何ヵ所か予定調和気味の描写も出てくる。しかしこの映画の描写ひとつひとつが、おぞましいほど圧倒的な現実味を帯びて襲いかかってくる。それだけで全部オーケー。オールライト。そうバッサリ切り捨てられるほど、エンターテインメントに溢れた傑作である。


今作は全編通して、スッキリ進む映画の教科書とも言うべき作品に仕上がっているがそれもそのはず、メガホンを取るのは矢口史靖。あの『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』を手掛けた名監督である。「最近映画観てないなあ」という人にも広くオススメできる、笑いあり涙あり、困難あり温かみありの作品。ぜひ。

 

ストーリー★★★★★
コメディー★★★★☆
配役★★★☆☆
感動★★★★☆

総合評価★★★★☆
(映画.com平均評価・星3.3)

 


サバイバルファミリー

神聖かまってちゃん・ちばぎんの脱退から見る、バンドマンのお金事情

こんばんは、キタガワです。


突然だが、読者貴君にひとつ問いたい。あなたはバンドマンについてどのようなイメージを持っているだろうか。


「音楽が好きな人がやる仕事」であったり「純粋に格好いい」など意見は様々だろうが、表だった部分としてまず第一に『夢のある仕事』という意見が多いのではなかろうか。


一口に『夢のある仕事』と言えば聞こえはいいが、実際問題バンドマンは周囲が思っている以上に辛く、厳しい職業なのである。

 

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先日のインターネット配信にて、神聖かまってちゃんのベース、ちばぎん(左から二番目)の脱退が突如発表された。彼は13年間に渡りバンドを牽引してきた、いわばリーダー的役割を担ってきた人物だ。ツアーには彼の運転する機材車で向かい、ライブ中に喧嘩をしたり暴言を吐くバンドメンバーを仲裁する役割を買って出ていた。


そう。彼は決して目立つ人物ではないものの、間違いなく神聖かまってちゃんの支柱だった。


数時間に渡る脱退発表の冒頭、ちばぎん自らの口から語られた脱退の経緯は以下の通りである。

完全に一個人の理由なんですが、昨年かな、11月に私結婚いたしまして。子どもをね、4歳の子どもがいきなり出来て、家族3人暮らしでここまでやってきたんですが、まあちょっとどうやらね、3人で暮らしていくには僕のお給料ではどうも厳しいらしいという感じで。

で、今年の2月とかですかね。第2子が発覚いたしまして。まあちょっと、いよいよバンドマンっていう生活に区切りをつける時が来たのかなって。

 


神聖かまってちゃん 2019.5.21② 神聖かまってちゃんの配信 ツイキャス

 

彼の口から語られた真実は至ってシンプルで、要約すると「バンドマンは稼げない。だから産まれてくる家族のためにも辞めざるを得ない」というものだった。


そう語る彼の表情は思い詰めているようでもあり、申し訳ない気持ちを抱えているようでもあった。今まで生放送やライブ活動を見続けてきた僕でさえ、見たことのない顔色をしていたのが印象的だった。彼はいつかの生放送で「神聖かまってちゃんは絶対に辞めない」という内容の話をしていた。そんな彼が脱退を選択し、公の場で報告したのは、にわかには信じられない大事件だった。


さて、ここからが本題である。彼は「バンドマンは稼げない」とはっきり明言した。しかしながら前述したようにステージ上の格好良さや楽曲の完成度ばかりが先行しているためか、未だバンドマンに対して憧れの念を抱く人は少なくない。


そこで今回はかつてバンド活動を行っていた自身の経験を踏まえ、あまり知られていないバンドマンのお金事情について赤裸々に語っていきたい。おそらく今回の記事を読んでいただければ、何故ちばぎんが脱退を選択したのか、そしてバンド業界全体が闇に包まれているのか理解できるはずだ。


まず大前提として、バンドマンの主戦場はライブハウスにある。


「現代はCDが売れない」と言われているがそれは紛れもない事実で、特にバンドのCDはJ-POPやアニソンと比較しても売れ行きが悪い。そこに違法ダウンロードの加速やYouTube市場が参入した結果、今はCD以上にライブが重要視されているのだ。


ライブが良ければファンが付く。CDやグッズの売り上げにも繋がるし、次のライブにも参加してくれる優秀なリピーターとなる。よってライブが最重要視されている一番の理由としては、『心から好きになってくれるファンを増やす』というのが正しいだろう。


