こんばんは、キタガワです。
僕がこの映画を観るのは2回目なのだが、最初に劇場にて鑑賞した際「これは今年のベスト映画だ!」と持て囃したのを覚えている(結果としてはカメ止めが断トツ1位だったが)。
昨年は僕の人生において、最も映画を観た年だったと記憶している。アニメや洋画、インディーズ作品やミュージカル映画まで。それこそ幅広い作品を鑑賞した自負はある。
それらの中でも『祈りの幕が下りる時』は別格だった。僕は劇場で鑑賞したのだが、ラストに向けての盛り上がりと感動シーンの連続に、胸が震えた。特に家族愛に満ち溢れたとあるシーンに差し掛かった際は、気付けば涙を流していた。
この作品は『新参者』という有名ドラマをモチーフとしているのだが、僕はこのドラマを一度も観たことがない。それどころか存在すら知らなかった。そんな予備知識がない状態ではあったものの、この映画は楽しめた。
……様々な人物が描かれるこの映画の冒頭は、人によっては冗長に感じるかもしれない。「大風呂敷を広げすぎて収拾が付かなくなるのでは?」と。しかし後半に差し掛かるにつれ、パズルのピースが何個もハマる感覚に陥るストーリーは圧巻。
物語は『ホームレスの焼死体が発見された』との一報から幕を開ける。始めはよくある事故として処理されようとしていたが、遠く離れた親戚の死や某行方不明事件と密接に関わっていることが明らかとなり、次第に強い事件性を帯びたものとなる。
そしてそれら全てが一本の線で繋がった瞬間、事件は思わぬ展開を見せる。そこにあるのは衝撃の結末と家族愛。感情移入間違いなしのサスペンス作品に仕上がっている。
ただひとつ気になるのは『新参者シリーズのキャラクターが総出演する』という点。全作品を網羅している人ならいいが、おそらく大多数の人は初見のはず。前半は特に「おっ!○○さん!元気?」といったフレンドリーなシーンが多いため、全く知らない人からすれば『よくわからんキャラがひとり増えた』と感じてしまう。只でさえ登場人物ごとの関連性がごちゃついているのに、更に謎のキャラが出てくるのでパンクしそうになる。物語には関係ないので無視してもいいのだが、そこだけはマイナス点か。
しかし、それを補って余りあるほどの感動の結末が待っている。タイトルの意味を知ったとき、きっと切ない気持ちになることだろう。僕は映画館で泣いた。あなたはどうだ。
ストーリー★★★★☆
コメディー★★★☆☆
感動★★★★☆
配役★★★☆☆
家族愛度★★★★★
総合評価★★★★☆