キタガワのブログ

島根県在住のフリーライター。ロッキン、Real Sound、KAI-YOU.net、uzurea.netなどに寄稿。ご依頼はプロフィール欄『このブログについて』よりお願い致します。

【インタビュー】島根県松江市発、無敵のロックバンド・DNA GAINZ。その全てに迫るメンバー全員インタビュー!

いつの時代も、音楽との出会いは突然だ。バラエティ番組の主題歌としてふと耳に入った、DNA GAINZ(ディーエヌエーゲインズ)の“ラフラブ”……。この楽曲に音楽のページが塗り替えられるような、謎の確信を抱いたのが全ての始まりだった。もっとも、活動拠点が同じ島根県松江市であることを知ったのはその後だったのだけれど、諸々の運命めいたものを感じたのは言うまでもないだろう。

そこで今回敢行したのが、DNA GAINZの独占インタビュー。スタジオ合わせを終え、清々しい疲労感を携えた4人と島根県松江市内の居酒屋にて、それぞれの音楽ルーツや新曲の“Sound Check Baby”に込めた思い、そして希望に満ちた展望まで、じっくり語ってもらった。……音楽シーンの未来を塗り替える可能性を秘めた、DNA GAINZというバンド。彼らについて知る重要な要素として、今記事が役立てば幸いである。

DNA GAINZ

ながたなをや(Vo.G 写真中左)
はだいぶき(Ba 写真左)
宏武(Dr 写真中右)
イタガキ タツヤ(G 写真右)

 

【開幕】

──今日はお忙しい中集まっていただいて、ありがとうございます!

宏武「DNA GAINZです。よろしくお願いします!」

イタガキ「こちらこそ、呼んでいただいてありがとうございます」

──今日はスタジオ終わりと伺っています。ちなみにスタジオは、結構ガッツリ入ってる感じなんですか?

宏武「週4ぐらいかな」

イタガキ「そうっすね。週4〜週5くらいで。いくらやってもやり足りないですね」

──すごい!めちゃくちゃ多くないですか?

宏武「課題もいくらでも見付かるので。結成当初言ってたのは、全国目指す部活みたいな意気込みでやろうっていう」

──本当に楽しくてやってる感じですね……!ちなみに皆さん、お酒は結構飲まれるんですか?

イタガキ「いぶが一番飲むかな」

宏武「僕はあまり飲めないので。遠征とかだと打ち上げでも、次の日のことも考えて一杯だけ飲んで帰る、みたいなこともありますね」

──なるほど!とりあえず生ビール頼みますか(笑)

〜ここではだ、ながたが合流〜

はだ「おはようございます、初めまして」

ながた「DNA GAINZです。宜しくお願いしますー!」

──初めまして……(ふたりが着ているGEZANのTシャツを見ながら)あっ!GEZANだ!

はだGEZANみんなめっちゃ好きです。みんなで広島のライブ観に行って」

──GEZANめちゃくちゃ良いですよね!あ、みなさん何飲まれます?

はだ「あ、じゃあ生で」

ながた「僕も生で」

宏武「そういえば、スタジオ終わりでお酒飲むってしたことないですね」

はだ「4人で飲むのも久しぶりです」

──あ、そうなんですね!

はだ「みんな先に、全然食べてもらって。僕はお酒がないと食べれないので」

──めちゃくちゃ酒飲みじゃないすか(笑)


【Dr.宏武の音楽ルーツ】

──おそらくバイオグラフィー的な部分は、今後様々なインタビューで語られることと思いますので……。まずはそれぞれのメンバーの音楽ルーツをお伺いできればと。まずは宏武さん、どうですか?

宏武「僕はBUMP OF CHICKENきっかけで、ドラムを始めたんです。親が好きで家でも流れてて。で、BUMP OF CHICKENのMVを観たときにギターとベースは何やってるか分からないけど、ドラムって結構動きが大きいので。見様見真似でドラムをやって。きっかけはそれでしたね」

──プレイのお手本というか、影響を受けた的なところは?

