キタガワのブログ

島根県在住のフリーライター。ロッキン、Real Sound、KAI-YOU.net、uzurea.netなどに寄稿。ご依頼はプロフィール欄『このブログについて』よりお願い致します。

[後編]PS4版・プラチナトロフィーが簡単に取れるゲーム12選

こんばんは、キタガワです。


今回は昨日投稿した前編の続き。『PS4版・プラチナトロフィーが簡単に取れるゲーム12選』の後編をお送りする。


後編ではアンダーテールといったバズりゲームから、未だに語り継がれる人気作品まで。計6つを集めてみた。トロフィー獲得のための参考になれば幸いである。


それではどうぞ。

 

 

アンダーテール

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低予算のインディーズゲームでありながら口コミで評判を呼び、DL専用からパッケージ版へと昇華してしまった作品。


ゲーム性や世界観は任天堂の『MOTHER』に限りなく近く、摩訶不思議な言動に翻弄されていく。『敵を一切殺さずにクリアできる』というシステムも秀逸で、普通のRPGだと思ってプレイすると痛い目を見る。


トロフィーは全て道中で取ることが可能。しかも取り逃しても逆走すれば、再度獲得することもできる良心的なものだ。


ただひとつ取り零しができないものとして『イヌじんじゃ』なるアホトロフィーがあるのでご紹介したいと思う。


1Gずつ賽銭を落とせる『イヌじんじゃ』。なんとこれだけでトロフィーの半分を占める。その数なんと15個。しかもゴールドやシルバー。1回1Gで最大350G入れる必要があるため、必然的に○ボタン連打の作業になる。「俺は今何をやってるんだろう……」と空白の時間に陥ること請け合いな、まさに意味不明トロフィー。


なお苦労の果てに350G入れると驚きのシーンが見られるのだが、結果はぜひあなたの目で確かめてみてほしい。

 


【公式】UNDERTALE 日本語版 発売アナウンストレーラー (PS4/Vita/PC)

 

 

カオスチャイルド

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かまいたちの夜やひぐらしの鳴く頃になど、ホラー系統のノベルゲーは数あれど、家庭用ゲームの中でR18のノベルゲーはなかなかないはず。おそらく現時点で唯一のPS4版・R18ノベルゲー。


連続怪死事件を調査する大学サークルの話なのだが、主人公が有する『トリガー』というスキルがゲームの肝となる。


例えば『女の子が近付いてきた』というシーンでトリガーが発動したとする。すると、ポジティブかネガティブか、それとも何もせずに切り抜けるかという3つの選択肢が出現するのだ。


ポジティブだと胸が当たったりというエロ展開になったりするのだが、ネガティブだと真逆で『実はそいうが連続殺人鬼だった』といったストーリーに変化する。これがなかなか面白く、エロ展開だけを切り取った続編が出たレベル(こちらもトロフィーは簡単)。


……というわけで、トロフィー展開は『トリガーを一切引かずにクリア』と『全部ポジティブでクリア』、そして『全部ネガティブでクリア』の計3周が最低限必要となるわけだ。


だが一度見たイベントは高速スキップが可能なので、スマホ片手にポジティブかネガティブかを場面ごとに選ぶだけで、簡単にトロコンが可能となる。


ストーリーも心がキュッとなるまさかの展開のオンパレード。ストーリー重視の人も楽しめる作品。あとあまりグロくはないです。個人的に。

 


PS版『CHAOS;CHILD』発売記念トレーラー

 

 

スパイダーマン

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快適な空中アクションが評判を呼び、2018年度のPS4ゲームの売上トップに輝いたゲームである。


空中で動き回るのゲームとして、前編で紹介した『GRAVITY DAZE』や『アサシンクリード』があるが、スパイダーマンはそれらを遥かに凌駕するスピード感。動かすだけで楽しい理想的なゲームだ。


このゲームはストーリーをクリアするだけではトロフィーは埋まらない。いわゆるサブイベントがこのゲームの核であり、お使いのイベントや各地のアジトを破壊するといった要素の積み重ねでもって、トロコンに至る作品だ。


この部分を聞くと「じゃあプラチナトロフィーは難しいんじゃないの?」と思う方も多いと思うが、ありがたいのは『タイムアタック系のイベントはトロフィーに含まれない』点だ。


そう。それこそ『GRAVITY DAZE』でストレスの根源となっていたタイムアタックに関して、スパイダーマンは一切トロフィーに関係がないのである。これは嬉しい。


なのでシステムや操作性が気に入った人なら、楽しみながらやっているうちにトロコンできるのだ。若干面倒臭くはあるが、特別な技能を必要としないので繰り返せば必ずトロコン可。

 


『Marvel’s Spider-Man』 “ヒーロー”トレーラー

 

 

428~封鎖された渋谷で~

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ファミ通レビューで満点を叩き出した伝説のソフト。『かまいたちの夜』の会社が製作しており、全編ドラマ仕立てで進行していく唯一無二のソフト。


こちらもノベルゲーで小説のように読み進めながら進行していく。主人公は複数人いるのだが、合間には選択肢が出現する。その選択によって他の主人公に影響を及ぼす作り。笑いあり、シリアスあり。今でも語り継がれる名作である。


ストーリークリアまで至れば70%は獲得できているはず。あとは各種バッドエンドの回収になるのだが、こちらは攻略サイトを見ることで簡単に網羅できる。つまりストレスフリー。


未だに根強い人気を誇るソフトとして知られており、渋谷で聖地巡礼に訪れる人や、登場人物の行動に影響を受けた人も多いと聞く(カフェで大量のチーズをかけたナポリタンを頼むなど)。刑事ドラマや小説が好きな人にはずっぱまりのゲームと言える。興味がある人はぜひ。

 


PS4/PC『428 封鎖された渋谷で』ゲーム紹介トレーラー

 

 

Steins;Gate : エリート

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言わずもがな、ノベルゲーでは一番知られているソフトであろう。加えてタイムリープものの先駆けとも言える作品でもあり、数々の作品が頂点に君臨し続ける『Steins;Gate』を超えようと躍起になったほどの罪深いゲームだ。


多くのハードで移植されてきた有名作品ではあるが、PS4では『Steins;Gate : エリート』として再登場。今作はなんと全編アニメーションを導入しており、アニメさながらの映像がヌルヌルと展開していく。僕自身Steins;Gateは4回以上クリアしているのだが、それでも新鮮な気持ちで楽しむことができた。


全編アニメーションとのことで、トロフィーはPSP版やPS VITA版とは若干の差異がある。だが基本的には同じ。一度クリアした後にテキスト全スキップし、適切な選択肢を選んでいけば簡単にプラチナトロフィーが取れる。


かつてのシュタゲはイラストが固定されており、細かな描写の再現には至っていなかった。それと比べてエリートは本当にアニメをそのまま見ているかのような映像美でもって、今まで伺い知れなかったシーンを把握することができるようになった。かつてのファンも大満足の出来。

 


PS4/PS Vita/Nintendo Switch『STEINS;GATE ELITE』PV ver.「オペレーションクリスティーナⅡ」

 

 

ひぐらしのなく頃に奉

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名作『ひぐらしのなく頃に』が、真ストーリーを冠して完全版で登場。歴代最高のボリュームでもってホラーの深層へ叩き落とす。


ひぐらしの魅力は何と言ってもストーリー。『正解率1%』と銘打ったシナリオは圧巻で、最終的には誰もが予想できない展開へと続いていく。


今作はクリアまでが異常に長く、『100時間以上プレイする』や『メッセージ送りを10万クリック』といったトロフィーが並ぶ。これだけ見ると難しそうに思えるが、シナリオが濃密なので読む手が止まらない。気付けばあっという間に100時間が過ぎ去ってしまう。


「ひぐらしって萌え系イラストのやつでしょ?」「怖いんでしょ?」と尻込みしている人は勿体ない。これは断じてホラーゲームではない。最高のミステリーゲームである。最悪トロフィーにしか興味ない人はテキスト全スキップでも良い。なのでまずは触れてみることから始めてみようではないか。

 


ひぐらしのなく頃に奉 ゲーム紹介ムービー

 

 

……さて、いかがだっただろうか。簡単にトロコンできるゲームの世界。


今でこそ大量のトロフィーを取得してはいるが、僕は個人的には『必ずしもトロフィーを獲得せずとも良い』という意見だ。


ではなぜトロコン……プラチナトロフィー所得にまで至ったのかと言えば、ゲーム自体が面白かったからだ。全てを余す所なく楽しみ尽くしたいという思いが、トロコンに走らせたのだ。


だからこそ今回の記事では『トロコンできるソフト』と銘打ってはいるが、『実際にプレイして心に残った作品』しか取り上げないようにした。つまらないゲームでトロコンに至ったとしても、絶対に面白くない。どうせなら楽しみながらやりたいと思うはずだから。


