続きです!それではどうぞ!
15位
何度だって、好き。~告白実行委員会~/HoneyWorks
キュンキュンの恋愛ソング、ここにあります。
『恋愛』がテーマのポップソングの作曲グループ、ハニワのニューアルバム。
今回も雨宮天、梶裕貴、神谷浩史を筆頭とした有名声優や、Geroやまふまふといった歌い手が名を連ねる大規模なアルバムとなった。
耳に残るメロディーラインはさらにパワーアップ。キーボードを主軸とし、飛び道具的なギターが支える展開は、イガみを感じることなくスッと耳に残る。
歌詞に関しては、相変わらず顔から火が出る勢いのド直球な表現が続く。
〈年下なんてダメですか? 長い髪好きなんですか? 彼女候補にどうですか? 先輩のことが「好き」("センパイ。")〉
〈朝昼晩一日中君のこと 考えています 想像だってしちゃいます("可愛くなりたい")〉
見事にいじらしい気持ちにさせてくれる。この手の歌詞がハマる人には、満塁ホームラン級の破壊力だ。
アニメでしょ?ボカロでしょ?歌い手や声優が歌ってるんでしょ?という意見も理解できる。だが、聴かないのはもったいないというものだ。ぜひ聴いてキュンキュンしてもらいたい。
ちなみに僕は『東京サマーセッション』でゾクゾクっとして死ぬかと思った人の1人です。
14位
完ペキ主義なセカイにふかんぜんな音楽を♥️/バンドじゃないもん!
頭からっぽで踊れ!バンドよりバンドなアイドルだもん。
6人組アイドルバンもん!、2枚目のフルアルバム。
今作も前半はポップパンクで固め、後半はじっくりと聴かせる楽曲となっている。
特筆すべきは、前半部分。先程『ポップパンク』と書いたが、その勢いが尋常ではない。少なくとも、同じアイドル界隈では最速BPM。
冒頭『青春カラダダダッシュ!』で、まず超高速シンセサイザーが炸裂。確実に1人では歌えない、6人だからこそ可能なスピード感で度肝を抜く。
かと思えば続く『キメマスター!』では、前曲を遥かに凌駕するBPMで翻弄する。しかもシンセソロ、ギターソロなどやりたい放題。頭で処理出来ないぐっちゃぐちゃの情報量で混乱させていく。バンもん!のファン=モンすたーに焦点を当てた歌詞も、メンバーの「はわっ!通りまるー!」、「あ、サビきまーす」などのセリフも最高だ。
『しゅっとこどっこい』も、「あ、スローな曲じゃん」と感じるのもつかの間、30秒後にはやっぱりパンク。ラップの要素も、『リラックス体操』と称したシュールな体操指南まで入ってる始末。歌詞ガン無視のごちゃ混ぜ音楽。なんだこれ。
と、ここまで前半の曲のことばかり述べたが、後半も緩急がきちんとついていて良い。
そして14曲目にはアイドル史上最大の問題作『YATTA!』が満を持して登場。昔のはっぱ隊の名曲を大胆にカバーしたこの曲、まさかアイドルが歌うとは思わないだろう(今の若い人は知らないかも……)。「はっぱ1枚あればいい 生きているからラッキーだ」の歌詞は、ちょっとインモラルな気持ちにさせてくれる。
頭からっぽではっちゃけたい人にオススメのアルバム。きっとライブを観たくなるはず。
個人的にはアイドルの概念は崩壊しつつあると感じているのだが、その先陣を切るのはバンもん!なんじゃないかと思わざるを得ない出来。
バンドじゃないもん! / キメマスター! [MUSIC VIDEO]
バンドじゃないもん!/YATTA![MUSIC VIDEO]
突如誕生した謎ユニット。その正体は……?