宏武「いろいろなんですけど、東京事変の刄田(刄田綴色)さんとか真似したりしましたし。あとはNUMBER GIRLのアヒト・イナザワさんとか、あと星野源のサポートをやってるカースケ(河村“カースケ”智康)さんとか、いろいろで。『この人が師匠!』みたいな人はいないかもしれないです」


【B.はだの音楽ルーツ】

──それでは続いて、はださん。

はだ「一番はじめはもしかしたらGLAYかもしれない。小学校のときに、おばあちゃんの家にドラムセットがあったんですよ。父さんが叩いてて。それでGLAYの“ここではない、どこかへ”っていう曲があるんですけど、それを父さんがいつも叩いてて、おばあちゃん家に行ったときは俺もその部屋で一緒に叩いてたっていう。だからもしかしたらルーツかも」

はだ「で、そのまま学校の合唱団に入って、ドラムとか大太鼓とかマリンバとかをしてました。ゴールデンボンバーの“女々しくて”をドラムで叩きましたね」

イタガキ「ベースはじめたのは?」

はだ「ベース始めたのはまだ先なんですけど、一回そこで音楽からは離れて。でも学校でback numberとかマイヘアの“真赤”とかが流行ってる時期で、軽音部のやつとかがやってて「いいなあ」ってなって。とある大学のPRビデオをヒゲダン(Official髭男dism)が歌ってて、それがめっちゃ格好良くて。ライブも行ってめっちゃ良くて。それで運命かなと思ってベースやろうって」


【Gt.イタガキの音楽ルーツ】

はだ「じゃあ次、ギターのたっちゃん行きます」

イタガキ「結構いろんなタイミングがありますけど。ギター始めたタイミングとかエレキギター始めたタイミングとか……。音楽で言えば、親の車で聴いてたものが一番影響大きいかなって。ウルフルズの『ベストやねん』と、シェリル・クロウっていうアメリカのカントリーの人で。あとは桑田佳祐とかも聴いてたかな。“涙のキッス”とか。っていうのが一番最初かもしれないですね」

イタガキ「ギター始めたきっかけは、家に来たおっちゃんがギター置いて行ってくれて。そのときに同時にゆずのスコアを置いていってくれたっていう」

イタガキ「僕は元々は吹奏楽部で。そのときに入ってきた後輩がバンドやってて、コピバン誘ってくれたんですよ。そのバンドが東京事変で。そこから東京事変のコピバンをずっとして、たまに椎名林檎のソロとかやってて。だからルーツには椎名林檎がいる感じですね。僕は」

──貴重な話!

イタガキ「あと、メンバーの中では一番洋楽聴くかもしれないっす。ダイナソーJrとかピクシーズとか。シャンソンとかも聞きますし、雑多な感じです。でもやっぱりロックが多いですかね」

【Vo.Gt ながたの音楽ルーツ】

ながた「僕はめっちゃ遡ると、シャ乱Qらしいんですよ。昔の動画とかって全裸で歌っとったりとか、団扇があればそれをギターに見立てたりとか。そういうのをずっと見て、多分歌がDNAに刻まれて好きだったんだなっていうのもあるし。ちゃんと音楽好きになったのは小4くらい。お姉ちゃんがギターしとって、その影響でお年玉でドラム買って。ドラムから始めたんですよ」

──あ、元々ドラムだったんですね!

ながた「はい。HYとかMONGOL800とかBUMP OF CHICKENとかRADWIMPSとかを好きでやってて。ちゃんとバンド組み始めたら、東京事変とか藍坊主とかそこらへんやって。次の学校行ったらベースやってみようかなと思って、いろいろコピーして……」

ながた「その学校で組んでたのは5人組バンドで、僕以外全員女の子だったんですけど。そこでオリジナルやろうと思って、僕が作ってボーカルの子に歌ってって言ったんですよ。したら『こんなの歌いたくない』って言われて。『じゃあ辞めて』って言ってライブ1週間前にその子をクビにして、そこで急遽自分が歌うようになって。したら自分の曲歌うのめっちゃ面白いやん!ってなって」

──おおー。

ながた「僕、歌詞を書く上で『言霊』ってあると思っていて。最初の方は失恋の曲だったり、ちょっとネガティブなことを歌詞にすることが多かったんですけど、歌うと言霊で私生活もその歌の通りになってしまう感覚があって。それが嫌で今は現実と、こうなってほしい理想っていうのを半々にして書いてますね。現実の方もあまりマイナスに書かずに。気分を上向きにした感じで歌詞を書いてるのはありますね」

