キタガワのブログ

島根県在住。音楽、映画、雑記等。目標はライター。

AKB48、46グループのCDが爆発的に売れる理由を知ってしまった

こんばんは、キタガワです。

 

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最近音楽番組を見るたびに『同じベクトルの女性アイドルたちばかりが取り沙汰されているな』と感じる。


CDを出すたびに音楽番組に出演し、オリコンチャートでも上位を独占するそのグループの名は『AKB48』という。いや、AKBに限った話ではない。SKE48やNMB48、HKT48もその中のひとつだ。もっと言えば乃木坂46や欅坂46、日向坂46、吉本坂46も同様。


間違いなく彼女たちは現代音楽シーンのポップアイコンのひとつだろうし、彼女たちなくして邦楽の繁栄はなかっただろう。

 

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……今や48、46系のグループは国内外問わず存在しており、その数はおよそ16にのぼるという。僕個人、今回の記事を執筆する際に事前調査を行ったのだが、そのあまりの数の多さに頭が痛くなってしまったほどだ。


さて、本題に入る前にそもそもの話として『なぜ48、46グループはこれほどCDが売れているのか』という話から進めねばなるまい。


CDが爆売れするということは必然的に『爆買いする側の者』が存在する。しかし見立てによれば、そういった人たちの目的は『楽曲』ではないのだ。彼女らはアーティストにとっての最重要項目であるはずの音楽ではなく、それ以外の付加価値でもって売上を伸ばしている。


では『音楽以外の付加価値』とは、具体的にどのようなことを指すのか。彼女たちの付加価値はズバリ『握手券』である。


48、46グループでは各地で『握手会』なるものが定期的に開催される。『会いに行けるアイドル』というキャッチコピーからも分かる通り、普段テレビの外側で観るしかできなかった彼女らと、実際に触れ合ったり会話をしたりできるという画期的なものだ。


ここで押さえてもらいたいことは、『CD1枚につき1枚の握手券が封入されている』点。


よく「1枚あれば何分でも握手できるの?」と勘違いする人がいるが、通常握手券は1枚につき約10秒という、極端に短い時間設定がされている。


10秒。たった10秒である。ファンが「いつも応援してます!頑張ってください!」と語り、アイドル側が「ありがと~」と返す。この流れで10秒経過である。時間に関しては係員がストップウォッチでしっかり記録しているため、10秒経ったら瞬時に終わる仕組みとのこと。


もちろんファンは考える。「どうすれば長く推しと話せるのか」と。

 

答えは簡単。複数枚買えばいいのだ。1枚で10秒ならば、10枚=100秒。100枚買えば1000秒間会話できる。


僕は普段、自分たちの実力でCDを売り上げて必死に活動しているロックバンドやシンガーについて文章を書いている人間だ。そんな僕からすれば考えれば考えるほど、彼女ら(というか運営側)のやり方は悪どい商売だなと思ってしまうのだ。

 

m.huffingtonpost.jp


上の記事は、AKB48の不法投棄されたCDについてまとめたものだ。その数585枚。容疑者は「総選挙に必要な投票権を抜いたCDの処分に困って山に捨てた」と供述しているという。


1枚2000円だとしても、単純計算で117万円に及ぶ。しかもこれは氷山の一角に過ぎない。廃棄する人は少ないにしろ、他にも同様に大量購入するファンは大勢いるはずだ。

 

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更に上の画像は、乃木坂46の卒業を発表した西野七瀬の最後の握手会に並んだファンを撮影したもの。まさに「人がゴミのようだ」と呼びたくなるほど、無数の人々で埋め尽くされている状況だ。


こう言っては悪いが、ファッション雑誌の付録目当てに購入させたり、値引き目的でクレジットカードを登録させる不動産屋とやり口はほぼ同じである。しかも運営側はこれを一回ではなく何十回何百回と開催し、ファンから大金を巻き上げているのだ。


……さて、ここまで鼻息荒く勢いに任せて書き殴ってきたが、僕自身AKB系統のアイドルは嫌いではない。有名な楽曲はカラオケで歌うこともあるし、純粋にひとつの楽曲としてレベルが高いと思っている。


