キタガワのブログ

島根県在住のフリーライター。ロッキン、Real Sound、KAI-YOU.net、uzurea.netなどに寄稿。ご依頼はプロフィール欄『このブログについて』よりお願い致します。

2017-01-01から1年間の記事一覧

【音楽文アーカイブ】パンデミック下の叙情的独唱 〜amazarashi『末法独唱 雨天決行』オンラインライブレポート〜

思いがけず全国的に雨模様となった12月某日、amazarashi初となるオンラインライブ『末法独唱 雨天決行』が、札幌・真駒内滝野霊園より全国に届けられた。すっかりオンラインライブの裾野が広がりを見せる昨今、日々多くのアーティストが画面越しに熱演を繰り…

【音楽文アーカイブ】万感の再会 〜milet『ONLINE LIVE “eyes” 2020』オンラインライブレポート〜

思えばコロナ禍以後多くのオンラインライブを目にする機会こそあれど、これほど本人の口から感謝の言葉が放たれたオンラインライブは少なくとも自分は見たことがない。2度に渡る全国ツアーの中止の果てに行われた、実に自身約11ヶ月ぶりとなったmilet初のオ…

【音楽文アーカイブ】アンハッピー・ハロウィン 〜スタークローラー『Come As You Aren't』オンラインライブレポート〜

真綿で首を絞められるようなコロナ禍に憂いながら迎えた去るハロウィンシーズンに、スタークローラー初となるオンラインライブ『Come As You Aren't』が、アメリカはカリフォルニア州のライブハウス・ロキシーシアターから世界に配信された。MCも過度な演出…

【音楽文アーカイブ】ダメ天使、飛翔の時 〜ナナヲアカリ初のオンラインライブ『Remote DamAngel』ライブレポート〜

異なる楽曲性。移ろい行くVJ。時には感情すら変化させ、それぞれの楽曲にベストな雰囲気を帯びた歌唱法……。楽曲が投下されるごとにイメージが千変万化したオンラインライブ『Remote DamAngel(リモートダメンジェル)』は紛れもなく、YouTube上の再生回数や…

【音楽文アーカイブ】教祖プレゼンツ、秘密基地的大規模集会 〜ポルカドットスティングレイ教による音楽的宗教行事『#教祖爆誕』、オンラインにて。〜

去る10月某日、ポルカドットスティングレイのオンラインライブ『ポルフェス48 #教祖爆誕 オンライン』が開催された。 今年のポルカは1月上旬に発売されたニューミニアルバムを引っ提げ『新世紀TOUR』と題された全国ツアーで全国各地を回り、更なる躍進を遂げ…

【音楽文アーカイブ】ロックが溶けた野音 〜エレファントカシマシ『日比谷野外大音楽堂2020』ライブレポート〜

エレファントカシマシ、今年も野音の地へ。彼らの日比谷野外大音楽堂公演は毎年決まって行われる、エレカシにとって、またファンにとっても年に一度の恒例行事とも言うべき代物として広く知られている。しかしながら既知の通り、今年は新型コロナウイルスが…

【音楽文アーカイブ】進撃のポップロック集団、野音に立つ! 〜ネクライトーキー『ゴーゴートーキーズ! 2020 野外音楽堂編』ライブレポート〜

コロナ禍という状況下においてもオンラインで開催されるサーキットイベントやYouTubeライブ『デジタルビリビリ演奏会』等、制約を課される中でも精力的な活動を続けてきたネクライトーキーが、遂に約7ヶ月ぶりとなる有観客ライブに漕ぎ着けた。会場に選ばれ…

【音楽文アーカイブ】こんな時こそ夏フェスを 〜オンライン型フェス『氣志團万博2020 ~家でYEAH!!~』、全出演アーティスト15組徹底レポート〜

氣志團万博、今年はオンラインで開催……。この一報に心底喜んだ音楽ファンは少なくないだろう。無論初のオンライン開催となった今年の氣志團万博は、今までの氣志團万博とは大きく趣を異にするものではあった。けれども会場に設置された30台以上のカメラ+ド…

【音楽文アーカイブ】歌声とギターだけ。だけれども。だからこそ。 〜さユり『Dive/Connect@Zepp Online Vol.3』ライブレポート〜

ソニーミュージックが立ち上げたオンラインライブコンテンツ『Dive/Connect@Zepp Online』。その第3回目に当たる映像が去る9月22日に有料配信された。第1回目のASIAN KUNG-FU GENERATION、第2回目の加藤ミリヤを経て、この日出演するアーティストは2.5次元パ…

【音楽文アーカイブ】視覚的効果とパスピエと 〜平行世界のバーチャル空間で魅せた近未来型ライブ『LIVE-X』を観た〜

パスピエ、ライブに帰還す……。新型コロナウイルスの影響により実に約7ヶ月もの長い沈黙を破って行われた今回のオンラインライブは、結果としてパスピエ印のライブパフォーマンスと共にこの世のものとは思えない視覚的な映像表現に彩られた、あまりに異次元的…

