キタガワのブログ

島根県在住。文筆。rockinon.com外部ライター等。

『モンハンライズ』にDon't Look Back In Anger.

こんばんは、キタガワです。


『モンスターハンターライズ』。事実としては数週間前の話にはなってしまうが、ようやっと集会所の上位クエストを制覇。所謂『全クリ』と言って差し支えない状況には達することが出来た。無論各自のプレイヤーのプレイスタイルは千差万別なので、ここでド田舎発の大剣ハンターが声高にこれまでの経緯を綴ることこそ避けるけれど、とにかく。今後はオンライン上のプレイヤーへの救援を中心に、細々とプレイを継続していく所存だ。


ただ、ふとゲームをクリアした今改めて「ここまで自分自身がゲームに没頭する経験は久々であった」と回顧することがある。そう。社会人として生活を送りはじめて数年。気付けばあれほど学生時代にのめり込んでいたモンハンからめっきり距離を置くようになったが、何故今回のモンハンはここまでストレスフリー、かつ良い意味で楽しさ一辺倒の神ゲーと成り得たのだろう。以下、かつてコアハンターであった過去のモンハン体験と比較しつつ、思考整理の意味合いも兼ねて記述していきたい。

 

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まず今回のモンハンをプレイする上で、間違いなく誰しもが恩恵を受けている存在がオトモガルクであろう。元々モンハンと言えば何をするにもスタミナを消費して、広大なステージを徒歩で移動する必要性があった。ただ『モンスターハンターライズ』ではこのオトモガルクに乗るとステージを縦横無尽に駆け巡ることが可能になる……。そのたったひとつの行動があまりにも革命的なのである。何故ならクエスト開始直後にひょいっと乗馬ならぬ『乗犬』を試みれば、そこからは対象まで一直線に猛進するだけで良いのだから。しかもスタミナ消費なしと来れば、使わない手はない。前述の通りかつてはスタミナ回復アイテムを用いながらハアハアと息切らして歩き回っていたが、もう流石にあのモンハンには戻れない。いちクエストにいちオトモガルク。今後はこれがクエストスタートのスタンダードとまで言い切っても差し支えないだろう。さらばオトモアイルー。これからはオトモガルクの時代である。

 

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スパイダーマンの如き素早い動きで翻弄する、翔虫(かけりむし)の存在もマストだ。PVでも幾度となく出現していたことから察するにおそらく翔虫は今作のキーアイテムとして作られていて、それこそこのアイテムがPVに登場し、ハンターが無重力的にピョンピョン動き回る様子を見た歴戦の猛者たちは「こんなのモンハンじゃない」と激昂する人も多かったが、ところがどっこい、翔虫はダメージを喰らいそうになった場合の緊急回避はもちろん目的地へのショートカット、果ては攻撃派生の面でも大活躍。実際オンラインでプレイした他のハンターの中でも手持ち無沙汰な時にピョンピョン、移動中にピョンピョンとほぼ使わないハンターはおらず、もはやライズ内では絶大な市民権を得ていると言っていい。


他にも寒暖差で不利になる場面で役立つホットドリンクやクーラードリンクといったアイテムの廃止や、砥石が無限に使える調整、捕獲タイミングが瞬時に認識出来る、モンスター同士で縄張り争いを行うなど、今作は痒い所に手が届く超親切設計。本当に、ストレスを感じる場面が皆無なのだ。おそらくどんなゲームでも過去作との対比については十分に議論が交わされているのだろうが、ここまでユーザー目線で革新的な変化は珍しい。発売から僅か3日で400万本という歴代最大の売上を達成したことも頷ける出来だ。


ただひとつだけネガティブな面を挙げるとするならば、それは難易度。確かに今作は痒い所に手が届く作品になっていることはおよそ間違いないのだが、逆に痒い所自体が無くなった瞬間『痒い所がないことが当たり前』の状況になってしまうのは必然なのだ。実際、今作は総じてクエスト失敗となる可能性が極めて低い作品としてファンの間で語られている。ここで一度過去のモンハンを振り返ってみると、確かにユーザーフレンドリーな感覚は今より薄かったものの、攻撃に合わせて立ち回りを変えざるを得ない戦略性、友人らと「共闘している」感覚、そして何よりトライ&エラーの繰り返しでやっとモンスターを撃破した時の達成感は圧倒的に過去作の方が上だったように思うのだ。年を経ていつしかモンスターはクエスト中に疲れるようになり、攻撃に大きな隙が生まれるようになり、ひとりでも難なく倒せるレベルになった。そこから更にユーザー設計を目指した結果どうなったかと言えば、やはりどこか『ヌルさ』を抱いてしまうのである。こうした感情についてはかねてよりモンハンをプレイし続けている懐古主義的な部分もあるだろうが、今回初めてモンハンをプレイする若い人にとって「これがあのモンハンなんだ」と思われるのは、少しばかり癪だなあと思ったりもする。こればかりは難しいところである。


……そんなこんなで心中に陰と陽を混雑させながら、僕は今日もプレイに興じている。ただ最後にヌルゲーだ何だと綴ってはいるものの、社会人としてストレスフリーにゆっくりゲームをプレイする上では、こうしたバランスが丁度良いのかもしれない。以上皆様、オトモガルク『リアム』とオトモアイルー『ノエル』を引き連れて実質的なoasis再結成的な形になっている大剣使いの『キタガワ』を見掛けた際には、どうか宜しくお願い致します。Don't Look Back In Anger……。怒りをもって振り返ることなく、どうか今のモンハンを全力で楽しんでいこうではないか。