こんばんは、キタガワです。
初のサマソニ参加を決めた僕。ついにサマソニ初日を迎えます。以下は1日目のレポートとなります。
- 8:00 起床
- 9:00 ユニバーサルシティ駅へ
- 10:00 シャトルバス乗車
- 10:20 会場到着
- 10:20 WHITE MASSIVE 魔法少女になり隊
- 11:30 MOUNTAIN STAGE Knox Fortune
- 12:40 MOUNTAIN STAGE ENDRECHERI
- 14:05 MOUNTAIN STAGE WALK THE MOON
- 14:45 WHITE MASSIVE yonige
- 15:50 WHITE MASSIVE MONKEY MAJIK
- 16:55 WHITE MASSIVE サンボマスター
- 17:15 SONIC STAGE Portugal. The Man
- 19:35 WHITE MASSIVE CLEAN BANDIT
- 20:15 SONIC STAGE paramore
- 21:30 ホテルへ
大阪に前乗りした前日のレポートはこちら。
サマソニ1日目、結果的にはこういう流れになった。
今回、メインステージは完全に放棄した。結構時間がかかりそうだし、また戻ってくるのも面倒だ。オーラルとワンオクは観たかったが、どちらも何度もライブを観たことがあるし、諦めた。
WALK THE MOONやPortugal. The Man、paramoreが主な目的で、それ以外は気の向くままに堪能しようと思っていた。
それでは以下、サマソニ初日レポートです。どうぞ。
8:00 起床
魔法少女になり隊のライブが観たかったり、グッズを早めに買ったりしたかったので7時には起きる予定だったのだが、ガッツリ寝坊した。
思えば今までいろんなホテルに泊まってきて、その都度寝坊する経験をしてきた。サラリーマン時代や女性とのデートなど、何度も寝坊し、ギリギリで待ち合わせ場所に到着してきた僕であったが、今回のサマソニ初日、起床してからホテルを出るまでの過去最高記録を突破した。やればできる。
音楽の力は人のスピードを速めるということが良く分かった。少なくとも僕個人としては。
9:00 ユニバーサルシティ駅へ
サマソニには『会場への直通シャトルバス』というのがある。大阪の地理が分からない僕は今回これを購入した。とりあえず『ユニバーサルシティ駅』という場所まで行ければ、あとは勝手にバスが運んでくれる流れらしかった。
しかし逆に考えると、ユニバーサルシティ駅までは自分自身で辿り着くことが必須である。
で、乗り継ぎしたりして何とかユニバーサルシティ駅まで行けたのだが、道中でとあるハプニングがあり……。
電車の乗車券を無くしてしまった。
乗車券を買い、ユニバーサルシティ駅行きの電車に乗った。そのときに乗車券は胸ポケットにねじ込んだ。そこまでは覚えているのだが、胸ポケットに、ない。
もう顔面蒼白である。目と鼻の先にはユニバーサルシティ駅。しかし行くには、改札を通らなければならない。
困った僕は、改札横の駅員に相談した。すると一言。
「あー、じゃあええわ。通り」。
えっ、適当。
てっきり難波駅からの乗車賃を再度払うものとばかり思っていたため、拍子抜けした。大阪のゆるい府民性に、このときばかりは感謝した。ありがとう駅員さん。
10:00 シャトルバス乗車
かくして改札を抜けた。人、超多い。左手には、あの有名なユニバーサル・スタジオ・ジャパンが見える。ジェットコースターでキャーキャー言ってる声も聞こえるほどだ。もしここで左手に行こうものなら、最大限にUSJをエンジョイできるに違いない。
だが僕はサマソニに行かねばならない。向かうは舞洲スポーツアイランドなのである。USJに行きたい気持ちをぐっと堪え、右手側の道に向かっていった。
左手側に進むUSJ勢と、右手側に進むサマソニ勢。親子連れやカップルでキャッキャとはしゃいでいるUSJ勢とは異なり、サマソニ勢はどこかギラギラしている。これから夜まで音楽漬けの一日を過ごすのだから、無理もない。僕は勝手に連帯感を抱いていた。
