こんばんは、キタガワです。
今年もこの時期がやってきた。かける時間と閲覧数が釣り合っていない自己満企画、『個人的音楽アルバムランキング』である。
今回も去年と同じで、選考を通過した20枚を紹介する。選考対象外のものは以下の通り。
・ベスト版
・リマスター版
・シングル
・カバー
・EP
・ライブ会場限定CD
・サウンドトラック
・CDレンタルのみの商品
そして選考で一番重要視しているのは
・2018年に発売されたものに限る
・あくまで個人的に一番聴いたアルバムを、曲ごとではなく『アルバム全体』で評価
ちなみに前回のランキングはこちら。
20位~16位はこちら
15位~11位はこちら
10位~6位はこちら
5位~1位はこちら
……最初に伝えたいことがひとつある。それは去年取り上げたアーティストは今年、“何かが起こっている”ということである。
Aviciiは死去、バンもん!は改名、The Strypesは解散、あいみょんは紅白出場……。何これ。俺なんか予言してるの?怖。
えー、今年ランキングに入れたアーティストは来年何かが起こる。そんな記事でございます。注目しながらご覧ください。
もちろん今回も僕個人の意見をふんだんに取り入れたランキングとなっているので、その点はご了承願いたい。そして前回と同様、YouTubeの動画も貼り付けている。気に入ったらぜひ聴いてみてほしい。
それではどうぞ。
20位
CYNICISM/Neru
2018年3月28日発売
『ロストワンの号哭』や『東京テディベア』といった楽曲の産みの親、Neruによる3rdアルバム。
Neruといえば、実際のライブではまず実現不可能なほどに大量の音を駆使したBPM速めのサウンドが特徴。通常3枚目のアルバムともなると多少なり路線変更したりするものだが、そんな気配は微塵もない。むしろ疾走感は増し、音は重くなっている印象。
今作も今までのアルバムと同様、ボーカルは全曲ボーカロイドを用いている。そんな無機質なボーカロイドとバンドサウンド(PC打ち込みではない)が相まって、唯一無二の世界観を形成している。
狂いまくったリードトラック『脱法ロック』を皮切りに、相変わらず歌詞は分かるような分からないような内容が並んでいる。しかしアルバム全体に「それでもOK!」と無理矢理捩じ伏せる力があるのも確かだ。
世間一般では「ボカロの時代は終わった」と言われているらしい。しかしまだまだいけるのではと、このアルバムを聴いて思った。
Neru - 脱法ロック(Law-evading Rock) feat. Kagamine Len
Neru & z'5 - 捨て子のステラ(Abandoned Stella) feat. Kagamine Rin
19位
正しい偽りからの起床/ずっと真夜中でいいのに。
2018年11月14日発売
今年も多くのルーキーが音楽界を賑わせた。1年を通していろいろなミュージシャンが出てきたわけだが、注目度を鑑みるに今年一番大衆の人気を得たのはこの、ずっと真夜中でいいのに。(以下ずとまよ)であると思う。以前当ブログでも取り上げたが、それほど僕は衝撃を受けてしまった。
ずとまよは正確なメンバーの数も不明、顔も不明。しかもCD販売もライブも未経験という異例の状態で、口コミのみで広まった存在だ。にも関わらず、初音源である『秒針を噛む』は、現在動画サイトで1000万回を超える再生数を記録している。ここ数年の音楽業界で、間違いなく一番の大事件であった。
そんな中発売された今作は楽曲6、同楽曲のインスト6の、計12曲が収録されている。
謎の造語からどしゃめしゃのロックに転じる『ヒューマノイド』あり、時計の針の音や子供の笑い声を使った遊び心満載の『雲丹と栗』あり。初のアルバムでこの完成度は、正直どうかしている。
ボーカルACAねの文学的歌詞にも注目してほしい。『ずっと真夜中でいいのに。』というユニット名からもわかる通り、歌われる内容は全て憂いを帯びている。にも関わらず、あえて抽象的表現やズラした言葉遊びを多用することで、彼女にしか描けない独特の空間を演出している。
来年はさらに化けるのは必然といえる。まだ知らない人は最悪、流行に乗り遅れる可能性さえある。今すぐ聴くべし。
18位
THE ASHTRAY/Suchmos
2018年6月20日発売
年末の紅白歌合戦も決まったSuchmosだが、彼らはとある呪縛に悩まされていた。そう。代表曲『STAY TUNE』の存在である。
