キタガワのブログ

島根県在住のフリーライター。ロッキン、Real Sound、KAI-YOU.net、uzurea.netなどに寄稿。ご依頼はプロフィール欄『このブログについて』よりお願い致します。

2017-01-11から1日間の記事一覧

【音楽文アーカイブ】反逆のアイドル・欅坂46のすべて 〜『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』は、彼女たちの何をつまびらかにしたのか?〜

欅坂46初のドキュメンタリー映画を先日、ようやっと映画館で観ることが出来た。欅坂46の歴史上初めて、そして先日のオンラインライブにて改名を宣言している欅坂46にとっては間違いなく、最初で最後のドキュメンタリー映画となる。タイトルは『僕たちの嘘と…

【音楽文アーカイブ】喜びと憂いを携えたリモート型夏期講習、開講。 〜坂口有望『熱唱特別オンライン夏期講習』ライブレポート〜

「自分が1番生き生きしている時間でした」……。坂口はライブ終了後に、ツイッターの個人アカウントにてそう呟いた。ギターと歌のみのシンプルなセットで、時間にして約60分に及んだ自身初となるオンラインワンマンライブ『熱唱特別オンライン夏期講習』は、彼…

【音楽文アーカイブ】ロックンロールに生きる若者たち、オンラインライブに急襲す。 〜錯乱前戦『ベースメント・ア・ゴーゴー Vol.2』ライブレポート〜

アンコール含め約30分。短い時間内に楽曲を隙間無く敷き詰め、猪突猛進的なエネルギーが吹き荒れた今回のライブは、ロックの真髄に限りなく迫る衝撃と興奮に満ち満ちた代物であった。 今回のライブのタイトルにもなっている『ベースメント・ア・ゴーゴー』は…

【音楽文アーカイブ】伝播する電波 〜でんぱ組.inc『でんぱをかまってちゃん“星降る引きこもりの夏休み”』ライブレポート〜

去る6月某日、神聖かまってちゃんとでんぱ組.incのツーマンライブ『でんぱをかまってちゃん“星降る引きこもりの夏休み”』が、有料ライブ配信のいちマーケットとしても著名なZAIKOにて有料配信された。今記事では約2時間にも及んだライブの後攻、でんぱ組.inc…

【音楽文アーカイブ】変遷するライブシーンで 〜今だからこそ成し得た、超能力戦士ドリアンによる存在証明〜

とてつもないライブだった。オンライン配信だからこそ可能な多数のギミックと演出を駆使した約2時間に及ぶ熱演は紛れもなく、ライブエンターテインメントの何たるかを明確に提示した、記憶に残るに相応しい唯一無二の体験であった。 去る7月11日に開催された…

【音楽文アーカイブ】ライブハウスのいままでとこれから 〜セックスマシーン!!『緊急ワンマンライブ「すぐにライブやっとんねん!」』生配信ライブレポート〜

「楽しい!」「最高!」「音おっきいぜー!」……。バンドのフロントマンを務める森田剛史(Vo.Key)はライブ中何度もそう絶叫し、心からの喜びを爆発させていた。未だ多くの課題が残されているライブハウス。だが確かにこの日、再びライブハウスは動き出した…

【音楽文アーカイブ】戻らなければならない場所 〜RED in BLUEの新曲“アンコール”が照らす、ライブハウスの未来〜

収束の兆しが未だ見えない、新型コロナウイルス。その想像を絶する蔓延は、退屈で普遍的だったはずの日常を一変させた。徹底したマスクの着用、外出自粛、テレワーク、一定の距離を保ったテレビ番組……そうしたコロナウイルス発生前後の変化は枚挙に暇がない…

【音楽文アーカイブ】たとえ深意が掴めずとも 〜突如公開されたオアシス幻のデモ音源“Don't Stop…”から見る、コロナウイルスとギャラガー兄弟〜

新型コロナウイルスの蔓延により、未曾有の危機に陥るミュージックシーン。今ではライブが軒並み延期もしくは中止を余儀無くされることのみに留まらず、MV制作やCDリリース予定も滞るなど、ミュージシャンをミュージシャンたらしめる大半の活動に影響が及び…

【音楽文アーカイブ】ツインピアノで彩られし新奇なテレワーク、お風呂場にて。 〜ずっと真夜中でいいのに。『お風呂場ライブ 定期連絡の業務』ライブレポート〜

時刻が20時を回り始めた5月上旬。定刻と共に生配信の幕開けを飾るYouTube特有のカウントダウンが始まると、心中の興奮が一段階引き上げられる感覚に陥った。もっとも閲覧者がリアルタイムでコメントを行うことが可能なチャット欄はこの時点で既に1秒ごとに数…