宏武「言霊は僕も重要視してますね」

イタガキ「俺も結構言霊は大事にしてきてる」

──それはめちゃくちゃ重要な話ですね。


【新曲“Sound Check Baby”の音のこだわり】

DNA GAINZ / Sound Check Baby (Official Music Video) - YouTube

──DNA GAINZには音源を聴いたらロックの荒々しさみたいな、綺麗にした感じじゃなくて、ライブハウスで聴きたいなって思わせる衝動みたいなものを感じていて。自分たちなりのこだわりって何かあったりしますか?新曲についてもいろいろ聴きたいです。

ながた「今回の“Sound Check Baby”の前に“ラフラブ”や“GOLD HUMAN”っていう曲を出したんですけど、それって良い意味でデジタルシングルとして出しやすくて。アルバムになるとこだわったり、◯◯じゃないといけないとかがあるけど、やっぱりデジタルだと柔軟になるんですよ。いろんな意味で実験出来るので、それこそサウンドチェックは……みんな言ってくれるんですけどライブっぽいというか、荒々しい音にはなりましたね」

ながた「その中でも歌を聴かせたいから、歌のエフェクトを強くしたりとか。“ラフラブ”や“GOLD HUMAN”はドラムの音が前に出てた感じだったんですけど、あえてエフェクトかけて歌と混じる感じにはしましたね」

──うわー。そうした裏側の話うかがうと、全部繋がる感じがありますね……。

ながた「ドラムのミックスも、基本はシンバルより太鼓類の方が大きめにやったりするんですよ。でも今回の曲はシンバルもバリバリでかくて。あえて音が暴れとる感じで。それがええなあっていう感じで」

──僕、最初のブワー!ってノイズが走るところがめっちゃ好きで。『何だこれは!?』ってなる感じがあったんですけど、あれはちなみにどんな感じで作ってるんですか?

ながた「これは元々あるノイズのサンプルを切り刻んだり、加工したりして。その前のキュワァーン!ってやつは、ギターの秘密の機材を使って。あれは全部自分たちで作った音ですね」

宏武「世界にひとつだけのノイズですよね」

ながた「“Sound Check Baby”って曲は、中高生の夕方みたいなイメージで歌詞を書いたんですよ。全部ひとつの物語にはしてなくて、自分の中では一行一行違う日なんですよね。なのでそのキュワァーン!の音の巻き戻し感にしても、効果的だったのかなっていう」

──ライブで絶対にセトリに入る勝負曲ですよね。たしか今年より前とかにも演奏されてますよね?

宏武「結成して1年経ってない、去年の夏ごろとかからずっと演奏してますね」

ながた「元々あの曲は……フェスとかサーキットイベントとかに出ると、大体みんなリハーサルから聴いてるんですよ。そのために作ったものだったんですけど、あまりに良くなりすぎて、もったいないなあって。それでサウンドチェックじゃなくなったっていう」

──えっ?元々は本当のサウンドチェックの曲だったんですか?

ながた「そうなんですよ。これは他のインタビューでも言ったんですけど、この曲は自分の中でも人生を表してる感じで。だからMVでも、心電図が止まるシーンから始まるんです。本当の本番が『生きる』とか『死ぬ』ことだとして、主人公の女性が離婚とか病気とか、いろんなものを食べてサウンドチェックするっていう」

──しっかり物語性もあって。

ながた「でも最初に作ってるときは、あまり意味なんてなくて。夕方から夜の、中高生の思い出にはいたんですけど完全な意味はなかった中で、曲が出来てから意味が付いてきたなあっていう」


【ながたなをやの綴る歌詞について】

DNA GAINZ / ラフラブ (Official MUSIC Video)"TSK「かまいたちの掟」"ED曲 - YouTube

──次は歌詞について伺おうと思うんですけど、これに関しては最初にながたさんが『言霊があると思ってる』『あえてポジティブに昇華させて書いてる』っていう話を聞いて、凄く腑に落ちた感じがあったんですよ。これは新曲についてのブログにも書いたんですけど、それこそ“ラフラブ”では《ラブラブじゃない ラフラブ》っていう、『笑える愛=ラブラブ』だよねっていう真理とか。対して“Sound Check Baby”では《親が心配してる ちゃんと見せなきゃ/オレの生きてきた生きていきたい世界》とか。

