キタガワのブログ

島根県在住。文筆。rockinon.com外部ライター等。

【ライブレポート】浦島坂田船『SUMMER TOUR 2021 ~甘い∞(はち)密のような♡(恋)をしない?キミの放課後はボクのモノ♡無限大の♡(LOVE)STARTぉ☆~』@島根県民会館大ホール

こんばんは、キタガワです。

 

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開演前、ライブ会場周辺はおよそ田舎と呼ばれる島根県には似合わない派手な光景に思わず目を奪われた。セーラー服を着た女子。何本ものペンライトを持った女子。髪の毛を綺麗に結わえた女子。中には推しの缶バッジをカバンに大量に着けている女子も一定数いて、思わずすれ違った地元民が振り返るほど。それも無理はない。島根県は高齢化率が35%……つまりは単純に100人のうち35人は高齢者である計算なのだから。ちなみに今回のライブについては大多数が県外から訪れたファンであることが後の挙手制によって明らかとなったが、ここまでの女子率というのは後にも先にも、今回のライブが最後なのではないか。


フォロワー数43万人、公開したMVは軒並み100万再生突破と破竹の勢いで音楽シーンを駆け抜ける浦島坂田船にとっては初の島根公演となったこの日はカオスティックなタイトルを見ても分かる通り、今回はオリコンウィークリーチャート初登場1位の快挙を達成したニューアルバム『L∞VE』を携えたツアーとなる。接触アプリ『COCOA』と提示と身分証明書の確認、消毒、検温、スマホのチケットもぎりを行うと、行き交うガールズをすり抜けて場内へと意を決して突入する。


会場はキャパ100、完全座席指定のスタンディング形式で展開されていたが、おそらく誰もが驚いたのは独自性の高いそのステージだろう。ステージは大きく上部と下部に分かれており、その道程を階段が繋げている。上部の背後には全3面の大型モニターが完備され、その周囲には各自のカラーを模したアイテムが掲げられており下部には向かって左手側にドラム、ベース、ギター。右手側にはキーボード、ギターが鎮座。この時点で今回のライブが名バンドを率いて行われ、また何かしらの映像を基本的に投影しながら進むものであると何とはなしに理解する。これまでも地元民としてここ島根県民会館には何度か訪れてはいるがここまで大掛かりなセットは初めてで、否が応にも期待が高まる感覚に陥る。

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流れるポップソングのインストverのBGMを聴きながらしばらく待っていると、開演5分前には各々用意したペンライトを起動させて『推し』の色に変化させたり、ひとりの観客によるパン、パン、パパパンのリズムでの手拍子が会場中に鳴り響いたりと、少しずつ会場内のボルテージは上昇。皆マスクで表情こそ見えないけれど、その下は間違いなく「もうすぐ始まる」との笑顔に満ち溢れているはず。勝手ながら筆者としてはこの時点でライブの大成功と、更には集まった観客たちによる浦島坂田船への信頼度の高さをはっきりと感じることが出来た次第だ。


遂に迎えた開演時間17時ジャストに会場がゆっくりと暗転すると、それまで真っ暗だったモニター上にキーボードで打ったような音と共に一文字ずつ描かれ、やがて「放課後の甘いひととき、私は誰を選べばいいの……?」との一文が映し出される。瞬間画面は遷移し、恋愛シミュレーションRPGのオープニングを彷彿とさせる甘酸っぱい展開でうらたぬき、志麻、となりの坂田。、センラら4人のイケメンが女子(に扮したカメラ)に対して壁ドンや蕩ける囁きなどを敢行する映像が投影されると、ライブロゴの出現の後再び暗転。当然次はメンバーがステージ上部の袖から登場するのだろうと思い上部をじっと見ていたが実際はハズレ。何とステージ上段と下段を繋いでいた階段が中心からパカッと開き、4人のメンバーが現れるという域な開幕である。

 

