キタガワのブログ

島根県在住のフリーライター。ロッキン、Real Sound、KAI-YOU.net、uzurea.netなどに寄稿。ご依頼はプロフィール欄『このブログについて』よりお願い致します。

「人生楽しいよ」と笑顔で語る人の気持ちが心底分からない、という話

「今の人生楽しいですか?」……このほぼほぼ禅問答みたいな問いを、これまで僕は多くの人に交わしてきた。帰ってくる答えは基本的には「分からん」。第一印象の時点で明らかにポジティブオーラが醸し出されている少数派の人からは、時たま「楽しい」だ。そんな答えを聞きながら改めて、他人の思考というものが良く分からなくなる。何故なら僕は、人生を楽しいと思うことがないから。

そもそもの話、僕は同年代の人々が経験する所謂『幸せ』と呼べるような出来事の深みを全く理解できない。これは決してネガティブな意味ではないのだけど、金も女も将来の展望もない人間が「結婚生活最高だよ」と友人に言われたところで、そんなものが存在した試しがない人間にとっては何が何やらである。もしも他者が幸せと思う出来事が自分自身に降って湧いたとして、それを幸せとは認識出来ない謎の自信がある。

無論これまでの人生で、楽しい出来事が一切なかった訳ではない。友人と語ったり、ライブに行ったり、泥酔状態でゲームをしたり……。それは全ては確かに楽しいけれど、それ以上にはっきりとした虚無感を抱いてしまうのは、ひとりの人間が生きる上で圧倒的なマイナス要素として位置している。友人と語れば「この言葉言わない方が良かったかな」と悩み、ライブに行けば「曲を聴き込んでたらもっと楽しめたな」と後悔し、ゲームをすれば「俺は何をやっているんだ」と落ち込んでしまう。そんな人間が『人生楽しい』の境地に達するのは、おそらく地球がひっくり返るレベルの天変地異が起こらなければ有り得ないだろう。

ただ、こんな死にたがりのネガティブ人間にしか成し得ないことも、何かしらはあるのではと無理矢理思いながら日々を生きている。夢を追い掛け続けてもうじき5年。正直他人から「頑張ってね!」と言われることも全くなくなってきたし、他の同年代の人々と比較してここまでどん底な人生を憂うこともある。それでももう、死ぬまでやるしかないところまで来ている。年収200万にも到底届かないオッサンがここから這い上がるには、やるしかないのだ。このまま40歳くらいまで突入したらさっさとおさらばするつもりではあるので、それまでは何とか自分らしさを貫いて結果を出さなければならない。

人生は辛いことこの上ないが、何とか生きなければ。そして何年後か何十年後か分からないけれど、これまで続けてきた歩みが何かの拍子で結実したとするならば、少なくともそれは何よりの『死ななくて良い個人的な理由』になるのだと思う。どうか素晴らしい未来が、長い旅路の終着点にありますように。

 

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