キタガワのブログ

島根県在住。極力誰とも関わりませんので悪しからず。目標は音楽ライターであり、ブロガーではありません。

個人的音楽アルバムランキング2017[20位~16位]

家庭教師のトライのCM、だんだん嫌になってきたな。

 


今年もやります、自己満足のコーナー。

 

今回も去年と同じで、選考対象外のものは以下の通り。

・ベスト版
・リマスター版
・シングル
・EP
・ライブ会場限定CD
・映画、アニメなどのサウンドトラック
・2016年に発売されたものに限る
・CDレンタルのみの商品

 

そして一番重要視しているのは

・2017年に発売されたものに限る
・あくまで個人的に一番聴いたアルバムを、曲ごとではなく『アルバム全体』で評価

です。

 

ちなみに前回は閲覧数が5人という、かけた時間と閲覧数が全く釣り合っていない現象が発生しました。なぜだ。

 

あと前回、絞りに絞った10作品を紹介したのですが、「それ以外にも良い作品たくさんあったな」と後々後悔したので、今回は倍の20作品を取り上げることにしました(この決断に今は後悔しています)。

 

YouTubeのリンクも張り付けることにしました。良ければどうぞ。

 

 

 20位

Mellow Waves/Cornelius

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長い長い沈黙を破り、小山田圭吾は再び歩き出す。

 


小山田圭吾のソロユニット、コーネリアス。復活。

 

コーネリアスがアルバムを出すこと自体、実に10年半ぶり(!)である。どれほどファンが心待ちにしていたことだろう。ファンとしては、作風が変わっているのでは?微妙な出来なのでは?と不安がよぎったはず。

 

……という心配が全くの杞憂であることを、このアルバムは体現している。むしろ今までの路線はそのままに、格段に進化しているのである。底が見えない。

 

メロウなメロディーを地で行く流れと、小学生でも分かる簡単な言葉を並べる手法も相変わらずだが、小山田の淡々とした歌声が『常に耳の奥で鳴っている感覚』が強いアルバム。

 

もちろん小山田はいつも通りで、声を張り上げることもなく無機質なロボットの如く言葉を紡いでいるのだが、それが耳元でずっと囁かれているイメージ。リード曲『あなたがいるなら』がまさにそうだ。

 

〈あなたがいるなら あなたがいるなら この世はまだましだな〉

 

温度感ゼロの歌声と、やたらと多い音数、異様に低いBPMも相まって、もはやちょっとしたホラーである。

 

聴いているうちに頭がおかしくなりそうなサイケ曲『Helix/Spiral』あり、映画のサントラのように美しいインスト曲『Crepuscule』あり。現代の音楽シーンの流行を完全に無視したマイペースな楽曲群は、驚きを与えてくれる。間違いなくコーネリアス史上最高傑作。

 

あと個人的なことで申し訳ないんですが、仕事で行けなかったのでもう一度全国ツアーをお願いします小山田さん……。


Cornelius - 『あなたがいるなら』"If You're Here"


Cornelius - 『いつか / どこか』" Sometime / Someplace "


19位
TOGENKYO/フレデリック

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いざ、前人未到桃源郷へ。

 


踊ってない夜を知らないフレデリックのミニアルバム。

 

フレデリックの歴代アルバムの中でも、バラエティーに富んだ作り。とあるインタビューにおいて三原康司(Ba.Vo)は「みんな知らない感じを出したかった」と述べているが、まさに『新たなフレデリック』が詰まったアルバムという印象だ。

 

ワールドミュージックフレデリック像を重ね合わせたのが『ミッドナイトグライダー』や『RAINY CHINA GIRL』といった楽曲たちなのだが、聴いただけで「あ、フレデリックだ!」と分かる、フレデリックらしさは全く失われていないのがすごい。

 

メッセージ性も強くなっており、特に顕著なのが『TOGENKYO』と『たりないeye』。神戸ワールド記念ホールでのライブを控え、まだまだ先に向かうという明確な意識を感じることができる。現状に満足などしていないと。

 

桃源郷待って待って〉

〈たりない 君と見る景色がたりない〉

 

ライブでの動員数も増え、海外でのライブも大盛況。今や若手代表のロックバンドになったわけだが、それでも。桃源郷にたどり着くまでは歩みを止めないだろう。

 

『オドループ』の呪縛から完全に解き放たれたフレデリック。言い方は変だが、今は『どんな曲を作っても受け入れられる状態』にある。神戸ワールド記念ホールのライブの後……つまり来年には、さらに大きくなったフレデリックを見ることができそうだ。


<TVアニメ「恋と嘘」OPテーマ>フレデリック「かなしいうれしい」Music Video


フレデリック「TOGENKYO」Music Video


18位
Just The Beginning/Grace VanderWaal

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2017年最大の事件か。恐るべき13歳の超新星、現る!

 


グレース・ヴァンダーウォールという少女の登場は、あまりにも衝撃的だった。

 

突如アメリカの有名オーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』に出場し、優勝。フラっと現れ、ウクレレを弾きながら声を張り上げた瞬間、会場が総立ちになったのを動画で観て、鳥肌が立ったものだ。ちなみに、当時の彼女は12歳(僕たちが中学校に上がり、新たな環境でワイワイやっている時期に、彼女はスターダムへの道を掛け上がっているのだ。恐ろしい)。

 

で、あれよあれよと名が広まり、今回初のアルバムを発売。作詞作曲は……え?グレース本人?マジで?ほぼ全曲?