シャトルバスへ向かう道には、ちらほらサマソニのプラカードを掲げたスタッフが立っていて、迷うことなく進めた(ほぼ直進だけど)。
10分ほど歩くと到着。事前に購入しておいたシャトルバスのチケットを見せると、リストバンドを渡された。紙で出来た安っぽいものだったが、これがないと帰りはバスに乗れないらしい。しっかり付けておく。
バスが走り出す。向かうは舞洲スポーツアイランド。サマソニ2018大阪会場である。鼓動が激しくなってきた。
10:20 会場到着
意外と早くついた。……というか、もうましょ隊始まってない?音が聴こえてくる。
驚いたのが、到着地点。個人的に今まで多くの夏フェスに参加したつもりだが、こんなことは初めてだった。
到着地点はまさかの、ステージのすぐそばだった。
WHITE MASSIVEというステージがあるのだが、まさにそのステージから歩いて30秒くらいの場所に着いた。ええ……?まだリストバンド交換してないよ?普通に観れるじゃんWHITE MASSIVEステージ。
もちろん柵の中に入るにはリストバンド……もといサマソニのチケットが必要だ。だがこの写真を観て分かる通り、なくても柵の外からなら、普通に観れた。音もまあまあデカいので、アーティストを近くで見たい人でなければ申し分ない。大丈夫なのかこれ?
僕はこの光景を見た瞬間、友人(前日のブログを参照)に電話し、今すぐ舞洲に来るように言った。魔法の言葉は「おい、サマソニ無料で観れるぞ」だ(ちなみに友人はその後、基本的にWHITE MASSIVEに置き去りにした)。
さて、まずはましょ隊のライブを観ることにしよう。僕はリストバンドも装着していない謎の状態で、ライブを観たのだった。
10:20 WHITE MASSIVE
魔法少女になり隊
『旅するRPGバンド』、ましょ隊。去年メジャーデビューを果たした、オリジナリティ溢れる若手バンドである。
『魔法にかけられたせいで喋れない』設定の火寺バジル(Vo)が、バッテン印のマスクを外しての1曲目は『ヒメサマスピリッツ』。キラキラシンセの音色とデスボイス、そしてオートチューンがゴリゴリにかかった火寺のボーカルが、聴く者の感覚を麻痺させていく。
中でも抜群の盛り上がりだったのは、『おじゃ魔女カーニバル!』のカバー。日本国民の大半が知っているであろうこの曲だが、ましょ隊バージョンはとてつもなかった。
『びっくりびっくりDon Don!不思議な力が沸いたらどーしよ!?』に対する『と"ーし"よ"ー!』のデスボの返しが秀逸だった。
良かった。朝イチから盛り上げる最高の役を担ってたと思う。オープニングアクトということもあり僅か5曲と短かったが、大満足。今度はライブハウスで観たい。
11:30 MOUNTAIN STAGE
Knox Fortune
リストバンドを交換し、次に観に行ったのはMOUNTAIN STAGE。WHITE MASSIVEからは徒歩5分。近いなー。
MOUNTAIN STAGEの内部はシートエリアとスタンディングエリアの2つのエリアに分けられている。MOUNTAIN STAGEを右側から入るとスタンディングに、左側から入ると座って観ることができる。
で、今回はシートで観ることにしたわけだが、網上のもので視界が遮られており、かつ距離も遠い。その代わり足を痛めずに観れるというシステム。
ちなみにどちらも直射日光がバリバリに当たる。MOUNTAIN STAGEに限らず、サマソニ大阪は暑さとの闘いだった。本当に干からびるかと思った。
さて、Knox Fortuneの話題に移ろう。開口一番「ミナサン、コニチワー!」、「ロッケンローはスキデスカ?」とカタコトの日本語を繰り出すKnox Fortuneことケヴィン・ロンバーグ。
ラテンっぽくもあり、ロックっぽくもあり。いろんなジャンルをミキサーに入れて、ごちゃ混ぜにしたような音楽性だった。
カラっと晴れた灼熱の大阪の気候とは裏腹に、何か涼しい風を感じるような、そんなライブ。全体的にほわーっとしてた。雰囲気が。