今回紹介した12作品は、僕が心の底から勧めたい名作ばかりだ。トロフィー関係も重要だろうが、まずはぜひプレイしてほしいと思う。


今回の記事がまだ見ぬ名作ゲームと出会うきっかけになったのなら、これ以上の喜びはない。


それでは。

[前編]PS4版・プラチナトロフィーが簡単に取れるゲーム12選

こんばんは、キタガワです。


僕は生粋のゲーマーである。思い返せば今までの人生で、ゲームを触っていない日など一日でもあっただろうか。かつては『ゲームクリエイターになる』とまで豪語していた時代もあったほど、ゲーム脳のバカ少年だった。


中でも専らプレイするのはPS4ゲーム。そんなPS4には『トロフィー』という機能が実装されている。トロフィーとは各ゲーム会社が定めた実績を満たすことにより、どれだけやり込んでいるか一目で分かる存在だ。


今でも世界中のPS4ユーザーは、このトロフィーの総数によってゲーマーか否かを判断することが多い。トロフィーが多いほど英雄視され、トロフィーが少ないと「まだまだだな」と思われる。そんな罪深い存在が、トロフィーなのである。


そのため、誰もがトロフィーを追い求めるのだ。しかしもちろん簡単には取れるはずもなく、オンラインが主流となった今では『獲得率0.1%』というものもザラにあり、トロフィーコレクターたちを困らせている。


だからこそトロフィーコレクターは考えるのだ。「簡単にトロフィーを獲得できるゲームはないか」と…。


さて今回は、そんなトロフィーについての記事となる。僕個人が実際にトロコンまでプレイした数あるソフトの中から、比較的簡単にプラチナトロフィーを取得できるゲームを12本集めてみた。


長いので前後編に分けて紹介したいと思う。この記事が日本に存在する『隠れトロコンマニア』に少しでも刺さるものとなれば幸いである。

 

 

ぎゃるガンヴォルト

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DL限定ソフト。PSN内ではセールも定期的に行われており、最近では70%OFFの150円で買えたりしたことも。トロフィーの観点からも金銭面からも、いろいろとお得なソフトである。


ゲームはカプコンの名作『ロックマン』の丸パクりとも言える内容。難しい操作は必要なく、簡単かつ面白い。更にはステージは短時間で終わるため、総プレイ時間もかなり少ないはず。


このゲーム、一周目をクリアした時点でほとんどのトロフィーが獲得できる。あとは取り零した部分をチョチョっとやるだけですぐに100%達成となる。


ちなみに続編である『ぎゃるガンヴォルト バースト』も同様に、コンプ余裕の内容となっている。「時間がない……でも取りたい……」というコレクター気質な人にはピッタリのソフト。純粋に良くできているゲームなので、息抜きにもピッタリ。

 


【公式】ぎゃるガンヴォルト バースト 紹介映像

 


GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において彼女の内宇宙に生じた摂動

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かつてのゲームアワードにて、モンハンを押し退けてトップに君臨した伝説のソフトである。


このゲームの売りはフワフワとした浮遊アクション。「ウロウロしてるだけで楽しい」というのは、ゲームのひとつの完成形だろう。数多のゲームをプレイした人でも唸ってしまうほど、圧巻の完成度を誇る。


GRAVITY DAZEのトロフィーは、個人的には「何か知らんけど気付いたら100%行ってた」という理想的なものだった。一見難易度が高く見える『○万個のオーブを獲得せよ』『ミニゲームを全て最高評価でクリア』には関しては、実際はワールド内にトロフィー設定よりも遥かに多くのオーブが点在していたり、数回やればコツが掴めるものばかりだ。


続編も出ているのだが、こちらは若干面倒に感じるかも。よって無印のGRAVITY DAZEがオススメ。プレイステーションが誇る名作を、ぜひプレイすべし。

 


『GRAVITY DAZE』プロモーションビデオ

 

 

NARUTO -ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム4

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「だってばよ」でおなじみ、ナルトくんのゲーム。PS2から続くナルティメットストームシリーズの最終作であり、千手柱間とうちはマダラの闘いから原作のラストまでが描かれる。


NARUTOシリーズの集大成とも言える作品となっているため、使用可能キャラクターは実に116体。「これささぞかしオンライン対戦させるんだろうな~」と思ってしまうのだが、実際オンライントロフィーはひとつもない。


トロフィーの大半を占めているのは『ストーリーモードSランククリア』というものである。ストーリーモードの戦闘は計数十回あるのだが、それらの戦闘ひとつひとつをSランククリアするごとに、何かしらのトロフィーがもらえる仕組み。


問題はSランククリアがかなり面倒なこと。Sランククリアの基準となっているのは『喰らったダメージ数』。要はノーダメージに近い形で敵を倒せばSランクなのだ。しかしこの設定があまりにハードで、『飛び道具を1発食らったらほぼアウト』という鬼畜設定である。


よってSランククリアするには、QTEを全部正解するのはもちろんのこと、ノーダメージかつスピーディーに終わらせる必要があるのだ。考えてもみてほしい。「もうちょっとで勝てる!」という時にちょびっと飛び道具を受ければ最初からである。大いなるストレスとの戦いにはなるが、ストレス耐性が高い人ならいけるはず。


Sランククリアに手っ取り早いのは、奥義を連発すること。面倒な場面も多々あるが、何度もトライ&エラーを繰り返せば絶対に取れる。頑張ってほしい。

 


PS4「NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム4」第4弾PV

 

 

Life is Strange

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個人的には数あるPS4のゲームの中で、ことストーリーに関しては最も秀でているソフトだと思っている。全PS4ユーザーにプレイしてもらいたい名作。


このゲームの主人公はカメラマンを目指す学生なのだが、街中を徘徊していると綺麗な風景や落書きに出くわすことがある。その際に画面上には『写真を撮る』というコマンドが表示される。この写真を1枚撮るごとに、1つトロフィーが埋まる仕組みだ。


中には『一度物を退けてからでないと写真が撮れない』といった特殊な撮影場所もあるのだが、それこそ攻略サイトを見ながらプレイすれば、1周目で簡単にプラチナトロフィーが狙えるはず。


ひとつだけ問題なのは、一度取り零すと戻って来られない点。例えば家に帰るシーンが挟まれた場合、それ以前の場所には二度と戻れない。よって「あっ」と気づいた際にはもう取れなくなっていた、ということもしばしば。周りをよく見てプレイしたい神ゲーだ。


なお、続編もトロフィーコンプはかなり楽。こちらは逆に、様々な場所に落書きをすることによってトロフィーを得られる仕組み。10代の美少女が次々と暴言を書き殴る様は必見である。

 


ライフ イズ ストレンジ: シネマティックトレーラー

 

 

イースⅧ -Lacrimosa of DANA-

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超高速アクションRPG。僕は勝手に『RPG界のソニック』と読んでいるのだが、言い得て妙だと思う。テイルズシリーズのほぼ倍速レベルで駆け抜けるスピード感は唯一無二。


ストーリーはTHE・王道とも言える作りで、驚きと感動が随所に散りばめられている。粗捜ししようにも見付からない。それほどに作り込まれている印象を受けた。


トロフィーに関してだが、基本的にストーリーを進めていれば自動的に獲得できる。僕は何も考えずにクリアした時点で90%を超えていたので、相当楽である。


しかし唯一問題がある。それは『悪夢を超えし者』というシルバートロフィーについてだ。


このトロフィーの内容は『難易度ナイトメア以上で真エンディングに行く』というもの。要はこのトロフィーに関してのみ、2周目プレイが必須なのだ。加えて『難易度ナイトメア』がかなり痛い。このゲーム、爽快感はあるのだが敵はまあまあ強く、体力がジリ貧になることも多い。そんな中ナイトメアでラスボスまで行くのは、けっこうキツいもの。間違いなく最大の鬼門と言えるだろう。


その場でじっとしていると体力が回復したりもするので、いろいろ工夫しながら進んでいってほしい。

 


「イースⅧ -Lacrimosa of DANA-」 プロモーションムービー

 

 

ウォーキング・デッド

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海外で今なお絶大な人気を誇るドラマ『ウォーキング・デッド』のゲーム版……なのだが、ストーリーはなんと原作をほぼ無視したオリジナルストーリー。にも関わらず完成度が高いので、没入感はドラマ以上。


前後編で取り上げるつもりの当記事だが、間違いなく一番トロコンしやすいのはこのゲームだろう。なにせ何も考えずクリアすれば、その時点で絶対にトロフィー100%になるのだから。


今作はマルチエンディングを採用しているため、生き残った人数や死者の数によって、ストーリーの結末がガラリと変わっていく。しかしトロフィーには全く関係なく、どんな結末を辿ろうが必ずトロコンとなるゆるーい作り。


クリアまでは10時間かからない。お手軽にトロコンできる最高のソフト。ストーリーも素晴らしいのでぜひ広まってほしい。なお続編も同様で、クリアの時点で絶対に100%になる。

 


ウォーキング・デッド プロモーションムービー

 

 

さて、いかがだっただろうか。


次回は後編。アンダーテールや428、Steins;Gateやひぐらし、スパイダーマンなどの名作ソフトに焦点を当てていくつもりだ。乞うご期待。

 

