こんばんは、キタガワです。
沢田研二氏のドタキャン騒動が話題になっている。現地民のツイッターの投稿から端を発し、今ではYahooトップやテレビのニュース番組でも取り上げられるほど、大きな問題となった。
そもそも今回のドタキャン騒動は、どのようなものだったのだろう。以下に、現在までに分かっている状況をまとめる。
今回のライブのタイトルは、『OLD GUYS ROCK』。彼の70歳記念コンサートであり、7月から年明けの1月まで、約半年をかけた大規模なツアーとなる予定だった。
そんな折、10月17日のさいたまスーパーアリーナ公演にて、悲劇は起こった。
会場に詰め掛けたファンは驚いたことだろう。会場には貼り紙がされ、そこには『中止』の文字があったのだから。会場に集まったファンは7000人。事前に発表があったのならまだしも、ギリギリになっての間接的発表。まさに『ドタキャン』といっていい所業に、怒りを覚えた人も多いと思う。
ここで問題となるのは、貼り紙の『契約上の問題』という一文。この一文が果たして納得できるものなのか。それとも理解しがたいことなのか。この部分をはっきりさせた瞬間、彼の明暗が分かれることは間違いなかった。
そして本日18日の直接取材により、「客席が埋まらなかったから」という旨の説明があった。
さいたまスーパーアリーナは、収容人数は1万人~3万7000人。日本国内においては、トップクラスのキャパシティを誇る会場である。彼の言う『契約上の問題』とは、「当初聞いていた集客よりも少なかったから」という意味らしかった。
具体的には「9000人と聞いていたが、実際は7000人だった」とのこと。案の定、炎上中である。
……以上が大まかな流れだ。この問題は、もちろん悪いのはドタキャンした側にあると思う。集まったファンは一切悪くない。でも、でも。
沢田研二氏の気持ち、ちょっと分かる。ここからは一個人の話として聞いてほしい。
ライブにおいての『集客が満たない』という問題。これはかなりメンタルに来る。
ライブハウスに行く人なら分かると思うが、かなり寂しいものである。メジャーで活躍するミュージシャンならいざ知らず、インディーズで頑張るミュージシャンのライブでは、ガラガラな状態は当たり前。
そんなときはスタッフが柵を寄せたり機材を増やしたりして客席を狭め、『集客が多いように見せかける』手法をよく使う。
ステージに立つ人間はたまったものじゃない。あからさまに増えた機材、ギチギチに狭まった柵……。僕も数十人しかいないステージに立った経験があるが、死にたくなるレベルである。
だから、沢田研二氏の気持ちもわかるのだ。彼は大きな舞台を誰よりも経験した、一流アーティスト。何十年も第一線で活躍してきて、代表曲もある。そんな人がガラガラのステージに立ったとき、何を思うだろうか。モチベーションが下がり、キャンセルしたくなるのも頷ける。
でも、それだけはやっちゃダメなのだ。
ライブに参加するファンは、1日の貴重な時間を使って集まってくれた存在。その中には「彼の音楽が生き甲斐」という人、「一生かけて付いていく」という思いで来ている人、いろんな人がいる。そんなファンの思いを蔑ろにはしてはいけない。
たとえ集客が数人であろうと、来てくれた人には最大限の感謝を伝える。それこそがミュージシャンなのではないだろうか。
今回の騒動、まだまだ終息には時間がかかりそうである。今のご時世、1度ついたイメージはどう足掻いても消すことはできない。集客以外の理由もあるだろうが、『自己都合でドタキャンをした』という事実は、ファンの頭の片隅に残り続けることだろう。
あと3ヶ月、ツアーは続く。これからのライブは一切自己都合のドタキャンはせず、集まってくれたファンに真摯に向き合ってほしいと願うばかりである。
それでは。