キタガワのブログ

島根県在住。音楽ライター。酒浸り。

映画『天気の子』レビュー(ネタバレなし)

こんばんは、キタガワです。

 

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7月19日。新海誠監督の最新作『天気の子』を、公開初日に観てきた。


全国的に記録的な大雨となった前日とはうって変わって、からっと晴れた公開初日。それはまるで『晴れ女』を題材にした今作の公開を祝福するようでもあり、感動的に映った。


以下、映画.comからあらすじを抜粋する。

「君の名は。」が歴史的な大ヒットを記録した新海誠監督が、天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄されながらも自らの生き方を選択しようとする少年少女の姿を描いた長編アニメーション。

離島から家出し、東京にやって来た高校生の帆高。生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく手に入れたのは、怪しげなオカルト雑誌のライターの仕事だった。そんな彼の今後を示唆するかのように、連日雨が振り続ける。ある日、帆高は都会の片隅で陽菜という少女に出会う。ある事情から小学生の弟と2人きりで暮らす彼女には、「祈る」ことで空を晴れにできる不思議な能力があり……。


さて、テレビCMやバラエティー番組で大々的にPRしていることからも、今後も鑑賞する人は増えていくだろうし、アニメ映画としては大ヒットと呼ばれるところまで行くだろうと予想する。


しかし鑑賞前に新海誠監督作品のファン、ひいては全アニメファンが抱く大多数の意見はおそらく単純だ。それはズバリ、あの『君の名は。』を超えられるかどうかである。


読者貴君もご存じの通り、『君の名は。』は興行収入230億円という、アニメ映画としては通常あり得ないレベルの大ヒット作品となった。老若男女問わず、この作品を知らない人は日本全国探してもほぼいないだろうと思う。


かく言う僕も劇場で3回鑑賞し、その後にDVDを購入した熱烈なファンであり、今では場面展開や登場人物の一言一句をそらで言えるほどだ。


そんなファンからすれば当然の如く、今回の『天気の子』に対しては「期待半分不安半分」というのが正直な気持ちとしてあった。あまりに高く設定したハードルを、果たして超えられるのかどうか。僕は恐々とした思いで、劇場に足を踏み入れた。


……結論から書くととても面白かった。全アニメファンはもちろんのこと、『君の名は。』のファンの大半を納得させるような、極上のエンタメ作品に仕上がっていて驚いた。例えるなら『あの新海誠監督の次の作品』というのを完全に抜きにしても、友人らに「面白いからとにかく観に行け」と吹聴して回るレベル。


まず驚いたのは、やはり独特の作画。今作は『晴れ女』の特性上、全編通して雨が降る描写がすこぶる多い。それもポツポツというようなものではなく、一寸先も見えないザーザー降り。通常映画の中で雨と言えばシリアスなシーンを際立たせるために降らせることがほとんどだが、『天気の子』では2時間の上映中、ひたすら雨が降り続けているのだ。


いくらなんでもここまで降らせるのはタブーだろうと思うだろう。しかしここが新海誠の真骨頂。その卓越した作画から、雨が全く煩わしく感じないのだ。これには心底凄いと思った。


そしてもちろんシナリオも素晴らしい。ネタバレになるので詳しくは書かないが、「こう来たか!」という予想外の展開のオンパレードで『君の名は。』とはまた違うストーリーで突き進んでいく。『君の名は』にあって『天気の子』にしかない魅力も存分に詰まっており、この2つは完全なる別の作品と捉えた方が良さそうだ。


更に最重要部分ではRADWIWPSの音楽でもって、心を揺さぶられる圧巻の作り。個人的には家族や友人を誘って、あと2回は映画館で観れる。それほどの名作だ。


もちろん疑問点もなくはない。『君の名は。』と比べると幾分非現実的な部分はあるし、『秒速5センチメートル』や『星を追う子ども』といったかつての新海誠監督作品のファンからすれば、ある意味ポップに振り切った大衆向けな作品にも思えてしまうだろう。


しかし今作は、そんな細かな疑問点を引っくるめても「それでもオールオッケー」と高らかに叫ぶことができる作品である。


気になっている人や「正直どうなの?」と尻込みしている人は悩んでいる暇はない。世間からの波に置いていかれる前に、一刻も早く鑑賞することを強くお勧めする。


ストーリー★★★★☆
コメディー★★★☆☆
配役★★★★☆
感動★★★★☆
エンタメ★★★★★

総合評価★★★★☆


映画『天気の子』スペシャル予報