→後編はこちら

アカデミー賞受賞作を全部見た人間が、今年の選考結果を深読みする

こんばんは、キタガワです。


アカデミー賞授賞式が先ほど終了した。名だたる映画5作品のうち、最優秀作品賞は『万引き家族』と相成った。


今回はそんなアカデミー賞授賞式についての話。受賞した5作品を全て鑑賞した僕個人の視点から見た、今年のアカデミー賞について語りたいと思う。

 

 

空飛ぶタイヤ

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池井戸潤の同盟小説を題材とした映画であり、かつてはドラマ化もされた人気作である。


ストーリーとしては『自動車外車のリコール隠し』という、社会の闇に鋭く切り込む社会派ものだ。実際映画の動員数もまずまずだったし、『永遠の0』や『チアダン』の脚本を手掛けた林民夫がシナリオを作成したことからも、大きな話題を呼んだ映画だった。


映画内ではまるで映画のお手本のような、スピーディーかつ要点だけを押さえた作り。それこそだらだら続く冗長な映画とは対極に位置する形であるため、全体通してのスッキリ感は抜群だった。


だがひとつだけ問題だったのは、コンパクトにしすぎて人間模様を密に描けなかった点だ。登場人物が多いこともあってか、ストーリーとしては完璧なのだが、「誰が印象に残ったか」と問われると首を傾げてしまう部分もあった。


今回の授賞式内では司会者の西田敏行が、「○○のシーンが良かったね」などと語りながら進行する場面が多かったのだが、取り分け『空飛ぶタイヤ』の受賞者に関しては、ほとんどストーリーについては触れられなかったのが印象的だった。


多くの人にスポットが当たりすぎたあまり、ひとりひとりのキャラクターが薄ぼんやり見えてしまう。これは間違いなく今回のアカデミー賞においては、ひとつの粗であったろう。


更に深読みをさせてもらうと、物語上では三菱自動車をこき下ろすシーンも多かった。もし『空飛ぶタイヤ』が大賞を授賞したとなれば、今後ロードショーでも放映しなければならなくなるわけで。そうなると三菱のCMはどうしても流しづらくなる。それらの点も考慮してのこの結果なのかな、とも思う次第である。

 

北の桜森

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この映画に関しては前述した『空飛ぶタイヤ』とは完全に真逆。人の心理や表情、北海道の風景を鮮明に描写することで、主人公及び母親に感情移入させるように作られている。


そのため物語上の言葉数というのは、どちらかと言うと少なめだ。その代わりに吉永小百合と堺雅人の演技力でもって、間接的に観客に意味を分からせる手法を取り入れている。『雰囲気映画』とも言おうか。


母親とのすれ違いや葛藤を描き、それをラストに向けて徐々に膨らませていく作りは圧巻。若年層には刺さらないだろうが、30代を越えた層の心には重く突き刺さる。そんな映画だ。


この映画が最優秀作品賞を逃した理由はひとつで、ただただ他の3作が強すぎたためであろうと思う。話題性で全国の映画館を満員御礼にした『カメ止め』、ストーリーの観点から観ると最も意外性があった『孤狼の血』、そして偽りの家族愛を描いた『万引き家族』……。


これらと比較すると『北の桜森』は、どうしても劣って見えてしまう。大多数の人が思っていただろうが、話題性やストーリー展開を鑑みるに今年のアカデミー賞は、完全なる三つ巴状態にあった。よって入り込む余地はそもそもなかったのではと思うのだ。


僕は映画館で号泣したクチなのだが、泣ける映画が授賞するのかと言われるとそうでもないだろうし。

 

カメラを止めるな!

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『話題性』という観点から見れば、昨年最も人気を獲得した映画ではなかろうか。300万円という低予算で作りながらも30億超えの興業収入を記録した、文字通りのバケモノ映画である。


映画を観た人は分かるだろうが、とてもチープな雰囲気に満ち溢れた映画である。血のついたシャツは血糊をぶち撒けた後に天日干しで乾燥させ、子どもを抱くシーンは監督の実際の子どもを使う。出番が終わった俳優は裏方に回って撮影の手伝い……。これほどのDIY映画、観たことない。


この映画は脚本が90%を占める映画だと思っている。僕自身この映画は劇場で4回観ているのだけれど、映画に精通した観客でも、このストーリー展開には唸るはずだ。別に難しいことは何もやっていない。しかしながら誰も考えもしなかった仕掛けがいくつも盛り込まれているため、「やられた!」と思った映画関係者は多いだろう。


しかし逆に、脚本に疑問が生まれた時点で、この映画は瞬時に破綻する。そう。かの盗作疑惑事件である。


あの事件は解決済みとされてはいるが、アカデミー賞審査員の心には膿を残しただろう。脚本ありきの映画の脚本が他者の盗作だったとなれば、話は大きく変わってくるからだ。実際今回の授賞式では、今作品の監督である上田監督は監督賞のみの受賞に終わり、それ以外の賞で壇上に上がることはなかった。


もしもこの映画を最優秀作品賞に選んだら、絶対にアカデミー賞は批判されるだろう。何せ盗作疑惑と詐称だ。今後のアカデミー賞の在り方も問われる結果になりかねない……。それを危惧したアカデミー賞サイドは、いろいろ悩んだ結果『カメ止めは最優秀作品賞に選ばない』という選択を下したのではなかろうか。

 

孤狼の血

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R15の任侠映画で、撮影場所は広島県呉市。罵詈雑言と暴力が交差する、男らしさ満点の作品である。


まず冒頭2分で直視できないシーンが続く。この時点で耐性のない人なら、絵面的にも精神的にもズタズタにされるはずだ。


しかし見続けるうちに、この映画の完璧なストーリー展開に目を疑うことだろう。これはヤクザ映画ではない。最高峰のミステリー映画だ。中でも後半30分の展開は、まるで映画の教科書の如き素晴らしさがあった。僕個人としては今回の5作品の中でも、ぶっちぎりで1番面白かったと思っているほど。


だが万人受けしない映画であることもまた、確かな事実である。普通に首は飛ぶしグロい死体もバンバン映す。しかしそのグロさを上回るシナリオでもって、どんどんのめり込んでしまう魅力がある。


それを裏付けるように『万引き家族』の次に多数の賞を受賞したのはこの作品だった。そもそもアカデミー賞は、任侠映画を作品賞に加えること自体がイレギュラーなので、作品賞にノミネートされた時点で「よくやった」と言うべきか。


しかし選考の際には、間違いなくこのグロさはネックになったはずである。最優秀作品賞に選ばれようものなら、次の日からレンタルショップにはズラリと『孤狼の血』が並ぶことになる。もちろん中にはカップルで観る人や、家族で観ようとする人も大勢いるはず。


そんな中で超絶グロシーンが繰り広げられるわけだ。阿鼻叫喚の地獄絵図と化すのは目に見えている。そういったシーンのオンパレードのこの映画をプッシュするのにはアカデミー賞側も、相当な勇気が必要だったはず。だからこそ、今回は『万引き家族』に譲る形を取ったのでは。

 

万引き家族

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この映画の人気がピークだった頃、僕は映画館で働いていた。まだ内容も知らない僕はシアターから出てきた客の顔を観察していたのだが、「うーん……?」と疑問の表情を浮かべている人と「良かったー!」と笑っている人が、完全に二極化していたのが印象に残っている。


はっきり言って、この映画の受け取り方は千差万別だと思う。『万引き家族』のストーリーはあまりにもゆっくりと進行するスタイルである。それを良しとするとするか悪いと判断するかで、最終評価は大きく変わる。更には含みを持たせたまま終わっていくため、人によっては突然打ち切られた漫画のような「ここで終わり!?」という印象を持ってしまうかもしれない。


前述した『北の桜森』については雰囲気映画という例えを出したが、『万引き家族』についてはそれを上回るほどのスローっぷりである。ボケーっと観ていたら絶対に寝る。


アカデミー賞内でも触れられていたので書くが、この映画は終盤で行われる安藤サクラの『とあるシーン』が大きなウェイトを占めている。おそらく「万引き家族で一番印象深いシーンは?」と問われれば90%の人がそのシーンに触れるだろう。それほどに衝撃的な演技だったのだから。


主演女優賞に安藤サクラが選ばれたことは、その証明だろう。逆に言えばそのシーンに『万引き家族』で言いたいことは全て詰まっている。


僕個人の意見を書くならば、『万引き家族』は家でDVDをレンタルして観るような映画では決してない。あれは大きなスクリーンで一瞬も目を離さずに見なければ、本質が掴めない。


少し深読みさせてもらうと、海外のアカデミー賞では『万引き家族』が落選に終わったりもしたため、「せめて日本のアカデミー賞では最優秀取らせてあげたい!」という思いが見え隠れしてしまったりもする。カンヌ国際映画祭であれほど持ち上げられた作品が落選続きだと申し訳が立たない。そんな気持ちも込められていたのでは。

