キタガワのブログ

島根県在住のフリーライター。ロッキン、Real Sound、KAI-YOU.net、uzurea.netなどに寄稿。ご依頼はプロフィール欄『このブログについて』よりお願い致します。

個人的音楽アルバムランキング2018[5位~1位]

こんばんは、キタガワです。


やっとこの日がやってきた。『個人的音楽アルバムランキング2018』、ついに5位~1位の発表である。果たしてキタガワが今年最もオススメしたいアルバムは何なのか。

 

・20位~16位はこちら
・15位~11位はこちら
・10位~6位はこちら

 

それではどうぞ。運命の瞬間である。

 

 

5位
PANORAMADDICTION/パノラマパナマタウン
2018年1月17日発売

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若手オルタナティブロックバンド、パノラマパナマタウンの待望のメジャーアルバムである。


僕自身いろいろな音楽を嗜んでいるつもりだが、パノパナの楽曲構成は他の追随を許さない独創的なものだ。テンポを正確に刻むリズム隊に合わせ、「文字数制限?そんなん知るか」とばかりに言葉をこれでもかと捲し立てるボーカル岩渕のアンサンブルは、一度ハマると癖になる。


当たり前を強要する世間に真っ向から切り込む『フカンショウ』やアニメ主題歌としてお茶の間にも浸透した歌メロ全開な『ラプチャー』、インディーズ時代の代表曲を良質なサウンドで再構築した『ロールプレイング』。ギャリギャリのギターと岩渕の主張、そのふたつが凄まじいほどの切れ味で鼓膜を直撃する。情報量が多過ぎて頭がパンクしそうな感覚だが、それを「気持ちいい」と錯覚させるのがパノパナサウンド。


多くのインタビューで語っているのだが、彼らは根っからのひねくれ者集団である。同じような曲は作らないし、他のバンドと比較されたり、やり方を否定されることを悉く嫌う。おそらく来年2月に発売される予定のフルアルバム『情熱とユーモア』では、また違った切り口で攻めてくるに違いない。


最近ライブで披露されている新曲を聴いていると、『ロールプレイング』のような曲はもう作らないのかもしれないなとも思う。だからこそこのアルバムは、今の彼らにしかなし得ないひとつの決定打なのだ。


まだまだ若いが、既に強固なオリジナリティーを確立している彼ら。これからさらに伸びるのは確実だ。もしかしたら数年後のロックシーンで先頭を走っているのは、彼らなのかもしれない。


パノラマパナマタウン「フカンショウ」Music Video


パノラマパナマタウン「ロールプレイング」Music Video/PanoramaPanamaTown "Roleplaying"

 

 

4位
PLAY/菅田将暉
2018年3月21日発売

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もうすでに僕の中では『俳優・菅田将暉』ではなく『歌手・菅田将暉』になりつつある。このアルバムを聴けば、誰でもそう思うだろう。俳優の活動を主としている彼であるが、それにしても完成度が高すぎる。


このアルバムでは石崎ひゅーい、amazarashi秋田ひろむ、忘れらんねえよ柴田、黒猫チェルシー渡辺、米津玄師といったそうそうたるメンバーが作曲を手掛けていることもあり、曲を聴くだけで「ああ、この人が作曲したんだろうな」と、作曲者の色を感じることができる。ある種のコンピレーションアルバムのような内容となっている。


そこに菅田将暉のボーカルが乗ると、途端にロックテイスト溢れる楽曲に変化することに驚く。過去にはバンドを組んだ経験もあり、映画やドラマで歌を歌うことも増えてきた菅田将暉であるが、彼は間違いなく天性の歌の才能がある。しっとりと、それでいて力強い彼の歌声は、いちシンガーとしても目を見張るものがある。


中でも『さよならエレジー』や『見たこともない景色』でのボーカルは圧倒的で、ロックバンドよりもロックバンド然とした立ち振舞い。イケメンだから、俳優だからという以前に、この人気は彼自身の歌の魅力によるところも大きいのだろう。


今年は初のアルバム、ライブ開催と音楽活動も本格化した1年であった。俳優業の傍ら音楽活動をするというのは、体力的にも負担が大きく、簡単に行えないことはみな承知の上だろう。しかし彼ほどの才能を眠らせてはならないとも思うのだ。来年はさらに精力的な活動を期待したい。……もう一度全国ツアーとか。


菅田将暉 『さよならエレジー』


菅田将暉 『見たこともない景色』Short Ver.

