キタガワのブログ

島根県在住のフリーライター。ロッキン、Real Sound、KAI-YOU.net、uzurea.netなどに寄稿。ご依頼はプロフィール欄『このブログについて』よりお願い致します。

ブログ開設2年目に突入したので、ちょうど2年前の話をば

こんばんは、キタガワです。

 

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某日、一通のメールが届いた。宛先ははてなブログから。そこに書かれていた文言は「キタガワのブログを開設して2年が経ちました」……。全く実感が湧かないが、要はそういうことらしい。


2年間。2年間である。この世に生を受けた赤子がたどたどしくも話せるようになる期間。仕事を始めた人間がようやくある程度の業務に慣れるほどの期間。それだけの長きに渡って、僕はブログを書いてきたわけだ。感慨深い気持ちは然程ないにしろ、ブログ開始当初は『最低2年は続けよう』という暗黙のルールのもと活動を行ってきたこともあり、ひとつの到達点に達した感すらある。


そんなこんなで今回は、2年目に突入した今の赤裸々な心境について洗いざらい語り、中でも今までの記事であまり語ってこなかった、ブログ開設時の話を書き進めていければと思っている。当ブログでは節目節目で現在の境遇をさらけ出しているため、何点か重複する部分は出てくるとは思うが、ご容赦願いたい。


僕が当ブログを開設したのは、2017年11月7日。その頃はちょうど僕が新卒で入社した『某社』で、どん底の地位を確立していた時期だった。


前述した『どん底の地位』と言うのは、決して誇張表現などではない。当時の僕は間違いなくどん底だった。それだけに留まらず、僕は毎日毎分毎秒、最悪な行為ばかりをひたすら空想していた。


11月になったばかりのある日、僕は店の方針と意見が食い違い、店長と未曾有の大喧嘩をした。そして11月30日付けで退職するという旨の退職願いをその場で書き殴り、店長に手渡した。4月に勤務を初めてから約半年。あまりにも短い正社員生活だった。


そして次の日の朝礼時には、店長直々に全従業員へ「キタガワは絶対に売り場に出すな」との命令を下された。よってそれから退職までの1ヶ月の間は、『ショップ店員のキタガワ』として売り場に一切出ることは一切なかった。そして僕はそのまま誰にも存在を感じさせることなく、制服と帽子だけをロッカーに返却してひっそりと姿を消したのだった。


その間の僕は何をしていたかと言えば、ただ掃除をしていた。朝10時から夜21時まで。もちろん従業員しか通らないバックスペースなど僅かなものだったが、そんな『掃除の意味すらない場所を掃除すること』こそが、僕に与えられた唯一の仕事だった。今思えば誰からも口を開かれず存在意義すらないそれは、所謂『社内ニート』と呼ばれるものであったと思う。


当然の如く、僕の心は疲弊していた。退職願いを店長に手渡したあの瞬間の出来事は、今でも夢に見る。店長に呼び出されての「キタガワくんって従業員の皆に嫌われてるってこと分からない?」に端を発した罵詈雑言の数々に怒り狂った僕は、「こっちも言いたいことあるんで言っていいですか」と前置きした上で、今までの鬱憤を晴らすかのように思いの丈をぶち撒けた。


「そうした言葉を同じ人間に吐くのは、お客様第一を謳う営業店舗の最高責任者として如何なものか」


「高齢者に高額な商品を売り付けるよう従業員に指示したり、単価の高い商品だけを売り場に出して安価な商品はバックに下げるなど、やっていることは詐欺ではないか。そうした手法で高額商品を売り付けることが正義であり正社員の在り方だと言うのなら、僕は今すぐに辞める」


「僕は僕が良いと思った商品を、しっかりと納得して買ってもらいたい。もしもそれで問題が生じたら僕が全責任を取る。借金したっていい」


……詳しい内容は覚えていないが、僕は確かそうした言葉をぶちまけた気がする。その結果出された答えが「じゃあ辞めるしかないね」、「少なくとも君はもう売り場には出せないね」というものだった。


話は少し脱線するが、僕は『社内ルール』というものが大嫌いである。例えばコンビニで年齢確認のボタンをお客さんに押してもらわないといけないとか、お客さんが口頭で電話番号を言うのはタブーだとか、電話は5分以内に切り上げろだとか。


そうしたルールは一見お客様目線に見えるが、その実態は決してお客様目線でも何でもない。それらはただ単に『店は責任を負いませんよ』という会社本意のためだけのルールである。しかしそのルールを守るのが、最低限の正社員に課される使命でもあるわけで、かつて店長に言われた「ルールを守れない人は売り場には出せない」という発言は、確かに理にかなっていると思う。