 

……いろいろ書いてしまった後で本音を言うのは忍びないのだが、僕は元から『アカデミー賞』なる賞には興味がない。なぜなら嘘くさいから。


こういった授賞式は、必ず何かしらの隠れた考えがあっての結果だと思うのだ。「メディアで取り上げられやすいだろう」とか「DVDの売上が上がってほしい」とか。


昨年の映画で僕が個人的に選ぶ最高傑作は『祈りの幕が下りる時』なのだが、あの作品は今回名前すら上がってないわけで。そうなると「続編ものだから外されたのかな」などと勘ぐったりしてしまう。あれほどレビューサイトでボロクソに叩かれていた『未来のミライ』は最優秀アニメーションに選ばれたわけだし。


結局、一番面白い作品はひとりひとり違うのである。たまに『アカデミー賞受賞作 = 絶対面白い』という考えを持つ人がいるが、あくまでもひとつの結果として捉えて「面白いかもなあ」くらいの認識でいた方がいいと思っている。


僕は『万引き家族』微妙でしたし……。

 
→『カメラを止めるな!』レビューはこちら
→『孤狼の血』レビューはこちら
→『万引き家族』レビューはこちら

2月のブログの裏話

こんばんは、キタガワです。


もう2月も終わりますね。今年の冬は過ごしやすくて本当に良かったと思います。ここ数年で最高の冬でしたね。毎年こんな感じでお願いしたいところ。


さて、毎月恒例の裏話。ちなみに2月の記事数は20でした。それではどうぞ。

 

 

謎ルール

この記事で書いているのは『RPGのパーティー編成は男2、女2にする』というものです。全くもって意味不明なルールですね。実はこの謎ルールは初代テイルズをやった頃から染み付いてて、もう何年もやってるルールになります。


本文中にも書いた通り、『主人公以外は全部女にしてルール破っちゃった』っていうオチなんですけど、実はこの直後にパーティーメンバーの裏切りやら行方不明やらが重なって、結局はこのパーティーもどんどん崩壊していきまして。


今ラスボス手前なんですけど、もうパーティーメンバーどうでもよくなっちゃいまして。戦ってないメンバーにも同じ経験値入るし、武器も宝箱から手に入るし、別に誰入れても一緒だなと。


そしてそんな状況でキムタクが如くを購入したんですが、これが面白くてですね。……多分あと数ヶ月間はテイルズやらないですね。ラスボス手前なのに。こうして積みゲーは増えていく。

 

孤狼の血

アカデミー賞受賞作。授賞式は3月1日なので、もうすぐですね。最優秀作品賞に関しては、僕はこの作品かカメ止めだと思います。このふたつが群を抜いて面白かった。


確か当時は家族で映画館行ってたんですけど、僕と母親は『後妻業の女』を観て、親父は「ワシはそんなの好かん」という理由で孤狼の血を観てて。それがめちゃくちゃ面白かったらしいんですよね。


親父は普段全く喋らないんですけど、この映画の話になると大絶賛で。そんな話を聞かされてると、やっぱり「映画好きとしては観らんとなあ」と思うようになりまして。それで借りてみました。


去年はかなりの量の映画観たんですが、個人的映画ランキングの3位に入るくらいには面白かったです。ちなみに1位は『カメ止め』で、2位は『祈りの幕が下りる時』でした。

 

さよならの朝に約束の花をかざろう

劇場で観ようと思って観れなかった映画です。最高でしたね。これ映画館で観てたら多分泣いてました。


この映画を劇場で観ようとしたときのことは今でも覚えていて。この映画、島根ではやってないんですよ。だから広島に行ったついでに観ようかと思ってたんですが、朝イチの時間にしかやってなかったんです。


で、前日に酒をしこたま飲んでネカフェでダウンしてたら、完全に寝過ごしまして。「あーもういっか」と。『さよならの朝に約束の花をかざろう』というか、『朝に寝過ごして約束が実らなかった』ってだけの話です。完全なミス。

 

欅坂46 黒い羊

僕がブログを書くときには2パターンあって。一度ネタを考えた後に情報収集やらで何日も寝かす場合と、「うお!」と衝撃を受けてその場の勢いだけで書く場合。この記事を書いたときは完全に後者でした。


アイドルで僕が本気で好きなのは欅坂46とでんぱ組.incくらいなんですが、もう欅に至ってはアイドルじゃなくてもいいんじゃないかっていう。あの痛烈な歌詞は物凄いですよ。


最近のアイドルって、どんどんジャンルレスになってて。デスボイス使うアイドルやメイド服のアイドル。中には客席に飛び込んだり全裸でPV撮影するアイドルさえいます。アイドル界、面白いですね。これからどうなるんだっていう。

 

サマソニ2日目ライブレポ

やっと書けました。1日目のレポから半年。めちゃくちゃ長かったですね。待ってくださっていた方、申し訳ない。


ブログ初めて1年経った今だからこそ、連日ライブがあったとしても一気に書けるんですが、当時はブログの書き方がイマイチ分かってなかった時期でして。いろいろ考えすぎて書けなくなってました。


体調不良で倒れてたっていうのも理由のひとつなんですが、一番の理由はノエルですね。海外ロックが好きになったきっかけが彼(というかoasis)だったので、思い入れがかなり強くて。それをいざ文章にしようとすると、なかなか書けなくて苦労しました。


後にも先にも、あんなに号泣したライブはもうないと思います。中学校からずっとCDやDVDで聴いてた人が目の前にいて歌ってるっていうあの状況は、本当に感動しましたね。特に『Wonderwall』と『Whatever』はボロ泣きしてました。


今年も行こうと思ってます。ゼッドとウィーザー、フォールズあたりが観たいので。今から貯金しようかなと。

 

Googleアドセンス、収益発生

まさか1ヶ月で届く予定の紙がこんなに時間かかるとは思ってなかったです。


正直収益と言っても微々たるもので、1日にコーヒーが1本買えるか買えないかレベルです。そして後述する『広告多すぎ~』でも書きましたが、バンバン広告が出てくるのが嫌すぎて、いずれは外すかもしれないなと。


やっぱり読まれてナンボの世界なので。多分今回の記事も広告がバンバン貼られてると思うんですけど、そのせいで絶対見づらいですよね。それで読者が離れていく危険性があるなら、収益度外視してでも外そうかと。読者の方が一番大事なので、そこは。

 

フジロックのヘッドライナー

ケミカルとキュアーは無難なブッキングでしたが、正直シーアの出演は驚きましたね。シーアのためだけにフジロック行く人も多いと思います。


そもそもシーア、顔出さないし。あとは彼女のバセドウ病やアルコール依存症、双極性障害の影響もあって、ライブ自体もほとんどないので。かなり貴重なライブになるかと。


毎年毎年大雨で、特に去年に関しては台風レベルの豪雨だったので、今回はどうなるかなと。晴れてくれたらいいんですけど完全に山の中なので。もう神様次第ですね。あとはキュアーがまた日本人に対して悪態付かないことを祈ります。

 

カテゴリーのお知らせ

カテゴリー機能をやっと付けた記事です。別にいらないかなと考えてたんですが、「音楽の記事だけ見たい!」っていう人にはいいのかなと思って。


カテゴリーを設置する上で重視したのは『ごちゃごちゃしないこと』です。ニコニコ動画見たことある人は分かると思うんですが、あれって動画内に大量のカテゴリーがありますよね。ああいうの、凄く嫌いなんですよ。見づらいし、何か媚を売ってるみたいで。


なので至極単純に、基本的にカテゴリーは少な目に設置してます。これくらい無骨な方が僕らしいかなと。今のところ『音楽』が4割で『雑記』が3割。あとはそれ以外って感じです。

 

the telephonesライブレポ

電話ズ松江公演レポ。最後に観たのは確か8年前のフェスでした。当時は持ち時間30分のライブだったんですが、この日はその4倍の2時間という濃密な環境で。


活動再開を発表した後は東京や大阪とか、普通そういう人が集まりやすい場所でライブするのが定石で。そんな中電話ズは地方都市に行くっていう。ライブ中に「松江の人ー?」って石毛さんが聞いたとき、確か僕含めて20人くらいしかいなかったんですよね。それだけみんな県外から来てるんだなっていう。


各会場でセトリをガンガン変えてるっぽくて、「もう完全に全盛期じゃん」と思いましたね。本当に活動休止してたんかと。


でも少しだけ不満だったのが音響ですね。あのライブハウス、音悪いんですよ。もっと爆音でシンセの音とかバッチリ聴こえてたら、更に良いイメージで終わってたなと思ったり。

 

コメント承認制

ブログには『コメント』というのがあって。読者が直接執筆者に反応を返せる機能なんですが、それを承認制にしました。『承認制』と銘打ってはいますが、実質廃止に近いです。


今回のことを考えたきっかけはふたつあって。ざっくり書くと『批判の怖さ』と『僕の精神状態が悪くなるから』です。


YouTubeでもコメントがよくあるじゃないですか。多分動画を観てる最中にコメントを読む人もいると思うんですけど、その中には批判コメントっていうのも絶対に紛れ込んでるはずなんですよ。