世界で一番好きな名前/浦島坂田船 - YouTube


1曲目に披露されたのはアルバム同様“世界で一番好きな名前”から。ポップテイストを全面に押し出したMV映像とサポートメンバーであるたいちょう(Gt)、Sum(Gt)、YSK(Ba)、noza(Key)、横山惠士(Dr)らのサウンドをバックに、メンバーはステージを右へ左へと練り歩きながら注がれる視線に満面の笑顔で答えていく。その主たる武器である歌声についても志麻のクールな低音、となりの坂田。のふくよかな空気を含んだハスキー声、センラのとてつもなくフィットする歌声、うらたぬきのキュートな高音としっかり4人それぞれが『味』を出していることはもちろん、その全てが楽器隊の激しい音の中を突き抜けるように響いていてやはりシンガー(歌い手)として脚光を浴びた彼らだからこそ出来る、地力の成せる技なのだと文字通り実感する。観客についても声が出せない代わりに全力でペンラを振って答え、メンバーもそれを見て手を振ったり、笑顔でcrew(浦島坂田船ファンの俗称)の方向を指し示したりと双方向な関係性が光っていて、思わず初見ながらも心を揺さぶられてしまう魅力に溢れていた。


今回のライブがニューアルバム『L∞VE』のリリースツアーであることは先述の通り。しかしながら全25曲、時間にして2時間45分という様々なアーティストのライブ全体として見てもかなりのロングセットとなったこの日のセトリは、確かに『L∞VE』を軸に据えてはいたものの処女作『CRUISE TICKET』を含めた全てのアルバムから選曲される現時点でのベスト的な代物で、楽曲によっては4名のダンサーも加わるという最終的には浦島坂田船4名、ダンサー4名、楽器隊5名=合計13名での大規模なパフォーマンスとなった。ちなみに背後のモニターにはYouTubeにMVが投下されているものはMVを、MV制作自体がされていない楽曲については基本的にメンバーを撮影するリアルタイムの映像(おそらく1回席後方のPA卓に何台もカメラが設置されている)が歌詞を投影した形で流れるエンタメ性抜群の工夫が施されていたのも特筆しておきたいところ。

 

最強Drive!!/浦島坂田船 - YouTube


全編通して凄まじい一体感を記録した今回のライブ。取り分け前半部に大きな盛り上がりを記録したのはアッパーな鼓舞的ナンバー“最強Drive!!”で、楽曲がスタートした瞬間から袖よりR1kuto、kazuma、Ryohey、KO-TAら4名のダンサーが集結。浦島坂田船のメンバーも含めて8人が乱れ踊るダンスフロアと化した。歌われる内容は端的に言い表すならば、ポジティブに振り切った応援である。ただそれは明日やろうは馬鹿野郎的な考えや「死ぬほど努力した人間だけが成功する」といった努力主義の部分ではない。彼らがこの楽曲で示すのは《いつかはきっと叶うよ何か1コくらい/もしかして 0.1コでも褒めてやりたくなるんだ》《地球は回るから チカラを抜いちゃって明日頑張ろう!》とのある種「生きていれば絶対に何とかなる」ネバーギブアップ精神なのだから。彼らは今回のライブで「また絶対に会おうな」という言葉を何度も発していたし、更にはメンバーを茶化すことはあれ、誰かを傷付ける可能性が少しでもある言葉については一言も言わなかったのが個人的には印象に残っているのだけれど、“最強Drive!”はまさしくそうした浦島坂田船の本質的部分を体現していたようにも思うのだ。日々をどう過ごし、どう未来について考えを巡らせることに関して敢えて明言を避け、ひたすら「あなたはあなたのままでいい」と肯定するかのように笑顔を振り撒き続けるメンバーの姿はとても格好良く、また力強いメッセージを訴えかけるようでもあり、感動的だ。


これまでに紡がれてきた前向きな流れを汲む“Dreamer”が鮮やかに鳴らされると、その後は『L∞VE』におけるメンバーそれぞれのソロ曲を披露するファン垂涎の時間の到来だ。先陣を切ったのは志麻で、彼らしいハードロックなテイストで“Tokyo Deadman's Wonderland”を。続くとなりの坂田。はシャウトとがなり声多めのCD以上にパンクな勢いで“荒波”を。対してセンラは打ち込みを多用したダンスポップソング“Sugary”をエロティックに歌唱し、ラストを飾ったうらたぬきはnozaのピアノ演奏を主体としたバラード“Colors”で聴く者の心にグッと迫っていく。これまでの楽曲でも4人が代わる代わるスイッチする形でボーカル面が構築されていたが、やはりこうしてひとりひとりの歌声に集中しているとそれぞれの声に異なる個性があり、なおかつキャラクター性や歌い方も楽曲ごとに使い分けるボーカル然とした力量があることを再認識する。観客もペンラの色を変え、フロア一面にメンバーカラーを敷き詰めた色が広がっていくのも、一体感抜群である。


