こんばんは、キタガワです。
世の中の映画には様々なジャンルが存在する。代表的なものとしてはラブストーリーやミステリー、コメディーやSF、アクション……。もう少し的を絞るとすれば戦争映画やノンフィクション映画、時代劇や主観映画なんてものもある。
そんな中、映画好きとしては避けて通れないジャンルと言えば、やはり『ホラー映画』だろう。
しかしながらホラー映画は、万人受けし辛い映画とも言われている。描写が描写なので、まず子供には絶対に見せられない。デートで女性と観る映画としても不向きだ。加えて一人で観るにしても、相当な勇気が必要となる。
そんなわけでホラー映画業界は今、かなりの危機に晒されている。今でこそ有名なホラー映画である『SAW』や『パラノーマル・アクティビティ』も、かつてはアメリカの大きな劇場数館でしか上映されなかったと聞く。上映したとしても動員が少ないことも多く、中には映倫の審査の結果公開自体が危ぶまれることもしばしばだ(ムカデ人間や殺し屋1など)。
だが「ただ怖いだけでしょ?」と判断してそれっきりというのは、あまりにも早計だ。ホラー映画にはホラー映画の良さがある。それを知らずして「無理無理!」と首を振るのはお門違いというものだ。
……さて、ここまで熱弁しておいて何だが、僕はホラーが大の苦手である。いや、こう書いてしまうと語弊がある。正しくは「ビックリ系」のホラー映画が苦手なのだ。
例えるならば長時間銃を向けられている状況で「撃つぞ!本当に撃つぞ!」という過程を経てバンと撃たれるなら、別に体が炸裂弾でズタズタになろうが脳漿が出ていようが、特に問題はない。何故なら「もう少しで撃たれるだろうな……」という心の余裕が出来るからだ。
それに比べて「ビックリ系」のホラーは予想がつかない。前述した例えを使うとするなら「撃つぞ!」と言われている過程で二人で第三者に数キロメートル先からヘッドショットされて死んだり、突然床がパカッと開いて串刺しになったりといった感じ。
そうなると僕はもう無理である。瞬時に「ヒィ!」と恐怖の声をあげ、そこからは常に『不意打ちのビックリホラー』に怯えながら残りの時間を耐えなければならない。こうなるとホラーというより、単なる嫌がらせである。
……話が長くなってしまったが、要は今回紹介する『チャイルド・プレイ』は完全なるビックリ系だ。それどころか終始暗い照明+死角、果てはグロ要素までバンバン放り込んでくるので、SAN値が減少すること間違いなしのホラー映画と言える。
まず、物語の核を担っているチャッキー(人形)が洒落にならないほど怖い。そんなチャッキーが夜な夜な人を殺すのだ。それが2時間続く。拷問か。
しかもその驚かせ方はかなり性格が悪い。例えば『冷蔵庫を開けてジュースを飲む→冷蔵庫を閉じる→そこにチャッキーがいる』というのはまあベタな流れだが、『チャイルド・プレイ』はそこにプラスして『冷蔵庫を閉じる→いない→安心して顔を上げる→チャッキー』、もしくは『一番怪しい冷蔵庫のシーンでチャッキーが出てこない』というように絶妙にタイミングをズラすため、心の休む暇がない。
実際僕の隣で鑑賞していた女子学生二人組はあまりの怖さにずっと抱き合っていたのだが、心の底から「その空間に僕も入れてほしい」と思った。それほどに怖く、観ること自体が苦痛だった。生まれて初めて『途中退席』の四文字が頭を過ったほどだ。
しかしながらストーリー自体は悪くなく、話の筋も通っている。チャッキーにしても単なるサイコキラーではなく確固たる信念の元で殺人を行っていたし、ラストには胸アツの展開(心は氷点下)が待ち受けているので、おそらくビックリ系ホラーが好きな人はかなり面白いだろう。
なので普通に考えれば星3が妥当だろうし、人によっては星4でも問題ないのかもしれない。だが申し訳ない。このブログは『キタガワのブログ』だ。どんな映画であり、最終判断を下すのはなんと言おうと僕である。その僕が「もう無理」と心から思ったのだ。今後一生観ることはないだろうし、何なら今でもあのチャッキーの表情を思い出すと縮み上がってしまう。
……というわけで、今回は限りなく星3に近いこの点数ということで。どうかひとつ……。
ストーリー★★★★☆
コメディー★★☆☆☆
配役★★★☆☆
感動★☆☆☆☆
エンターテインメント★★★☆☆
SAN値減少度★★★★★
総合評価★★☆☆☆
(2019年公開。映画.com平均3.2)