12:40 MOUNTAIN STAGE
ENDRECHERI
KinKi Kidsというグループ、みんなご存じだと思う。
そのメンバーである堂本剛という人物も同様に、みんなご存じだと思う。
ENDRECHERI(エンドリケリーと読みます)は、そんな堂本剛のソロユニット。前情報一切無しで観に行ったのだが、これが物凄かった。
まず、メンバーがかなり多い。全員が紫の衣装で固定され、女性コーラス隊が3人、楽器隊が何人も。総勢10人以上はいたと思う。
肝心の楽曲なのだが、堂本剛は「オー」、「イェー」と言うばかりで、ボーカルらしいボーカルを全く取らなかったのが印象的だった。終始ジャム・セッションのような即興演奏的雰囲気で固められており、気付けば曲が終わっている感覚。
日本で流行している音楽性とは真逆の楽曲たちに、思いっきり怯まされた。何だこれ。
ポカーンとしてたら40分が一瞬で過ぎ去ってしまった。「KinKi Kidsの人やろ?」と軽いイメージで観に来た人の脳内をぶん殴って帰っていった。圧巻だった。
14:05 MOUNTAIN STAGE
WALK THE MOON
陽気なポップス集団、WTM。ボーカルのニトラスは、全身真っ白な衣装で登場。上半身は鍛え上げた筋肉を見せ付けるように、肩から腰にかけてザックリ開いたタンクトップ。どこで売ってるんだその服。
WALK THE MOON - One Foot (Official Video)
満員御礼のステージ。1曲目『One Foot』からトップギア。キラキラした打ち込みのシンセの音色が心地よく、まさに踊れるポップロックといった印象。気持ちよすぎる。
サビで地面が揺れるほどの盛り上がりで、メンバーも嬉しそう。大阪ということもあり、しきりに「オオキニ!オオキニ!」と言っていた。去年リリースされた2枚目のアルバム『What If Nothing』からの曲を中心としたセットリストで、観客のボルテージを上げまくっていく。
曲によってはギターのイーライは小型のドラムを打ち鳴らしたり、ドラムのショーンはドラムスティックを回しまくる神業プレイで魅了していた。コールアンドレスポンスあり、振り付けありと、観客参加型のライブで楽しませてくれた。
WALK THE MOON - Shut Up and Dance
某動画サイトで3億回近く再生された代表曲『Shut Up and Dance』も圧巻だったが、一番驚いたのはラストの『Anna Sun』。なんと観客席に飛び降り、柵を乗り越えたニトラス。観客にもみくちゃになりながら熱唱する様子は、大きな衝撃をもたらしてくれた。
ハッピーな雰囲気に包まれて大団円。よかったー。彼らのサイン会に参加出来なかったのは一生悔いが残るだろうと思った。
14:45 WHITE MASSIVE
yonige
少し観た。『アボカド』と『さよならプリズナー』が聴けたので嬉しかった。
yonige -アボカド-【Official Video】
「これぞ夏フェス!」といったキラーチューンてんこ盛りのライブというわけではなく、緩急のよくついたコアなファン向けのセットリストだった。個人的にはyonigeのライブは3回目なのだけれど、ライブで聴いたことのない曲もいくつかやっていたので意外だった。
あくまでも自然体でやった結果なのだろう。ちなみに翌日のフェスではまた全く違ったセトリになっていたようだ。強気な姿勢、さすがです。
15:50 WHITE MASSIVE
MONKEY MAJIK
この時間になると、かなりの人がワンオク目当てにOCEAN STAGEに移動していた。余談だが、大阪はオーラル、ワンオクガチ勢がかなり多かった印象だった。噂によるとオーラル前にやったRAMZが地蔵すぎる逆に辟易して10分残しで帰ったとか、ワンオク後のChance the Rapperがガラガラだったとか、終演後はいろんな話を聞いた。やっぱり日本において、洋楽の人気はまだまだなんだなあと思った次第だ。