間髪入れずに美しい青空のVJが投影される中で志麻&センラによる鉄板ロックソング“青空ピカソ”と、うらたぬき&となりの坂田。が某ゲーム会社のパーティーゲームをモチーフとした“生涯ライバル”でファンをゲーム感覚で楽しませ、ここからは中盤戦。中でも“SWEET TASTE PRESENT”はその軽やかなパフォーマンスでもって早くも興奮のハイライトに位置していて、メンバー同士が密着し合って仲の良さを存分に見せ付けていくが、時に手の平が脇腹に当たり思わず笑ってしまったことで歌詞の一部が歌えなくなる一幕も生ライブならでは。中盤では《いつも頑張って「誰かのため」 優しい心で「みんなのため」》といった歌詞の数々を「島根のため」に変化させて集まった地元民の琴線に触れる場面もあり、思わずペンラを握る手にも力が入る。

 

SWEET TASTE PRESENT/浦島坂田船 - YouTube


“明日へのBye Bye”が終われば、ここからは少しばかりのブレークタイムとして観客全員を着席させてのバラエティー的な事前VTR……その名も『ハンサム対決』が大型モニターに映し出された。企画内容はクラスの教室でロシア人の彼女が作ってくれた料理を4人のメンバーがひとりずつ食べて誰が一番イケメンだったかを選ぶ、というものなのだが、気になる料理は唐辛子が2本突き出た真っ赤な激辛ラーメン。彼女と出会った当初こそ「料理作ってくれたん?めっちゃ嬉しい!」と喜んだり、椅子で格好良く足を組んだりと余裕モードだったが、料理が出てきた瞬間誰もが苦笑い。最初に挑戦したセンラの時点でかなりのカオスっぷりだったが、以降のメンバーは皆「スープも飲んで」「麺も食べてほしい」との彼女の矢継ぎ早な要望に加え、口直しをとお茶を要求しても何故かセンブリ茶(とても苦いで有名なお茶)が出てきたりと大苦戦。最後に挑戦したうらたぬきに至っては元々辛いものが苦手な体質であることもあり、最終的には早く食べるよう要求する彼女と絶対に食べたくないうらたぬきが激突し、お互いの関係性が悪くなって帰還するというよもやの展開に、会場は爆笑の渦に包まれた。


衣装チェンジの後は『L∞VE』収録曲を立て続けに披露しチャイムの音が響くと、浦島坂田船のロングホームルーム、もといMCタイムへ。ここでは長尺のMCが展開され、まずはこの日が浦島坂田船にとって初の島根公演であることに触れると、ひとりがクオリティーがやたらと高い『鷹の爪団』の吉田くんのモノマネを披露すると「島根で有名な食べ物って何?」と聞けば出雲そばのトークを繰り広げ、何故か『塩こん部長』のCMのモノマネに遷移し、更には恋愛成就の神様がいるとされる出雲大社の話など話がどんどん脱線していく様は面白く、4人のフレンドリーな関係性を改めて感じられる幸せな空間だ。なおセンラのみ学生時代に島根県出身の知り合いがいたらしく、その際に『ばんじまして』という言葉を知ったということから話に熱が入るもののその意味についてはど忘れしてしまったらしく、全員から「覚えてないんかい!」とズッコケられる流れもご愛嬌である(後のMCで「こんばんは」であることがようやく述べられた)。そして集まった観客の男女比を挙手制で把握する一幕では圧倒的に女子率が高いことが証明された他、島根ならでは(?)の要素として親子連れで訪れた人も一定数存在し、続く「初めて浦島坂田船観たって人ー!」と呼び掛けられた結果初参加はかなり少なく、全体として2~3回目となる観客が最も多くなっていたことも相まって、改めて浦島坂田船が幅広い世代に支持されていることを理解する。

 