──もちろんサウンドだけを聴いてもめちゃくちゃ最高なんだけど、歌詞に目を向けるとまたもう1段階深みにハマるのがDNA GAINZの魅力というか。今はサブスク時代もあるし、耳馴染みが良かったりしたりいろんなアーティストに売れるきっかけがあると思うんですけど、歌詞的な点でもやっぱり、こうした魅力のあるバンドが凄く重要なんじゃないかなと。

はだ「ありがとうございます」

ながた「最近は感情的なバンドが多くて。それは歌詞だけじゃなくて、音にも結構表れとって。聴いても(ボーカル視点の思い出だから)風景が思い浮かばないっていうか、そのメリットとしては、そのバンドのボーカルはめっちゃ好きになるんですよ。自分と重ねて。それも良いなと思うんですけど、僕らは曲を聴いてどこかに行けるような、無敵感を感じてほしい気持ちはあります」

宏武「スケールがデカいのがいいですね」

ながた「それこそサウンドチェックの話で。大学1年生で一人暮らししてるファンの子が、前に僕らに『“Sound Check Baby”聴いて歩いてると無敵になれます』って伝えてくれて。それが『よっしゃ!届いた!』って思った瞬間で、嬉しかったです」

宏武「『これ聴いてたら、大学で胸張って歩ける』って」

──それ、めちゃくちゃ嬉しいですね。

ながた「今考えたのは、曲を1曲通してじゃなくて、多分一行一行を通して僕らの曲を好きになるんじゃないかなって」

──うんうん。

宏武「最近は何というか、歌詞に具体性が高すぎる音楽もたくさんあって」

ながた「そういう音楽が好きっていうのも凄く分かるんだけど、僕らはそれを覆して、ちゃんと新しい時代を作りたいですね」

宏武「うん。(感情的な音楽を)否定はせんけど、納得出来ない部分もあるので。自分たちにとって居心地の良いシーンにしたいですね」

──今僕らが聴けるのは主に“Sound Check Baby”と“ラフラブ”、“GOLD HUMAN”の3曲なんですけど、ライブだったら持ち時間は長いじゃないですか。その中で『どんな曲あるの!?』って知りたくなるし。今後アルバムも出ると思うんですけど、そのときに『どんな感じになるんだろう?』っていうワクワクがあります。

はだ「アルバム楽しみですか?」

──めちゃくちゃ楽しみです!で、バンド的には今後アルバム出し続けて、数年後にはもっともっと大きくなる存在だと思うんです。松江で言うとAztiC CanovaとかB-1とかいろいろライブハウスありますけど、『あの頃あのライブハウスで観たよ私!』みたいな、自慢できる日が。

ながた「あの頃アコースティックライブしとったやん!みたいな(笑)」


【『ロックバンド』に頼らない独自のライブ】

宏武「アコースティック……かまいたちの掟(※先日行われたフリーライブ。DNA  GAINZはアコースティック編成で出演)のやつも面白かったですね」

──映像で観させていただいたんですけど、凄かったです!ちなみに、あのアコースティックライブはパッと決まった感じだったんですか?

ながた「そうですね。急遽決まって。そこからあの形態は1週間毎日スタジオ入って作り上げましたね」

──めちゃめちゃ大変だったと思います。アレンジも変わってたし。

宏武「そうですね。かなり身になってます」

──アコースティックでもライブハウスでも最良の音が出せるの、めっちゃ強いですね。これはますます次のライブが楽しみになってきました!

ながた「ありがとうございます!もしかしたらライブ途中からしか来れん人とかもいるかもしれないんですけど、『どこから観てもめっちゃ良い!』って言わせるような作り方をしているので。最後の1曲だけとかでも絶対に納得させるライブをします」

宏武「もちろん最初から観たらめちゃめちゃ良いですよ!」

ながた「自信満々(笑)」


【DNA GAINZの今後の展望】

GOLD HUMAN - YouTube

──インタビューも大詰めということで。みなさんに最後に伺いたいのは、『バンドにどんな未来を描いてますか?』というもので。まず宏武さん、いかがですか?