 

 

3位
負け犬にアンコールはいらない/ヨルシカ
2018年5月9日発売

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「先生、人生相談です。この先どうなら楽ですか?」……。これはアルバムに収録されている『ヒッチコック』という曲のサビ部分である。この曲を聴いたとき、自然と涙が込み上げてくる感覚があった。「2018年最大のメッセージソングは何か」と問われれば、僕は迷わず「ヒッチコック」と答えるだろう。


ボーカロイドクリエイターでもあるn-bunaが作詞作曲を手掛けるユニット、ヨルシカ。彼らの2枚目のアルバムとなる今作には、『負け犬にアンコールはいらない』という意味深なタイトルが付けられた。このタイトルの意味は、アルバムを聴き進めるごとに次第に明らかになる。


……ヨルシカの楽曲には、強い悲壮感が込められているのである。激しいロックサウンドはうまく生きられない憤りを表しているようにも聞こえるし、4曲のインストゥルメンタルはまるで生涯を自ら終えたような、エンドロール的な寂しさを孕んでいる。


……悪い表現をするならば、このアルバムを聴くことは自身の傷を抉ることと同義であるとも言える。存在意義を説き、死生観を剥き出しにするこのアルバムを聴けば、絶対に無傷では済まないはずだ。しかし同時に、傷が治癒されていくような奇妙な感覚にも陥る。


躓いたとき、悩んだとき。辛いとき。このアルバムは、そんなあなたの気持ちに寄り添ってくれるはず。ストレス社会に生きる人類全てに勧めたい、2018年最大のメッセージアルバムである。このアルバムを聴き終えたとき、あなたは何を思うだろうか。


ヨルシカ - ヒッチコック (MUSIC VIDEO)


ヨルシカ - ただ君に晴れ (MUSIC VIDEO)

 

 

2位
充分未来/集団行動
2018年2月7日発売

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2017年度の音楽アルバムランキングでも、同様の順位だった集団行動。このときは『真部脩一の才能は異常』というようなことを書いた覚えがあるのだが、もう一度書かせてほしい。真部脩一の才能は異常だ。


相対性理論の初期メンバーであり、『スマトラ警備隊』や『LOVEずっきゅん』の産みの親。やはりこの才能は本物で、全てがキャッチーでポップ。いわば真部マジックとも言うべき作りに脱帽である。加えて謎を呼ぶ歌詞は健在で、どうしても直接会わずに電話で済ませたい真部にクスリとする『会って話そう』、バラードの中に「ムカつくわ」と折り込むセンス、「鳴り止まないなないなななない……」のリフレインが耳にこびりついて離れない『鳴り止まない』など、独自のセンスが光る。


結成から1年が経過した彼ら。前回のミニアルバムとの大きな違いは、ボーカル齊藤の変化にある。『ミスiD2016』でファイナリストとなった彼女は、結成当時は音楽にほぼ興味がなかったらしい。しかしそれからバンド活動を続けていくうち、確固たる自信と責任を抱くようになったという。それは歌にも現れていて、明らかに前回より歌が上手くなっている。ゆったりした曲では抑揚をはっきりさせた歌い方になり、激しい曲では若者特有のはっちゃけた感がある。CDを聴いただけでもわかるこの成長具合は素晴らしい。


このクオリティで来年もアルバムを作られたら、僕は三たびアルバムランキングで上位に入れるだろう。別に僕が相対性理論のファンであるとか、真部脩一にたぐいまれなる作曲センスを感じているとか、そういうのはどうだっていいのだ。完成度の高い曲を量産し、アルバムに入れ込む。そしてそれが尋常ならざるレベルで成功している……。ただそれだけのことなのだから。


集団行動 / 「充分未来」Music Video Track(充分未来~オシャカ~会って話そう~モンド)


集団行動 / 「充分未来ツアー」ライブ映像ダイジェスト(2018.3.22渋谷WWW X)

 

 

1位
ONE!/ネクライトーキー
2018年12月5日発売

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今回のアルバム選考は、菅田将暉とヨルシカと集団行動の3強だった。発売年を見てもらえれば一目瞭然なのだが、早くも今年の上半期の時点で漠然と「ほぼこのどれかが1位になるだろうな」という確信があった。


