キタガワのブログ

島根県在住。極力誰とも関わりませんので悪しからず。目標は音楽ライターであり、ブロガーではありません。

日本レコード大賞で、DA PUMPではなく乃木坂46が大賞に選ばれた理由

こんばんは、キタガワです。


第60回日本レコード大賞が、先日終了しました。しかし受賞時のある部分において、ネット上では物議を醸している。

 

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それは『なぜ大賞はDA PUMPではなく乃木坂46だったのか』という点だ。


間違いなく今年一番流行った楽曲はDA PUMPの『U.S.A.』のはず。街中で若者が歌っている光景や、カラオケランキングで1位を獲得している実績、加えてCD媒体そのものの売上から鑑みても、『U.S.A.』の大賞は火を見るよりも明らかであった。

 

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上の画像はレコード大賞の審査基準である。これをじっくり見てほしい。どこからどう見ても『U.S.A』をイメージする人の方が多いはずだ。


『優れた歌唱』という表現はISSAを彷彿とさせるし、『大衆の強い指示』というのも頷ける。『その年度を強く反映、代表した作品』も、まさにインターネット上の拡散で火が点いた『U.S.A.』のことを指しているように思える。

 

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……にも関わらず、大賞は乃木坂46の『シンクロニシティ』に決まった。決して大衆に広まったわけでもないこの曲が、である。僕自身も『U.S.A.』が大賞であろうと確信していただけに、この結果には疑問が残った次第だ。


そこで今回は、なぜ乃木坂46が大賞を受賞したのか。そしてなぜDA PUMPは大賞を逃したのかという点について、徹底的に分析していきたいと思う。

 

 

乃木坂46大賞の理由①……売上枚数

さて、まずは乃木坂46について見ていこう。乃木坂46の今回の楽曲『シンクロニシティ』がDA PUMPより秀でているひとつの点として、売上枚数が挙げられる。


乃木坂46のみならず、秋元康がプロデュースしている48グループは総じて、CD売上枚数が多い。それは純粋に楽曲の良さという部分だけではない。大きいのは、そのCDに付属している『握手券』の存在である。


握手券というのはひとつのシングルにつき、ひとつ封入されている。その握手券を握手会会場に持参することにより、お目当てのアイドルと握手できる権利を得ることができるわけだ。


しかしこれにはひとつ欠点がある。それは『一枚の握手券につき、僅か数秒しか時間が与えられない』という点だ。


明確な数字は不明だが、およそ1枚につき5秒くらい。人気アイドルにおいては、1枚あたり1秒程度しかない場合すらある。握手をしたいファンは困るはずだ。1秒だけでは自分の推しに対する思いも、アイドルの顔をじっくり見ることすら不可能だ。


ではどうすればいいのか。答えはひとつ。CDをたくさん買えばいいのである。


ひとつにつき1秒なのであれば、単純計算で10枚買えば10秒。100枚買えば100秒だ。だからこそファンはひとつの『全く同じCD』に対して、何万、何十万という大金を支払うわけだ。


さて、そうすると何が起こるのか。当たり前のことだが、売上枚数自体が増えるのである。


すると必然的にかなりの枚数を売り上げることになる。例を挙げると、昨年レコード大賞の最優秀賞を受賞した『インフルエンサー』は発売日よりも前……いわゆる『フラゲ日』と呼ばれる段階で、何と74万3027枚を売り上げたそうだ。


はっきり言おう。これは異常である。


CDが発売されてからYouTubeでじわじわと再生数が延び、テレビで特集され、街中で流れるようになり……。その結果数週間後に74万枚売り上げたというのなら、まだわかる。しかしこれは発売前の時点で74万枚なのだ。正直何というか……ヤバすぎる。


話が飛躍して申し訳ないが、昨今48グループばかりがテレビに出る理由なんかがそれだ。テレビはCD売り上げを元に、出演者を選択する。そのため上記の事柄を考えると、どうやっても48グループだけ売り上げがケタ外れだから、テレビは必然的に48グループだらけになるのだ。


話は少し脱線したが、とにかく。レコード大賞を受賞した背景には、まずこの『莫大的な売り上げ』というのが大きな要因なのである。

 

乃木坂46大賞の理由②……爆発的人気

そして何といっても『今をときめくアイドルだから』というのもある。

 

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これは先日卒業を発表した、乃木坂46メンバーである西野七瀬さんの握手会の様子を撮影したものだ。見ていただくとわかる通り、文字通り人がゴミのようだ状態となっている。これだけで一体何万人いるのか、検討もつかない。


