キタガワのブログ

島根県在住。文筆。rockinon.com外部ライター等。

『SUPERSONIC 2021』第1弾ラインナップ発表!EDMフェスへと変貌を遂げた今年のスパソニの行方に迫る

こんばんは、キタガワです。

 

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『SUPERSONIC 2021』の開催が正式決定してからというもの、思えばここ数日ツイッターやChromeで『スパソニ』と検索しない日はない。無論このほぼ無意味なサーチは「今年のスパソニはどうなるのだろう」というやり場のない感情の捌け口的な行動によるものではあるのだが、不思議なもので連日検索していても新たなツイートは数分単位で更新され続けていて、コロナ禍で初のインターナショナルフェスティバルとなるスパソニに対する期待値の高さを、まざまざと見せ付けられるようで胸が熱くなる。

そんな日増しに興奮が高まる中、遂に第1弾出演アーティストが公式にアナウンスされた。まず初日の9月18日にはヘッドライナーとしてゼッド王子が帰還。更にはYouTube総再生数30億回超えの怪物曲“Faded”を有するアラン・ウォーカー、正統派電子DJニッキー・ロメロ、泣きのポップサウンドが突き抜けるクリーンバンディット(DJ SET)ら豪華EDM陣に加えて映画『アナと雪の女王2』でも話題となったノルウェーからの歌姫・オーロラちゃんが降臨!


そして9月19日にはヘッドライナーにトロピカルハウスの伝道師ことカイゴ。その勢いに追随するようにフォロワー数820万人超えのスティーブ・アオキと、2019年のサマソニで異様な盛り上がりを記録したリハブ、極悪EDMを鳴らすデジタリズムにしっとり系フランク・ウォーカー、日本からはきゃりーぱみゅぱみゅが出陣。もはやアーティストの面々を見るに完全にイメージはUltra JAPANだが、正直ここまでの布陣をコロナ禍でも揃えることが出来たクリエイティブマンには感謝しかない。エレクトロフェスとして新たな方向に舵を切ったスパソニだが、この時点であまりにも最高な出だしと言えよう。

 

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前回の記事でも記したように、今年のスパソニは入国人数制限等の問題からロックバンドが激減。具体的にはThe 1975やリアム・ギャラガー、ポスト・マローン、イアン・ブラウン、スクイッド、イージー・ライフらが出演をキャンセルし、そうした措置に伴って今年のスパソニはEDMフェスにシフトした。無論「ロックがいないスパソニなんて」と悲観するファンも多いことと推察するが、問題はそこではない。あのフジロックでさえ全出演アーティストを邦楽勢で固めた今、洋楽アーティストが来日すること自体実に1年半ぶり。輝かしい洋楽の火が再び日本に灯される……そのリスタート的祝祭がスパソニで行われるという意義と信念を、我々は強く噛み締めなければならない。ちなみにクリエイティブマン代表・清水直樹氏自ら「今年のスパソニは3分の2は洋楽、3分の1は邦楽」ということも語っていたので、第2弾以降邦楽アーティストばかりがどんどん決定する可能性もほぼないと見て良い。実際今回発表されていないアーティストで言えば、昨年時点でラインナップされていたトーンズ・アンド・アイやビーバドゥービーといった若手女性アーティストたちは皆出演を快諾してくれている(6月7日時点)らしいので、ここからの第2弾、第3弾アーティストにも期待したいところ(逆に前回ヘッドライナーとして発表されていたスクリレックスは出演キャンセルかなあと思ったりもするのだが、それはそれとして……)。


ここで改めて今年のスパソニをおさらいしておこう。感染拡大防止の観点からステージ数は東京・大阪共にMARINE STAGEオンリーの1ステージで、ソーシャルディスタンスをしっかり保った万全の体制で行われる。キャパシティについても同様に、2019年のサマソニ東京では1日6万人、大阪4万人の来場を見込んでいたものを今年は大幅に抑え、東京では3万人、大阪では2万人の位置付けでほぼ確定。加えてステージ数がMARINE STAGEのみであるが故に今回出演がアナウンスされたアーティストが当日の大枠であり、今後の出演アーティスト発表はないとは言わないまでも、かなり少なくなることは事前に飲み込んでおきたい。もちろんアルコール類の販売はなく、飲食関係や入退場、会場アクセスなどについては今後入念な話し合いの末決定される見込みだ。


繰り返すが、今年のスパソニをどう思うかはそれぞれのファン次第である。ポジティブな話の裏には必ずネガティブな話が潜んでいるように、特に結果として大勢の出演アーティストが発表された代わりに邦楽フェスとなったフジロックと、1ステージでロックバンドが皆無となった代わりに海外アーティストを招致するスパソニとではかなり対極の立ち位置となったため、洋楽ファンの間でも様々な議論が行われそうだ。ただ今年のスパソニは結果、絶対的な成功と感動に包まれるはず……。僕がそう確信したのが、清水氏による以下のメッセージだ。

 

「今日発表した皆が3日間の隔離があっても日本でプレイしたいと快く承諾してくれた熱く、愛すべきアーティスト達です。その熱量を受け入れる準備はできていますか!」


そう。今回の出演者は皆、入国管理措置の観点から入国してからの3日間、ホテルで完全隔離となる。遠路はるばる9時間以上かけて日本にやって来てくれて、観光もせず外食もせず、ひたすら自室で缶詰状態。そこからステージに上がり約40分~1時間のライブをこなすと、即空港へ。何の『来日らしさ』もないまま再び数時間のフライトを経て帰国する……。これほど過酷な長旅をもしも我々がアーティストの立場であれば、どう捉えるだろう。この記事を読んでくださっている方々も一度考えてみてほしい。さすれば「流石に今回は止めとくよ」とするアーティストの気持ちも十分に理解できると思う。しかしながら、彼らはこれを快諾し、日本でライブをする選択肢を選んだ。これがクリエイティブマンと海外アーティストの信頼と言わずして何と言えようか。だからこそ参加する人もしない人も、全ての音楽好きが今年のスパソニに対して叫ぶ言葉は「ありがとう」以外にないと思うのだ。


『SUPERSONIC 2021』は本日をもって、遂に始動する。金銭的にも環境的にも苦境に立たされる中でスパソニに関係してくださる出演者、スタッフ、主催者に心からの拍手を何度でも送りたい。そして是非とも参戦する方々にはこれ以上ないほど万全の感染対策で、自身の行動がフェスの成否を決めることを常に考えながら行動してほしいと強く願っている。さすれば今年のスパソニは、国内フェスの素晴らしい成功例としてバトンを受け渡してくれるはずだから。