【音楽文アーカイブ】今だからこそ鳴るべき音楽 〜坂口有望『聴志動感』ライブレポート〜

日々猛威を振るう、新型コロナウイルス。今や国際的なパンデミックに直面し、更にはここ日本においても東京オリンピック延期が正式に決定。日々数十人にも及ぶ感染者が確認されるなど、終息の兆しは未だ見えていない。 そんな中多大な影響を被っているのが、…

【音楽文アーカイブ】新時代に生きるロックンロールは、かくも美しい 〜Starcrawler『JAPAN TOUR 2019』ライブレポート〜

「今すぐ誰かに熱弁したい」……。全ての『事件』の幕が降りた瞬間、酷く野次馬的な思いが頭を支配していた。大阪のディープな繁華街の一角で行われた約1時間半に及ぶライブは、紛れもない大事件であった。 紅一点のフロントウーマン、アロウ・デ・ワイルド(V…

【音楽文アーカイブ】第二章への道標 〜美波『TURQUOISE2019⇆2020 ONEMAN TOUR』ライブレポート〜

去る2019年の某日、美波のライブツアー『TURQUOISE2019⇆2020 ONEMAN TOUR』の3公演目にあたる、広島公演に参加した。 今回のツアーは春に行われた『カワキヲアメク ONEMAN TOUR』から約半年ぶりとなる全13都市、15公演を回る大規模なもの。2019年は“カワキヲ…

【音楽文アーカイブ】超実験的『承』、タイムリープにて。 〜集団行動初のプロデュース型ライブ、その中日を観た〜

TSUTAYA O-nestにて3ヶ月に渡って行われた、集団行動にとって初となるメンバープロデュース型ワンマンライブ『起承転』。去る10月27日、その中日に位置する『ミッチー的集団行動「承」』に足を運んだ。 『起承転』なる意味深なタイトルからも分かる通り、今…

【音楽文アーカイブ】双方向的な航海の果てに 〜BUMP OF CHICKEN『aurora ark』ツアーにて証明された、強固な信頼関係〜

BUMP OF CHICKENの過去最大規模となる全国ツアー『TOUR 2019 aurora ark』。その中盤に位置する9月11日、京セラドーム大阪公演に参加した。 今回のツアーは、BUMP OF CHICKENにとっては約1年ぶりとなる大規模なツアーだ。もはや言うまでもないが、彼らは日本…

【音楽文アーカイブ】ひとりの男の生き様が生み出した、一夜限りの祭典 〜涙と汗と絶叫で形作られた『ティッシュタイム・フェスティバル~大感謝祭~』当日レポ〜

10月22日に行われたオナニーマシーン企画のライブイベント『ティッシュタイム・フェスティバル~大感謝祭~』。若干の肌寒さを感じる気候と対照的に半袖シャツを着たファンに囲まれつつ、僕は会場である豊洲PITへと足を運んだ。 『ティッシュタイム』とは20…

【音楽文アーカイブ】【朗報】目標達成、射程圏内 〜ミオヤマザキ47都道府県ツアー、ライブレポート〜

晴天の日々が続き、夏の気配が次第に近付いてきた7月某日。ミオヤマザキの全国ツアー『47都道府県完全無料ワンマンツアー 「2020年1月11日ミオヤマザキ横浜アリーナやるってよ。」 』の13箇所目となる、島根公演が行われた。 タイトルにも冠されている通り、…

【音楽文アーカイブ】ここがロックの現在地 〜The Birthdayライブツアー『VIVIAN KILLERS』ライブレポート〜

先日、鳥取県・米子laughsにて行われたThe Birthdayのワンマンライブ『VIVIAN KILLERS TOUR 2019』に参加した。 タイトルに冠されていることからも分かる通り、今回のツアーは今年3月に発売されたニューアルバム『VIVIAN KILLERS』を携えて行われるものだ。…

【音楽文アーカイブ】wowakaのいないヒトリエを初めて聴いた日 〜未だ見ぬ答えを探す旅〜

「6月1日に『wowaka追悼 於 新木場STUDIO COAST』を行うにあたって、その日が何かの区切りになるわけではないと言いました。僕らは今までヒトリエが生んできた曲を、wowakaが歌った曲を、過ごした時間と場所を、必要としたままでいいと思っています」 「ただ…

【音楽文アーカイブ】躁鬱と葛藤の狭間で 〜サマソニ大阪で魅せた、『今』のThe 1975〜

今年で20周年を迎えたSUMMER SONICの最終日である、8月18日。海沿いに設置されたオーシャンステージには時折暖かさを携えた風が吹き抜ける。時刻はまもなく18時を回ろうかというところで、今フェス最大規模のオーシャンステージで演奏するアーティストは早く…

【音楽文アーカイブ】歌って笑える総合病院 〜四星球ライブツアー『SWEAT 17 BLUES』ライブレポート〜

先日、鳥取県・米子Aztic laughsにて開催された四星球の全国ツアー『SWEAT 17 BLUES 完成CELEBRATE? TOUR』に参加した。 様々なジャンルで溢れる音楽シーンだが、ことロックシーンにおいて四星球について語る際には、専ら『コミックバンド』という括りで語ら…