もちろんこれは氷山の一角に過ぎない。行きたかったのに行けなかった人であったり、この映像に入りきらなかった人たちを集めれば、さらに人数は増えるだろう。


要するに、一種の社会現象化しているのである。そしてこの経緯を知ってしまえば、レコード大賞側も無視できない。


もし『レコード大賞落選』なんてことになれば、この多数のファンの中からどれだけの人がテレビ曲に抗議したり、レコード大賞そのものをディスる発言をして拡散されるかわからない。


……これは僕の推測に過ぎないのだが、おそらくレコード大賞側は元から乃木坂46、もしくはDA PUMPを大賞にすることを決めていたのではないだろうか。そしてもっと言えば、最初から乃木坂46寄り。社会的人気や今後の展開など、いろいろな要素を考えた末に、『これは乃木坂46しかないだろう』という空気感だったのではなかろうかと思うのだ。


乃木坂46受賞の理由については、以上である。それでは次に、DA PUMP落選の理由について見ていこう。

 

DA PUMP落選の理由①……カバー曲である

繰り返すが、DA PUMPの『U.S.A.』に関しては間違いなく今年一番のヒットソングとなった。老若男女問わず人気で、圧倒的人気を獲得している。……ということは、これを落選とするにはよほど大きな要因がない限り、不可能であるとも思うわけだ。


では落選とする大きな要因とは何か。それはこの曲がカバー曲であるからである。

 


DA PUMP / U.S.A.の原曲「Joe Yellow USA」


実はあまり知られていないが、『U.S.A.』はとある洋楽のカバー曲である。上の動画を観てもらいたい。これは1997年に音源化された、JOE YELLOW(ジョー・イエロー)なる人物による『USA』という楽曲である。


聴いていただければ一目瞭然。ユーロビート調ではなかったり、合いの手が無かったりと細かな違いはあるものの、DA PUMPの『U.S.A.』とほぼ同じ、というか90%そのままなのである。


そしてこの事実は『U.S.A.』発売当初から、インターネット上で指摘され続けている部分でもあった。一時はそれこそ『パクり疑惑』も浮上し、プチ炎上騒動にまで発展したこともある。しかしそれをDA PUMP側はあくまでも『カバー曲である』という体で一蹴し、事なきを得た。


問題は、それをレコード大賞側がどう捉えるかである。


カバー曲が売れたことももちろんある。例えばEXILEの『Choo Choo TRAIN』も元々はZOOの曲だし、Whiteberryの『夏祭り』も元はJITTERIN'JINNの楽曲である。カバー曲が売れてそこから紅白歌合戦出場なんてシンデレラストーリーも、もちろんあるだろう。


しかしこのレコード大賞は、『今年一番売れた曲』なのだ。どれだけ売れたとはいえ、その原曲が既に別にあるという事実は揺るがない。


よってレコード大賞側は、こういった部分も鑑みて選考したのではと思う。

 

DA PUMP落選の理由②……売上枚数

いくら『U.S.A.』が売れて大衆にアピールしたとはいえ、 乃木坂46の『シンクロニシティ』には遠く及ばない。


もちろんそれには前述したように握手券であったり、『初回限定盤A』『初回限定盤B』とメンバーごとに割り振ったDVD付きシングルを何枚も出して購買意欲を増進させるといった売り方の結果ではある。しかし売上は売上。『一番売れたのは乃木坂46である』。これは疑いようもない事実なのだ。


おそらくは同じく大賞を争ったAKB48の『Teacher Teacher』、欅坂46の『アンビバレント』よりも売上自体は下なのだろうと思う。


レコード大賞という特性上、最も売れた曲を大賞に選ぶのは当然。そう考えると、DA PUMPは大賞には至らないという結論になるわけだ。

 

結論

長々と述べてきたが、ざっくり書けば『DA PUMPは売上、人気共に乃木坂46には及ばなかった。よって大賞を逃した』と言える。


もちろんこれらは僕個人の意見であり、全てが正しいと言うつもりは毛頭ない。しかしこの意見を一蹴できない部分もあることは事実だと思う。


僕は正直、今回の乃木坂46の受賞を見たときに「音楽も終わりかなあ」と思ってしまった。なぜなら今後どれだけ良い作品が出ても、どれだけ大衆に指示されても。結果アイドルばかりが受賞してしまう可能性が大いにあることを今回の件で知ってしまったからだ。例えばもし今回の賞で米津玄師の『LEMON』がノミネートされていたとしても、この結果になったと思う。


もちろんアイドルのこの商法を否定するつもりはない。しかしこれが『売れる最善の方法』として認知されてしまえば、握手券や特典のついたCDばかりが売上を伸ばし、本当に良い作品は軒並み隅に追いやられる。そうなったら確実に音楽は廃れてしまう。


……皆さんはこの結果について、どのように思うだろうか。ぜひご意見を聞かせてほしい。


それでは。

 

 

『DA PUMP『U.S.A.』はイエローカード並みの反則曲』の記事はこちら