これは人にもよるんですが、例えその動画を良いと思ってても、読んだコメントによっては「悪いな」と反旗を翻すこともあると思うんですよ。印象操作って言うんですか。あんな感じです。


そういうの関係なしに、ちゃんと見てその人なりの評価をしてほしいと思ったので。第三者の適当に書いた批判コメントで、他の読者に悪い影響があるなら、いっそ撤廃しようと。


後は『あいみょんがなぜ売れたか分からない』という記事に実際に来たコメントで、「あいみょん?何それ?本当、何がいいのか全くわからん」(原文まま)というのが来たことがあって。あの記事はタイトルこそ批判めいてますが、全部観ると僕は彼女を全肯定する文章を書いてるんですよ。実際あいみょん、ずっと応援してますし。


要は絶対その人、記事読んでないんですよ。タイトルだけで判断してる。でもそんな人のコメントがバン!と載っちゃったら、「なんだキタガワ、あいみょんアンチかよ」と思う人も一定数出てくるんです。誤解もいいところで、もはや冤罪ですよ。それって凄い嫌だなと思って。僕も病んじゃうし。


……結果として承認制にして良かったなと思うんですけど、そうなるとツイッターに直接批判コメント残す奴もいるんですよね。もういろいろめんどくさいなと。

 

チャイルディッシュ・ガンビーノ

グラミー賞最優秀賞。やっぱりかと思いましたね。痛烈な社会風刺、黒人差別問題、アメリカの銃社会をまとめて「This is America(これがアメリカだ)」っていうタイトルにしたわけですから、絶対取るだろうと思ってました。


というかこれで取らなかったら、また批判されてましたよ。最近のグラミー賞は本当酷かったんで。審査員が「女性はもっと頑張れ」と言ったり、女性の受賞が2割くらいしかなかったり。後はケンドリック・ラマーの『DAMM』が受賞しなかった件ですか。あれに至ってはちょっとしたデモが起きたレベル。


文句なしの受賞でした。後思うのは、今のアメリカ音楽シーンは完全にヒップホップ時代ですね。リズムやテンポ以上に歌詞が重要視される時代になったのかな。

 

ナンバガ再結成

誰も想像してなかった再結成。嵐の活動休止や乃木坂46の西尾七瀬脱退みたいな、今年に入ってからいろんな音楽ニュースがありましたけど、個人的にはこれが一番の事件でした。


ナンバガを知らない人も多いのかなと思うんですが、彼らがいなかったら今の音楽シーンは絶対になかったんですよ。大々的に影響を受けてると言っているのはアジカンのGotchやゲスの川谷らなんですけど、いわゆる『隠れナンバガファン』はめちゃくちゃいて。ナンバガと全然方向性が違うイメージですが、それこそ星野源も多大な影響を受けてるわけで。


あんなサウンド出すバンド、他にいないです。血沸き肉踊るって言うんですか、あんなイメージ。それこそ解放弦を使いまくる奏法は発明でしたし、当時あれほど爆音で鳴らすバンドもいなかった。


ライジングサンは間違いなくソールドアウトになるでしょうね。欲を言えば全国ツアーやってくれたら嬉しいんですが。

 

バカッターっぽいPV

『バカッターっぽいPV』と書くとアレですけど、端から見て「今の時代にこの行動やったら炎上するだろうな」と思うPVを集めてみました。


それこそスネオヘアーの『ピント』は衝撃的でした。コンビニで客の商品食べて、いきなりライブ始めるっていう。僕は当時中学生だったんですけど、多分バンドPVに目覚めたきっかけはあの動画ですね。音楽だけじゃなくて目でも楽しめるっていう。音楽性ではなく、「面白いよ」という部分で人に紹介できるPVの素晴らしさたるや。


例えば「○○っていうアーティストいいよ!」とオススメしても、興味ない人は「ふーん」で終わると思うんです。でもPVだと、曲を知らなくても映像で楽しめる。そんな音楽の入り口でもいいと思ってて。だからこそ今でもブログで取り上げてます。


この記事もそうですけど、僕のPV紹介はかなりニッチな層にしかウケないだろうなと感じてます。でも刺さる人も間違いなくいるだろうなとも思っていて。これからも地道に続けていこうと。

 

ライブの禁止事項

最近「ライブのマナーが悪い」ということを、SNS上でよく聞くようになりました。ダイブに巻き込まれたとか、カメラをパシャパシャする客がウザいとか。


ちょっと話は脱線するんですけど、そういったマナーや素行の問題ってだいたいが『無知だから』だと思うんです。水をバラまく行為も「こうしたら盛り上がるんでしょ?」と何の悪気もなくやってる人も多くて。その間違いは指摘されれば、多分直るんですよね。仕事なんかでもそうで、「これやっちゃダメだよ」と言われて初めて気付くことって多いと思うんです。


間違ったマナーを正すことによって、もっとライブは良いものになるんじゃないかと。そう思って筆を取りました。


ダントツで嫌がられるのは水撒きですね。これやられて機材が死んだ話もよく聞くので、絶対にやめましょう。あとは最近、写真撮影もタブーとする話もよく聞きます。サマソニやフジロックは大丈夫ですけどね。その線引きが全体的に曖昧なのも問題かなと。

 

広告多すぎ

鬱々しい状態の時に書いていて、暗ーい感じになりましたが。でもこれが僕の本音です。


「自分でやっといて何だよ」とも思うんですが、そもそも当初は邪魔にならない位置に付けようとしてたんです。一番上とか一番下とか。少なくとも記事を阻害する場所にだけは入れないようにしようと。


それがガッツリ記事中に入るようになってしまって。しかもそれが消せないとなると、話は違うだろと。


本文では書かなかったんですが、僕はこの生活を初めてから月収が3分の1になってて。同年代の人と比べても洒落にならないレベルで少ないんです。もちろん空いた時間を執筆に費やせるので楽なんですが、金銭的な面を考えると次第に焦りだしたりもしてて。


そんなときに始めたのが広告でした。なので「ちょっとした金稼ぎができるかな」と思ってたんですが、ブログ運営を1年も続けてると、金銭的な面より愛着の方が上回るようになりまして。


自分でもブログを見返すときがあるんですが、もう広告多いなと。最近友人から「俺は気にならないけどね」といった言葉を貰ったので、もうしばらくはこの状態で行きますが、本当に邪魔くさくなったら外します。

 

映画『ディープ・ブルー』

改めてサメ映画の最高峰だと思いました。ジョーズよりも好みです。個人的には。一つ謎だったのが、生き残る人物を完全に間違って記憶してたことですね。僕の脳はイカれてるのかと。


一昔前はこういったグロ描写がある映画もバンバンロードショーでやってたんですが、今では全然見なくなりましたね。そういう時代なのは重々承知ですが、少し寂しいなと。


今では話題の映画とかジブリ作品ばっかりやるじゃないですか。それも良いですけど、 前みたいに古今東西、いろんな作品を特集してくれたらなと思います。コンプラやら何やら、厳しい時代になったなと。

 

アクセス数1000

僕はブログを書く際、ネガティブな感情では書かないようにしています。元々定期的に落ち込みやすい性格ではあるんですが、調子悪いなってときは文章に出ちゃうので。そういうときは何日か置いてブログを書いたりします。


でもこの日はズブズブに病んでて。なのに書こうとした結果、何か変な文章になりました。多分今書いたらもっと明るい感じになると思うんですが。


ここで紹介した『あいみょんの記事』が、おそらく僕のブログを訪問する人の80%以上を占めてます。僕も一回検索したんですが、とある文言で検索するとトップに表示されるんですよね。それでアクセス数がぐんと伸びたんだろうなと。


でも逆に考えると、それ以外の記事はほとんど見向きもされてないわけです。検索の底の底。多分20ページ目くらいでやっと出てくるレベルです。


でも正直、めちゃくちゃ時間使ってる記事も多くて。それこそライブレポートは何時間も何日もかけてるんですけど、あいみょんの記事に関しては1時間半くらいで書いてるんです。当時はあの記事がバズるとは思ってもみなかったですし、しょうがないんですけど。やっぱり「こんな記事だけが評価されてるんだなあ」と思うとどうしても辛くなってしまって。


で、確かこの記事を書いた直後からアクセス数がガクンと落ちまして。今では300ちょっとくらいしかいないわけです。多分このアクセス1000の時期はあいみょんの武道館ライブで盛り上がってた時期だったんで、それに合わせてアクセス数が増えたんだと思いますが、武道館が終わった途端に300アクセスになって。


……っていうことはそれほどあの記事の影響ってデカいんですよ。そういうことを考えまくった結果、この日からどんどん更新が辛くなってきてました。はっきり言ってこの後の3つの記事は、無理矢理絞り出した感覚があります。

 

