キタガワのブログ

島根県在住。音楽ライター。執筆依頼は適当な記事へのコメントでお寄せください。

1日のブログアクセス数が1000になった瞬間に病んだ話

こんばんは、キタガワです。


ブログ1年目にして、1日のアクセス数が1000を突破した。長かった。毎日ネタ探しに奔走し、ネガティブな心に抗いながら、あらゆる苦悩の果てにやっと辿り着いた。決して「読者登録して!相互フォローお願いします!」などと媚を売ったわけでもなく、文字通りたったひとりの力でここまで来た。


この結果は素直に嬉しい。意味もなく1日に何度もアクセス数を確認し、悦に入ったほどである。


しかしながら、嬉々とした感情は一瞬して消え去ることとなる。その理由は、ブログの解析をしたときのことだった。


僕が運営しているはてなブログでは『アクセス解析』という項目がある。1日にどれほどアクセスがあったのかはもちろん、どんな検索ワードで当ブログに行き着いたのか、何の記事が最も読まれているか等、詳しい情報を見ることができるサービスだ。


その中で、群を抜いて読まれている記事を発見した。それこそが「あいみょんがなぜ売れたか全く分からない」という記事であった。


この記事は、当時毎日更新に精神を蝕まれつつあった僕が、毎日更新を途切れさすまいと持てる限りのエネルギーを絞り出して書いたものだった。


今読み返すと文字数も少ないし、内容はペラッペラな紙切れ同然。加えて文章も稚拙なため、今すぐに加筆したくなる気持ちになるのだが、とにかく。僕はこの記事をたった2時間程度で執筆し、公開したのだった。


公開する際のタイトルは前述の通り、『あいみょんがなぜ売れたか全く分からない』という大迎なものにした。角が立つタイトルにしたが、断じてこの記事はあいみょんに対するヘイト記事ではない。記事を読んだ方ならご承知の通り、むしろ僕はあいみょんを路上時代から聴き続けているファンだ。


ではなぜこんなタイトルにしたのか。それは読まれると思ったからである。


名前は伏せるが、かつて『BUMP OF CHICKENに人生を狂わされた』というタイトルを冠したブロガーがいた。その人は他にも『AKBは詐欺集団なのか?』や『RADWIWPSの曲は全部同じ』といった、ファンを煽り立てるようなタイトルばかり付けていた人物だった。


もちろん一見して「なんだよこのタイトル!」と憤る人は多かった。しかし、中身を見るとその怒りの感情は180度変わった。


そう。その記事では批判言葉は一切使われていなかったのである。「BUMP OF CHICKENは人生を狂わせるほどに最高なバンド」や、「RADWIWPSの曲は全部同じだと思っていたが、全然違った。全曲聴いてみたら彼らのファンになりました」といった、タイトルで「は?」と憤ったファンに寄り添う、優しい記事だったのである。


これは今で言うところの『炎上商法』と似た手法だ。ブロガーにとってはアクセス数が第一。例えば『BUMP OF CHICKENは最高です!』という記事を書いたところで、一度目に止まった人でも「ありふれたタイトルだな」と判断し、記事は読もうともしない。その内容がどれだけ濃密であったとしても。


だからこそ、過激なタイトルで釣るのだ。一度本文に案内すれば、あとの反応は読者次第。そこでファンを全肯定する文章を書けば、怒りの矛先は行き場を失う。そして読了後、逆にアーティストへの心理を肯定されたファンは「いいじゃんこの文章!」と反旗を翻し、いいねやリツイートでもって同じファンに広める。そして必然的に、アクセス数は増える。


……そのブロガーの手法を思い出した僕は、試してみることにした。まるで教科書をそのまま丸パクリするかの如く、「あいみょんが売れたか全く分からない」という否定的なタイトルで、逆に内容はファンを肯定する文章にした。


しかし、少し弁解させてもらうと、当時の僕は必死だった。執筆時のアクセス数は1日20件やそこら。年齢もいい歳だ。周りは定職に就き、子どもが産まれたり貯金が何百万貯まったと、充実した生活を送っている。そんな中僕はといえば、人間関係をシャットアウトし、ただブログを書いているだけの存在だ。「夢を追っている」と言えば聞こえはいいが、世間的にはただのフリーターだ。バイトの僅かな収入。冷たい目線。ペラッペラな健康保険証……。そんな悲しい現実が「早く結果を出さなければ」と僕を焦らせた。


その結果がこのタイトルである。ファンを食い物にしているようで気が引けたが、もうそれどころではない。手段は選んでいられなかった。


そして予想通り、この記事はバズった。「あいみょん 売れた理由」と検索すれば、一番上にこの記事が出てくるようになった。おそらくこのブログに訪れた約60%は、あいみょんの記事繋がりだろうと推測する。


だからこそこの事実を知ったとき、僕は心が締め付けられる思いがしたのだ。本文に関しては真摯に向き合ったし、病んでいたとはいえその時期に出せる最大の文章にはなったと思う。


だが、タイトルに関しては邪道も邪道だ。正規の方法ではなく、狙って付けた。そしてそれが「どうだ、上手く行ったろう?」とほくそ笑むかのようにバズってしまった。


思えば僕は、所謂『ブログかくあるべし』という教科書に一貫して背いてきた。「アフィリエイトをして、商品のオススメ点だけを列挙して、買ってもらって。それがブログ飯だよ」という、いわば詐欺まがいのやり方が大嫌いだった。加えて同じはてなブロガーを検索していいねを付けて自分のブログを売り込むスタイルや、同じ趣味の人だけをフォローしたアカウントでその趣味のことだけ綴るブログも、徹底的に嫌悪した。


現実でもネット上でもブログ上でも、僕は一匹狼だった。


……この記事は、そんな僕が『ブログの教科書』に屈服してしまった決定的瞬間だった。何が嫌悪だ、何が一匹狼だ。結局は同じ存在じゃないかと、激しく落ち込んだ。まさか夢だったアクセス数1000を突破したことで、こんなに病んでしまうとは思ってもみなかった。


……もちろん僕はこれからもブログを書き続ける。なぜなら、それが唯一の道だから。今の僕が出来ることは過去を悔やむことではない。過去の事象を踏まえ、ステップアップすることである。


アクセス数1000突破、すこぶる感謝。今後は自分を見つめ直し、自分らしい記事で勝負したいと思う。


あいみょんの記事を超えることを目標に。心から「嬉しい」と思えるバズを記録出来るように、尽力していきたい。