【音楽文アーカイブ】この日限りの特別なセットリストで希求した、来たる新時代 〜ASIAN KUNG-FU GENERATION史上2度目となるオンラインライブ、その全貌〜

配信ライブ『Dive/Connect@Zepp Online Vol.1』が去る9月上旬、Zepp Yokohamaにて開催された。Dive/Connect(没頭・接続の意)と題された今イベントは、新型コロナウイルスの影響によって多くのライブの機会が失われてしまった状況下において「この時代なら…

【音楽文アーカイブ】底知れぬ闇に光見据えて 〜サカナクション『SAKANAQUARIUM 光 ONLINE』ライブレポート〜

去る8月中旬、サカナクションによるオンラインライブ『SAKANAQUARIUM 光 ONLINE』が開催された。総額1億円以上の予算を注ぎ込み、2日間での総視聴数6万人を記録した今回のライブは紛れもなく、サカナクションの真骨頂とも言えるライブの興奮を画面越しにパッ…

【音楽文アーカイブ】失われた夏的行事を逆説的に説く、或る夜の熱演 〜ずっと真夜中でいいのに。によるアーティスティックなオンラインライブ『NIWA TO NIRA』を観た〜

8月上旬に行われたずっと真夜中でいいのに。(以下ずとまよ)の有料オンラインライブ『NIWA TO NIRA』。あまりに奇妙なタイトルを冠した今回の試みは結果としてアーティスティックな異次元空間を形成するに留まらず、インターネットシーンで絶大な存在感を放…

【音楽文アーカイブ】反逆のアイドル・欅坂46のすべて 〜『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』は、彼女たちの何をつまびらかにしたのか?〜

欅坂46初のドキュメンタリー映画を先日、ようやっと映画館で観ることが出来た。欅坂46の歴史上初めて、そして先日のオンラインライブにて改名を宣言している欅坂46にとっては間違いなく、最初で最後のドキュメンタリー映画となる。タイトルは『僕たちの嘘と…

【音楽文アーカイブ】喜びと憂いを携えたリモート型夏期講習、開講。 〜坂口有望『熱唱特別オンライン夏期講習』ライブレポート〜

「自分が1番生き生きしている時間でした」……。坂口はライブ終了後に、ツイッターの個人アカウントにてそう呟いた。ギターと歌のみのシンプルなセットで、時間にして約60分に及んだ自身初となるオンラインワンマンライブ『熱唱特別オンライン夏期講習』は、彼…

【音楽文アーカイブ】ロックンロールに生きる若者たち、オンラインライブに急襲す。 〜錯乱前戦『ベースメント・ア・ゴーゴー Vol.2』ライブレポート〜

アンコール含め約30分。短い時間内に楽曲を隙間無く敷き詰め、猪突猛進的なエネルギーが吹き荒れた今回のライブは、ロックの真髄に限りなく迫る衝撃と興奮に満ち満ちた代物であった。 今回のライブのタイトルにもなっている『ベースメント・ア・ゴーゴー』は…

【音楽文アーカイブ】伝播する電波 〜でんぱ組.inc『でんぱをかまってちゃん“星降る引きこもりの夏休み”』ライブレポート〜

去る6月某日、神聖かまってちゃんとでんぱ組.incのツーマンライブ『でんぱをかまってちゃん“星降る引きこもりの夏休み”』が、有料ライブ配信のいちマーケットとしても著名なZAIKOにて有料配信された。今記事では約2時間にも及んだライブの後攻、でんぱ組.inc…

【音楽文アーカイブ】変遷するライブシーンで 〜今だからこそ成し得た、超能力戦士ドリアンによる存在証明〜

とてつもないライブだった。オンライン配信だからこそ可能な多数のギミックと演出を駆使した約2時間に及ぶ熱演は紛れもなく、ライブエンターテインメントの何たるかを明確に提示した、記憶に残るに相応しい唯一無二の体験であった。 去る7月11日に開催された…

【音楽文アーカイブ】ライブハウスのいままでとこれから 〜セックスマシーン!!『緊急ワンマンライブ「すぐにライブやっとんねん!」』生配信ライブレポート〜

「楽しい!」「最高!」「音おっきいぜー!」……。バンドのフロントマンを務める森田剛史(Vo.Key)はライブ中何度もそう絶叫し、心からの喜びを爆発させていた。未だ多くの課題が残されているライブハウス。だが確かにこの日、再びライブハウスは動き出した…

【音楽文アーカイブ】戻らなければならない場所 〜RED in BLUEの新曲“アンコール”が照らす、ライブハウスの未来〜

収束の兆しが未だ見えない、新型コロナウイルス。その想像を絶する蔓延は、退屈で普遍的だったはずの日常を一変させた。徹底したマスクの着用、外出自粛、テレワーク、一定の距離を保ったテレビ番組……そうしたコロナウイルス発生前後の変化は枚挙に暇がない…

