キタガワのブログ

島根県在住。極力誰とも関わりませんので悪しからず。目標は音楽ライターであり、ブロガーではありません。

崎山蒼志くんのあの売れ方は、絶対に後悔する

こんばんは、キタガワです。

 

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崎山蒼志くんが猛プッシュされている。「誰それ?」という人も、最近YouTubeの関連動画に出てくるとある動画を見せれば、「あー!」となることだろう。


今回の記事では最近の彼……というか彼を取り巻く環境について、感じていることを洗いざらい吐き出したいと思っている。どうぞお付き合いください。


皆さん、彼についてどう思いますか?


彼はしばしば『天才』という肩書きと共に紹介されることが多いのだが、僕はこの言葉自体が、そもそもおかしいと思っている。

 


崎山蒼志「五月雨」(MV)

 


崎山蒼志「夏至」(MV)


僕はまだ『夏至』と『五月雨』しか聴いていないのだけれど、まずソングライティングはずば抜けて良い。これに関しては間違いなく『才能がある』。


しかし特徴的な歌声と歌い方は、彼が独学で身に付けたものだ。決して天性の才能などではなく、試行錯誤の果てに産まれたオリジナリティーなのだ。


天才というのは『産まれ持った才能を持った人物』を指す。はっきり言ってしまうが、彼は天才ではない。『才能がある』と『天才』は別物だ。


だが彼は『天才』と呼ばれる。それは何故か。理由はひとつ。メディアの洗脳だ。

 


【ゲス極川谷・くるり岸田が絶賛!】中学3年生で「オリジナル300曲」の怪物”崎山蒼志”が登場!さらに“中1で作った楽曲”にスタジオ騒然…!|〜第3回高校生フォークソングGP〜|日村がゆく!#51


彼が注目されるきっかけとなったのは、とある番組の『日村がゆく!』というコーナーだった。崎山くんの演奏が終わると、バナナマン日村氏は「すーげえ!」と連発し、スカートの澤部渡氏は「素晴らしい!」と拍手を送った。さらにはAbemaTVのチャンネル内では崎山くんのコード進行について、『普通』のミュージシャンと比較しながら絶賛していた。


この放送終了後、YouTube上に崎山くん出演部分のみ編集された動画がアップされた。あれよあれよとアクセス数が増え、10月7日時点でなんと800万再生を超えている。


そこに「『五月雨』は中学1年生のときに作った」、
「オリジナル曲は300曲ある」との発言がピックアップされ、瞬く間にバズった。


その結果アルバムが12月5日にリリースされることが決まったというわけだ。


さて、今回の記事を書くにあたって彼のことをいろいろ調べようと試みたわけだが、まず疑問に思ったのは「どのレーベルから出してんの?」ということだった。


で、調べた結果。ソニーミュージックだった。


ソニーミュージック。れっきとしたメジャーレーベルである。ソニーミュージックといえばチャットモンチー奥田民生、LiSA、西野カナなどが在籍するレーベル。今回はその中からアルバムを出すという。


で、CDの形態。なんとCD単体ではなく、DVDもセットで売り出そうというのだ。初アルバムで、CDとDVDのセット販売。そんなの安室奈美恵宇多田ヒカルもやってない。


そして来年からは静岡、東京、愛知、大阪を回るツアーも行うという。現段階では先行予約が始まっている最中なのだが、ソールドアウト間違いなしなほどアクセスが集中しているらしい。


僕はこれを見て『この売れ方は絶対に後悔する』と確信した。というか悲しくなった。やっぱりメジャーレーベルって悪どいなと。若い才能を金づるとしか見ていない。


例えばゲスの極み乙女。が売れたのは、川谷絵音の才能があったからだ。


例えば米津玄師が売れたのは、人間の内情を彼特有の目線で歌詞におこし、キャッチーなメロにはめたからだ。


決して『バンド名とメンバーが変な名前だから』とか『ボカロのハチが歌ってるらしい』とか、そんな売り方ではなかったはずである。だからこそ今でも生き残っているし、根強いファンがつく。


対して崎山くんはどうだろう。今の大半の世間の目は『高校生ミュージシャン』。それだけである。


僕は実際今年のサマソニ大阪で彼のライブを観たが、ビックリするほど大勢の客で埋め尽くされていた。だが周囲の話を聞いてみると、「話題だから観てみよっか」程度の認識でしかなかった。


そう。彼は今『話題の人』なのである。ではこのブームが去ったらどうなる?待っているのは地獄だ。音楽で言うところのRADIO FISH、GIRL NEXT DOOR。芸人で言うところの日本エレキテル連合とにかく明るい安村……。


メジャーレーベルの悪どいところは、『売れなきゃクビ』という無情な実態にある。一過性ではダメだ。結果は『出し続けなければならない』のである。


今は話題になっているから、来年までは安泰だろう。じゃあ再来年は?その次の年は?今や『時の人』となっている彼が『過去の人』にならない保証なんてない。あんな売れ方ならなおさら。まだ高校1年生の16歳。就活や進学時期にまで曲を作り続けることはできないし、大学生になれば『高校生シンガー』という肩書きも消える。


これ、ぼくのりりっくのぼうよみと同じ末路を辿る気がしてならない。彼も高校生で天才ともてはやされ、人気が低迷し、脱落していった。彼が最後に発した言葉は「こんなことなら、才能なんてなければよかった」というものだった。


僕は今回のタイトルを『この売れ方は絶対に後悔する』とした。これは決してレコード会社に対しての言葉ではない。崎山蒼志くんという一人の人間に対しての言葉だ。


彼は今後『普通の人』とは異なる暮らしを強いられるだろう。メディアへの出演、インタビュー、ツアー……。16歳の多感な時期である彼だが、もう普通には戻れない。


メジャーデビューしたのだから、インディーズよりさらに縛りが厳しい。前述したように売れなきゃダメ、結果を出し続けないとダメな世界。ストレスも溜まるだろう。


あまり無理しないでほしい。良いアーティストだからこそ、心からそう思う。少なくとも、ぼくりりのように『才能がなければよかった』と嘆き、数年後にヘイトを撒き散らすようにだけはならないでほしい。


負けるなよ、崎山蒼志。