こんばんは、キタガワです。
先日TSUTAYAに行ったときのことだ。いつもと変わらないDVDレンタルの新作コーナー。その一角に、やたらと猛プッシュされている作品を見つけた。
その棚は上から下まで、ぎっちりと同じ作品で埋め尽くされていた。タイトルは『ワンダー 君は太陽』。
その棚は『ワンダー 君は太陽』で上から下まで、ぎっちりと埋め尽くされていた。
調べてみると興業収入320億円を超えるヒット作だそう。しかも映画評論サイトでは満足率80%以上、加えて店内のPOPでは「人生最大の映画!」とも称されていた。
というわけで、借りてきた。ここまでハードルを上げられては、映画好きとしては避けて通れないというものだ。さて、鬼が出るか蛇が出るか。
……鑑賞した結論としては、非常に良い映画だったと思う。
やたらとフィーチャーされている『泣ける!』という表記に関してはどうかと思うが、純粋に良い映画だったのは間違いない。ここ数年上映されている映画の中でも、抜群の完成度であった。
大まかなストーリーとしては、『顔に障害を持つ男の子が、偏見やいじめに耐えながら健常者と同様の学校生活を送る』というもの。
もちろん主人公はこの男の子なのだが、映画を見続けるうちに、多くの登場人物にスポットが当たっていく。
そう。実はこの映画の本質は、複雑な人間模様を描いている部分なのである。
幼少期の自分を思い返してほしい。理由もなくイラついたり、友人と疎遠になったり、家族や学校生活の板挟みにあって自分を見失うことがあったと思う。
それは今思うと「そんなこともあったなあ」で済まされるだろうが、当時は違ったはず。友人との語らい、テストの点数、運動神経……。『今』における環境が全てであり、一喜一憂していたはずだ。
今作はそんな幼少期を大人になった今、再び思い出させてくれる貴重な存在だ。
あまり深く考えすぎずに観てほしい。
あとこれは余談だが、昨今の映画はB級だの漫画実写化だの、妙に斜に構えているような感覚が否めないので、こういう映画がどんどん出てくればいいなと思う。映画のお手本のような、こういう映画が。