……そんな牙城が崩されたのが、某動画サイトで『オシャレ大作戦』なる楽曲を目にした瞬間だった。気付けば口をポカンと開けたまま半笑いで画面を見つめ、曲を聴き終わったときには「マジかー」と声に出していた。


キーボードの謎の音色。全員で出す『ジャン!』というサウンド。ハム太郎チックなボーカルの声。爆発的なサビ。意味不明を通り越して理解不能な歌詞……。その全てが、今まで僕が聞いてきたロック像をいとも簡単にぶち壊してきたのだ。


それからも1ヶ月単位で楽曲が公開されるのだが、へにゃへにゃした曲だったり某有名バンドのパロディー的楽曲だったり。その全てが脳内に刺さりに刺さった。そして次第にこれらの楽曲が年内発売のアルバムに“全部”収録されるという情報が明らかになったことにより、僕の脳内に『ネクライトーキー=1位』のイメージが浮かんでくるようになった。


そして運命の12月5日。アルバムを購入し、数週間じっくり聴いた。そして他のアルバムと比較した結果、「今年の1位はこれしかない」という結論に至った次第である。


いやー、こんなの反則ですよ。最後の最後に何してくれてんだよと。しかも狙ったようにタイトルは『ONE!』(1位)だし。でも後悔はない。2018年度の1位は、これ以外考えられない。天晴れ。


ピョコピョコしたイントロが癖になる『レイニーレイニー』、「どつき回せ!腹を殴れ!」と可愛さの欠片もない『めっちゃかわいいうた』、フジファ○リックのTAIFUのオマージュ曲『タイフー!』、夏の終わりを告げるバラード『夏の雷鳴』……。まるでおもちゃ箱をひっくり返したような、バラエティーに富んだ楽曲だらけ。そしてどれもクオリティが高く、最初から最後まで全力疾走。一切捨て曲なしの12曲。


まだアルバムは1枚目。しかし恐ろしい才能は、この段階でも開花している。音楽の未来を変えてくれる期待を込めて。来年は売れるぞ!ネクライトーキー。


ネクライトーキー MV「オシャレ大作戦」


ネクライトーキーMV「こんがらがった!」

 


さて、いかがだっただろうか。

20位……CYNICISM/Neru
19位……正しい偽りからの起床/ずっと真夜中でいいのに。
18位……THE ASHTRAY/Suchmos
17位……What Is Love?/Clean Bandit
16位……ジェニーハイ/ジェニーハイ


15位……WAKE UP/エレファントカシマシ
14位……The Now Now/Gorillaz
13位……8 Letters/Why Don't We
12位……じゃぱみゅ/きゃりーぱみゅぱみゅ
11位……Toys Blood Music/斉藤和義


10位……超能力戦士ドリアンの1004円のCD/超能力戦士ドリアン
9位……一大事/ポルカドットスティングレイ
8位……H.O.T/Nulbarich
7位……Dont Smile at Me +5/Billie Eilish
6位……Politics Of Living/Kodaline


5位……PANORAMADDICTION/パノラマパナマタウン
4位……PLAY/菅田将暉
3位……負け犬にアンコールはいらない/ヨルシカ
2位……充分未来/集団行動
1位……ONE!/ネクライトーキー

 

気付けば1万字を軽く超える文字数で書きなぐってきた今年の『音楽アルバムランキング』。選考の結果はこのように相成った。


例年そうだが、今年も本当に迷った。泣く泣く除外したアルバムも多かったのだが、今となっては後悔はない。これらが今年1年アホほどCDを聴いてきた僕が様々な観点から選んだ、ベストアルバム20選である。


今回もYouTubeの動画を何個か貼り付けているのだが、これらは全てオススメ曲だ。一度聴いてみて『いいな』と思ったら、ぜひCDショップで購入したり、レンタルしてみてほしい。


今回のランキングを見て「初めてこのアーティストを知った」と思っていただいたり、「前から知ってたけど別の良さを再確認できた」と思っていただければ、これほど嬉しいことはない。


簡潔ではあるが、来年もまた最高のアルバムに出会えることを願って、この記事を終わりにしたいと思う。


それでは。