だが僕は僕で、譲れない一線というのはある。「売り上げを伸ばすために高齢者に高額商品を売れ」とか。「労基が視察に来るから出勤時間を改竄しよう」とか。「オススメ商品と偽って売れてない商品を売ろう」とか。それがどれだけ大事なルールと言われるものだとしても、譲れないものは譲れない。


僕はそうした『自分の中で譲れないこと』があるたびに、自分が腹落ちするような納得のいく答えが出るまで上司と徹底的に討論したい類いの人間だった。そして僕は、気付けばひとりになっていた。


セブンイレブンの夜勤、セブンイレブンの朝勤、セブンイレブンの昼勤、ファミリーマート、片側交通警備員、焼肉屋、ライブ運営、学童保育の教員、映画館、カラオケ店、販売員、携帯電話小売店、ホームセンターの棚卸し……。両手の指に収まらないほど様々なバイトを経験したが、その全てにおいて人間関係の悪化により自主退職、もしくはクビという末路を辿ってきた。


生き方は年々多様化してはいるものの、その中でも絶対に欠かせないものが『コミュニケーション能力』である。仕事をする上ではまず教えを乞わなければならない。分からないことがあれば聞かなければならない。どんなときでも社内の人間と良好な関係を築かなければならない……。僕はそうした『普通の人が当たり前に出来ること』が、何故か意図しない形で伝わってしまう人間だったのだ。


僕が乞音持ちだからなのか、負のオーラを身に纏っているからなのか。はたまた態度が不快感を与えるのか……。詳しい理由は分からないが、どうも僕は人間関係が極端に苦手で、特に職場の人間から嫌われる確率は異常に高いらしかった。


そう。長い人生経験でただひとつだけ分かっていることがあるとするならば、僕は社会で生きていくにはあまりにも難しい性格で、たったひとりで生きていく選択肢以外は完全に絶たれているらしい、ということだ。


日々職場に出向いているにも関わらず、誰とも関わらない生活を送らざるを得ない人間の気持ちが分かるだろうか。分からないことを質問しても、まともに教えてもくれない疎外感は。仕事終わり、職場の全員が飲みに行く姿を暗闇でひとり見送る気持ちは。影で僕の悪口大会で盛り上がる中、素知らぬ振りして愛想笑いをしなければならない人間の気持ちは。


そんな友人とも家族ともまともに話せない、けれども本心では話したがりの人間である僕が、自身の思いを好きなだけ発散する場所。それがキタガワのブログだった。ひとりで何もかも解決でき、誰にも邪魔されることのないブログの存在は、いつの間にか僕にとって大きな救いとなっていた。


僕が残された道は、ひとつしかなかった。最近気心知れた友人らから「そんなに文章書けて凄いね」と言われることはあるが、何ということはない。僕にはこれしかないのだから。


だからこそ僕は日常的な執筆活動の場としてブログを2年間に渡って続けてきた。今の僕がある程度の精神状態を保ち、最悪な行為を実行に移さず自身を説き伏せられているのは、紛れもなくブログの存在が大きい。


しかしながらいつぞやの記事で語ったように、僕の最終目標はブロガーではない。僕の目標はあくまでも『音楽ライターとして安定した収入を確保すること』であり、ブログはそのためのステップに過ぎない。そのため最近は更新頻度も1年前と比べて圧倒的に少なくなっている。


今年は某音楽雑誌に文章が載ったり、月間賞をいくつかいただいたり、直々に執筆依頼をもらったりと、音楽ライターとしての道を少しずつ登っている感覚はある。だが今の僕は未だ島根県で細々と暮らすだけのただのフリーターであり、確固たる地位を築いているとは言いがたい。だからこそ今の僕の正直な気持ちとしては「早く音楽ライターとして結実したい」との思いが強い。もしかすると今後はブログの更新頻度は更に減るかもしれない。


だが、ブログを辞めるつもりはない。


ひとつひとつの記事に対して真剣に向き合っている自負はあるし、そんじょそこらのSNSを利用して読者を獲得したり、適当な記事を連投してアクセス数を記録するようなつまらないブロガーには負けないと本気で思っている。結果として底辺ブロガー感丸出しの現状ではあるが、これはこれで良いんじゃないかと。


……普段はあまり感謝の気持ちを述べることはないのですが、応援していただいている読者の皆様方には、本当に感謝しております。


今後とも『キタガワのブログ』を宜しくお願いいたします。

 

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