キタガワのブログ

島根県在住。音楽、映画、雑記等。目標はライター。

【ライブレポート】the telephones『メジャーデビュー10周年、まだ行ったことのない都道府県に行くツアー(決)』@島根

こんばんは、キタガワです。

 

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2月11日。the telephonesの活動再開後初のツアー『メジャーデビュー10周年、まだ行ったことのない都道府県に行くツアー(決)~食いたい鯛めしクイタイタイメシクイタイタイメシDISCO!!!~』島根公演に参加した。今回はそのレポートを記したいと思う。


ツアータイトルからも分かる通り、今回のツアーはthe telephonesの長い活動の中、一度も訪れたことのない土地に出向くという、非常にレアな形のライブである。チケットは早い段階から全会場ソールドアウトとなり、開場前には長蛇の列が出来ていた。


the telephonesは、日本のダンスロックシーンにおけるパイオニア的バンドとして知られている。キラキラとしたシンセサイザーが主導し踊り狂わせるパンキッシュなサウンドは、既存の音楽に飽き飽きしたライブキッズに、大きな衝撃を与え続けてきた。


しかし2015年、無期限の活動休止を発表。その後の石毛(Vo.Gt.Syn)はソロ活動や別バンドYap!!!にて活動。更には(昨今悪い意味で話題となってしまった)lovefilmでも、メインソングライティングを務めていた。


もちろんテレフォンズ時代にはなかった革新的サウンドや、バラードに特化したテレフォンズ以外の音楽も素晴らしかった。だがファンの気持ちとしては、やはり『テレフォンズの活動をもう一度観たい』という思いが強かったと思うのだ。


そんな中、2018年5月に開催された『VIVA LA ROCK』にて、突如活動再開のアナウンスと、今回のツアーの発表がされた。


活動休止から約2年半。長期間のおあずけを喰らったライブキッズの心は、暴れたい欲求でいっぱいのはず。この日は灼熱のライブになること請け合い。さあ、どうなる。


以下ライブレポート。

 

定時を少し過ぎた頃、暗転。もはやおなじみとなった『happiness,happiness,happiness』のSEと共にメンバーがステージに降り立つ……のだが、メンバーはハートマークのサングラスや色とりどりのアフロの被り物を着用しており、皆一様にパリピ仕様。


被り物を放り投げ、『松江ーっ!』と絶叫する石毛。大歓声に祝福されながらの1曲目は『D.A.N.C.E to the telephones!!!』。

 


the telephones - D.A.N.C.E to the telephones!!!


ギャリギャリのギターリフを合図に、フロアは一瞬にして灼熱地獄に。外は極寒だが、この場所だけは別。そこかしこでモッシュが発生し、「ディー!エー!エヌ!シー!イー!」の掛け声もばっちり決まる。まるで予習してきたかのような盛り上がりぶりに、メンバーも嬉しそうだ。


石毛はギア全開の甲高いハイトーンボイスを繰り出しているし、ノブ(Syn.cho)に至ってはステージ上を所狭しと走り回り、創作ダンスを披露する始末……。フロア全体がハチャメチャに盛り上がっているが、まだ1曲目。にも関わらずこのテンションの振り切りっぷりは一体何だ。

 

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「埼玉県さいたま市から来ました、the telephonesです!」と石毛が発すると、会場は割れんばかりの拍手と歓声で迎える。さて、ここから2曲目……と思いきや、やたらとアウトロが長い。ライブスタッフも駆けつけ、ギターを取り替えたり指示を送ったりと、全体的にトラブっている印象だ。すると石毛がぽつりと一言。


「ギター壊れた……」


なんと予想以上の盛り上がりで、愛用のギターの音が出なくなるハプニング。「フェスだったらまだ分かるよ、リハ短いからさ。でもリハたっぷりやってこれだからね!」と石毛が語った通り、長いテレフォンズの歴史の中で、1曲目でギターが壊れるのは初めてだそうだ。今回のライブ、ヤバいぞ。


いきなり替えのギターを用意したため、チューニングの関係でしばしの待機時間が発生。この間は急遽メンバーのMCで繋ぐことに。


「ライブハウスの前にある宍道湖あるじゃん。あれって海かと思ってた」というノブの天然ボケに対し、「それ言っちゃダメだよ。楽屋でも書いてあったじゃん。海って言うなって」と長島(Ba.cho)がツッこむというレアな時間もありつつ、5分ほどでギターが本調子に。


石毛が「これもライブの醍醐味です!」と笑いを誘い、投下されたのは『I Hate DISCOOOOOOO!!!』。

 


the telephones - 「I Hate DISCOOOOOOO!!!」(PV)


お察しの通り、テレフォンズのライブでは定期的に「ディスコ」の言葉が飛び交う空間である。そんな中『ディスコが嫌いだ』とディスコ自体を徹底して否定するこの曲は極めて異質で、リリース時にも様々な憶測を呼んだことを覚えている。


