こんばんは、キタガワです。
昨年のアニメ映画界は、正直あまり話題にならなかった印象が否めなかった。比較するのも申し訳ないが、それこそ数年前の『君の名は。』や『この世界の片隅に』のような、映画業界全体を引っ張っていくような作品には巡り会えなかった印象が強い。
しかしながら、大々的には認知されていないながらも、特定の層にピッタリ食い込んだ作品は多かった。その中のひとつが今回紹介する『さよならの朝に約束の花をかざろう』であると思う。
この映画は昨今のアニメブームの火付け役となった『あの花』の監督がメガホンを取ったことで話題になった作品だ。感動を売りにした展開は元より、もちろんオリジナルストーリー。全国の映画館で公開されるや否やヒットを記録し、評価も高かった記憶がある。
……というわけで、後れ馳せながら鑑賞することに。
結論から先に語ると、僕は泣けた。予告編でも言われていたが、確かに『あの花』や『ここさけ』の流れを汲む感動映画だったと思う。
大まかなストーリーを書くと、不老長寿の種族エオルフが赤ん坊を拾い、懸命に育てる過程が描かれる。その中では種族間における差別や困難、反抗期を迎えた子との確執といった難題が待ち受けているのだが、主人公は筆舌に尽くしがたい努力を重ね、育児に励む。その姿に、気づけば心打たれているのだ。
この映画のキーワードは、『不老長寿』と『育児』のふたつ。そのキーワードを見ると到底120分の尺に収まらないような感覚もあった。やはり思い返せば脈絡のない場面や「ん?」と疑問に感じる箇所もいくつかはある。しかしながら、補って余りあるほどのストーリー展開に、胸を捕まれるのである。間違いなく映画館で観たら号泣していた。
加えて、ここまでハードルを上げたにも関わらず軽々飛び越える作りはさすがで、全ての映画の基本とも言うべき事柄を網羅し、完璧な感動巨編に仕上げている。
ぜひあなたの大好きな人と一緒に観てもらいたい。見終わった後、あなたは何を感じるだろうか。
ストーリー★★★★☆
コメディ★☆☆☆☆
感動★★★★★
驚き★★★☆☆
配役★★★★☆
母は強し度★★★★★
総合評価★★★★☆