キタガワのブログ

島根県在住。文筆。rockinon.com外部ライター等。

TikTokから花開いた2020年最大の中毒曲“エジソン”と、水曜日のカンパネラの今

こんばんは、キタガワです。

 

水曜日のカンパネラ『エジソン』 - YouTube

《踊る暇があったら発明してえ 歌う暇があったら発明してえ》……。YouTubeのショート動画をスクロールする日々の中で、そういえば何度も聴いている楽曲があることに気付く。妙に中毒性のあるこの楽曲の正体は水曜日のカンパネラの“エジソン”。水カンと言えば最近コムアイが脱退、新たに2001年生まれの詩羽(うたは)が大抜擢されたこのは記憶に新しいけれど、彼女にフロントウーマン権が移ってからまだ1年も経っていないのは驚くばかりだ。


“エジソン”が脚光を浴びた契機となったのは、若者にとっての新ミームことTikTok。《踊る暇があったら》と歌い上げるシーンにテレビ番組やアニメ映像などの別の場面を繋げ、全く別の内容に変えるというものだ。「踊る暇があったら 勉強しよう!」とする高校塾繋ぎ、「踊る暇があったら 食ってみな 飛ぶぞ」とする長州力繋ぎetc……。著作権的な問題はさておいて、汎用性は抜群。ありとあらゆるものに応用が効く媒体として、“エジソン”は重宝されたのである。

 

水曜日のカンパネラ『桃太郎』 - YouTube

水曜日のカンパネラ『ドラキュラ』 - YouTube

ただ、水カンがTikTokでのバズを狙ってこの楽曲を制作したのかと言えばそうでもない。むしろ彼らは通常運転、活動初期から『強烈な印象深さ』を残す楽曲を生み出し続けていたから。例えば、彼らの中でも随一の代表曲になっている“桃太郎”。あの《きっびっだーん きびきひたーん》のフレーズと振り付けは絶対的にリスナーに向けて作られているし、他にも“一休さん”や“ドラキュラ”、そもそも曲のタイトルが全て人名であることも含めて、バズへの狙いは元々あったのだろう。


そんな中で水カンの活動全体を見ても稀有だったのは、遂に最先端SNSであるTikTokでバズを達成したこと。これまで口コミを中心に楽曲の知名度を上げてきた彼らに時代が追い付いてきた感もあるし、本人たちにとってもこれは喜ばしい自体なので、このチャンスを逃すこともないと思われる。実際“エジソン”効果も合わさって最新曲の伸びも好調。アルバムがリリースされる頃には、新生水カンとしての立ち位置は明確になること間違いなしだ。


加えて、新生水カンの滑り出しとしてもこのブレークは嬉しい。確かに元々水カンが売れた理由のひとつにはコムアイの破天荒キャラがあって、ライブ中に客席に突入したり無茶ぶりをしたり、そうした行動が『らしさ』を形成してはいた。ただ今回コムアイとはまた違った存在感を放つ詩羽の存在が動画ごと広まったことで『水カン=詩羽が歌うもの』という図式も強固なものになった。彼女の歌声も抜群に良いし。


“エジソン”の大バズにより、誰もが羨む注目度を獲得した水カン。当然この追い風は一過性ではあろうが、それこそ喜ぶ暇があったら次のバズを生み出す彼らのことだ。どんどん先を見据えたアクションを今後も取っていくはず。……ぐるぐる回るこのフレーズを携えながら、これから訪れるエジソンでさえも分からない未知の旅路を、共に観ていきたいと切に思う。