こんばんは、キタガワです。
人間とは不思議なもので、当たり障りのない普通の日々を過ごしていると月イチほどのペースで突然「これやりたいな」という衝動に駆られることがある。
ちなみに僕の場合は主に『納豆食べたい欲』である。その欲求はとてつもなく大きく、他のやるべきことを全て無視してでも「今すぐにやりたい。いや、やらねばならぬ」と思ってしまい、気付いた頃には時既に遅し。目の前には消費できるはずもない大量の納豆のパックが並べられ「何で俺こんなに買ったん」と後悔することがしばしばある。
欲求といっても一過性のため、一度欲求を満たしてしまえばそれで終わりだ。しかし納豆はそうはいかない。1パックほど食べて「もういいや」となった後も、残り5パックも残る納豆地獄が待っているからだ。そして消費期限当日になると自暴自棄になり、5パックを全てぶちまけた『納豆納豆納豆納豆納豆ごはん』を食べながら「もう納豆は食わねえ」と心に誓うのだ。
閑話休題。
さて、僕の中で定期的に訪れる欲求のひとつが『納豆食べたい欲』だとするならば、それとはベクトルの異なる欲求というのも存在する。それこそが本題に繋がる『ゾンビ映画観たい欲求』である。
今回鑑賞した『ショーン・オブ・ザ・デッド』は、そんな欲求に支配された僕がシュババとTSUTAYAに赴き、光の速さでレンタルした逸品である。聞いたことのないタイトルではあったが、とりあえず「ゾンビ映画のコーナーで表表紙で陳列されていたから面白いだろう」という、謎の評価基準のもと選んだ。
鑑賞しながら抱いた感想は「コメディ映画かよ」だった。ゾンビ映画ではあるものの、笑いとシリアスの比率は普通のゾンビ映画とは完全に真逆。全編通して笑えない場面を見付けることの方が難しいという、とち狂ったおバカ映画だった。
もちろん『スクリーム』や『13日の金曜日』を彷彿とさせるお決まりのシーン(角を曲がったら誰かがいる、仲間のひとりが単独行動をするなど)もあるにはあるが、基本的には笑いに転じるため予想ができない。
かと思えば全員で団結したり、終盤ではウルっとくるシーンもあり、総合的には非常に高いレベルでまとまっているゾンビ映画という印象を受けた。
ゾンビ映画は世界各国で作られてはいるものの、話の進行はどれも似通ったものになりがちである。そんな中で『ショーン・オブ・ザ・デッド』はオリジナリティー溢れる作りで、おそらくは世界中どこにもないゾンビ・コメディという新たなジャンルを確立したのだ。その点は称賛に値するし、純粋に面白い試みだとも思った。
詳しくはネタバレになるので書かないが、ラストのワンシーンは「多分こうなるよね」という一般ピープルの予想を大きく裏切る形で終わる。今まで様々なゾンビ映画を観てきた自負はあるが、正直「やられた!」と思った一幕がそのラストである。気になった方はぜひ。
ストーリー★★★★☆
コメディー★★★★★
配役★★★☆☆
感動★★★☆☆
エンターテインメント★★★★☆
総合評価★★★★☆
(2004年公開。映画.com平均評価・3.7)