キタガワのブログ

島根県在住。文筆。rockinon.com外部ライター等。

やっぱりどれだけ叩かれても紅白歌合戦は必要だ

こんばんは、キタガワです。

 

12月31日。世間一般的に大半の企業は仕事休みで、家族連れが家でしっぽりと過ごす中、いちアルバイトに休みはない。年末年始関係なくギチギチにシフトが組まれてるスケジュールもがむしゃらにこなし、更には年始めに向けての雑務やら何やらを処理しているうち、いつの間にか「今日は年末である」という感覚さえも薄れてしまっていた。祖父が生前「ワシャあ何歳なのかもう覚えちょらん」とうわ言のように繰り返すのを「じいちゃんも歳だなあ」と笑って見ていたのが数年前だが、遂にその考えが少し分かるようになってしまった。人間はこうして年齢を重ね続けていくのかもしれない。


ただ働きづめとは言え、年末は年末である。この日出勤した人には漏れなく1時間退勤時間を早める措置が取られたことで、思ったよりも早く退勤することが出来たのだ。そして帰宅後、何となしに点けたテレビは格闘技やガキ使ではない新規のネタ番組と、どうにも年末感を得るには心許ない。そこで選んだ番組こそ、紅白歌合戦だった。

 

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https://www.nhk.or.jp/kouhaku/


正直なことを言ってしまえば、僕は紅白歌合戦をそこまで熱心に観る人間ではない。これに関してはおそらく同じ考えを持つ人も一定数存在すると思っていて、何か友人たちとラインをしながら、はたまたツイッターでリアルタイムの感想を読みながらなど、何となく『耳で楽しむ』ような楽しみ方をする番組に分類されることだろう。今年の紅白は、良い意味で例年通りの出来栄えだった。今年広く話題を獲得した音楽が流れ、紅白でお馴染みとなった演出もそのままの数時間。気になったアーティストが出る瞬間は真剣に観るが、あとはほぼ放置状態。ただそうしたダラけた年末特有の時間経過がとてつもなく素晴らしいものであるということは、何となく分かった。


そしてフラリと観ているだけでも発見があるのが紅白の良いところでもあって、それこそこれまで何度か聴いたことのある日向坂46の“君しか勝たん”やSixTONESの“マスカラ”といった楽曲群はNHKによるメンバーそれぞれに徹底してフォーカスを当てるカメラワークにより、多くの人に『好かれる理由』に納得がいったし、他にも全く知らないニューカマーの楽曲にも先入観ゼロで入り込めたりと良いことづくめ。途中で母親がまふまふに興味を抱いて「良い曲ねえ。これ女の子?」と語って慌てて訂正に入ったりして会話が深まったりと、結果として過程はどうであれ、音楽を通して家庭がひとつになる雰囲気を強く感じた。


そうした時間を過ごすうち、ハッとする。このダラダラしながら家族と楽しく過ごす瞬間のために、紅白歌合戦は存在しているのではなかろうかと。確かに例年、代わり映えしないとか出演者の人選に難アリとか、紅白歌合戦には様々な意見があるのは周知の通りだ。中には「紅白はオワコン。今後はYouTubeのバズを基準にすべき」などの強い意見も存在し、そうした人々の気持ちも分からなくはない。しかしながら『年末』に『老若男女が』、『一同に会して同じように楽しめる』テレビ番組が他にあるかと問われれば、まず思い浮かばないのだ。


今後も紅白歌合戦は、1年の締め括りのワンシーンとして変わらず位置するだろう。悲しいかな、いろいろ言われる中での放送になることも間違いなく、今回世論の後押しもあって紅組と白組の括りがほぼ外されたように、テレビ事情が難しくなることで様々な規制も加わるかもしれない。ただ紅白歌合戦がもたらす年末の一体感は不変のもので、音楽を愛する者にとっても最高の番組であることは疑いようのない事実だ。総じてやはり音楽は生活になくてはならない存在だと、改めて感じた一夜。