で、僕はといえば、そんなワンオク勢をよそにWHITE MASSIVEにいた。目的はMONKEY MAJIK。ONE OK ROCKの真裏ということもあり、若干閑散としているかと思いきや、後半はかなり人が入っていた。
個人的に『空はまるで』だけは絶対に聴きたかった。何はなくとも『空はまるで』。そんな気持ちで聴いていた。
そんな『空はまるで』は、最後の最後に演奏された。正直、サマソニ初日のベストソングだった。太陽の光が降り注ぐあの環境で聴く『空はまるで』は、涙腺を緩ませた。
1曲だけ楽しむというのは本来良しとされないのかもしれない。でも僕は本当に観て良かった。
16:55 WHITE MASSIVE
サンボマスター
ポルトガルまで時間が余っていたので、少しだけサンボマスターを観ることにする。しかし「20分くらいは観れるかも」と思っていたのだが、予想より始まりが遅い。どうも機材トラブルがあったらしい。定刻よりも10分ほど遅れ、彼らのSE『モンキーマジック』が流れ出す。MONKEY MAJIKのあとにこの曲とは、なんとも。
小走りでステージに立った彼らは「お待たせ致しました!」と笑いを誘う。
サンボマスター『世界はそれを愛と呼ぶんだ』チャリティーコンサート
そこからの彼らはトップギアだった。『世界を変えさせておくれよ』、『青春狂騒曲』と畳み掛けていき、曲の合間には「国境なんか関係ねえんだよ!」、「あれ?皆さん、全日本盛り上がらない協会の方々ですか?」と熱いMCを飛ばし、火に油状態。
気付けばパンパンに人が入っていて、ステージからはみ出た観客が柵の外で塊になっている始末。
途中でポルトガルに向かってしまったので、最後まで観れなかったのが悔やまれる。
17:15 SONIC STAGE
Portugal. The Man
ここで初めてのSONIC STAGEへ。WHITE MASSIVEから徒歩3分。一言で言えば天国だった。というのもこのステージ、サマソニ大阪で唯一の屋内ステージであり、エアコンも効いている。クソ暑いサマソニの中でも格別に過ごしやすい環境なのだ。
しかもシート席も完備されているため、涼んだり休んだりする人が続出し、シート席は常に人で埋まっていた。外は35℃を超える暑さである。当初の予定を変更してSONIC STAGEで過ごそうという人が多いのだろう。寝ている人やぐったりしている人が多く見受けられた。
あと個人的な意見だが、このSONIC STAGE、音がめちゃくちゃいい。しかも屋内だからVJ(映像投影)も使い放題。極端な話、SONIC STAGEの出演者だけ予習してずっとここで過ごせば、超快適な夏フェスが楽しめると思う。
さて、ここでPortugal. The Manの話に移ろう。
始まる前にはサインも頂いてしまったポルトガル・ザ・マン。彼らは『最凶のサイケデリック・バンド』と呼ばれることが多いのだが、音源を聴いた限りではそんな雰囲気は一切ないので、以前より「なんでそんな異名が付いてるんだ?」と疑問に思っていた。
で、ライブを観て5分で分かった。こいつらは紛れもなく、最凶のサイケデリック・バンドだと。
まずVJについて触れておこう。ライブ中のモニターには常に映像が投影されているのだが、ライブ寸前に「僕らはトークが上手くないので、レコード会社が考えたメッセージを紹介するよ」との日本語の表示が。以降も「ハッパは好きかい?マジヤバいよね」、「家族で食事中に政治の話するの好きかい?マジヤバいよね」など、どこかブッ飛んでる和訳が次々と表示され、笑いを誘う。
加えてライブ中は非常ボタンの形の乳房をした女性が喘いでいたり、男同士がチューする寸前で焦らしまくるイラストが映し出されていて、もう訳がわからない。しかもその全てがかなり変なイラスト(ポプテピピックのAC部っぽい)なものだから、次第に頭がおかしくなってくる。
そして曲。もう8枚ものアルバムを出しているベテランバンドなのだが、異様にカバーが多かった。思えば1曲目からメタリカのカバーだったし、しかもそれがノイズとディストーションにまみれた爆音ギターが先行する、全く別のカバーになっていた。踊り狂っている人がたくさん見受けられたが、あんなに爆音でノイジーな雰囲気に呑まれれば、そりゃ踊るわという話である。まるで別次元にトリップしたようなカオスさで、感覚は次第に麻痺していく。