【音楽文アーカイブ】たとえ深意が掴めずとも 〜突如公開されたオアシス幻のデモ音源“Don't Stop…”から見る、コロナウイルスとギャラガー兄弟〜

新型コロナウイルスの蔓延により、未曾有の危機に陥るミュージックシーン。今ではライブが軒並み延期もしくは中止を余儀無くされることのみに留まらず、MV制作やCDリリース予定も滞るなど、ミュージシャンをミュージシャンたらしめる大半の活動に影響が及び…

【音楽文アーカイブ】ツインピアノで彩られし新奇なテレワーク、お風呂場にて。 〜ずっと真夜中でいいのに。『お風呂場ライブ 定期連絡の業務』ライブレポート〜

時刻が20時を回り始めた5月上旬。定刻と共に生配信の幕開けを飾るYouTube特有のカウントダウンが始まると、心中の興奮が一段階引き上げられる感覚に陥った。もっとも閲覧者がリアルタイムでコメントを行うことが可能なチャット欄はこの時点で既に1秒ごとに数…

【音楽文アーカイブ】今だからこそ鳴るべき音楽 〜坂口有望『聴志動感』ライブレポート〜

日々猛威を振るう、新型コロナウイルス。今や国際的なパンデミックに直面し、更にはここ日本においても東京オリンピック延期が正式に決定。日々数十人にも及ぶ感染者が確認されるなど、終息の兆しは未だ見えていない。 そんな中多大な影響を被っているのが、…

【音楽文アーカイブ】新時代に生きるロックンロールは、かくも美しい 〜Starcrawler『JAPAN TOUR 2019』ライブレポート〜

「今すぐ誰かに熱弁したい」……。全ての『事件』の幕が降りた瞬間、酷く野次馬的な思いが頭を支配していた。大阪のディープな繁華街の一角で行われた約1時間半に及ぶライブは、紛れもない大事件であった。 紅一点のフロントウーマン、アロウ・デ・ワイルド(V…

【音楽文アーカイブ】第二章への道標 〜美波『TURQUOISE2019⇆2020 ONEMAN TOUR』ライブレポート〜

去る2019年の某日、美波のライブツアー『TURQUOISE2019⇆2020 ONEMAN TOUR』の3公演目にあたる、広島公演に参加した。 今回のツアーは春に行われた『カワキヲアメク ONEMAN TOUR』から約半年ぶりとなる全13都市、15公演を回る大規模なもの。2019年は“カワキヲ…

【音楽文アーカイブ】超実験的『承』、タイムリープにて。 〜集団行動初のプロデュース型ライブ、その中日を観た〜

TSUTAYA O-nestにて3ヶ月に渡って行われた、集団行動にとって初となるメンバープロデュース型ワンマンライブ『起承転』。去る10月27日、その中日に位置する『ミッチー的集団行動「承」』に足を運んだ。 『起承転』なる意味深なタイトルからも分かる通り、今…

【音楽文アーカイブ】双方向的な航海の果てに 〜BUMP OF CHICKEN『aurora ark』ツアーにて証明された、強固な信頼関係〜

BUMP OF CHICKENの過去最大規模となる全国ツアー『TOUR 2019 aurora ark』。その中盤に位置する9月11日、京セラドーム大阪公演に参加した。 今回のツアーは、BUMP OF CHICKENにとっては約1年ぶりとなる大規模なツアーだ。もはや言うまでもないが、彼らは日本…

【音楽文アーカイブ】ひとりの男の生き様が生み出した、一夜限りの祭典 〜涙と汗と絶叫で形作られた『ティッシュタイム・フェスティバル~大感謝祭~』当日レポ〜

10月22日に行われたオナニーマシーン企画のライブイベント『ティッシュタイム・フェスティバル~大感謝祭~』。若干の肌寒さを感じる気候と対照的に半袖シャツを着たファンに囲まれつつ、僕は会場である豊洲PITへと足を運んだ。 『ティッシュタイム』とは20…

【音楽文アーカイブ】【朗報】目標達成、射程圏内 〜ミオヤマザキ47都道府県ツアー、ライブレポート〜

晴天の日々が続き、夏の気配が次第に近付いてきた7月某日。ミオヤマザキの全国ツアー『47都道府県完全無料ワンマンツアー 「2020年1月11日ミオヤマザキ横浜アリーナやるってよ。」 』の13箇所目となる、島根公演が行われた。 タイトルにも冠されている通り、…

【音楽文アーカイブ】ここがロックの現在地 〜The Birthdayライブツアー『VIVIAN KILLERS』ライブレポート〜

先日、鳥取県・米子laughsにて行われたThe Birthdayのワンマンライブ『VIVIAN KILLERS TOUR 2019』に参加した。 タイトルに冠されていることからも分かる通り、今回のツアーは今年3月に発売されたニューアルバム『VIVIAN KILLERS』を携えて行われるものだ。…