キタガワのブログ

島根県在住。文筆。rockinon.com外部ライター等。

コロナ収束後の冬フェス開催とその音楽的未来

こんばんは、キタガワです。

 

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東京都の本日の感染者数が速報で発表された瞬間、思わず声を上げて喜ぶ学生を駅前で見た。それもそのはず、感染確認の一桁代は昨年5月以来であり、コロナ収束という誰もが諦めかけていた未来を我々は掴みかけているのだから。言うまでもなくこの1年半以上は誰しもの心に鬱屈した感情が生まれた悪しき年だったが、ようやく元通りの生活に少しずつ戻る光明が見えた形だ。


そんな中ライブキッズとして気になるのは、今冬に行われる予定の所謂『冬フェス』と呼ばれる音楽イベントの動向である。メリロ、カウントダウンジャパン、レディクレ……。昨年は大多数のフェスが感染急拡大を受け、開催をアナウンスしていながらも直前で延期・中止を余儀なくされたが、現状昨年中止になったものを含めたほぼ全ての冬フェスが開催実現に向けて動いていて、このまま感染者が減少傾向のまま12月に突入すればまず間違いなく昨年のような自体にはならないだろう、という意見が濃厚となっている。


確かに我々参加者にも制限は課せられる。企業というのは全体のイメージが何より重要で、たったひとつの感染対策が守られなかったためにそれが火種となって炎上する可能性が少しでもある以上、例えば従来通りのマスク着用義務化やソーシャルディスタンスの徹底で収容人数を減らすなどの対策については、繰り返し呼び掛けられるに違いない。ただ最大の懸念事項となっていたワクチン接種は全国民の75%が2回目を終えているとのことなので、制限はあれどその中心にある安心感は段違い。となれば、今年の冬フェスは言わばコロナ収束(正確には違うが)を祝う最速の祝祭として、多くの音楽ファンに興奮と感動を与えてくれるはずだ。


唯一ネガティブな部分があるとすれば、我々自身がフェスに対する思い、もといライブに対する思いが薄まっていることくらいか。これはライブ以外にも言えることだが、例えば外食から離れ「リモート飲みも安いしいいじゃん」、映画館から距離を置き「家でアマプラ見てる方が楽」など、コロナのあれこれを経てすっかり自分好みに再構築されてしまった思考は絶対に元通りにならないのだから。おそらく昨年以降多くの音楽関係のエンターテインメント会社がメディアを通じて発信した『何年分もの経済の損失』とはこのことも指していて、元々根っからの音楽好きというよりは「このアーティストとこのアーティストを観たいからライブ行く」と年に何回かのペースでしかライブに行かない人間も多かった事実を鑑みると、コロナどうこうと言うよりその弊害的な音楽への興味・関心という観点から、今年の冬フェスのチケットの売れ行きも難しい部分もあるんじゃないか、と予想する。


だがそんな思いも補って余りある空間が、やはり音楽フェスなのだということを我々は同時に知っている。一度離れてしまった人でも、非日常的な爆音に浸れば必ず楽しくなってしまう最高の感覚を再び呼び覚ますためにも、今冬のフェスに託された責任は大きい。間違いなくこれから様々な音楽シーンは復活の兆しを見せるけれど、その分水嶺が冬フェスと言っても過言ではないのだ。まだ手放しに「みんな行こうぜ」と吹聴出来る環境にはないにしろ、ある程度収入に余裕があり、また音楽に一度でも救われた経験のあるライブキッズたちには出来る限り参加してほしいと強く思う。……未だ完全系とは言えない音楽シーンの未来を救うのは他でもない、貴方たちなのだから。

 

サザンオールスターズ - みんなのうた 「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018」 - YouTube