こんばんは、キタガワです。
正直な気持ちとして、Blur(ブラー)が活動を再開することは全く予想していない訳ではなかった。今年の夏頃には「ロンドンのライブで活動再開か」と噂されていたし、公式アカウントが突然動き始めたりと、何やら『それっぽい』ムーブは続いている感はあったからだ。ただ、往年のバンドの再結成はこの目で見なければ信じられないもの。海外で飛び交う噂を見ながらワクワクしていた中で、遂に来た最終報告。本当に活動再開するんだなあ。
Blur, Wembley Stadium 🏟
— blur (@blurofficial) 2022年11月14日
8th July 2023
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ブラーは1998年に結成されたイギリスのロックバンドで、当時は「ビートルズの再来」「オアシスの永遠の宿敵」と言われる程の人気を博してあち。その反面、背景にあったのはネガティブなこともあり、当初はイギリス国内で注目を集めていたブラーは「もっとイギリスの外に出てみよう!」というマネジメント戦略をきっかけに、アメリカを含む海外ツアーを数多くこなすように。ただそのスケジュールはあまりにハードであり、メンバーがアルコールで心身喪失状態になることも少なくなく、次第に首謀者であるデーモン・アルバーン(Vo.G)は、世間的に好かれる音楽と徐々に距離を置くことを計画。結果としてあらゆる世界観を醸し出すバンドになったのは、やはり唯一無二なのではないかと思う。
Blur - Coffee And TV (Official Music Video) - YouTube
そこからいろいろな出来事があった末にブラー、というよりデーモン・アルバーン自身が、有り余る創作意欲をブラー以外の場所にぶつけるようになった。その中でも分かりやすい形で大成功を収めたのがご存知、アニメーションキャラクターを押し出したロックバンド・ゴリラズだ。ギターサウンドを推し進めていたブラー、そして電子音とベース主体でグルーヴにこだわったゴリラズ……。サウンドもそれぞれに異なるものになったが、世間的な成功レベルは若干ながらゴリラズに軍配。
Gorillaz - Feel Good Inc. (Live At The MTV EMA's) - YouTube
そんなゴリラズは数年前から活動ペースが異常化。アルバムリリースの感覚はいつしか1年未満になったのだが、もちろんその理由はデーモンの創作意欲の爆発にあった。例えば『The Now Now』では収録曲が“Kansas(カンザス)”や“Idaho(アイダホ)”、“Lake Zurich (チューリッヒ湖)”といった地名で構成されているのだけれど、その理由についてデーモンは「そのツアー先で書いたからそれをタイトルにした」と語っており、何とツアーで訪れた国のホテルで、収録曲の大半を完成させたと明言。また『Song machine』と題されたアルバムではシーズン1に続き2、3と続くことが示唆され、来年にはニューアルバムの発売も既に決定。とにかく作りまくり売りまくり、めちゃくちゃなワーカホリック状態になっているのが今のデーモンである。
Blur - Song 2 (Official Music Video) - YouTube
翻って、今回彼がブラーを再始動させたのもおそらく、それが理由なのだろうと思われる。つまりは新曲ありきの再始動、新たなブラーの始まりである。とりあえずは来年あたりまでは『ぼくがかんがえるさいきょうのブラー』的な代物をライブで見せてくれるだろうし、おそらく2023年のサマソニやフジロックも視野に入れてはいる。ただ最終的な方向としては、再構築したブラーを見せることなのかなと。……ブラーなのかゴリラズなのか、ソロなのかもう分からなくなりつつあるデーモン・アルバーン。彼の活動は続く。頼むから過労死だけはしないで……。