チャットモンチーの橋本絵莉子と、people in the boxの波多野裕文。
この二人のフロントマンがデュオを組んでCDを出すという情報を知ったとき、僕は正直驚いた。
だが同時に「アリかもしれない」とも思った。『シャングリラ』を始めとした良メロ作曲の立役者橋本と、実験的な楽曲を次々発表するひねくれ者の波多野。二人に共通するのは、確かな『作詞作曲センス』と『ポップさ』である。
基本的に男女混合で歌う場合ソプラノパートとアルトパートに分かれることが多いが、2人は同じ音程で歌っている。橋本や波多野が単独で歌うものもある。
アルバム全体としての大きなテーマは『日常』だ。波多野が得意とする仮想空間的な歌詞は鳴りを潜めたが、メロディーラインは波多野節全開。
橋本は橋本らしいメロディー、歌詞だなあという印象。良い意味でいつも通り。
リード曲『飛翔』では、ザリガニ釣りや近所のジャスコに行ったりする、ありきたりな日々こそが理想的であると歌っている。
この曲で橋本が繰り返し伝えようとする言葉がある。
〈もう1度やり直せても 同じ事を選ぼうと思う〉
ミュージシャンとしての飛躍、橋本絵莉子波多野裕文の結成、そしてチャットモンチーの解散……。全ては運命であり、抗えない現実であることを彼女は理解しているのだ。
チャットモンチーっぽくもあり、peopleらしさもある、不思議なアルバムだ。
ライブ予定なし。いつまで続くかも未定のデュオだが、期間限定でなく、今後も続けていってほしい。
12位
Spitting Image/The Strypes
クールでキザなボーイズよ、大志を抱け!
今年のフジロック・フェスティバルで圧巻のパフォーマンスを見せ、現在も日本ツアーの真っ最中のザ・ストライプス。
メンバー4人の写真がドン!とジャケット写真になっているのはいつものことだが、今回はモノクロではなく、華やかな色合いなのにまず驚いた(サングラスをかけたり横向きになったりするなど、相変わらず反骨精神は見えるが)。
今までのストライプスといえば、ギター2本とベース、ドラムという『ロックのお手本』のような構成だったが、今回のアルバムはキーボードを全体的に推している。これによりガッチリとまとまりのあるアルバムに仕上がっている。
おなじみのハーモニカも健在で、アルバム全体を通して、まるでザ・ビートルズが通ってきた道をそのまま走り抜けているような美メロの宝庫。
どうしてもメンバーの若さがピックアップされがちだが、彼らが鳴らしているのはまぎれもなく高水準のロックンロール。初期衝動を全面に押し出したファースト、セカンドアルバムとは多少異なるが、しっかりと時間をかけて練られた楽曲という印象。
何も考えなくて良い、ハイテンションでハッピーなポップロック。彼らがいる限り、ロックシーンも期待できる。
個人的には、ストライプス史上最高傑作。もう全曲シングルでもいいくらいの理想的なアルバム。また日本ツアーをお願いします……。
The Strypes - Behind Closed Doors
The Strypes - Great Expectations
11位
Without You/Avicii
アヴィーチーの時代、未だ終わらず。
言わずと知れたEDM界の賞金王アヴィーチーが、遂に復活の狼煙を上げた。
しばしの活動休止の後に発表された今作『Without You』はミニアルバムながらも、彼の完全復活を伝えるには十分なものだった。
だが正直『True』、『Stories』といった化物じみたアルバムと比べると、全体的なBPMの遅さからか、好みは分かれると思う。
かつての路線をバッサリと捨てた今作は、新たなファン獲得に向けた、壮大な実験作なのだ。
前作『Stories』よりはファーストアルバム『True』に近い。フォークギターを多用したカントリー調の楽曲が多くなっている。
だが、サビの部分を丸々使った爆発的盛り上がりや、プログラミングの音色はまさにアヴィーチー。最もかつてのアヴィーチーに近い楽曲は『Friend Of Mine』。逆に全く異なるタイプは『What Would I Change It To』だろう。
表題曲『Without You』までは、かつてのアヴィーチーファンは問題なく聴けるはずだ(遅いけど)。だが『What~』に関しては違う。ほぼシンセサイザーを入れず、歌詞に注力した意欲作。これがファンにどう写るか、見物である。
楽曲『Wake Me Up』の爆発的大ヒットにより、EDM界ではカルヴィン・ハリスに次ぐ賞金王となったこの男。
フルアルバムではどんな表情を見せてくれるのか、非常に楽しみ。
Avicii - Friend Of Mine (Part 1 - Lyric Video) ft. Vargas & Lagola
Avicii - Lonely Together ft. Rita Ora
次回はついにトップ10の発表!頑張って書きます!