キタガワのブログ

島根県在住のフリーライター。ロッキン、Real Sound、KAI-YOU.net、uzurea.netなどに寄稿。ご依頼はプロフィール欄『このブログについて』よりお願い致します。

なぜ人類は『シュタインズ・ゲート』をプレイするのか

こんばんは、キタガワです。


やってしまった。自分でもバカなことをやったと自覚している。自覚しているが、衝動を抑えきれなかった。


本編冒頭のオカリンの言葉を借りるならば、「迂闊なことはするな」と言いたい。

 

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今僕の手には、PS4版ソフト『Steins;Gate エリート』が握られている。


なぜここまで意気消沈しているかというと、僕自身のゲーム遍歴にある。無理はない。僕はこのゲームを、もう3回もクリアしているのだから。


プレミア価格同然になっていたPSP版を、とあるオークションサイトで落札したのが始まりだった。その重厚なストーリーに魅了され、寝る間も惜しんでプレイに没頭した。結果全てのギャラリーを解放し、隠されたエピソードも網羅した。この時点で大半の人間は売却するか、ゲーム棚の隅にでも追いやってしまうだろう。


しかし僕はバカだった。それだけでは飽き足らず、次はアニメに手を出したのだ。一度は知った話だ。知った話なのだが、牧瀬紅莉栖(僕の嫁)がアレするシーンは何度観ても発狂しそうになるし、椎名まゆり(僕の嫁)に関しても、花澤香菜ボイスで声が発せられるたびに「あーカワイイ。あーカワイイ」と言い続ける始末。


それで終われば良かった。せいぜい「僕、コアなファンです」と言える程度の領域で留めておけばよかった。だがこの後、シュタゲ愛は謎の超加速を見せる。


何を血迷ったか、PS Vita版のシュタゲに手を出したのだ。これに関してはシュタゲ側の売り方がズルいと思っている。アニメの後、数年間のお預けを挟んだ上でのVita版発売だったからだ。


もしもアニメ直後に発売されたのなら「もうアニメ見たし良いか」と思い、購入しなかったはずである。だが、アニメから数年が経過し、ストーリーを忘れかけていた僕はまんまと釣られてしまった。しかもPSPにはなかった点として、新たにトロフィー機能が実装されていたため、やり込み要素も抜群だった。トロフィーをコンプしたときには、さすがに「もう絶対やらねえぞ」と心に誓ったものである。


だがそんな誓いは脆くも崩れ去ることとなる。その後、PS Vitaで発売されたシュタゲのifストーリーである『Steins;Gate 0』を購入した僕は、驚きの声を上げた。

 

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そう。『Steins;Gate 0』の初回特典として封入されていたもの。それこそが『Steins;Gate』のダウンロードコードであった。


新品で購入してしまったのがいけなかった。もし中古で購入したのであれば、歯止めが効いたはずなのだ。しかし僕が購入したソフトの中には、まるで「え?やるよね?」と言いたげな、未使用のダウンロードコードがキラキラと輝いていた。


しかも、しかもである。Vita版よりも画質が向上しているようだし、何よりダウンロードの有効期限はあと2ヶ月ほどしかなかったのだ。これは天からのお告げではなかろうか。「キタガワ、お主は三たびSteins;Gateをやるのじゃ」という、そんなお告げでは。


で、結果。ダウンロードコードを使用し、僕の眼前には『Steins;Gate』があった。3回目ともなると感動は薄れるもので、プレイした際には「あーあったなあこんなの」と感動もへったくれもないセリフを呟いていたものだ。


……あれから数年の時が過ぎ、僕の頭から『Steins;Gate』の文字が消えかかった頃、『それ』は現れた。

 

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PS4版『Steins;Gate エリート』である。


「もうさすがに買わんぞ!」と僕は咆哮した。考えてみてほしい。RPGやオープンワールドのような長時間プレイできるゲームならいざ知らず、いわゆる『小説を読む』的なゲームを、3回クリア(アニメも観た)しているのだ。もう飽きた。飽きました。ええ飽きましたとも。


さらにストーリーも同じときた。じゃあこれは絶対買わんぞと思っていたのだが、新要素としてとある大きな変化が加わっていた。


それは『アニメーション』だ。

 

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歴代のシュタゲは、全てキャラクターは直立不動で描かれた。……それは当たり前のことだ。シュタゲ以外でもカオスヘッド、クラナド、ひぐらし、ダンガンロンパなど、数多くの『ストーリーを楽しむ系ゲーム』においてはそれが定石とされていたのだから。


しかし『Steins;Gate エリート』は違う。ゲーム中、まるでアニメを見ているような感覚でキャラクターが動くというのだ。


「ええーそんなわけないじゃん」と公式PVを観てみると……。

 


『STEINS;GATE ELITE』プレイムービー(TGSバージョン)


動いとる。


愛しの紅莉栖が、まゆりが動いとる。セリフを喋っている。何だこれは。こんなの、まるっきりアニメじゃないか。


これにはさすがの僕も心を動かされた。しかし僕は3回プレイして、どれも完全クリアした身である。もし購入すれば、同じストーリーをまた見ることになる。だがアニメーションは気になる……。どうする……。


そんなとき、公式サイトにとある文言を見付けた。

 

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「え……ええー!?今なら『線形拘束のフェノグラム』が付いてくるのー!?」


……あのときの俺に言ってやりたい。


迂闊なことをするなと。


軽率なことをするなと。


見て見ぬフリをするなと。


もっと注意を払えと。


陰謀の魔の手は、思った以上にずっと身近にあって、
いつでもお前を陥れようと手ぐすね引いているのだと……!

 

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買いました。本当にありがとうございました。