【音楽文アーカイブ】愛おしき天然スター 〜出雲で魅せた、斉藤和義渾身の1時間〜

先日、島根県・松江市総合体育館にて、ザ・クロマニヨンズ、斉藤和義、SUPER BEAVER、My Hair is Badによるライブ『BONE TO RUN! YUMEBANCHI 2019~だんだんROCKS!~』が開催された。今回はラストの4番手として出演した斉藤和義のライブレポートを記す。 夕…

【音楽文アーカイブ】ロックンロールはこれでいい。これがいい。 〜ザ・クロマニヨンズの信念が浮き彫りになった、某日のライブレポート〜

先日、島根県・松江市総合体育館にて、ザ・クロマニヨンズ、斉藤和義、SUPER BEAVER、My Hair is Badによるライブ『BONE TO RUN! YUMEBANCHI 2019~だんだんROCKS!~』が開催された。以下、2番手として出演したザ・クロマニヨンズのライブレポートを記す。 …

【音楽文アーカイブ】神々が集いし神社で魅せた、唯一無二の極上ポップス 〜きゃりーぱみゅぱみゅライブツアー『まぼろしのユートピア~出雲大社の夜~』ライブレポート〜

某日、僕は島根県・出雲大社の東神苑に設置された特設ステージにいた。その理由はひとつ。きゃりーぱみゅぱみゅの『音ノ国ライブツアー2019「まぼろしのユートピア~出雲大社の夜~」』に参加するためである。 今回のライブは、日本の伝統や歴史にゆかりのあ…

【音楽文アーカイブ】ジャパニーズ・サムライ 〜ZAZEN BOYSライブツアー『MATSURI SESSION』ライブレポート〜

先日行われたZAZEN BOYSの全国ツアー『ZAZEN BOYS TOUR MATSURI SESSION』。そのうちの広島公演に参加した。 ZAZEN BOYSにおいては久方ぶりの大規模なツアーである。今回ライブ会場に選ばれた広島クラブクアトロは700人以上が収容可能な広島県のライブハウス…

【音楽文アーカイブ】“それぞれの夜”に響き渡った人間讃歌 〜amazarashiライブツアー『未来になれなかった全ての夜に』ライブレポート〜

去る5月31日、amazarashiのワンマンライブツアー『amazarashi Live Tour 2019 未来になれなかった全ての夜に』の広島公演が、上野学園ホールにて開催された。 スマートフォンアプリを用いて検閲を解除するという、前代未聞のライブを展開した武道館公演から…

【音楽文アーカイブ】生きた証、ここに 〜アヴィーチーのニューアルバム『TIM』の存在意義を問う〜

先日アヴィーチーのニューアルバム『TIM』が、全世界同時発売された。CDアルバムの発表というのは通常、アーティストにとって最も重大なトピックとして語られることが多い。先行PVとして公開された楽曲の大半が収録されるだけでなく、アルバムを携えたツアー…

【音楽文アーカイブ】ファンが夢見た一夜限りの〈物語〉フェス 〜堀江由衣、花澤香菜らのキャラクターソングで彩られた、極上のファンイベントを観た〜

5月11日、幕張メッセイベントホールにて、物語シリーズ10周年を記念したイベント『〈物語〉フェス』(以下・物語フェス)が開催された。今回はそのレポートを記したいと思う。 レポートに進む前に、まずは今回のイベントの概要から説明する必要があるだろう…

【音楽文アーカイブ】ありきたりな音楽シーンに落とされた爆弾 〜ビリー・アイリッシュのデビューアルバム、全曲解説によって見えたものとは〜

ビリー・アイリッシュのデビューアルバム『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』が素晴らしい。 ここ数十年間で音楽シーンは、様々な変遷を遂げてきた。しかし今作は「こんなの聴いたことない!」と心から言える、極上のポップ・アルバムである。 聞…

【音楽文アーカイブ】『似非ファン』からwowakaさんへ。 〜ヒトリエの偉大なフロントマンの訃報に寄せて〜

『あの時』から、もう数日が経つ。後悔先に立たずという諺があるが、僕は今でもその言葉を重く噛み締めている。 4月8日、突如公式ツイッターで発表されたヒトリエのwowaka(Vo.Gt)の訃報は、日本列島を駆け巡った。 ひとたび彼の名前をツイッター上で検索し…

【音楽文アーカイブ】yonigeの真髄、ここにあり 〜運命の矢で射抜かれた、ツアー追加公演〜

3月11日、島根県・松江canovaで開催されたyonigeのライブツアー『君のおへその形を忘れたツアー 追加公演(ダーツで決めた編)』に参加した。今回はそのレポートを記す。 今回のライブは昨年に開催されたyonigeのワンマンツアー『君のおへその形を忘れたツア…