キタガワのブログ

島根県在住。文筆。rockinon.com外部ライター等。

YouTubeやインターネットを中心にバズった、ネット投稿を行う一般人ミュージシャン6選

こんばんは、キタガワです。

 

今や加速度的に広がる、ネット音楽の波。その動きは単なるYouTubeの伸びに留まらず、音楽シーン全体にも影響を与える大きな存在になった。……今回紹介するのは、本来音楽とは無縁の仕事をする人々でありながら、突如ネット上で火が付いたために音楽活動を本格始動した6組。ネット発ならでの自由奔放に作られた楽曲を、是非とも聴き込んでみてほしい。

 

Gyari

YouTube上のみならずサブスクや音ゲーへの進出により、今やネット発作曲者としては最上の認知度を誇るGyari。活動名は知らなくとも、無表情で「せやな」と歌い上げる“何でも言うことを聞いてくれるアカネチャン”のワンシーンを見れば、思い浮かぶ人も多いはず。

Gyariの特長と言えば、何と言ってもそのキャッチーなメロと印象的なMVだろう。先述の“〜アカネチャン”を含め“アカリがやってきたぞっ”や“絶対にチョコミントを食べるアオイチャン”など、彼の制作した楽曲の多くはMVを介して拡散されていて、ネットミームとしても流行。ひとつの強みとして確立している。加えて、ボーカロイドに多大な影響を受けたサウンドはキーボードを大胆に取り入れることで、ある種のジャズのようなイメージを抱かせるのも稀有。

他にもストーリー性の強い歌詞など特筆すべき点は多々あれど、音楽業界全体を見てもネット音楽シーンをグンと広げた立役者であることは総じて間違いない。余談だが、20分以上に渡って繰り広げられる“ボーカロイドたちが〜”シリーズは売れる売れないの枠を度外視した見事な怪曲なので、特にボカロ好きの人々に強くオススメ。

何でも言うことを聞いてくれるアカネチャン - YouTube

ボーカロイドたちが2コードくり返してテッテーテレッテーとか叫ぶだけ - YouTube


Franz K Endo

摩訶不思議な世界観でコアなファンを次々獲得してきた奇才・Franz K Endo。彼が注目される契機となったのは音楽ではなく、卒業制作の傍ら個人的に取り組んできた、ドラえもんを題材にしたMAD動画だった。海外的ミームや意味不明な造語を多用した動画の数々は「全く理解できないけどクセになる」と爆発的な伸びを見せ、そんな彼の世界観が別の形でスパークしたのが、何を隠そう音楽活動だったのである。

現在、彼の別チャンネルではマイペースに音源を発表中。“SPOON広告タイプピート”や“ジャイアンとスネ夫の声でギャングスタラップ”といった本チャンネルの動画にも顕著だが、彼のサウンドメイクの主体はダウナー系のサイケデリックで、面白い作りになっているのも彼らしい。影響を受けているのは明らかに洋楽のEDM。一風変わった音楽を聴きたい人に教えたい、隠れた才能を持つひとりだ。

(全年齢対象版) MADドラえもん Season 1~2 - YouTube

SPOON Ad Type Beat (Remix) - YouTube


バーバパパ

ピンクな体の子供向けアニメキャラ……ではなく、こちら全く別のバーバパパ。我々からすると全く予想も出来ない方向からアプローチを仕掛ける、令和の謎人物である。

兎にも角にも、彼を語る上で外せないのは“ウ"ィ"エ"”の大バズだろう。結果的には現在も彼の正体は不明のままで、その全ては謎に包まれている。ただこの楽曲はそんなミステリアスさが完全にプラスに作用した代物で、おどろおどろしい雰囲気とキャッチーな曲展開が更なるカオスを生み、無名ながら多数のフォロワーを獲得するに至った。他にも現在は出す曲が全て数十万再生以上をコンスタントに叩き出すなど、その音楽性に取り憑かれた人々からの期待も日に日に高まっている。新曲もまたカオスなので、気になった人はぜひ。

ウ”ィ”エ” - YouTube

やや左側にかたよった教育番組 - YouTube


みのミュージック(ミノタウロス)

元人気YouTuberユニット・カリスマブラザーズの主要人物にして、解散後はソロで動画投稿を続けるクリエイター。チャンネル名からも分かる通り邦洋問わず様々な音楽に精通しているみのだが、彼が動画投稿と同時期に行っていたものこそ、音楽活動だった。

YouTuberが音楽の道に足を踏み入れること自体は、今では特に珍しくもない。けれども彼のサウンドに顕著なのはザ・ビートルズなど、自身のルーツたるガレージ的音楽要素をふんだんにまぶしていること。今のご時世とは完全に逆行した彼の音楽には商業的な匂いは一切感じられず、あくまで自分が好きな音楽をやるスタンスだ。だからこそ『ミノタウロス』名義での活動は、いちミュージシャンとしても評価に値する代物なのではなかろうか。

ザ・ビートルズ入門!いまさら聞けない疑問に答えます - YouTube

【MV】ミノタウロス「ひいふうみいよ」 - YouTube


Davie504

こと『ベース演奏』のジャンルにおいては、間違いなく世界トップクラスの知名度を誇る海外YouTuber。本名はDavide Bialeと言い、学生時代からベース主体の動画投稿を行ってきた古参である。

ベース演奏動画は基本的に、売れている楽曲のベース部分のみをカバーすることが多い。けれどもDavie504はエンタメ特化型。動画の端々に笑いの要素(ミーム)を入れ込む独自性、ボーカル歌唱部分をベースで再現する聴きやすさ、更には超多弦ベースの購入など動画の面白みを追求し、みるみるうちに有名YouTuberの仲間入りを果たしたのだ。現在も変わらず毎日投稿を続ける傍ら、その人気からオファーがあったとされるオリジナル楽曲もリリース済み。ただDavie504はあえて歌わず、言葉を独り言のように捲し立てる、これまたオリジナリティ溢れる作りになっている。

30 MUSIC MEMES in 2 MINUTES - YouTube

BASSta's Paradise (Official Video) - YouTube 

 

OK BASS

Davie504と同じく、ベースを主としたサウンドクリエイトでバズを広げた日本人YouTuber。本業と質はバンドのサポートメンバー、講師、時にはソロとしてのライブ活動を行っているとのこと。

彼の魅力は、その尋常ならざるベーステクでネットミーム曲を弾き倒す点にある。例えば星野源の“うちで踊ろう”が話題になればベースでアレンジし、ちびまる子ちゃんのとある画像が1万バズを獲得したと見るや、すぐさまカバーを上げる……。コピーをするとなると本来は長い練習が必要になるが、彼はベースに長年触れていることもあり、ネットミームの把握から動画投稿までのスピードがとてつもなく早い。しかも内容も濃いとなれば、彼の台頭は必然とも言えよう。

高速おどるポンポコリン、そしてスラップベース - YouTube

都知事の『密です!』と濃厚セッションしたら世界がソーシャルディスタンスした。 - YouTube


巨大な爆発を誰しもが虎視眈々と狙う音楽シーン。さすれば当然バズを生もうとする人も現れる訳だが、今回取り上げた6組は明らかに計画的にバズへの道程を考えている。そこにはプロアマの境界線はもはやない。言わば人々の心に刺さったものが売れるというリアルを体現する、近未来型の策略家が彼らなのだ。……音楽の未来を考えてもとても素晴らしい動き。今後も彼らのような個人主義の音楽活動者は増えて行くことだろうが、おそらく彼らは今後何年間もシーンを引っ張る存在になると思われるので、この機会に触れてみてほしいところ。