キタガワのブログ

島根県在住のフリーライター。ロッキン、Real Sound、KAI-YOU.net、uzurea.netなどに寄稿。ご依頼はプロフィール欄『このブログについて』よりお願い致します。

サマソニのヘッドライナーと今後のことについて書き殴りたい

こんばんは、キタガワです。


日本最大級のフェスのひとつとして有名なSUMMER SONIC。今年で20周年を迎えるのを記念し、今回は10年ぶりである3日間開催が発表された。来年はオリンピックのため中止になることが確実視されているため、今年は全員が一丸となって盛り上げたいところだ。


その中でもやはり気になるのは、ラストを飾る各ヘッドライナーの存在だろう。10年前はMy Chemical Romance、Linkin Park、BEYONCEといった豪華アーティストをヘッドライナーに配置し、大成功を納めたことからも、期待が高まっていた。


さて、今回はそんな今年のヘッドライナーと今後のことについて、思うがままに書きなぐっていこうと思う。

 

 

Red Hot Chili Peppers

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今年はアメリカで開催される『ウッドストック・フェスティバル』のため、ほぼ確実に出演はないと思っていたのだが、やってくれた。なんと8年ぶりとなるサマソニ出演である。これは往年のファンにはたまらない決定だろう。


おそらくは今回のヘッドライナーの中で、最も反響があったアーティストなのではなかろうか。公式ツイッターのリツイート数は1万をゆうに超え、海外からのリプライも相次いだ。レッチリはロックンロール・シーンを代表するバンドであり、また誰しもが期待する存在なのであることを再認識した次第だ。


サマソニを主催するクリエイティブマンの代表、清水氏は昨年「サマソニをロックに回帰させる」というようなことを話していた。Calvin HarrisやPharrell Williamsといったロックとは対極に位置するアーティストの起用が多かった昨今、今回の彼らの出演は、まさにそんなサマソニの“今”をはっきりと明示するような形となった。


さて、気になるのはセットリストについてだ。2016年に待望のニューアルバム『The Getaway』を発表した彼らだが、それ以降日本では限定的なライブしか行っていない。従って今回のライブでは、『The Getaway』を主軸とした構成で進行すると予想される。


Red Hot Chili Peppers - Dani California [Official Music Video]


おそらく持ち時間は1時間前後なので、最新アルバム以外の楽曲にも注目したいところ。映画デスノートの主題歌として人気を博した『Dani California』や映画ベックの主題歌であった『Around The World』など、日本ならではのセットリストにも期待したい。


母国アメリカのみならず、今なお世界規模でロックシーンを牽引する中心バンド、レッチリ。彼らがサマソニでどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、非常に楽しみだ。

 

 

B'z

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今年のサマソニは20年の歴史で初めて、日本人初のヘッドライナーを起用することが明らかとなった。外国人の観客も多いサマソニである。日本人と外国人を共通して喜ばせることができ、かつ大物アーティストで……と考えると、該当するバンドはかなり限られてくる。個人的にはX JAPANかB'zのどちらかだろうと思っていたのだけれど、見事的中しました。やった。


B'zのボーカルである稲葉は、2年前に半ソロユニットとしてメインステージに登場したことがあるものの、B'zとして出演したのはかなり昔。あの歌声とサウンドがサマソニに鳴り響くと思うと、考えるだけでもゾクゾクしてしまう。


B'z / Still Alive


2017年は20枚目のアルバムである『DINOSAUR』を発売。今まで以上にゴリゴリのハードロック作品となった今作を携えて臨むサマソニは、さぞ激しいライブとなることだろう。話題のシングル曲や代表曲をふんだんに詰め込んだ、歴史に残るライブになりそうだ。


昨今のサマソニはメインステージの動員が振るわなかったり、音響が良くない等と言われることも多いが、この日ばかりはパンパンの客入りとなると予想される。中でも『ultra soul』の大合唱は、間違いなく今年のサマソニのハイライトとなるだろう。もしかしたら海外においては、B'zの存在を知る人はほとんどいないかもしれない。しかし「日本人でもやれるぞ」というところを、存分に見せてもらいたいと思う。

 

 

The Chainsmokers

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実はクリエイティブマンの清水氏いわく、昨年もヘッドライナーとしてオファーしていたそう。しかし『ロックへの回帰』をテーマにしていたこともあり、泣く泣く断念したと語っていた。数年前は最も小さなステージでライブを行っていたThe Chainsmokersが、長い時を経てついにヘッドライナーを務めるのだ。


The Chainsmokersは、海外の音楽シーンを代表するDJユニットだ。代表曲『Closer』は20億回を超える再生数を記録し、まだまだ伸び続けている。まだアルバムこそ1枚しか出していないが、その人気と実力は本物で、海外では若きカリスマ的存在となっている。


The Chainsmokers - Closer ft. Halsey (Official Lyric Video)


彼らははっきり言って、今回のヘッドライナーの中では明らかに異質なグループである。ロックでもないし、バンド形態でもない。しかし今の世界的人気を鑑みると、遜色ないような感じもする。


公式サイトのコメントを読んでいると、どうも彼らの前にも大物DJたちが構えているらしい。よって3日目に関してはロックフェスというより、ポップやEDM寄りのラインナップになると予想される。そんな中で、ゆったりした歌メロ重視の楽曲が多いThe Chainsmokersは、どんなライブになるのだろう。全く予想がつかない。

 

 

おわりに

さて、いかがだっただろうか。


悲しいことを言うようだが、昨今のサマソニは動員数がかなり落ち込んでいる。特に昨年のサマソニはロックに回帰し、世界中のロックファンを大いに沸かせたにも関わらず、19年の歴史上最も動員は少なかったそうだ。


僕自身も昨年参加したが、正直人はガラガラだった。特に大阪では、海外人気そのものが依然として低い印象を受けた。それはONE OK ROCK待ちの日本人の観客がRAMSのライブで地蔵になり、RAMS側がそれに苛立ち持ち時間をたっぷり残して帰ったことや、BECKのライブで中心から後ろはほぼ無観客状態だったことからも明らかだ。


しかし僕は、サマソニには頑張ってもらいたいと思っている。


今年は開催日がウッドストック・フェスティバルと丸被りなこともあり、もしかしたら人気のある出演者は来日が難しいかもしれない。海外の音楽は下火かもしれない。レッチリのような往年のロックスターではなく、若いバンドやアイドルを起用した方が人が集まるかもしれない。


でも今やサマソニは、僕ら日本人が海外のアーティストを観ることができる貴重な機会なのだ。フジロックと肩を並べるほどに最大級のフェスなのは間違いないし、サマソニがなくなったら悲しむ人もいるはずだ。


個人的には現時点でのヘッドライナーについて何も文句はない。後はヘッドライナーにバトンを渡すアーティストを誰にするかにかかっている。


再来年は、開催しないことが明言されている。なので今年は、何があっても観客の心に残るようなブッキングを行う必要があるのだ。ぜひ今後も頑張ってもらい、総じて行けなかった人が悔やむような、そんなフェスを作り上げてほしい。