そんなライブだが、何もバンドマンにとって良いことばかりではない。ライブを定期的に行うバンドマンにとって足枷となるもの、それこそがライブハウスにおける『ノルマ』の存在だ。


ノルマの話に移る前に、まずはライブハウス側のお金事情について語ろう。


ライブハウスの収入源は入場時に500円~600円で購入が義務付けられる『ドリンクチケット』だ。1人につき500円。10人だと5000円。100人だと50000円……というように、バンド側が人を集めれば集めるほどドリンクチケットがハケる計算になる。


なので結論としては、ライブハウス側はバンドがキャパシティを大きく超える動員を記録しようが、どうということはないのだ。その分ドリンク代で稼ぐことができるため、絶対に赤字にはならない。バンド側は多くの人に観て貰える。ライブハウス側はドリンク代で収入を得る。この部分だけ切り取れば、win-winの関係に見えるだろう。


……そうしたライブハウス側の事情を踏まえて、続いてはバンド側に課せられる『ノルマ』の話を見ていこう。


前述したように、ライブハウス側は観客がたくさん入ることが大前提である。そのためライブハウス側はバンド側に事前に「これくらいは最低でも呼んでね」という話をする。これがノルマだ。


例えば100人キャパのライブハウスのノルマが70人だとする。そこで結果的にバンド側がそれを上回る動員(71人以上)を記録すれば、その差額分のチケット代がバンドの収入になる。


それこそRADWIWPSやキュウソネコカミのように、チケットが軒並み売り切れるレベルのバンドになれば、バンド側はもちろん毎回黒字になる。それこそ先程の例を挙げるならば100人キャパ70人ノルマでも、機材席を取っ払ったりするなどして入れるだけの120人程度の観客を入れたりも出来る。バンドにとってはウハウハ。ライブハウス側もドリンクバカ売れでウハウハ。最高の関係性だ。


だがそこまでの動員が稼げないバンドならどうだろう。最初こそ友人らを誘ってノルマ達成もできるだろうが、回を重ねるごとに動員は下回る。そのため70人ノルマで50人しか呼べなかったりする。


ではノルマを達成できなくなるとどうなるか。そう。もうお分かりだろう。バンド側が自腹で補填するのである。


これこそが『ライブハウスの闇』というべき部分だ。僕自身動員が全く稼げないバンドを組んでいた頃(下画像参照)、1回につき1~2万円近くの場代を支払ってライブをすることもあった。結果的には解散に至ってしまったが、それには経済的な理由も大きかった。「こんな生活続けたら絶対に死ぬな」と当時は思ったものである。

 

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しかしながら、神聖かまってちゃんは当時の僕のようは無名バンドとは違う。なぜなら彼らはメジャーデビューを果たしている。今までに9枚のアルバムを発売。アニメや映画のタイアップも多数。年に数回大規模なツアーを全国規模で開催し、最近では自身が発起人となったフェスを主催するほどに、抜群の知名度と行動力を併せ持ったバンドなのだ。


そんなメジャーバンドである彼ら(ちばぎん)が、はっきりと「お金がない」と語った。それはバンド業界の悲しき現実を浮き彫りにしたようでもあり、今の音楽市場へのSOSを発信しているかのようでもあった。


もちろん、今回僕が記したことは世のバンドマン全てに当て嵌まるわけではない。ノルマがないライブもあるし、爆売れしていないバンドは全て金がないというのはいささか間違っていると思う。


だが現実問題として、大半のバンドは稼げていない。アルバイトで生計を立てながらバンド活動を行う人が多いが、バンドの年月が経つごとに正社員との収入格差や自身の年齢に悩み、苦しみながら頑張ってバンドを続けているのだ。


僕は今以上に世の中に、そういった一面を知らしめる必要があると思う。皆バンドマン(ミュージシャン)に夢を見すぎている。盲目になりすぎるあまり、その裏側に潜む事実を知らないままに「ミュージシャン憧れる!」と語っている。


今回は自分自身の経験とちばぎん脱退理由を照らし合わせてバンドマンについて記したが、漫画家、小説家、プログラマー……。何でもそうだろうが、『自分の夢』を叶えるのは最も難しい道程なのだと今一度理解してほしい。もしも浅はかな考えで夢(特にバンドマン)に片足を突っ込みかけている人がいるならば、じっくり熟考してもらいたいと思う次第だ。