 

しかも曲の完成度が半端ではない。特にPVで爆発的再生数を記録している『Moonlight』。この曲の破壊力といったら。

 

「さぞかしカワイイ声なんだろうなー」というイメージで聴いた人は失神すること受け合いの、圧倒的歌唱力。声の絶妙なかすれ具合、絞り出すようなシャウトは、13歳の少女とは到底思えないレベル。

 

そして、特筆すべきは歌詞である。サビ前、彼女はこう語っている。

 

〈彼女の友達は 彼女のことを凄いと思ってる〉
〈でも私は全部知ってる 彼女、壊れかけてるわ〉

 

これほど赤裸々に心情を吐露する歌手は、ベテランでもほとんどいない。卓越したソングライティング能力も持ち合わせていることがわかる。

 

「君は次のテイラー・スウィフトになる」とも審査員に言わしめたグレース。末恐ろしい新世代の誕生だ。

 

アルバムは全体的に見ると、ゆったりとした曲が多め。ピアノの旋律と彼女のウクレレが絶妙にマッチし、聞き応えのある内容に仕上がっている。

 

学校との兼ね合いもあるので大変だと思うが、これからも良作を作り続けていただきたい。

 

ちなみに、ホンダのCMソングとして絶賛パワープッシュ中の、かの名曲『Over The Rainbow』カバー。これが特にヤバい。日本国民のほとんどが知るあの曲は、グレースの手にかかるとこうなる。こちらは日本国内限定版にのみ収録。ぜひお買い求めを。

 

きっとハートが散りばめられたステッカーに、笑顔がこぼれることでしょう。やっぱり年相応の女の子なんだなあ。


Grace VanderWaal - Moonlight (Video)


Grace VanderWaal - So Much More Than This


17位
INTELLIGENCE/夜の本気ダンス

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朝も昼も夜も本気ダンス。

 


夜ダン3枚目のフルアルバムは、『INTELLIGENCE』。かつてのパンクがかった楽曲からは少し距離を置きつつも、体が勝手に動き出す夜ダンらしさは失われていない。

 

冒頭のライブSE『ロシアのビッグマフ』から始まる『Call Out』から中盤までは、王道のロックンロール。後半にかけては、スローテンポで聴かせる楽曲となっている。全体的に前作『DANCEABLE』に近いかと。

 

ライブ至上主義の夜ダンらしく、楽曲はコールアンドレスポンスや一緒に歌えるようなものが多いのも特徴。

 

中でもシングル曲の勢いは凄まじく、『Take MY Hand』では「Oh!!」と叫ぶ部分で客が手を上げるイメージが湧くし、『LIBERTY』はサビの瞬間にモッシュやダイブが巻き起こること間違いなし。ゆっくりしたテンポの『Heart Beat』も「Yeah!Yeah!」のコールアンドレスポンスで、ただのスローテンポな曲で終わらせない。

 

暴力的に炸裂する新メンバーのギターも相まって、珠玉のロックンロールナンバーが揃っている。昼夜問わず踊りまくれるアルバムだ。

 

3作目ともなると音楽性や歌詞に著しい変化があったりするものだが、夜ダンはまだ安定しているようだ。次のアルバムはどうなるか、期待が高まるところ。


夜の本気ダンス "Call out" MUSIC VIDEO (YouTube version)


夜の本気ダンス "TAKE MY HAND" MUSIC VIDEO (YouTube version)


16位
I See You/The xx

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曇天からの脱出。抑圧からの解放。

 


よくもまあ、これほどまで振り切った作品を作り上げたものだ。

 

かつてのザ・エックスエックスの作品は、音数を極端に削ぎ落とし、ボソボソと歌うスタイルを貫いていていて、極端な話、暗闇での孤独感を感じる作風だったが、今作は全く違う。

 

1曲目『Dangerous』でまず僕は爆笑してしまった。まるで管楽器が奏でるファンファーレのような1音目に、ハッとさせられる。アメリカの大統領が現れたときのBGMに近いノリ(分かりにくくて申し訳ない)で、衝撃的な幕開けだ。

 

聴き進めていくと、はっきりと分かるのが『明るさ』だ。かつてのどす黒い面影を残しつつも、キーボード、打ち込みを多様することで、迫力を与えてくれる。これに関しては、フジロックメインステージのライブなど、大規模なライブを繰り返してきた彼女たちにとって、必然的なことなのかもしれない。

 

紅一点のロミー(Vo.Gt)とオリヴァー(Vo.Ba)が交互に歌うスタイルは変わらず。3歳の頃からの幼なじみのコンビネーションは未だ健在のようだ。打ち込み担当のジェイミー(Key.Pro)は、個人のDJ活動の幅を増やしたためか、パーカッションの引き出しが増えている。アルバムを通して、ドラムの音がほとんど聴こえないほど。

 

米津玄師のライブSEとしても有名な『A Violent Noise』、バンドの知名度を上げるきっかけとなった『On Hold』など、良曲揃い。

 

ファーストアルバム『xx』が大好きな人にとっては、かなり賛否が分かれそうな作品ではあるが、このチャレンジ精神はさすがである。

 

今作『I See You』でひとつの完成形を作ったザ・エックスエックス。今後の様子を見守っていきたい。

 

それにしても、ここまで『xx』を跡形もなくぶち壊すような作品を作るとは思わなかったな……。

 


The xx - Say Something Loving (Official Music Video)


The xx - I Dare You (Official Music Video)

 

次回は15位から11位!頑張って書きますのでしばしお待ちを!