ラストはもちろん、大ヒット曲『Feel It Still』でシメ。ゼッド&アレッシア・カーラやチェインスモーカーズ&コールドプレイなど名だたるアーティストを抑え、まさかの2017年度グラミー賞を受賞してしまったこの曲の冒頭、スクリーンにとある文章が映し出された。
「ここではコンピューターは非使用。生楽器だけ」
彼らが今回のライブ、いや、結成してから一貫して拘っていた部分はこれだった。生楽器のみの迫力と音像のみで、このヤバいライブを形成していたのだった。
WALK THE MOONも、CLEAN BANDITも、paramoreも、思い返せばみなPCの打ち込みを多用していた。僕が今日観た海外バンドの中で、生楽器のみの演奏は彼らだけだったのである。
MCなし。休憩なし。コンピューターなし。とんでもないライブを観てしまった。まさに最凶のライブだった。
19:35 WHITE MASSIVE
CLEAN BANDIT
夜になり、辺りはすっかり暗くなってきた。ステージ案内にも電飾が点けられ、『夜のWHITE MASSIVE』といった様相だ。
WHITE MASSIVEステージのトリを務めるのはクリーン・バンディット。はっきり言おう。僕はこのサマソニ初日、一番感動したバンドを問われれば彼女らの名を挙げる。
それほどまでに完璧で、他を寄せ付けない魅力的なステージだった。paramoreに行くのをギリギリまで渋ってまでも観たかった。本当にギリギリまで観た。
開幕は某動画サイトで7億回再生(!)を記録した『Symphony』から。ここでハッとさせられたのが、音の綺麗さ。夜なのも影響しているのだろうか、音が遠くまでよく響く。綺麗な音色が心臓の奥の方まで染み込んでいく感覚がある。
ボーカルが歌い始めた瞬間に、鳥肌が立った。端的に言うと、口からCD音源。まるでCDからボーカルを丁寧に抽出したかのような声に、腹の底からビリビリした感覚が押し寄せて止まらない。
気付けばウルウルきていた。今までもライブで泣いた経験はいくつかあるが、それらはどれも『僕が以前から知っていて、生活の一部となっている曲』に限った話だった。カラオケで毎回歌っていたり、CDを擦りきれるほど聴いたりといったように。
だがほとんど知らない曲で泣くのは初めてだった。予備知識のない人がサラ・ブライトマンの歌声をたまたま聴いて涙したという話は有名だが、それに近いものだと思う。
とにかく、僕はこの『Symphony』で、完全にやられてしまった。踊れるし、ゆったり体を動かせるし、泣けるし。CLEAN BANDITはまさにこの時間に観るべきアーティストだと確信した。
そして今の今まで映像投影など一切しなかったWHITE MASSIVEステージだが、CLEAN BANDITではVJによる美麗な映像投影がされた。基本的には赤を基調とした、明るい色の円が次々出現する映像。それ以外にも歌詞が映し出されたりし、耳だけでなく目でも楽しませてくれた。
悲しいかな、僕は『Solo』を聴いた瞬間にparamoreへと走り去って行ったのだが、もっと観たかった。初日のサマソニ、ライブの面で悔やむことがあるとすればそれだけである。くそう。
20:15 SONIC STAGE
paramore
結果的にCLEAN BANDITという嬉しい出会いがあったものの、サマソニ初日の参戦を決めたのは何を隠そう、paramoreのライブを観たかったからだ。
彼らのライブを語る前に、まずは彼らについての説明をさせてほしい。
彼らが最後にサマソニに出演したのは、2009年のこと。この間の9年という長い期間はparamore……もといボーカルであるヘイリー・ウィリアムスに、大きな変化を与えた。
疾走感のあるロック・サウンドで人気を博した初期のparamoreは、紅一点のヘイリーの声質やその曲調から、アヴリル・ラヴィーンと比較されることが多かった。
