キタガワのブログ

島根県在住のフリーライター。ロッキン、Real Sound、KAI-YOU.net、uzurea.netなどに寄稿。ご依頼はプロフィール欄『このブログについて』よりお願い致します。

Maroon5のサプライズドラマ『Sugar』って何ぞや?

こんばんは、キタガワです。


現在、とある動画が話題になっている。それは日本国内のみならず世界中で注目を浴び、果てはテレビ番組でも取り上げられるほどだ。


その動画というのが、今回取り上げる『Sugar:マルーン5』である。


今回はこの動画の紹介をするために筆を取った次第だ。しかしながら知らない人も多いと思うので、ロックバンド『マルーン5』と、この動画が作られるきっかけとなった、彼らの最大のヒット曲である『Sugar』についても解説していこうと思っている。


最初に書いておくが、今回の記事は単に「この動画を観てほしい!」という布教活動のようなものである。その点をまずご了承願いたい。

 

 

マルーン5について

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マルーン5は、名実共に世界中で最も有名なロックバンドと言っていいだろう。グラミー賞を3度受賞し、リリースした楽曲はチャートランキングを独占。各国で行われるツアーは全て即売し、チケットは定価の数倍の値が付くプレミアチケットとなるほどだ。


今年は日本でのライブも決定しているが、会場はなんと東京ドーム。しかも5万5000人を収容できるこの会場のチケットを、僅か数秒で完売させたと言うのだから驚きだ。中には定価3万円近いチケットもあったが、それらも全て売れたそうだ。

 

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さて、彼らの特徴は主に2つ。ポップス主体のサウンドと、ボーカルのアダムの歌声だ。


まずサウンドについて見ていこう。彼らはロックバンドではあるものの、楽曲全体にはポップロック的要素が随所にちりばめられている。


ギターをギャンギャン鳴らしたり、激しい四つ打ちロックなどの所謂ロックバンド然とした作りではない。あくまでキャッチーに、ダンサブルかつゆったりとしたサウンドに終始している。流行りのEDM要素もうまく取り入れ、主張の強いキーボードが先行する、耳馴染みの良い楽曲の宝庫だ。


次にボーカルであるアダム・レヴィーンの歌声について。アダムの歌声は、柔らかいミックスボイスと裏声(ファルセット)が特徴的である。


男性歌手のファルセットというのは、シンガーの教科書的には難しいとされている。男性は地声が低いこともあり、かなり強く発声しないと遠くまで響かないというデメリットがあるためだ。一度カラオケなんかでやってみると一目瞭然だが、地声が100だとするとファルセットではその半分くらいの声量しか出ないはずである。


しかしアダムはその声帯の広さから、ファルセットを力まずにスッと出せる。無理をしないから遠くまで響くし、耳障りな感覚が一切ない。何の違和感もなく聴こえるのだ。男性でありながら中性的な雰囲気も醸し出す、天声のシンガーだ。


総じてマルーン5は、そのキャッチーな楽曲とアダムのボーカルでもって、確固たる地位を確立したバンドと言える。特に結成の地であるアメリカでは、もはや彼らの名前を知らぬ者は誰ひとりとしていないレベルに達しているのだ。

 

楽曲『Sugar』について

前述したように、『Sugar:マルーン5』というサプライズドラマが制作されたきっかけとなるのが、この『Sugar』という楽曲である。

 


Maroon 5 - Sugar


マルーン5を知らない人でも、この楽曲を聴けば「あ!聴いたことある!」と感じるのではないだろうか。全世界で28億再生(2019年1月14日現在)を記録している超大ヒット曲であり、マルーン5の象徴的楽曲とも言える。


さて、今回『Sugar』でポイントとなるのは、PVの構成にある。このPV内では、結婚式や披露宴といった会場にマルーン5がサプライズで演奏する姿が納められている。


もちろんこのサプライズは全てノンフィクション。「○○の結婚式場へ来てくれ!」という何万通ものファンからの手紙やVTRを観て、マルーン5側が「行きたい」と判断した場所に、実際にサプライズで赴くというものだ。


PVを観てもらえば分かる通り、数人の仕掛人以外はこのことを一切知らない。よって誰もがマルーン5の登場に面食らい、「おいおいマジかよ」という驚きの反応を見せる。


前述したように、このPVは全てノンフィクションだ。ヤラセはないので、喜びもひとしお。PVがここまで再生数を伸ばしたのは楽曲の良さはもちろんのこと、参加者全員の飾らない素の表情が見えるのが大きい。『Sugar』が広く認知されたのは、こういった経緯があるのである。

 

サプライズドラマ『Sugar:マルーン5』とは

だらだらと書き進めてきたが、ここからが本題だ。


『Sugar:マルーン5』とはとどのつまり、『Sugar』撮影時のとある1日をドラマ化したものである。15分間に渡り、そんなサプライズ当日の映像が、ドラマ仕立てで進行していく。


動画の概要欄のコメントがとても詳しく内容説明していたので、以下に書き記しておく。


18歳の女の子、ケイトが開く今年最高のパーティー。ケイトの兄たちが彼女のためにパーティーを企画し、パーティー好きのマルーン5がサプライズで登場。

両親が離婚してから、ケイトは責任感の強い子供になり、いつも周りが平和で問題が起こらないよう気を配っている。

一方で兄たちは、大学進学を目前にしたケイトに、少しくらいハメを外すことも必要だと考える。そこで彼らは、自宅の庭で無名のインディー・バンドのPVを撮影するとケイトに伝える。

自宅の庭で特別に『Moves Like Jagger』を歌うマルーン5の姿は、高校を卒業する彼女にとって最高のプレゼントとなるのか?


それでは、動画を貼っておくので15分間しっかりと堪能してほしい。ちなみに、絶対に日本語字幕ありで観てくださいね。

 


Maroon 5 surprise a teen for the party of the year.

 

最後に

個人的な話で恐縮だが、僕はこの動画を観たとき、何だか泣きそうになってしまった。


いろいろとライブを観てきたが、ライブにおいて最も興奮するポイントは、一番最初。1曲目が始まる瞬間だと思う。ドラムがカチッカチッとカウントし、バンド全体でジャーンと音を鳴らす……。その瞬間が一番エクスタシーを感じるし、ライブが終わった後もその光景だけは一生涯心に残るものなのだ。


そんな感動を、この動画は僕たちに伝えてくれる。実際に目の前でライブを観ているわけでもないのに、観るものに訴えかける迫力がある。しかもドラマ仕立てで、更なる感動を付け加えてくれる。これって凄いことだと思わないか?


あなたは動画を観て、何を感じただろうか。もし「おっ、マルーン5いいじゃん」と少しでも思えたなら、ぜひ他の音源も聴いてみてほしい。彼らが世界中で愛される理由がわかるはずだから。

 


Maroon 5 - Moves Like Jagger ft. Christina Aguilera