こんばんは、キタガワです。
いきなりネガティブなことを言うようだが、近年『漫画を買う』という、読者にとって当たり前であるはずのこの行為について、風向きがよろしくないと思う。
週刊誌で連載している作品ならわざわざ買わなくても、毎週立ち読みすれば大体の話は分かるし、最近では無料で漫画が読める害悪サイト、漫画村が猛威を振るった。
「知名度が上がるなら無料で読んでも良くね?」派と「作者の今後のためにも買うべき」派が真っ向から対立し、その是非を巡って現在でもSNS上、ひいてはニュースで論戦が繰り広げられている。
そんな騒動を俯瞰していたのが、Twitterでの拡散に重きを置く、いわゆる『Web漫画』だ。
誰でも手軽に投稿でき、リツイート+いいね機能により爆発的な拡散力が見込めるそれは、現代の新たな漫画の在り方として、主流になりつつある。ネット第一主義の現代において、理にかなった手法であると言える。
今回取り上げる『ヨヨハラ』も、そんなWeb漫画のひとつである。
さて、今回の記事は要するにこの『ヨヨハラ』をべた褒めするものなわけだが、「ヨヨハラって何だよ」と思っている読者貴君のために、個人的にオススメのポイントをいくつか紹介しつつ、ラストの「買う価値はあるのか?」という本題へと進みたいと思う。
ストーリーとogrosという人物
そもそもWeb漫画は紙媒体の漫画と違い、一話一話のインパクトが重視される傾向にある。
紙媒体であればコミック3巻くらい丸々使ってひとつのシリーズを完結したり出来るが、Web媒体は無理だ。Twitterでの拡散と人気は一過性のものだから、例えば『毎週少しずつ話が進んでいきますよ』といった漫画は、人気が継続しづらい。
なので多くのWeb漫画は、分かりやすいストーリーにしたり、破壊力抜群のオチを各話ドン!と配置したりするなどして、飽きさせない工夫に躍起になっている。
元々『ヨヨハラ』もご多分に漏れず、男衆がハッとなるエロシーンや、男女の日常風景が多く描写されている。ここだけ切り取ると「ああ、こりゃ人気出るわ」と思うものだが、物語が進むにつれ、『ヨヨハラ』という漫画の特殊性について知ることとなる。
ある場面までは、毎週漫画が投稿されるたびに何千ものリツイートで溢れ返っていて、おそらくogros氏の思い描いた通りの評価のされ方だったろうと思う。その環境が一変したのは、18話『疑心暗鬼』から。
ogros氏は『疑心暗鬼』以降、直接的なエロ表現を減らし、文字数を増やし、シリアスなシーンに重点を置くようになった。もちろんエロやイチャイチャを期待していた読者の中には、離れていく人も多かった。リツイート数も明らかに減った。
だが僕は言いたい。ogrosよくやったと。
後半のシリアスなシーンは、実はかなり良くできている。幾重にも張り巡らされた伏線がカチッとハマる様には「おお!」となったし、やり尽くされた『それ系』の話とは一線を画す作りとなっている。
何というか、ogros氏の「俺が本当に描きたいことはこれなんだよ!」という思いをひしひしと感じるストーリーだ。僕の見立てでは、ogros氏は相当の策略化であり、知的な人物であると見た。
日常回もシリアス回も、全部面白い。
エロい
『後半からエロくなくなる』と前述しておきながらデカデカと『エロい』と書いてしまって申し訳ないが、エロの部分は、ヨヨハラの最大の武器であり魅力であると考える。
ヨヨハラは普段はクール、かつ頭脳明晰で周囲の評判も上々。だが好意を寄せるハルくんの前では女豹である。
ハルくんが入浴中に全裸で風呂に乱入。胸を押し付ける。谷間。下着。水着。彼シャツ。コスプレ……。表紙の可愛い女の子が、あんなことやこんなことをする……。それだけで読む価値はあると思わないか?
その健康的な体型とエロさも相まって、男性陣のヨヨハラはヨヨハラしてしまうに違いない。
エロ目的で読むのも全然アリ。それほどの魅力が詰まっている作品であると思うし、絶対に後悔しないはずだ。
で、買う価値はあるのか?
さて、長々と書いてきたが、上記は無料で読めるオリジナル版の感想でしかない。ではここで本題だ。
ズバリ、『買う価値はあるのか?』ということ。
ネガティブなことを言うようだが、『ヨヨハラ』はogros氏のTwitterやpixivに飛べば、全て無料で読むことが出来る。
「コミックスよりスマホでサクサク読む方がはっきり言って楽だし、コミックスは1000円。買わんでも良くない?」
おそらく購入を躊躇っている人たちは、そういう思いもあるのではないかと思う。
で、それらを踏まえての僕の意見だが、『ヨヨハラ』は買う価値は十分にあると断言する。
只でさえ美麗なイラストは大きくなってより描き込まれている印象だし、一気読み出来るため話の全体像もわかりやすい。最後の書き下ろし短編もファン必見の内容だ。
そして何より声を大にして言いたいのは、各所で『湯気が薄い』と言われている『アレ』のことである。これがとんでもない。
僕はそのシーンを見たとき、悔しくもヨヨハラがヨヨハラしてしまったのだが。いやはや、エロ方面で注目されたヨヨハラならではのやり方であり、うまいなあと思った。
ヒントは『ピンク』である。僕はそれしか言えない。それ以上何かを書こうとすると、謎の支配によって文字が全てデリートされてしまう。許してくれ。
総評。買って良かった。
このブログを見ている人は全員『ヨヨハラ』買え。以上。
ogros氏Twitter
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ogros氏pixiv
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