珍しい編成のバンド

基本的なバンド編成ってボーカル・ギター・ベース・ドラムだと思うんですけど、それから大きく外れてるバンドを集めてみました。


一応上記の編成がスタンダードなので、例えば東京スカパラダイスオーケストラとか、上の編成にプラスして何人か楽器隊がいるバンドは全部外しました。あくまでも『上の楽器のうちのどれかがいない』というのを基準に選んだ感じです。『いるのが当たり前なのにいないんだぜ』っていう方が面白いなと思ったので。


そうした結果が記事内の6組です。こうして見ると、別にバンドって何でもいいのでは?と思ったりしますね。曲が良かったらそれでいいじゃんっていう。中でもセカオワは異質でした。ベースとドラムがいないんで。

 

俳優がいるバンド

ブログ開設当初からアイデアは温めてあったんですが、なかなか書けなかった記事です。


本当に音楽業界は謎だなと思うんですが、やけに最近バンドマンが俳優やるのは何なんですかね。稼げるのかなと。それこそピエール瀧や金子ノブアキに関しては、バンド歴の方がよっぽど上だし。


この記事を書いた動機は『バンドとしての一面も知ってもらいたい』という考えからです。例えば星野源がそうですけど、ソロ活動や俳優活動がポピュラーすぎて、SAKEROCKの一面って知られてないじゃないですか。でもSAKEROCKって物凄く曲が良かったりもして。その良さを、この記事で100人いたら5人くらいには気づいてもらえたらなと。


でも俳優やっちゃうと、他のメンバーは嫉妬したりしないんですかね。俳優業が忙しくなるとバンド練習もしにくくなるでしょうし、俳優やってる側はチヤホヤされますけど、他のメンバーには何もないし。


僕がバンドメンバーだったらぶちギレてますね。「俳優とバンドどっちが大事なのよ!」みたいなそれこそ離婚調停不可避の夫婦並みにキレると思いますが。

 

酒の順番

完全に個人的な話を書きました。最近は本当に毎日ガバガバ酒飲んでるんで、近いうちに死ぬんじゃないかと恐怖を感じてるところです。


この記事では生→カクテル→日本酒っていう流れを書いてますが、僕が居酒屋で飲むときは8割方これです。まあ酔えればいいんですけどね。何度も飲んでると自分の中のスタンダードが決まってきちゃうので仕方ないですが。


少しふざけたスタンスで書いたのでアレですが、何でもいいと思います。飲む順番やら何やらは。今の時代、強要するのも変な話ですし。なのでここでは『めんどくさい上司と飲むとき』を想定した形で進行してます。


よくいるんですよ。ビール飲めないって言ったら「は?」ってなる人。そういう人ってその場では文句言わないけど、飲み会が終わった後くらいに陰でグチグチ言うんですよね。だからそういった危険性をなくすため、ネガティブにネガティブを重ねた結果の飲み方がこの順番。


つくづく飲みニケーションはめんどくさいです。だから僕、酒飲むときはいつも一人なんですよ。人と行くとしても気心しれた友人としか行かないですね。それこそ前の職場では酒関連で人間関係がこじれたので。職場の飲みってのは大体嘘ついてキャンセルしてます。だって楽しくないから。

 

 

……明日から3月。とりあえず来月のプランとして、今までのブログ運営を一から見直そうかなと思ってます。


1月は毎日更新、2月は音楽記事を多く書く形でやってきたんですが、なかなか結果が芳しくなく。ブログを辞めるつもりはないんですけど、もう1年以上やってきてるので。ここらでいろいろ考える時期なのかなと。


先のことはまだ不明ですが、もしかしたら記事数もガクンと減るかも知れません。その際はご了承ください。


それではまた来月。

居酒屋で頼む酒の順番は、何が一番正解なのか

こんばんは、キタガワです。

 

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近しい間柄の友人には筒抜けだろうが、僕はかなりの酒好きである。


まず休肝日はほとんどない。年間通して350日くらいは飲んでいるだろうか。おそらく近所スーパーで売っている酒は全て制覇しているし、更に最近ではジンやウォッカを購入し、ジントニックを自分で作ったりもするほどだ。


僕にとって酒とは、夜時間を快適に過ごすための潤滑油なのだ。辛いことも紛らわせるし、何より気分が高揚し、自分だけの時間を謳歌することが出来るからだ。特にライフワークであるブログを執筆する際は、必ず酒を傍らに準備し、チビチビやりながら書き進めているほど。


さて。今回は『酒の順番』について書き進めていきたい。飲みの場においては、通ぶれる注文というのが絶対にある。変な噂も立てられず、なおかつ上司に「おおっ!」と思われる注文が。


今回はそんな注文を、僕個人の注文の観点から殴り書いていきたい。興味のない人はブラウザバック推奨。


僕の飲み会での1杯目はまず、生ビールと決めている。


現代はかつての市場と違い、酒に寛容な時代となった。終始酒を一滴も飲まない人もザラで、中には開口一番「カルアミルクください」という人さえいる。昔よく聞かれた「みんなもちろん生だよね!」というセリフなんかは、今ではほとんど聞かれなくなった。


しかしながら、やはり今でも『一杯目は生』という偏った文化は存在すると思うのだ。頼みやすいし、最もポピュラーだ。今の酒の楽しみ方は多様化しているとは言え、特に年を重ねた酒好きの心の内では「とか言いながらみんな生っしょ?」という秘めた思いがあるのである。


かつて博多華丸・大吉の漫才で「乾杯に焼酎はないばーい!」と突っ込むネタがあったが、あれこそ今の酒文化を象徴する一言だろう。何だかんだ、いちゃもんを付けたがる人はいるのだ。だからこそ無難に、最初に生を頼んでおけば外れはないのである。


やはり一杯目のビールは格別だ。疲れた体の奥の奥まで染み渡る爽快感は、決しておこちゃまには分かるまい。ビールサーバーで注ぐジョッキ生。料理と相性抜群な味わい……。完璧である。全ての始まりは生ビール。これが鉄則だ。『生が飲めません』という人は、この時点で「んん?」と思われること請け合い。特に頭の固いハゲたおっさんからには。


2杯目はカクテルを飲むことが多い。


これに関しては大概、ここらで「そろそろもっと爽快感ある飲み物が欲しいなあ」と何の気なしに考えるからである。油っこい食べ物で埋め尽くされたテーブルの相方が常にビールでは、味気ないというものだ。折角居酒屋に来たのだから、普段家では飲めない酒を注文したいところ。


特に『酸味の効いた飲み物』を注文するとしたら、生でいい感じに喉が潤った今しかない。


生を飲み干した時間帯でもって、飲み会というのはトークの場になりやすい。真面目な話にしろ、お笑い系の話にしろ。全員がほろ酔い状態になった今では、チビチビやりながら話を聞き、うまいこと会話の流れを誘導するテクニックも問われるところなのだ。


そのためここで頼むのは、爽やか系の酒がベター。カシス系なんかも良いだろう。総じてあまり強すぎない酒が求められる。


欲を言えばカンパリ系がベストか。カンパリという酒は、かなりの爽やかさを有する酒として知られている。ビールの口になった状態を一瞬でリセットできるし、なおかつほろ酔い状態でもちゃんと話を進行できるカンパリは、最高の一手なのだ。


生とカクテルを飲み干したときには、酔い潰れる人も散見される時間帯になってくる。自分自身もいい感じに酔えて、フワフワしてくることだろう。ここからはラストスパートだ。


最後に選択するのは、ズバリ日本酒である。


これは僕個人が一番日本酒が好きというだけなので、人によってはウイスキーや焼酎でも良いだろう。ここで重要なのは『ある程度強い酒を頼む』ということだ。


酒というのは、知識の有り無しがはっきり分かれる分野である。例えばコーヒーなんかがそう。キリマンジャロはどういう豆なのかとか、ラテとモカの違いとか。適当に頼んでいる人としっかり見極めている人というのは、酒好きには分かるものなのだ。


だからこそ、3杯目の注文は大事だ。生→カクテルの流れに関しては、いわば居酒屋の教科書通りの注文と言っていい。そのため3杯目に何を頼むかによって、酒に詳しいかそうでないかという判断が間接的に下される。


そんな中での強い酒の注文は、間違いなく「こいつ……できる!」と思わせる最適解。これにより「私は酒飲めますよアピール」と「そんじょそこらの奴等とは違いますよ」感を同時に出すことが可能なのだ。上司から「君イケる口だねぇ」と言われるタイミングも、おそらくここだろう。


ちなみに日本酒の銘柄を指定したり、ウイスキーのチェイサーに水ではなく炭酸水を選ぶと、更に通ぶれる。もしあなたが初心者の場合なら、日本酒は獺祭あたりを頼むと飲みやすいはず。「チェイサーは炭酸水で」に至っては、バーのマスターでさえうなる最強の手段。敷居は高いが、チャレンジする価値はあるだろう。


この後まだ飲み会が続くようなら、まあ好きなように頼めばいい。人間の集中力は、だいたい40分くらいだと言われている。3杯目が終わる頃には、もう各自の注文なんてどうでもよくなって来ているだろうから。もう一度生ビールに戻るのもいいし、まだ見ぬ酒を探求するのもいいだろう。