宏武「武道館で、4Daysソールドアウト!」

はだ「わかる」

ながた「これはもう、全員の目標っすね」

宏武「それぞれがそれぞれの1日を担当して、面白い感じにしていくっていう」

──なるほど。セトリとか演出とかも変えたりして。

はだ「数字的なみんなの目標はそれですね」

宏武「あと、個人的には海外のフェスとか出たいですね。野外のフェスで、全員動き揃ってなくていいんで、お客さんがグッチャグチャに入り乱れてほしい。モッシュとかも起きんでいいんで、みんな自分の世界に入って踊ってるの見たいです」

──いいですね。イタガキさんは?

イタガキ「僕は変わらず、ギターが弾けたらいいかなって。軸を変えずに。これは後輩にはずっと言ってますけど、『音を楽しむことを忘れない』っていう。これが一番ですね」

──いい話がたくさん聞ける!はださんどうですか?

はだ「親にたくさん旅行行ってほしいですね。爆売れしたい。大切な人にはどんどんお金使ってほしいです」

──おおー!ながたさんは?

ながた「僕は、ずっと言ってる武道館もありますけど、アリーナも面白いなって。アリーナクラスになるとスクリーンがあって。映像があってからのメンバー登場とか出来るし」

宏武「演出も凝れるし」

ながた「そう。演出も凝れるから、僕らにピッタリなんじゃないかって。そこでやっと、ひとつのDNA GAINZが完成するんじゃないかと思います」

──映像に心電図が流れて『ワー!』ってなるとか(笑)

ながた「おもろ(笑)」

はだ「めっちゃ良いそれ」

──しかもアリーナじゃないと出来ないとかじゃなくて、DNA GAINZはライブハウスでも戦えるっていう。両刀でやれる強みがありますよね。

ながた「いろんな強みを混ぜたいですね。ライブハウスライブハウスって言ってるけど、何でもできるよっていう、表現の場を作りたい」

イタガキ「僕は総合芸術やりたいです。ダンスと映像と、演劇みたいに。『バンドマン』より『表現者』が良いですね」

──それこそアリーナだと何でも出来そうですし。

はだ「前の日アリーナやって、次の日ライブハウスでも良いですよ」

ながた「いろんな今の決まりを破りたいというか。僕はバンドマンなんですけど、ダサい方のバンドマンってなるのは嫌だから、新しい時代を作りたいです。……というか、みんなの言ってることは僕も全部ありますね。マジで全部叶えたいです」

イタガキ「言霊だからね」

──DNA GAINZは、言ったらまだ若いじゃないですか。で、まだ結成1年でこの注目度っていうのはエグいと思うんですよ。『hoshioto' 23』準グランプリとかタイアップとか。今後いろんな経験をして歌詞のレパートリーも増えるだろうし、「こんな曲いいんじゃない?」って探れるし。アルバムを1枚2枚って出していく頃には、多分……。

ながた「ヤバいっすね。多分アルバムというか、ミニアルバム的なものが出ればだいぶ変わると思いますよ」

──こうやってリスナー側に、DNAが受け継がれていくんですね……!というところで、今回のインタビューの締めとしたいと思います。今日はみなさんありがとうございました!

DNA GAINZ「ありがとうございました!」


【おわりに】

これにて2時間半にも及んだインタビューは幕を下ろした。ビールやジンバック、日本酒などが次々空けられた音楽談義は結果として、彼らのギラギラと光る反骨精神と「絶対に売れてやる!」という、確固たる自信を具現化した濃密な時間だった。

朗らかながらも、現状の音楽シーンの変化を目論むボーカル・ギターのながた。物事を冷静かつ俯瞰で見つつ、重要部に焦点を合わせるBaのはだ。自身の思いに忠実に、サウンドを牽引するGtのイタガキ。縁の下の力持ち的に、バンドの架け橋を担うDrの宏武……。彼らと邂逅して改めて、このバンドが如何に素晴らしい存在なのかを認識できたのは収穫だったと思う。

予定されていたインタビュー内容が全て終わると、誰から言われるでもなく次なるライブの打ち合わせを始めた彼ら。……その姿は本当に音楽シーン全体をぶち抜く可能性に満ち満ちていて、心底感動してしまった。そのDNAを文字通りリスナーに渡し続けながら、どんどん飛躍していくこと間違いなしのDNA GAINZ。彼らに出会うべきは、今である。