図らずとも、STAY TUNEは有名になり過ぎた。街中で「STAY TUNE以外の曲歌える?」と聞けば、おそらく大半の人が「NO」と答えると思う。それほどまでにあの曲は強力すぎるヒットソングであり、同時に僕らが一発屋のように感じる理由でもあるのだ。
……しかしミニアルバム『THE ASHTRAY』は違う。彼らは一発屋ではないのだと証明する、渾身の一作である。
約9割が5分以上の楽曲ではあるものの、STAY TUNE以上のハイテンポで突き進むCM起用曲『808』や紅白歌合戦に選ばれたきっかけである『VOLT-AGE』、ピアノの旋律が美しく響く『FUNNY GOLD』と、バラエティー豊かなラインナップ。その他の曲もスルメ曲の宝庫であり、聴けば聴くほど馴染んでいく感覚。
ラストは半インスト曲である『ENDROLL』でバッチリ締める。アルバム全体での構成力にも脱帽である。
一昨年はSTAY TUNEのヒットで四つ打ちロック界を騒然とさせたSuchmosだが、彼らはもう新たな局面に到達しているのではないか。そう思わされる素敵なアルバムだ。
Suchmos "808" (Official Music Video)
Suchmos "FUNNY GOLD" (One Shot Film)
17位
What Is Love?/Clean Bandit
2018年11月30日発売
今作に収録されている『Symphony』と『Solo』、そして『Rather Be』は全英チャートで1位を獲得。それだけでも驚きだが、それから数週間に渡って1位の座を手放さなかったという。そんな世界的ブームとなっているクリーン・バンディットの2枚目のアルバム。
クリーン・バンディットは、曲はクリーン・バンディット側が作るのだが、ボーカルだけは全曲通してゲストに任せるスタイルを取っていることで有名。今回もそれは健在……なのだが、Ellie Goulding、Rita Ora、ALMAといった超有名アーティストをバンバン起用しているので豪華さが段違い。しかも中にはヒップホップアーティストなども含まれているので、いろんなジャンルをごちゃ混ぜにしたアルバムであるとも言える。
サウンドに関してはおなじみのピポピポ鳴るピアノ進行が中心で、次第にバンドサウンドを追加していく、という作りが多い。なので後半からどんどん盛り上がる、ライブを観たくなる理想的な楽曲が大半を占めている。
個人的オススメは、やはり『Symphony』と『Solo』の2曲。某動画サイトで7億7千回再生されている時点でお察しだが、ずば抜けて良い。EDMサウンドとポップスの融合がうまい具合にマッチしており、自然にノれる作り。
海外アーティストにしては通常あり得ないレベルで来日し、親日家であることを公言しているクリーン・バンディット。今作を携えたツアーの期待も高まるところ。
Clean Bandit - Symphony (feat. Zara Larsson) [Official Video]
Clean Bandit - Solo (feat. Demi Lovato) [Official Video]
16位
ジェニーハイ/ジェニーハイ
2018年10月17日発売
川谷絵音、中嶋イッキュウ、くっきー、新垣隆、小籔千豊の5人によるバンドの初アルバム。テレビ番組をきっかけに結成した企画バンドではあるものの、アルバムを聴き進めるにつれて、完成度の高さが浮き彫りになっていく。
作曲者は川谷絵音だが、このバンドではindigo la Endでもゲスの極み乙女。でもない、新たな一面が伺える。ボーカルが女性ということもあってか、自身がボーカルを務めるのとはまた一風違った、ボーカルを引き立てるような楽曲が多い印象。
さらにはメンバーは芸能人といえど、演奏テクニックがずば抜けている。ドラムは手数が多いし、ベースは正確無比なリズムを刻む。中でも新垣隆のバカテクピアノは頭おかしいと感じるレベルで、再現不可能。これは断じて企画バンドではない。言うなれば規格外バンド。
BAZOOKA!の番組内で「夏フェスに出るのが目標」と語っていた通り、夏フェス映えするアッパーなナンバーが若干多め。『ランデブーに逃避行』はサビで盛り上がる光景が目に浮かぶし、『ジェニーハイのテーマ』は観客がハハハと笑うような。そんなイメージが沸いてくる曲。
メンバー全員が芸能人ということもあり、なかなか集まる機会がない珍しいバンドだとは思う。しかしそれだけでは収まらない魅力があるのも事実。このバンドが一過性のものではなく、長く継続してくれるのも願うばかりだ。
以上で20位~16位までの発表は終わりである。次回は15位~10位です。お楽しみに。