……ここまで出来れば、飲みニケーションはバッチリのはずだ。波風立てずに穏便に。かつ通の雰囲気も醸し出せる。おそらくこの飲み会の後には、あなたの周囲は良い噂で溢れ返っていることだろうと思う。


もしも隣に若い女の子がいたならば、落ちること間違いなしだ。意中の女の子に対しては、この後更に畳み掛けることも可能だ。


「今度の日曜日、行き付けのバーあるんだけど行かない……?」

「まだ飲み足りないな……。君の家で第2ラウンド、どうかな……?」


甘く囁く低音ヴォイスを繰り出せば、もう女子のハートはメロメロである。


……僕はそんな経験ないですけど。

[後編]メンバーの中に有名俳優がいるバンド10選

こんばんは、キタガワです。


今回の記事は、昨日投稿した『メンバーの中に有名俳優がいるバンド10選』の続き。残りの5組のバンドについて書き進めていきたい。


それではどうぞ。

 

 

在日ファンク

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前編で紹介したバンド、SAKEROCKの解散と共に本格始動。SAKEROCKではトロンボーン奏者であった浜野謙太だが、このバンドではボーカル及びフロントマンとしてリーダー的役割を担っている。


7人いるメンバーのうち3人が管楽器であるため、必然的にサウンドはゴリゴリのファンクに。トランペットとサックス、トロンボーンが織り成すメロディーは一見の価値あり。『段ボール肉まん』『爆弾こわい』といった楽曲群はクスリと笑えて、踊り狂える魅力に溢れている。なお『在日ファンク』という名前ながら、国籍は全員日本である。


ボーカルを務めるハマケンは俳優だが、最近の役どころを見ていると、どうもお笑い役が多い。おそらくこれは在日ファンクのキャラクターが影響しているのではと思う。……というのもハマケンは、ライブ中はマイクスタンドを自由自在に操るパフォーマンスを繰り出すのだが、ふくよかな体型も相まってなぜか面白いのである。


本人は至って真面目。それは重々承知なのだが、どうしても笑ってしまう。個人的には、ドラマや朝ドラでもそういった『ちょっと笑えるキャラ』のイメージが定着していることに、少しばかりの喜びと嬉しさを感じてしまう次第だ。

 


爆弾こわいPV/在日ファンク

 

 

レキシ

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CD売上やライブ動員的にも、今のロックバンド界隈でもかなり高い位置にいると推測するのが、レキシである。


キーボーディストとして活躍していた池田貴史が歴史をコンセプトにして立ち上げたソロユニットである。楽曲においては『刀狩りは突然に』『参勤交代』など、過去に起きた事件や人物にスポットを当てることが多い。中でもキャッチーなメロが炸裂する『きらきら武士』はあまりにも有名。


レキシはコミックバンドと紙一重な部分がある。アルバムは『レキツ』『Vキシ』『レキミ』といった間違えやすい書き方をモチーフにしているし、名だたる参加アーティストに関してもピエール中野を中大兄皇子、サンボマスターを田んぼマスターを表記するなど、やりたい放題。


CMやドラマでがっつり真面目キャラを演じている池田。しかし、彼の本領が発揮されるのはやはりライブだと思っている。彼の人気を不動のものとした理由は、ライブパフォーマンスだ。笑いに特化し、それでいて極上のポップスを鳴らす……。そのスタイルは一度見たらファンになる。移り変わりの激しい音楽業界において、今なおメインステージを張っていることからも、それは間違いない。ぜひ一度ライブに足を運んでみてほしい。

 


レキシ / きらきら武士 feat. Deyonna

 

 

電気グルーヴ

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映画やドラマ、バラエティー番組など、今や多方面で活躍する俳優・ピエール瀧を有する2人組ユニット。今回紹介する中では電気グルーヴだけはバンドではないのだが、「さすがにここまで有名な人を外すのはどうか」と思い、カテゴリーに加えた。


電気グルーヴといえば、低音が鼓膜を震わすエレクトロ音楽が魅力のひとつ。その楽曲を手掛けるのはピエールではなく、石野卓球というもうひとりの人物だ。彼はエレクトロ音楽の若きカリスマである岡崎体育が、名前の付ける際に参考にしたと言われている程、電子音楽においてのカリスマ的存在である。


片や有名人のピエールはというと、ライブ中はステージ上でニコニコ笑っていたり、体をフリフリするなどのパフォーマンスに興じるばかり。それこそたまに歌うくらいで、それ以外の時間はフラフラしていることが多い。その佇まいは映画『アウトレイジ』や『凶悪』では絶対に見せなかった、お茶目な一面である。


しかしピエール瀧の俳優人生よりも遥かに長い期間、電気グルーヴは活動している。その年数はなんと30年。現在でも俳優業の傍ら、各地のフェスでダンサブルなナンバーを鳴らし続けているベテランである。そのため『ピエール瀧が音楽やってる』ではなく、『音楽やってたピエールが俳優やってる!』というイメージの人も多いのでは。


僕は今でも、俳優のピエールと電気のピエールは別人格のように思えてならない。だって映画では『テメエぶち殺すぞオラァ!』と凄んでいるのに対し、電気では「ふっじっさん!ふっじっさん!高いぞ高いぞ富士山!」と笑顔で歌っているのだから。

 


Denki Groove - Fuji-san [Live at FUJI ROCK FESTIVAL 2006]

 

 

グループ魂

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阿部サダヲや宮藤官九郎、皆川猿時といった有名俳優を有したパンクバンド。バンドではあるが、メンバー全員が俳優や作家、飲食店経営と二足のわらじを履いている。そのため年間通しての活動はかなり少な目。


なお活動的は25年を超えている。そしてメンバーの大半は星野源や荒川良々などを排出した、松尾スズキを核とする『大人計画』のメンバーである。この劇団はお笑い特化型の劇団としても知られているが、まさかそのメンバーがこれほどふざけたバンドを組むとは、松尾は思ってもみなかっただろう。


ほとんどの楽曲の作詞作曲は宮藤官九郎が務めるのだが、その楽曲がとんでもない。『押忍! てまん部』や『ペニスJAPAN』といったお下劣なものだらけで、ほぼ必ずテレビでは絶対に言えない下ネタやエンタメニュースのディスが含まれている。そしてアルバム収録曲のの4分の1はお笑いコントである。


僕はかつて彼らのライブを観たことがあるのだが、阿部サダヲはカメラマンのイチモツを握りながら「でけえなあ……」と笑っていたし、「このハゲー!」「違うだろー!」と某議員の炎上ニュースにも切り込んでいた。CDも面白いが、ライブの破壊力は異常ではない。

 


グループ魂 『もうすっかり NO FUTURE!』MV -YouTube Ver.-

 

 

銀杏BOYZ

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峯田和伸を中心としたバンド。日本の青春パンクロックシーンを牽引してきた存在であり、彼らの音楽に影響を受けたバンドやライブキッズは数知れず。マイペースに活動を続けていたが、2013年に他のメンバーが脱退。現在は峯田のソロユニット状態である。


銀杏BOYZと言えば、峯田の命を削るかのようなステージングにスポットが当たることが多い。ステージ上を転がり回り、マイクを口に含み。時に流血し声をからしながら文字通り全身全霊でメッセージを届けるライブでもって、根強い人気を獲得していた。


最近の俳優業においても、銀杏BOYZらしさが見て取れる。汚れ役じみた配役はパンクサウンドを体現するかのようだし、人に優しく接する役は、それこそ昨今リリースされた楽曲のような慈しみも内包している。それこそ当初の銀杏ファンは「峯田が俳優?」と面食らったことだろうが、現在俳優として活躍している峯田は、とても峯田らしいなとも思うのだ。


全国ツアーの開催、そして日本武道館公演も大成功。俳優業の傍らに作り続けてきたシングルも溜まってきた。よってアルバム発売も間近なのでは。銀杏BOYZ全盛期より多忙を極める峯田だが、今後も銀杏BOYZと俳優業を平行して行ってもらいたいところである。

 


銀杏BOYZ - 援助交際(PV)

 

 

……さて、いかがだっただろうか。有名俳優がいるバンドの世界。


常々語っているが、僕は音楽の入り口は何でもいいといった認識である。かねてより『エロいアーティスト写真』や『バカッター的PV』、『珍しい編成のバンド』など、様々な観点からバンド音楽をピックアップしてきたが、それこそ今回のように『俳優としての姿から音楽に興味を持つ』こともアリだと思うのだ。


星野源のファンにはSAKEROCKを。ピエール瀧のファンには電気グルーヴを……。俳優以外の側面を知ることで、またその人への思いを強めたり、新たな扉を開くことにも繋がる。


「バンドを好きになれ」とは言わない。その代わり、今まで「俳優でしょ?」という考えだけだったその裏側に、「そういえばバンドもやってるらしいね」といった部分を少しでも記憶してもらえれば嬉しい。