しかしこの楽曲はライブで毎回セットリストに加えられ、何度も演奏されるにつれて次第に浸透していった。そして今この会場においては、テレフォンズ最大のキラーチューンとして鳴り響いているのだ。背景を知っている身としては感慨深いものがある。


今回のライブでテレフォンズは、ワンマンならではのセットリストで楽しませてくれた。『sick rocks』や『HABANERO』、『A.B.C.DISCO』、『Yeah Yeah Yeah』、『It's Alright To Dance(Yes!!! Happy Monday!!!)』といった人気曲はもちろんのこと、『Jesus』や『Hyper Jump』、『jabbawocky』など、ライブではほとんど演奏しなかった楽曲も多く、総じて攻めのセットリストだった印象が強い。


「ツアーをやる上で、インディーズ時代から未発表の曲まで100曲以上……それらを一回全部聴いてみたんですよ」というのは石毛の弁であるが、今回のライブは今昔入り交じった楽曲をプレイする傾向にあるようだ。おそらくはツアーのセトリも各会場ごとに大きく異なっているのだろう。


ツアータイトルにもなっているが彼らは今年、メジャーデビューして10周年が経過した。その10周年の間にはディスコのイメージに捕らわれていた時期もあったし、今までのスタイルを崩し、スローテンポに徹してアルバムを制作した時期もあった。だがそれら全てが、今のテレフォンズを形成する重要な出来事だったのではないか……。そう思ってしまうほど、この日のテレフォンズは常に強気で、ブランクを感じさせないパフォーマンスを魅せていた。

 

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アップテンポな楽曲の連続で、終始汗だくのプレイをこなしていたテレフォンズ。『Keep Your DISCO!!!』ではカウベルを演奏していたノブが客席にダイブし、Mステにも出演した記念すべき楽曲『Monkey Discooooooo』においてはノブが上裸になり、石毛は客席にギリギリまで近付いてのギターソロを繰り出していた。


「ありがとうみんな!愛とディスコを叫ぼうぜ!」と雪崩れ混んだ最後の楽曲は『Love & DISCO』。背後のミラーボールが輝く中、観客は一様に「ラブ・アンド・ディスコ!」の大合唱、石毛は何度も「踊れーっ!」と絶叫し、この日一番の一体感でもって幕を閉じた。

 


the telephones - Love&DISCO E.P.(PV)


本編は終了したが、まだ終わらない。アンコールの手拍子が鳴り響く中、再度メンバーが登場。ここからは本日最も長尺のMCへ突入する。


今回のツアータイトル『メジャーデビュー10周年、まだ行ったことのない都道府県に行くツアー(仮)』は長すぎるとのことで、ハッシュタグをつけて呟けるような略称を全員で考えることに。


『telephone→通話→ケータイ』という漠然とした考えの下、Wi-Fiツアーや電波○○、県内ツアーや都道府県制覇など多くの候補が挙がったが、なかなか決まらない。そのため仕方なくノブに一任し、ノブの考えた名前を公式名称にすることに。


理由は不明だが、結果的に『ガボンツアー』に決定し一件落着。


「本当に楽しかったです。松江は(テレフォンズとしては)来たことがなかったんですけど、もっと早く来とけば良かった」と石毛。かつてGetting BetterのイベントでDJとして松江に訪れた石毛は、とある人物からシジミをお裾分けしてもらった経験を今でも覚えているという。そのため今回『テレフォンズのライブ』として松江に来れたことに感慨深そうに語っていた。


「この日のために作ったような曲があって。それを最後にやって終わろうと思います。今日は本当にありがとうございました!」と述べてスタートしたアンコールの楽曲は『Something Good』。

 


the telephones - Something Good


活動休止を控え、当時最後のリリースとなったアルバム『Bye Bye Hello』のリード曲でもあるこの曲。思えば2015年の休止ライブでも、最後に演奏されていた。


しかし同じ『最後に演奏される曲』ではあるものの、その意味合いは全く異なる。今年彼らは沈黙を破って活動を再開し、新たなスタートを切る決意を固めた。


彼らが今鳴らしている『Something Good』は別れの歌ではなく、始まりの歌なのだ。


代名詞とも言えるハイトーンボイスを封印し、朗らかに歌い上げた石毛の顔は、一生忘れないだろう。笑顔に満ち溢れた彼の表情は、テレフォンズの明るい未来を体現しているように見えた。


3月には今ツアーの追加公演も控え、各地の春フェスへの出演も決定している。断言するが、今のテレフォンズは敵なしである。今回はキャパが小さめの土地を中心としたツアーだが、また全国各地で「ディスコ!」と叫ぶ日はそう遠くないだろう。


僕はといえば、全身びしょ濡れになった服を夜風で乾かしながら「また遠征すっかぁ……」と黄昏るのであった。

 

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