ワナビークインビー/浦島坂田船 - YouTube


ここからはクライマックスへ突き進まんとばかりに、新旧合わせたアッパーナンバーの連続だ。まずは淫靡な雰囲気を携えた“Boohoo”で観客の鼓膜を緩やかに蹂躙すると、哲学者や聖人、物理学者の名前を用いつつ無変化な世界での日常を叫ぶ“Shoutër”、ラップ主体で航海の旅路を描いた“PIRATES A GO GO”など曲調の異なる千変万化の魅力を伝えた彼ら。そのどれもが人それぞれ好みの楽曲はあったろうし、突出して「この1曲だけがとても良かった!」と言うものではなく全曲が素晴らしかったが、彼らの魅力の新機軸を打ち出した1曲として考えるならば、個人的には“ワナビークインビー”を選出したい。『ワナビークインビー(I wanna be queen bee)』は直訳すると「女王蜂になりたい」……。つまりは一見すると、憧れの女性にアプローチをかけたいと願う男の欲望のようにも思える。しかしながらその実、歌詞にも目を向ければいわゆる草食男子的な考えとは程遠く、女王を徹底的に調教して自分のモノにしたいというサディスティックな心情を露にした楽曲であることが分かる。メンバーは先程まで見せていた格好良さと可愛さがほぼ半々で形成された雰囲気とは打って変わって歌声も仕草も『イケナイ男』ぶりを加速させており、具体的には甘い吐息をマイクに伝えたり、うらたぬきが原曲では存在しなかった高笑いを見せたりと非常にエロティック。今回は発声制限のため声は出せない状態ではあったが、十中八九こうした状況下でなければ黄色い声が多数飛んでいたことだろう。


気付けばライブは残り僅かで、“ARK”が鳴り終わると直ぐ様「最高でしたねー!……次最後っす」とうらたぬきによる情緒不安定なラストソング宣言が。ただうらたぬきは「それでも2時間ぐらいやってるよね?次は47都道府県でライブやろうか。ツーデイズずつ」と無謀な発言に出るほど前傾姿勢であり、それを聞いた志麻は「1年かかるやん!」と突っ込むもその表情は笑顔であり、それこそ今回島根県という全国的には田舎と呼ばれる地域までわざわざ来県してくれて結果ソールドアウトとなったことも考えればあながち夢物語ではないかもしれない。そして集まった観客たちも一様に拍手で答えているあたり、もしも47都道府県ツアーが決定した暁には各会場、満員御礼となることは確実だろうと思えた。


ラストソングは『L∞VE』から“シンデレラステップ”。前面からフロアをぐんぐん照らす照明効果と背後のモニター横の随所に取り入れられたメンバーカラーも合わさってこの日一番鮮やかなステージングで、観客もリズムに合わせてペンラを上下に振る振る。メンバーはダンサーと共に所狭しと動き回り、時に階段に腰掛けたりステージ上部に移動したりと自由奔放で、時折親指と人差し指を交差させた『キュン』ポーズを見せたりとサービス精神も旺盛である。ラストに相応しい盛り上がりを見せた最後は開幕と同様に階段が左右に開き、頻りに手を振りながら中に入る形で退場したメンバーに多くの拍手が鳴らされた。


おそらく誰しもが再びメンバーが登場することを熟知しているのだろう、ライブイベントには珍しく手拍子がほとんど起こらない稀有なアンコールで呼び込まれたメンバーたち。その姿は今回のライブツアーのオフィシャルグッズであるセーラー服Tシャツ(胸元には各メンバーのカラー入り)に身を包んでおり、グンと『格好良い』から『可愛い』寄りに変化した印象だ。アンコールで披露された楽曲は“Carry Forward”と“恋色花火”の2曲。特に“Carry Forward”部分についてはツアー全通のファンのツイートを見るに会場ごとに若干の楽曲変化があるようで、それこそ翌日の鳥取公演ではまた違った楽曲が披露されたそうだが、ここ島根で披露されたのが浦島坂田船のアルバムとしてはほぼ最古の『Four the C』からの楽曲だったことには、そのレア度に嬉しくなってしまった次第だ。


