キタガワのブログ

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【ライブレポート】ミオヤマザキ『47都道府県完全無料ワンマンツアー 「2020年1月11日ミオヤマザキ横浜アリーナやるってよ。」』@松江Aztic Canova

こんばんは、キタガワです。

 

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7月2日、ミオヤマザキ『47都道府県完全無料ワンマンツアー 「2020年1月11日ミオヤマザキ横浜アリーナやるってよ。」 』島根公演に参加した。


タイトルにも冠されている通り、今回のツアーはミオヤマザキ初の47都道府県制覇、かつ完全無料という破格の値段設定で行われるライブだ。

 

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更にライブ終了後はほぼ強制参加の『チケット手売り会』なるものが開催され、ミオヤマザキのメンバーひとりひとりと直接会話し、会話をしないと出られないというシステムまで取っていた。


日本におけるロックバンドとしては明らかに異質なこのライブにおける意味合いはひとつ。自身最大キャパとなる横浜アリーナのライブに向けた勢力拡大である。


横浜アリーナのキャパは12000人。彼らが今年行った日比谷野外音楽堂のちょうど倍となる収容人数だ。一見無謀にも思える試みではあるが、本編のMCでtaka(Gt)が「何でこんな辛い思いをしてまで全国回ってるかって言うと、一度目を見て話した人たちで埋めたいんよ」と語っていた通り、彼らは楽曲とファンの力を本気で信じている。愚直に大真面目に、それに向けてあらゆる手段を尽くす。そのための47都道府県ツアー、そのための手売り会なのだ。


会場に足を踏み入れると、そこには開演20分前にも関わらず大勢の観客が。客層は女性がかなり多く見受けられ、開演前から黄色い声が飛び交っていたのが印象的だった。


ライブ開始を数分後に控え、突如会場内に「本日はご来場いただいてありがとうございます!」というHang-Chang(Dr)の声が響く。ここでは本日のライブの趣旨を説明すると共に、先日喉を痛めたボーカルのmioについて、喉の負担を極力減らすためにmio本人によるMCは行わないことや、ライブ終了後の手売り会は筆談で応じることを明言。


加えてぼっちで参加した観客の緊張を解すために、ツイッターにて「ミオヤマザキやばたにえん」と繰り返し呟く『魔法のおまじない』を今すぐ行うように指示。TLに「ミオヤマザキやばたにえん」との文字がズラリと並ぶ光景は圧巻で、笑いが込み上げてくる。


定時を少し過ぎた頃、暗転。「ミオヤマザキです、よろしく」とmioが発し、雪崩れ込んだ1曲目は『女子高生』。

 


ミオヤマザキ『女子高生』(Official Music Video)


マイナーコードと打ち込みを多用したゴリゴリのサウンドに、先程まで厳かな雰囲気だった会場のボルテージは瞬時に上昇。あちらこちらでヘッドバンギングが多発し、一様に跳び跳ねまくる空間に変貌した。


ある種の匿名性を前面に押し出すミオヤマザキらしくライブ中は暗い照明に徹しており、メンバーの表情はほとんど伺い知れない。しかしながらヘッドバンギングを促す様や楽器のコード進行などははっきりと確認でき、むしろミステリアスな存在感でもってこの日のパフォーマンスに一役買っていた印象を受けた。


事前に声の不調をアナウンスされていたmioの歌声は想定していたよりも遥かに良く、ステージを所狭しと動きながら高音やビブラート、ロングトーンまでも完璧に歌い上げていた。通常ハードロックなサウンドに打ち込みが加わるとボーカルは聴こえにくいことも多いのだが、今回のライブにおいては話は別。爆音のサウンドにも一切負ける気配のない、ロックバンドのボーカリストとして圧倒的な存在感を放っていた。

 


ミオヤマザキ 『鋲心全壊ガール』(Official Music Video)


