こんばんは、キタガワです。
『U.S.A.』が大変なことになっている。正直これほど社会現象になるのは全くの予想外だったし、今でも意味が分からない。ヤバい宗教に洗脳されてる感じする。
近所のスーパーなんかでも『U.S.A.』歌ってる子ども、めちゃくちゃ多い。毎回「カーモンベイビーアメリカー♪フンフンフフンフフフーン♪」と歌っている。うちの母親なんかその子どもに遭遇しすぎて「フンフンフフンフフフーン♪」がマジの歌詞だと思ってしまっている始末。頼むから完成度を上げてくれ。
で、僕はといえば流行っていることは知りつつも、ちゃんと聴いたことなかったんですよ。近所の子どもや店で流れてるものしか聴いたことがなくて。
ですが最近になってさすがに「音楽好きとして聴かないわけにはいかんやろ」と思いまして、やっと昨日YouTubeでちゃんとしたものを聴いてみました。
反則。
声出して笑っちゃった。冒頭の「ユー!エス!エー!」の時点でイロモネアだったら一発クリア間違いなしです。そこだけでも面白いのに「カーモンベイビーアメリカ」の部分はダンスも完全に笑わせにきてるからダメ。僕、牛乳含みながらあの動画観れないですよ。下手な芸人より面白い。というかメンバー、アメリカ行ったことあるのか?
みんなDA PUMP知ってる?僕らの年代が知ってるDA PUMPっていったら、こういうのなんですよ。イントロが流れた瞬間カラオケでは目を閉じてゆったり歌うような、そんな歌手なんです。
これが
これですよ?別の人が操作してんのか?
まあおふざけも程々にして。僕がずっと気になっていたのが『何でこんなに流行ったのか?』ということ。
米津玄師やあいみょんのような若いヒットメーカーならいざ知らず、申し訳ないけどDA PUMPは一度目のブレイクから数年間、あまり売れなくなったミュージシャン。そんな彼らが二度目の社会的大ヒット。何かしらの理由があるはず……というわけで、ひとつひとつ分析してみました。
その分析結果が以下です。どうぞ。
1.『ダサい』という話題性
今でこそ音楽性やキャッチーなフレーズが取り沙汰されていますが、一番最初に大きく取り上げられたのは『ダサい』という部分でした。
見てくださいこのジャケ。すっごい。しかもよくよく曲を観てみると、『カーモンベイビーアメリカ』とか謎なこと言ってるしダンスも意味不明。この振り付け考えた人ヤバいでしょ。
今のご時世は『話題になること』が全てです。千鳥の「クセが強い」、「貴様は?」とか、どうぶつタワーバトルとか、FGOとか。炎上商法なんかはそれの最たるものですよね。もうそれだけで大きな印象が付きます。それだけで勝ちなんですよ。
かくいう僕もこの曲を知ったきっかけは、『めっちゃダサいCDを誰かが出したらしい』との情報を聴いたからでした。で、結局そこからジャケットを観て、曲聴いて、気付けばハマってるっていう。
普段DA PUMPを聴かない人にも、大きな話題性で興味を持たせたDA PUMP。これで掴みはバッチリ。次は音楽について。
2.ユーロビートへの挑戦
いきなり専門用語が出て来て困惑した方、ごめんなさい。これ、一昔前のジャンルで言うところの『パラパラ』と同じ部類の音楽です。
中でも『Try Me』や『TORA TORA TORA』などが有名です。一度聴いてみてください。ほら、どことなく似てませんか?
というか、作りはほぼそのまんまなんです。キラキラしたシンセの音色で進行して、サビの始めに『トライミー』や『トラトラトラー』といった誰もが一瞬で口ずさめるようなフレーズをひとつドン!と入れる。
音楽って不思議なもので、印象深いフレーズを組み込むと、馴染みやすく感じます。例えば街中でふっと流れてきただけでも、耳に残る。「なんか最近U.S.A.よく聴く気がするなあ」とお思いのあなた。それはそれほどサビの『カーモンベイビーアメリカー』の中毒性が強い証拠なのです。こえー。
3.良い意味で単調
この曲、めちゃくちゃ単調なんですよ。
まず、Cメロがありません。いわゆるカラオケの中盤あたりで「あーこの部分だけわかんねえわ」ってなる部分です。Aメロ、Bメロ、サビまで歌えるとしても絶対につまずくところ。YouTubeで1回聴いたくらいじゃまず歌えません。
打上花火で言う「パッと花火が~」の部分です。
『U.S.A.』はこれがない。だから歌われやすいし、それによって覚えられやすいんです。
踊りも単調です。サビまで覚えれば、なんとか踊れるレベルになる。今年の全国の運動会では、ダンスの演目で『U.S.A.』が使われまくっていたそう。踊りたくなる振り付けですし、覚えやすいし。それがまた話題に繋がるというわけです。
子どもにウケる理由はここから来てるんじゃないかと。
4.全部高音
この曲、全部聴くと分かりやすいんですが、ボーカルパートは全部高音で歌われています。今年流行った曲で例えると米津玄師の『LEMON』も同じです。全部高音。
カラオケで原キーで歌うと『サビだけ歌うのがキツい』みたいな曲ありますよね。そうじゃなくて、『全部キツい』曲です。歌い終わったあと「高音キッつ!でも気持ちよかったー!」と思うアレ。
『U.S.A.』は前述したCメロ廃止も相まって、最初から最後までテンポが崩れないんですよね。だからずーっと高いテンションをキープし続けて終わる。この曲はカラオケ人気が高いそうですが、その人気は『高音で歌いやすい』という理由があるからかなーと。
結論
僕がこの曲に対して思うのは、ルールのギリギリを攻めたイエローカード並みの反則曲だなと。
間違いなくこの曲は商業目的で作られています。手を伸ばせば届く距離でスナイパーライフル使うみたいな、100%当たるズルいやり方。
でも決してレッドカードではないんですよ。
大幅な路線変更で媚を売ったとしても、何ら法に触れたりとか人をディスったとかではない。理解の範囲内で、売れるべくして売れたわけです。売れるための戦略がめちゃくちゃ考えられてます。もう商業系の大学で講演会開いてほしいレベル。
数年前からライブのチケットがあまり売れなくなってきたDA PUMPですが、今やチケットは全て売り切れ。CDバカ売れ。テレビにも引っ張りだこ。紅白も間違いないでしょう。
今年は間違いなく米津玄師とDA PUMPの年でした。
それでは。