そして今回の記事でもって、知らなかった音楽に一度触れるきっかけとなったならばなお良しだ。

[前編]メンバーの中に有名俳優がいるバンド10選

こんばんは、キタガワです。


最近朝ドラを観る機会が多く、毎日のように鑑賞している。面白いか面白くないかは別にして、ショボついた目を覚ます意味では最高の番組である。


その中で、僕がカッと目を見開く場面がある。それは知っているバンドのメンバーが出演した瞬間だ。


僕はきってのバンド好きである。そのため『メンバーが俳優をやっているらしい』という情報はもちろん頭に入っていた。だが実際にテレビ目の当たりにすると、その興奮は凄まじいものがある。ボケーっと観ている父母の肩を揺すりながら『ほら!ハマケン出てる!サケロックの!ほら!』と語ったり、『○○っていうバンドのメンバーでね……』といった話を矢継ぎ早に捲し立ててしまったことは、一度や二度ではない。


しかし熱狂的なロックバンドファンというのは、実際は少数派である。僕の興奮とは対照的に、父母は「そう」と知らん顔。俳優の根底にあるロックバンド然とした表情には一切興味がない様子だ。


バラエティー番組で出演した際にも「あ!朝ドラの人だ!」と認識する始末。あなたたちにとっては『俳優』だろうが、僕にとっては俳優ではない。バンドマンなのだ。


そしておそらく、世間一般の認識も父母と同様なのだろうと思う。金子ノブアキは俳優。阿部サダヲも俳優。峯田和伸も俳優……。バンドマンとしての彼らを知っているのは、日本国民の中でもほんの一握りだろう。


……というわけで、今回のテーマは『メンバーの中に俳優がいるバンド』である。当ブログは普段音楽関係を多く扱っているため、この場では俳優としての点ではなく、加入しているバンドに焦点を当てて紹介していきたい。このブログでもって、俳優の違う一面を知る良いきっかけとなれば幸いである。


ちなみに思い付く限りの俳優を列挙した結果、当初の予定よりも多くなってしまった。よって前後編に分けて紹介することとする。今回は前編。

 

 

SAKEROCK

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インストゥルメンタルではあるものの、同ジャンルのバンドマンに多大なリスペクトを与えたバンド。個々の活動が本格化する中、「活動する意味が分からなくなった」ことを理由に、2015年に解散を発表。現在もテレビ番組やCM等で楽曲が使われることも多いため、知らず知らずのうちに彼らの楽曲に触れている人も多いのでは。


『俳優』という括りで言うならば、突出して星野源と浜野謙太の2名が有名。星野源は言わずもがなで、日本を代表する俳優のひとりに名を連ねている。片やハマケンも朝ドラ『まんぷく』の主要キャラを演じたことから、知名度が爆発的に上昇。今ではCMやバラエティー番組への出演など、目覚ましい活躍を続けている。


SAKEROCKの魅力は、日常に寄り添うサウンドだ。特にマリンバの存在感は強く、まるで星野源のファーストアルバム『くせのうた』をインストで表現したような空気感。決して行き過ぎないその楽曲は、極限まで緩い雰囲気でもって染み渡る。


ちなみに最後のアルバムは『SAYONARA』というタイトルを冠している。あっさりとした幕切れにも思えるが、ラストアルバムとして気負いした感覚は全くない。むしろ今まで以上にマイペースに進行していたのが印象的だった。最期までSAKEROCKらしさを貫いた解散。とても格好良かった。

 


SAKEROCK / SAYONARA 【Music Video】

 

 

RIZE

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世界的ギタリスト・Charの息子であるボーカルのJESSE、歌手・金子マリの息子であるKenKen。そしてKenKenの実兄であり、俳優としても活躍する金子ノブアキ。とんでもないDNAを有する3人組ミクスチャーロックバンドである。


金子ノブアキと言えば朝ドラ『おひさま』やサスペンスドラマ、映画の主演を務めるなど、イケメン俳優のひとりとして知られている。


しかし「金子ノブアキって俳優でしょ?」という色眼鏡でRIZEのサウンドを聴くと、ぶったまげること請け合い。全体重をかけて振り下ろす打撃音は鼓膜を震わせ、手数も多い。あまり知られていないが、金子は俳優歴よりも圧倒的にバンド歴の方が長い。


JESSEのインパクト大のライムとバカテクなリズム隊は必見。その激しいサウンドで、Dragon Ashやマキシマム ザ ホルモンらと共に日本のハードロックシーンを牽引してきた存在だ。結成20年目を迎え、今のRIZEは脂が乗り切った最高の状態と言える。今後も各地のロックフェスを荒らし回る存在となるだろう。

 


RIZE - ピンク スパイダー

 

 

2

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高校時代、幼馴染と共に結成したバンドThe SALOVERS(ザ・サラバーズ)は、2015年に無期限活動休止となった。そして次なる居場所として古舘佑太郎が立ち上げたバンド。それが2(ツー)である。


元々バンドと平行して俳優業も行っていたが、精力的に活動していたわけではなく、あくまでも副業扱いだった。しかし朝ドラ『ひよっこ』に出演したことにより知名度が上昇。2019年には主演作品の公開も予定されており、更なるイメージアップに繋がりそうだ。


『2』というバンド名は映画で言う2作目……つまりバンドのセカンドストーリーをイメージして命名された。よって2ではThe SALOVERS時代の性急なサウンドに加え、バラード楽曲やミドルテンポな楽曲など、より広い視野で音楽と向き合った実験的楽曲も多くなっている。


4月にはニューアルバム『生と詩』のリリースと、全国ツアーも決定。The SALOVERS時代から考えると古舘のバンド歴は長いが、2はまだまだ若手バンド。今後はますますキャパを大きくしながら、新規のファンと歩んでいくのだろう。初期衝動は続く。

 


2 - ケプラー (Official Music Video)

 

 

RADWIWPS

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『君の名は。』の大ヒットによって一躍時の人となったRADWIWPS。そのフロントマンとして知られるのが、野田洋次郎である。彼は、映画上映の約1年前に映画の主演を務めていた経験がある。


まともに筆を持つことさえできなかった時期の手塚治虫が、最期の構想として着手しようとしていた作品。それこそが野田が主演を務めた『トイレのピエタ』という作品だ。手塚は直後に死去したため原作通りとはいかなかったが、ひとつのオリジナルストーリーとして完成させた。


野田が演じるのは、余命宣告された男という重要な役どころ。野田はRADWIWPSのメインソングライティングを担当している人物だが、野田が描く歌詞もある種鬱屈した人生を送る人間が、俯瞰視点で世間を切り取るものばかり。こう考えると、野田の起用は大きな意味があったのではなかろうか。


今のところ野田の俳優業は『トイレのピエタ』のみである。今後彼が俳優としてスクリーンに映ることはほぼないだろうが、最新アルバム『ANTI ANTI GENERATION』で魅せた温かな楽曲群を聴いていると、「また俳優やってくれないかな」とも思ってしまう。

 


PAPARAZZI~*この物語はフィクションです~ RADWIMPS MV

 

 

黒猫チェルシー

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若者バンドの全盛期と言われた10年前。「神戸でヤバい奴等がいる」と話題になり、僅か10代ながらロックシーンに殴り込みをかけたのが黒猫チェルシーだった。今でこそスタイルは異なるが、当時はボーカルの渡辺大知が学生服姿で暴れ回り、ギャンギャンうなるギターが魅力だった。


渡辺は昨今、テレビで頻繁に見掛ける存在となった。CMはもちろん、それこそ今年のアカデミー賞に名を連ねた『勝手にふるえてろ』や朝ドラ『まれ』、そして映画初監督を務め、口コミで人気を博した『モーターズ』……。『まれ』では実際に彼らの歌声が披露されてCD化したほど。音楽界のみならず、映画界でもその期待値は高い。


黒猫チェルシーに関しては、当初は70年代~80年代のパンクバンドに多大な影響を受けていたためか、しゃがれ声で歌うスタイルだった。だが年齢を重ね、次第に歌メロに重点を置く作曲方法にシフト。テイストもダークな雰囲気から明るく変貌し、形を変えながら突き進んでいった。しかし2018年に活動休止を発表し、現在は渡辺が俳優業に専念している。


あまりにもフラットな出で立ちなので分かりにくいが、ここ数年の渡辺はかなり多くのCMに出ていた。そして昨年は度重なる映画出演……。ここまで知名度が上がってしまうと、黒猫チェルシーとしての活動はまだ当分先のような気もする……。首を長くして待ちたいと思う。

 


黒猫チェルシー - 廃人のロックンロール(PV)

 

 

さて、いかがだっただろうか。


長くなってしまったので続きはまた明日。次回は浜野謙太(在日ファンク)、池田貴史(レキシ)、ピエール瀧(電気グルーヴ)、阿部サダヲと宮藤官九郎(グループ魂)、峯田和伸(銀杏BOYZ)について語る。乞うご期待。

 

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