「会いたかっただろ?楽しんで帰れよ」というmioの一言からは『斉藤さん』、『鋲心全壊ガール』と矢継ぎ早に続いていく。時折オートチューンも織り混ぜつつの鬼気迫るパフォーマンスに、会場の熱量はどんどん底上げされていった。


『鋲心全壊ガール』後は本日初となる長尺のMCへ。事前に告知されていた通りmioの喉の負担を軽減するため、MCはギターのtakaが担当。


前日は鳥取県、そして後日は山口県での公演を控えているミオヤマザキにとって中日に位置したこの日。とりあえずライブハウスから車で5分ほど走った先にあるイオンに行き、昼食としていきなりステーキを食したそうだ。


イオンの一角にある七夕コーナーについても話が及ぶ。願い事が書かれた短冊を確認した一行は、その中にあった「セックスがしたい」と書かれた短冊を発見。浮気や性行為、水商売を題材にした楽曲を多く発表してきたミオヤマザキにとっては「私たちらしいなあ」と思ったという(ちなみにmioは「私もしたい」と短冊に書いて飾ったそう)。


来たる横浜アリーナでのライブへの思いも吐露してくれた。12000人のキャパを埋めるには相当な覚悟と行動力が必要となること。今回47都道府県ツアーを敢行したのも「ミオヤマザキを愛してくれる人たちで最高のライブを作りたい」という意思の果ての行動であること……。「本当にみんな来て欲しいんよ!」と切実に語るtakaと一切茶化さず話に耳を傾けるメンバーを見ていると、その思いがどれだけ強く重いものなのか分かる。彼らは本気だった。


その後は『婚活ハンター』、『Que sera, sera』、『CinDie』、『un-speakable』といった新旧織り混ぜた楽曲群で進行。mioは「首を振れ!」と煽り倒し、どしゃめしゃのサウンドの渦に引き込んでいく。観客もそれに呼応するように歌い踊り、大盛り上がりで時が過ぎていく。

 


ミオヤマザキ 1stフルアルバム「anti-these」収録『正義の歌』


ラストの楽曲は『正義の歌』。mioによる「くそくらえ。もう一回言いますね。くそくらえよ!」の叫びに合わせての狂騒は筆舌に尽くしがたいものがあり、この日一番のカオス空間となった。更にダメ押しの「私の正義が誰かを救えますように!」の絶唱と一面に広がるヘッドバンギングの海で完全燃焼。大量のハートマークが掲げられる中、大団円で幕を閉じた。


約50分。ミオヤマザキの全てを把握するには明らかに短かったものの、彼らの断片的な魅力を知るには有意義な時間だったと思う。


ライブ終了後、ミオヤマザキはアナウンスにあった通りファンと交流していた。これは決して誇張ではない。メンバー全員は列に並んだファンの元を練り歩き、握手をし、写真を撮り、本当にひとりひとりに対して大幅な時間を割いて話をしていたのだ。


「目の前にメンバーがおり、その全員と会話ができる」というこの交流は47都道府県を回る今回のツアーで必ず行っている。しかし本来アーティスト写真やメディアで一切顔を出さない姿勢を貫いているミオヤマザキにとっては、これらの活動はかつての活動とは180度異なるものだ。


なぜこうした活動をするのか。答えはもちろん『横浜アリーナ完売』の一文字を見るためだ。正直横浜アリーナでライブをすると発表された当初は「いくらなんでも無謀だ」と思ったものだが、「次のライブも絶対行きます!」と満面の笑顔で語るファンを見ていると、横浜アリーナを埋めるのもあながち不可能ではないなと思えてくる。


……もしかしたら、もしかするかもしれない。ツアーは続く。ミオヤマザキは今後もスレ(彼らのライブの通称)を勢力をどんどん拡大していくだろう。「ミオヤマザキ、横浜アリーナ完売したってよ」というスレが立つ日が来るのも、そう遠くはないのかもしれない。

 

【ミオヤマザキ@島根 セットリスト】
女子高生
斉藤さん
鋲心全壊ガール
婚活ハンター
Que sera, sera
CinDie
un-speakable
正義の歌