そんな折、サマソニ2009年度への出演が決まった。当時、メンバーはみな10代だった。まだ若かったメンバーは、初期衝動全開のパフォーマンスを魅せた。おそらくあのときが最も波に乗り、メンタルが安定していた時期だったのだろうと推測する。
だがその後は悲劇の連続だった。ますジョシュ・ファロ、ザック・ファロ兄弟の脱退が発表された。加えてジョシュは脱退時、メディアを通してヘイリーを大々的に非難した。そしてベーシストであるジェレミーの脱退もあり、5人いたはずのparamoreは気付けば2人になっていた。
ヘイリーはバンド解散も視野に入れていたという。心身ともに病み、辛い時期が続いた。
そして去年、転機が訪れる。なんとザックがバンドに復帰したのだ。7年越しの奇跡だった。長い時間を経て、メンバーは3人に減ってはしまったが、遂に準備は整った。彼らは悲観を笑い飛ばすアルバム『After Laughter』をリリースし、サマソニに帰ってきたのだ。
さて、ここからライブの感想に移りたいと思うのだが、もちろんセットリストの大半は『After Laughter』から。そこに歴代の名曲を詰め込んだ、文句なしのライブであった。
最大のハイライトは、『Misery Business』。やたらと長いMCが挟まれるも、流暢すぎて何を言っているのか全くわからない。すると、チラホラと客席から手が上がり始める。何だ何だと思っていると、おもむろにヘイリーがひとりの観客をステージに上がらせたのだった。
どうも「この曲を一緒に歌ってくれる人はいる?」という趣旨のMCだったようだ。
ステージに上がった海外の女性は、ヘイリーとハグをしながら感極まって泣いていた。「歌える?」と聞くヘイリーに対し、涙で濡れた表情で「ノー……ノー……」と言っていたのが印象的だった。
そこからの彼女のボーカルはうまかった。何かこっちまで泣きそうになってしまった。会場は拍手で埋め尽くされた。
ラストに演奏されたのは、ヘイリーが悩み、苦しんだ挙句絞り出した楽曲『Hard Times』だった。
Paramore: Hard Times [OFFICIAL VIDEO]
〈辛いとき それでもなぜ頑張るのかって思う〉
〈辛いとき 泣くくらいなら笑っていたわ(和訳)〉
『Hard Times!』と何度も歌われるこの曲で、ヘイリーは終始笑顔だった。あの頃の彼女はもういない。そこにいたのはストレスから解き放たれ、『今』を謳歌している彼女の姿である。
一気に駆け抜けた14曲。アンコールなし。トリにふさわしい、圧巻のライブだった。最高。
21:30 ホテルへ
paramoreのライブが終わると、みななだれ込むようにシャトルバスへの移動を始めていた。僕はWHITE MASSIVEに置き去りにしていた友人と合流し、帰路についた。
で、ひとつ今回のブログで言いたいことがある。それは、「絶対シャトルバスのチケットは買っとけ」ということだ。シャトルバスの待機場所には長蛇の列が出来ていたもののバスの本数が多く、ほぼ待たずに乗れたのだが、問題はチケットがない人たち。
友人がそうだったのだが、シャトルバスのチケットがない人は、必然的に市営のバスかタクシーで帰ることになる。これがなかなかキツく、どれだけ並んでも一向にバスが来ないらしいのだ。サマソニ大阪、去年も同じようなトラブルがあり炎上していたのだが、改善されてはいないようだ。
結果的に友人とユニバーサルシティ駅で合流したのは、なんと夜11時30分。無料で楽しみたい人でもシャトルバスチケットだけは買っとけ。そう強くオススメしたい。たった800円払うだけで快適に帰れるのだ。ぜひお忘れなきよう。
たこ焼きを食べてホテルへ戻る。うますぎです。大阪住みたい。
明日はついにノエル・ギャラガーを観ることができる。楽しみでほとんど眠れなかった。2日目の様子は、また近いうちにアップする予定だ。
余談だがこのブログ、9500字を超えてしまっていた。卒業論文じゃねえんだぞ。2日目のレポートどうすんだ。
それではまた次回、2日目のレポートでお会いしましょう。それでは。
→2日目のレポートはこちら