中でも今僕の中で一大ブームを引き起こしているのが、欅坂46である。

 

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かつても何度か記事を執筆したほど(下記参照)で、「今一番ライブを観たいアーティスト」と言っても過言ではない存在だ。


そんな彼女たちの8枚目のシングルである『黒い羊』を先日購入した。

 

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もちろん中には握手券が封入されている。こうして直接握手券を観るのは初めてだが、キラキラとカメがかった作りになっており、ある種崇高な物のような感覚を覚えてしまう。

 

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この部分を切り取らずに会場まで持参すれば、握手券変わりとして使えるとのこと。確かにこの光る握手券を持って会場に赴けば、まさにキラキラと光輝く素晴らしい体験が出来ることだろう……。


しかしそう思ったのも束の間。握手券にとある表記を見付けてしまった僕は、顔が青ざめるのを感じた。

 

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は?

 

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僕は慌てて裏面を確認する。あった。プレゼント応募券……。


そう。僕が思っていた以上に、運営のやり方は常軌を逸していたのだった。プレゼントに応募するならその時点で握手券としての効力を失い、握手券として使用するならプレゼントに応募できない。あちらを当てればこちらが立たない、地獄のような紙切れがそこにあった。

 

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しかもよく見ると『プレゼント応募券』も、集めた枚数によって内容が異なるという鬼畜仕様。一応確認だが、これは『絶対にプレゼントが貰える』と確約するものではない。「プレゼント貰えるかもよ?」という僅かな可能性に対し、何枚もの応募券を要求しているのである。


ここで一旦整理してみよう。


握手券に使う場合……

・集めた枚数によって握手時間が延びる
・握手券に使うならば、プレゼント応募はできない


プレゼント応募に使う場合……

・集めた枚数によって当たる確率が増える
・集めた枚数によって応募できる内容が変わる
・プレゼント応募に使うならば、握手券に参加できない


……なんということだ。これではまるで守銭奴ではないか。一歩間違えば告発できるレベルの壮大な金儲け。いわば『合法的な詐欺』である。


しかもこの悪どい行為を全48、46グループが行っているのだからたちが悪い。一体秋元康の懐には何億円入るのだろう。


『握手券は金がかかるもの』という認識は、無知な僕にもあった。「人それぞれ好きな推しと触れ合えるなら、まあそれでもいいんじゃない?」と思っていた。しかし『プレゼント応募券』なるプラスアルファで搾取する存在は一切聞いたことがなかった。


この事実を知ってしまった今、僕の目にはあのグループが金の塊に見える。


今日もどこかで彼女らは握手会を開催していることだろう。そこには大勢のファンが集まっている。秒数を求めてCDを買い漁り、何万円もの価値を込めて推しに会いに行っている。


片やその裏ではプレゼント応募券をひたすら集めている人もいる。生写真やスペシャルイベントを追い求め、世に蔓延る賭け事以上に金を使って『可能性』を買っている。


そして握手券とプレゼント応募のふたつを一緒に行う人も一定数いるだろう。そこには『音楽』の概念は存在しない。CDは一枚あれば音楽機器に落とし込めるわけで、それ以上のCDはただの不必要な光ディスクでしかない。そう考えると、前述した不法投棄の動機も頷ける。


今の音楽業界はこのままでいいのだろうか。付加価値で集客したアーティストをオリコンチャートに入れても良いのか?『○万枚突破!』との触れ込みで音楽番組に出まくるあのアイドルたちは、コアな音楽ファンに本当に望まれているのだろうか。


僕には音楽の未来は皆目分からないが、「このまま行くと邦楽が死ぬだろうな」ということは、間違いないと断言できる。

 

でも、てち(平手友莉奈・欅坂46のセンター)の握手会があればCD買っちゃうかもなあ、とも思う……。

 

 

→欅坂46『アンビバレント』の記事はこちら

→欅坂46『黒い羊』の記事はこちら