その後は島根らしく『鷹の爪』の爪ポーズで写真撮影が行われるととなりの坂田。が「最高の思い出にしようぜ!」と叫んだのを契機とし、正真正銘のラストソング“恋色花火”が鮮やかに打ち上げられた。最終曲であるため観客が一体感のある盛り上がりを見せていたことは言うまでもないのだけれど、メンバーもラストらしく肩肘張らないパフォーマンスに終始。傍らの学習椅子にひとりが座ってもうひとりが膝に座る場面然り、笑ってしまったことで歌詞を飛ばしてしまうよもやのミス然り、トラブルも含めて心から楽しい時間だ。『うら』たぬき、『志麻』、となりの『坂田』。、『セン』ラ……。浦島坂田船が彼らの名前を取って名付けられていることは周知の事実だが、本当にこの4人でなければ有り得ない、またこの4人でなければここまで心震わせることはなかったと断言出来るほど、総じて素晴らしいライブだった。

 

【オリジナル楽曲】恋色花火【浦島坂田船】 - YouTube


……「浦島坂田船は何故支持されているのか」。この疑問を、僕は歌い手や男性アイドルを聴かない身としてかねてより抱き続けてきた。言葉を選ばずに言えばの話だが、例えば男性が女性アイドルのCDを購入したり可愛いVTuberにスパチャを落としたりするのと同じ……それこそ『浦島坂田船に心酔する=異性からすれば理解不能な行動の女性版』であると思ってはいた時期も正直あったのだが「支持されていることにも間違いなく意味があるはず」という思いも最近感じるようになり、今回地元に来てくれることもあってひとりで参加を決めた。


そして今回結論から書くと、僕は浦島坂田船のファンになった。それどころかここ数年で観た様々なロックライブを合わせて考えてもトップクラスの満足度だったことには、自分でも驚いてはいるところだ。その理由を考えたとき第一に思ったことがあるとすれば、それはズバリ『浦島坂田船の姿勢』にある。その彼らの姿勢について重要な出来事が起こったのはアンコール後のことで、というのも今回のライブは暗転してから明かりが点るまでジャスト2時間45分のかなり長尺のライブだったが後半の15分間は全てファンサービスに当てられていた。具体的にはメンバーがまずステージ右側、次に左側、最後に中央とそれぞれ巡り、観客と文字通り対話をしていたのである。しかも今回は声が出せないので、当然観客は「自分を見つけてもらいたい!」と、手を振る以外にも様々なアクションを試みる。投げキッスをしてみたり、腕を大きく何度も広げてみたり、推しのペンライトをブンブン振ったりと様々だったが、そうした行動について4人のメンバーは一切見逃さず、観客の目を見て同じ行動をすることで『対話』をしていた。まるで「来てくれてありがとう」と感謝の気持ちを述べるように。それを本当に誇張ではなく、2階席もステージ後方も合わせて全員に対して行っていて、結果それがプラス15分の時間になったのだが、僕はこの光景を観て思わず泣きそうになってしまったし、浦島坂田船が愛され続ける理由を強く感じることが出来たのだ。


今回のライブ全体を考えても同様に、彼らの楽曲は常にポジティブな精神を放ち続けていてMCについても一言も他人を蔑むような言葉を発することはなく、突発的な「ありがとう」の言葉に関しては何度聴いたか分からないほど。これまで何百ものライブに参加して『アーティストは愛されてナンボ』の世界であることは重々理解していたつもりだが、アーティスト側が全身全霊の愛でファンを包み込む図式は恥ずかしながら初めてだった。……愛し愛される最高の関係性でもって、誰しもの心を掌握した浦島坂田船。今回島根に訪れてくれたことに心からの感謝を伝えると共に、今後の活動を応援することでもって所謂『沼』に嵌まりたいと強く思った、個人的にも本当に運命的な一夜であった。僭越ながら、ここで誓おう。次のツアーは必ず彼らの顔が直接見える前方で鑑賞することを。


【浦島坂田船@島根県民会館 セットリスト】
世界で一番好きな名前
Save Me
最強Drive!!
SHOW MUST GO ON!!
Dreamer
Tokyo Deadman's Wonderland(志麻ソロ)
荒波(となりの坂田。ソロ)
Sugary(センラソロ)
Colors(うらたぬきソロ)
青空ピカソ(志麻&センラ)
生涯ライバル(うらたぬき&となりの坂田。)
SWEET TASTE PRESENT
明日へのBye Bye
年に一夜の恋模様
シザーナイフ
フランマ
月夜
Boohoo
Shoutër
PIRATES A GO GO
ワナビークインビー
ARK
シンデレラステップ

[アンコール]
Carry Forward
恋空花火

 

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